中近東・トルコ

イスタンブール、時はゆるやかに
澁澤幸子

新潮社/1993年刊行
新潮文庫/1996年刊行
トルコは豊かな歴史と自然を持ち、人々は親日的で親しみやすく、一度行くと何度でも行きたくなってしまう魅力的な国です。筆者もそんなトルコの魅力に取りつかれたひとり。この本にはイスタンブールとの最初の出会いと、その後2回目と5回目のトルコ内陸部の旅行について書かれています。持ち前の好奇心と人柄で友達をどんどん作ってしまい、どこへ行っても人気者のサチコ。読み進むうちにこっちまで一緒に旅しているような気分になります。それに加えてこの国の文化や歴史に対する知識と理解が折り込まれ、とても質の高い旅行エッセイになっています。


イスタンブールから船に乗って
澁澤幸子

 新潮社/1996年刊行
 新潮文庫/1999年刊行
上の続編。今度の旅ではイスタンブールから船で黒海を渡り、黒海周辺の村をまわります。歯医者に駆け込んだり、全財産の入ったバッグを盗まれたり、といろいろハプニングにも遭遇しますが、周りの人に助けられて楽しく旅を続けます。相変わらず歯切れのいい生き生きした文章は、読んでる自分も一緒に旅しているような気分になれます。
 第三弾の「イスタンブールからバスに乗って」では地中海地方からキプロスまでを旅してます。こちらも文庫化が待たれます。


太陽と砂漠の国々
 ユーラシア大陸走破記
徳岡孝夫

中公文庫/1991年刊行
東京オリンピックの前年、国産車で聖火の中継地をたどりユーラシア大陸を横断するキャラバンがありました。この本はダイハツと毎日新聞の共同事業であるこのキャラバン隊の隊長を務めた記者が残した紀行文です。ギリシア、トルコ、レバノン、ヨルダン、シリア、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド…。初めて目にする美しい自然や文化、出会った人々との交流を糧に、悪路や砂嵐などのハプニングや団員同士のトラブルを乗り越えてキャラバンは進んでいきます。まだ自動車大国として名を馳せる以前の日本の小さな国産車が、熱砂の砂漠をずんずん越えていく姿にはワクワクしてしまいます。




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