今まで使用してきた観測所は100%自作のスライディングルーフ型、91年2月に製作を計画
して作業に入り、完成したのはその年の5月3日でした。

それから10年が経ち、天文ガイド編インタラクティブ・アストロノミー誌にも自作記事が出た
ほど、いろいろな場面で活躍してきた愛用の観測所も、長年の風雨でいたみが激しくなってき
たので、そろそろ引退させて新しい観測所に交代する時期がやってきました。

新しい観測所は、自分が年齢的に自作するほどの体力がなくなってきたので、自作はあきらめ
て市販の観測所を購入することにしました。
これからこのコーナーでは、新しい観測所が完成するまでの記録を時間の経過とともに載せて
いきたいと思います。(2001年6月)
計画・準備作業
ドーム組み立て作業
内装工事から完成まで
完成後の感想
ドーム回転制御装置とソフトの導入

今まで使用してきた観測所、100%自作でした。
中にはタカハシのミューロン250が入っています。主に惑星観測で活躍して来ました。
新観測所の計画(2001年6月)
現在の観測所は、自宅の屋根の上に直接乗せているだけの簡単な構造の木造作りです。
長年の風雨にさらされて、土台の部分が湿気と真夏の熱でボロボロになってしまいました。
今回新しく設置する観測所は2.3mのドームになる予定です。さらに見栄えと足回りを良くする
ために、屋根の補強工事をしてルーフバルコニーを作ることにしました。

ドームは当時「すばる光電子」で販売を始めたオーストラリア製のFRPドームです。
機材は今まで使用してきたミューロン250を、EM200ピラーに乗せて使うつもりでいます。
ドームには電動の回転用モーターを取り付け、2階の部屋から望遠鏡といっしょにパソコンで
動作させる予定です。

こんな感じのドームです。
これからの工事の予定は、8月末までに屋根の補強とルーフバルコニーの設置を工務店に
やってもらうことになっていて、そのあと9月中旬にはドームが設置される予定ですが、輸入
の状況しだいでは遅れることが考えられます。
今の観測所の解体作業(8月11日〜12日)
屋根の工事を始める前に、今使っている観測所の取り壊しが必要です。
業者に頼んでも良かったのですが、自分で苦労して作ったものですし、今までお世話になって
愛着もあるので、感謝をこめて自分の手で解体することにしました。
2001年8月11〜12日取り壊し開始

スライディングルーフの屋根を外したところです。屋根の骨組みが見えます。

壁をはがして、すっかり柱だけになりました。下の土台部分がボロボロに腐っています。

すべて取り壊して屋根の上は何もなくなってしまいました。
観測所のあったところだけがホコリでよごれています。
取り壊しに要した時間は1.5日、天気があまり良くなくて途中雨で中断したりしましたが、予定
通り終了しました。これで20日からのルーフバルコニーの工事に間に合います。
それにしてもこの観測所を作ったときには2ヶ月半も掛かったのに、取り壊しはアッと言う間で
した。簡単に済んでしまい複雑な心境です。本当に長い間ありがとう。
屋根の補強とルーフバルコニー工事(8月24日〜25日)
観測所を取り壊した後に、屋根の補強工事を行ないルーフバルコニーを取り付けました。
工事は平日に業者に頼んだので、工事中の写真がありません。

工事の内容は、波板状の鉄板屋根をクレーンで外し、観測所設置場所に鉄材で補強をしました。
荷重対策と言うよりは望遠鏡のゆれ防止のためで、本当は地面から基礎をやり直せれば一番いい
のですが、そうすると家の建替えになってしまいますので苦肉の策です。

ルーフバルコニーは3.6mx6.2mの大きさで、ドームが2.3mですから充分に広いスペースです。
余裕の場所には小型の赤道儀も充分に置けますので、ちょっとした観望や撮影も出来そう、また
夕涼みや好きな花火もここからなら楽しめそうです。

周りの視界には高い建物は無く、360度見晴らしが良くて良好です。南西方向には富士山、北側
には男体山や赤城山がはるかに望めます。

バルコニーから南側を見たところ、右側は昇降用のハシゴがある。

北側を見たところ、バルコニーに空いた穴は望遠鏡据付のためのものです。

完成予想図はこんな感じでしょうか
アンカーボルト工事(9月15日〜16日)
ドーム据え付けのためのアンカーボルトの取付作業を行ないました。
円形観測室をネジ止めするために、M12ボルトを12本、直径2270ミリの円にそって埋め込み
ました。ボルトはアルミフレームに穴をあけて通しています。

デッキ材の上にアンカーボルトが出ています。

ボルトはドームの仕様書にしたがって取付位置を測って正確に取り付けました。
穴の周りはシリコンを入れてふさいでいます。
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