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内装工事(11月4日) |
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先週の日曜が雨になってしまったので、今日床貼りと電気の配線工事をおこないました。
床はタカハシのピラー脚を使うため接地面より20cmほど高くしています。床の根太は2x4材です。
その上に12㎜のコンパネを貼りました。観測所が円形のため、きちっと計って円形に切るのは
かなり大変でしたが、何とか無事に終了しました。
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床を貼り終わった室内です。真ん中にピラー用に空けた穴が見えます。 |

穴から出ているケーブル類は、冷却CCDカメラでの撮像用です。
現在はLANを使用しています。 |
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床を張った後、赤道儀用ピラー脚の設置をしました。
赤道儀はいままでと同じタカハシのEM-200を使用しますが、足元をすっきりさせるためにロング
ピラーを使います。ドームの不動点が1500㎜と高いので、普通の長さでは高さが足りません。
赤道儀を載せたあと、夜に大体の極軸合わせをおこなって今日の作業は終了です。
後は床の上にクッションフロアーを貼る予定ですが、会社から帰ったあとに少しずつ行ないます。
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タカハシのピラーを立てたところです。EM-200用のLピラーです。屋上まで鉄の
かたまりを運ぶのは大変でした。 |
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その他の作業では、ドーム回転用のソーラパネルの位置を南側に変更しました。
ドーム設置時に仕様上東側になってしまったため、このままでは発電効率が悪くなるので自分で位置を
変更しました。
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最終工事(11月11日)
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いよいよ完成が近づいて来ました。先週は個人的に思わぬアクシデントに見舞われ、ほとんどの作業が
ストップしてしまったので、予定がだいぶ遅れてしまいました。
おまけに前日の土曜日は雨でしたので、今日は朝から大忙しでした。
まずは床にクッションフロアーを貼りました。
床はコンパネを円形に切っただけでしたので、このままでは見栄えが良くありません。
ディスカウントセンターに行って壁と同系色のものを選んで購入しました。
カーペットも考えたのですが、前の観測所のとき汚れが目立って掃除が大変だったので、今回はクッシ
ョンフロアーにしました。汚れたら簡単に雑巾で掃除できる利点があります。
作業では壁の凹凸にそって切るのが大変でした。壁とクッションフロアーの間の隙間は、シリコンコー
キングでうめました。
午後から最後の仕上げ、望遠鏡のセッティングをおこないました。
鏡筒はタカハシのミューロン250です。重い鏡筒を一人で屋上に運ぶときには、もしも落したらと
思ってヒヤヒヤしました。鏡筒を毛布に何重にも包んで運びました。
この鏡筒は電動のフォーカシング機能を備えた惑星向きの光学系です。口径は25cmでF10と焦点距離
が長めです。惑星以外にも、冷却CCDを使って星雲・星団の直焦撮像をおこなっています。
赤道儀のコントローラーはNS企画の「DOG」を使用しています。今ではだいぶレガシーな装置です
が、天体の自動導入機能を備え、パソコンに接続してリモートコントロールが可能なので、ドーム内に
いなくても別な部屋からコントロールできるようになっています。
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望遠鏡関係の配線をしてすべての作業を終え、テストも完璧でした。夜に極軸の微調整をおこなって
今日から使用開始です。
この観測所でのファーストライトは、まず土星を冷却CCDで撮像する予定です。
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完成した2.3mシリウスドームと観望中のミューロン250です。 |
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6月に計画を練り始め、7月に「すばる光電子」のシリウスドームを天文ガイドの広告で見つけて注文
し、8月の暑い日に旧観測所の取り壊しと屋上のバルコニー設置をおこない、そして10月についに
ドームの完成と、足早に計画を進めてきました。
順調に進んでいた計画の中で、ドームの到着が半月ほど遅れましたが、かえって落ち着いて考える時間
ができたので、待たされた分納得のいく観測所ができたと思います。
観測所の建替えはシリウスドームの広告に出会わなければ、たぶん実現はしていなかったと思います。
理由は価格が外国産と格段に違うからで、国産ドームでは予算のやりくりができなかったと思います。
価格の違いはきっと販売するシェアの違いや、生産ロット数の違いによるものだろうと思うのですが、
これだけ価格差があると「安かろう悪かろう」と誤解されてしまうんじゃないかと、余計な心配をして
しまいました。
現にこの私も実物を見るまでは半信半疑で、実際に入手してみて今まで見てきた他のドームと比べても
遜色ないことが確認できて安心した次第です。
これからこのドームで新しい観測の日々がスタートするわけですが、ぜひアフターサポートを含め「す
ばる光電子」さんの活躍に期待したいと思います。
そしてこの製作記が、これから新しい観測所の設置を考えている方へ少しでも参考になれば幸いです。
最後に、完成するまでの間にたくさんの方にご支援やアドバイスをいただき、本当にありがとうござい
ました。サポートしていただいた皆様と、家族の理解に感謝いたします。 (2001年11月11日)
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