Two Medicine 侮るなかれ 〜 Glacier紀行2000・夏(後編) (3)
【9/5/2000】 EPILOGUE 〜 関空までの長く激しい道程
【9/5/2000】 EPILOGUE 〜 関空までの長く激しい道程
Day-11 (9/05) : Kalispellから関空へ。
〜 余裕...、一転、交渉人。 〜
早朝4時半 Kalispell Airport 着。 6:05amのフライトなのでレンタカーを返して余裕、 のはずだった。 5時にカウンターオープン、 朝イチの便に乗る客が並び始める。 既に隣のカウンターで何やらモメている。 大変そうだが所詮ヒトゴト。 がんばってね。 ...が、世の中そう甘くはなかった。 自分の番が来て知った衝撃の事実!! フライトキャンセル。 おいおい、 今日は今からSeattle経由で San Francisco に飛び、 昼過ぎには関空行きの国際線に乗っているはず。 場内が騒然としてきた。 これが飛ばないと San Francisco発関空行UA810便に乗れないのは確実で、 一日ずれたりするとUA810便の空きがあるかもアヤしい上、 今トラブっているのは不幸なことにUAではなく全然別系列の Horizon Air である。 他に並んでいる客も怒ったりがっかりしたりで、 窓口は振り替え対応で忙しそうだ。 客によっては 「このことによって生じた損失を時給計算で補償してくれ」 「大事な会議に間に合わない。多大な不利益をどうしてくれるか?」 と、みなイキリ立っている。
Horizon窓口の女性従業員、 一人はもうほとんどヒステリックに 「私達の責任はあなた達を無事に目的地の空港まで送り届けること、 そのあとは知らない。」 と叫ぶように言い張り、 全然客に対して親身に協力してくれないという、 保身だけが目立つ最低な対応をするおばさん。 この場合の目的地というのは人によっては単にSeattleだが、 ボクの場合はSeattle乗り換えで San Francisco まで。 しかし問題はむしろその後。 Horizon/Alaska系列とは関係ないUnitedでアメリカ脱出をする予定だったボクは、 果たして無事日本に辿り着けるのだろうか?
とにかくまずはカウンター対応が一段落するのを待ち、 Horizon Air に交渉にかかるが、 ヒステリックなおばちゃんはガンとして譲らない。 こちらはそっちの落ち度によって困っている客だというのに、 「ややこしい交渉をするには英語の問題もあると思うのでUAに確認と交渉お願いできないか?」 という要請にも「私達は知らない。あなたが自分で電話しなさい。」 と叫びながら何と、 客の前でデスクを叩きやがった。 逆ギレか? お前ホントに客対応業務のプロか? ボクのそばで同じくキャンセルの憂き目にあった別の乗客が、 「あの従業員の態度は悪すぎだ。」とボクに話しかけてくれた。
仕方ないのでまずはUAカスタマーサーヴィスに電話(フリーダイアル)。 ラッキーなことに日本語で応対可ということなのでそちらに取り継いでもらい、 状況を理解してもらう。 UAの落ち度ではないが、 不可抗力ということでUAに協力を求めることにする。 が、 世の中やはり甘くない。 案の定、 「チケットがHorizon-UA の"Connecting Flight"扱いになっていない」 とのこと。 要するにHorizonの責任は San Francisco まで、 UAはHorizonの落ち度による乗り遅れは考慮せずということらしい。 旅行代理店HISで取ったUA国際便に対し、 Alaska/Horizonの米国内便はHISで取るより自力で取った方がはるかに安いという理由でネット予約したのがこんな所で裏目に。 とにかく本日のUAのフライトはどちらにせよキャンセルする他ないが、 確かフライト日程の振替えならプラス1〜2万円程度でできるはず。 明日のフライトに空きがあるかは問題だが。
しかし、 UAが言うには 「板垣さんのチケットは団体旅行切り売りの格安券なため、Non-Refundable。 UAの落ち度による旅程変更以外の振り替えは不可」 とのことで、 帰りの航空券は 買い直し$1091.00。 えーっ!? 13万円?? 冗談じゃないよHorizon、 どうしてくれるんだ。 なお、 明日のUA関空便、 席は確保できるとのこと。 ただUAのカスタマーサーヴィスとしてはできるだけ協力はするので、 Horizonとの交渉が必要ならまたご連絡下さいとのこと。
さて、 Horizonカウンタではヒステリックなおばちゃんに代わり、 隣で応対していたもう少し若い女性が今度は応対。 この人は瓢々と話を聞いてくれ、 さっきのおばちゃんに比べ色々協力的なので結果的に助かった。 とりあえずHorizonとしては San Francisco より先の話は責任範疇外なので UAから追加料金を請求されてもその補填には応じられないが、 「Re-Bookなのにどうして買い直し$1091.00もかかるの? それはちょっと可哀想」。 よくよくUAとの会話を説明し、 UAの担当者と直接話し合って欲しい旨頼むと、 了解してくれた。 この人とさきほどのUA担当者との間の15分にも及ぶ長い電話の結果、 UAの御厚意により、 今回は特別に Refundable Ticket とみなし、 Re-Book料金 $75.00 で振り替え可ということに収まった。 $1091 に比べると7%である。 でかしたHorizon、 大きな前進だ。
ん? しかし騙されてはいけない。 元々Horizonがちゃんと飛んでいればこれすら払わずに済んだお金。 更にこちらは大事な一日をマルマル無駄にされている上、 例え7%にしても実際$75かかるわけで、 できることなら払いたくない。 がこれはHorizonはやはり払えないということで、 さすがにこれ以上の交渉はここでは無理そうなので一旦納得し、 細かな交渉に入る。 まずはSan Franciscoでの宿泊代だが、 これはあっさりとOKが出た。 Double Tree Hotel に予約が入る。 Double Tree なら文句はない。 次に食費交渉。 ターゲットは今晩のDinner代と明日のBreakfast代。 しかしDinnerは機内食も出るので$5.00しか獲得できず。 Breakfastはホテル内ということで$7.00分確保。 けっこうケチだが、まぁついただけOKとしよう。 交渉の成果だ。 ここで一旦休戦とする。 実はまだまだこちらには作戦があるのだが、 Horizonはこれにてすっかり終戦のつもりでいるらしい。
結局ここまでの交渉で朝の5時からまるまる5時間以上費した。 アドレナリン出まくりの午前中。 今回の旅行中間違いなく一番英語を話している日。 しかも日常会話ではなく "Power Negotiation" だ。 さて、 会社にはもう一日休む旨のメッセージを残し、 その日に出席予定だったビジネススクールのクラスを一回休む旨をスクールに連絡してもらうようセクレタリさんに頼んだ。
- 【ただ今の成果】
- San Francisco の Double Tree Hotel一泊。
- ホテル内で使える夕食用バウチャー$5.00。
- ホテル内で使える朝食用バウチャー $7.00。
- NW/Alaska/Horizon系列のマイレッジ1000miles。
- アメリカ国内長距離連絡用コーリングカード10分ぶん。
- UA片道Δ$1091.00→予約振替Δ$75.00 (明日、UAチェックイン時に必要)。
- ホテル内で使える夕食用バウチャー$5.00。
〜 勝負はまだついてないぞ。 〜
朝イチがキャンセル、 昼の便は空きがないので夕方4時半の便でやっとこさ Kalispellをテイクオフし、 Seattleへ向かう。 たった1時間15分で着くのか。 速い。 しかも1時間時差があるので、 時刻表上は15分しかない。わぉ。
さて、 Seattle-San Francisco間のAlaska Air は5:30発のものを希望したハズだったが、 チケットを見たら一本遅い7:59発のものになっている。 てことはホテルに着くのが夜11時。 そんな遅くまでDinner待ってられるかいっ!!。 ということで(^^) これをネタにSeattle空港内の Horizon Air カスタマーサーヴィスカウンタに出向き、 交渉。 そう、 ボクの作戦とは、 場所(交渉相手)を換えつつ少しづつ成果を獲得しようというもの。 ホテルには夕食時には間に合いそうもないし$5.00は安すぎる、 という論理で、Seattle空港内のお店で使用可のバウチャー$8.00に振り替えてもらうことに成功。 ついでに例のUAチケット振り替え代$75.00もどさくさにまぎれて交渉してみるが、 こちらは Kalispell のカウンターと同じ論理を展開され、 「きっとダメだと思うけど、 ここではなく San Francisco のカウンターで交渉してみて」 といわれ、ここはとりあえず撤退。 $3.00アップとなったバウチャーを用い、 空港内のカフェで夕食をたべつつ、 San Francisco便まで時間を潰す。 いやーしかし今日は長かった.....
- 【ここまでの成果】
- San Francisco の Double Tree Hotel一泊。
- 夕食用バウチャー$5.00(ホテル内) → バウチャー$8.00(空港内)。
- ホテル内で使える朝食用バウチャー $7.00。
- NW/Alaska/Horizon系列のマイレッジ1000miles。
- アメリカ国内長距離連絡用コーリングカード10分ぶん。
- UA片道Δ$1091.00→予約振替Δ$75.00 (明日、UAチェックイン時に必要)。
- 夕食用バウチャー$5.00(ホテル内) → バウチャー$8.00(空港内)。
〜 そして、あっけない幕切れ。 〜
9/6になってしまった。
San Franciscoは13:00のフライトなので、 朝はゆっくり起き、 戦果のバウチャーを使ってゆっくりと朝食を楽しむ... といっても$6.00もオーヴァーしてしまった。 ま、 いいや。 ホテルでは安眠し快適であった。
ホテルをチェックアウト後、 シャトルバスで空港に着いた頃、 再びアドレナリンが全身にみなぎり始める。 最後の戦になるであろう$75.00返還交渉に入るためだ。 San Francisco空港に Horizon Airのデスクがあるかは不明だが、 チケット自身は Alaska Air名義で買っていたため、 Alaska Airのデスクで交渉すれば良かろう。 しかしいきなり行っても何の領収書もないため説得力にかけると思い、 まずはUAでチェックインをして$75.00の領収書を貰ったのち、 それを振りかざし Alaska Airカスタマーサーヴィスカウンタに殴り込みをかける作戦を立てる。 UAにチェックインしてしまえば重い荷物も一気に軽くなる。
さて、 UAカウンタにて。 「これは昨日のチケットだが、 Horizonのエンジントラブルにより間に合わなかったので、 既に本日分に振り替えてもらってあるはず。」 とだけ言い、 それ以外何事もないかのようにチェックイン手続きをしてもらう。 荷を預け、 新しいボーディングパスを発行してもらったところで、 "You're all set"。 およよ? $75.00は???
あっけない幕切れ。 実はちょっと狙っていたとは云え、 さすがに驚いた。 ラッキー。 You're All Set だ。 てなわけで$75.00も結局払わずに済んで Happy Happy な気分で乗り込んだ関空便なのであった。
- 【最終結果】
- San Francisco の Double Tree Hotel一泊。
- 夕食用バウチャー$5.00(ホテル内) → バウチャー$8.00(空港内)。
- ホテル内で使える朝食用バウチャー $7.00。
- NW/Alaska/Horizon系列のマイレッジ1000miles。
- アメリカ国内長距離連絡用コーリングカード10分ぶん。
- UA片道Δ$1091.00→予約振替Δ$75.00 →Δ$0.00。
- 夕食用バウチャー$5.00(ホテル内) → バウチャー$8.00(空港内)。