地域情報化に関連したトピックスを掲載します。
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2000/12/18 『行政評価の取り組み状況』
 本日、自治省のホームページにおいて地方公共団体における行政評価の取り組み状況が公開されました。結果によると、既に導入済みの団体は都道府県で51%、政令指定都市で33%、市町村で2%となっています。また、検討中を含めますと、それぞれ79%、50%、5%となり、都道府県レベルでの取り組みが進んでいるのに対して、市町村レベルでの取り組みが進んでいない状況にあります。評価の対象としては、政策、施策、事務事業の3つのレベルがある訳ですが、事務事業を対象としている地方公共団体が多いようで、実施・試行・検討中の団体の概ね8割以上を占めています。これに対して政策を対象としている地域は少なく概ね3割未満となっています。
(私見)さて、一見、情報化トピックスに直接関係ないように思われます行政評価を取り上げたのには2つの理由があります。1つは情報化施策も行政評価の対象となるということです。現在、見直しが叫ばれている公共事業ではありませんが、これまでの情報化施策においても無駄な情報システム構築は数多く進められてきたと思います。多額のお金をかけて構築したにも関わらず、ほとんど利用されなかった情報システムも少なくないでしょう。公共事業程、金額が大きくないのであまり問題になりませんが、情報化施策に関しても、随時見直しを行う必要があります。特に国の支援施策を踏まえた情報化の取組の中には5年間等の比較的長期間に渡るものもあり、評価等を踏まえて随時見直しを図ることが望ましいと考えられます。
 もう1つの取り上げた理由は行政評価のコストにあります。最近の行政評価の取り組みを見ていますと、民意を取り入れた評価を行うために大きなコストを要しているように見えます。導入間もないこともあると思いますが、あまり大きなコストをかけて評価を行っても、逆に非効率的ではないかと私は思います。そういったことから情報通信技術を活用して効率的に行政評価を行ってはどうかと考えています。インターネットによる住民投票、広聴、CS調査等を駆使することにより、行政評価を効率的に進めることができるのではないでしょうか。
http://www.mha.go.jp/click/003.html

2000/11/28 『川崎市電子行政サービス調査』
 川崎市では、現在,よりよい市民サービスの提供や行政情報の透明化を目的として、本市にふさわしい電子行政サービスの充実に向けて取り組んでおり、それに関連したアンケート調査をホームページで実施しているそうです。アンケートはNTTコムウェア鰍ノ業務委託されており、下記のHPで広く回答を募集しているそうです。
(私見)最初の質問からこのアンケート調査はあくまでも実際に紙ベースで行われているアンケートを補完するものであると予想されます。そういう面ではあまり回答を期待していないのかもしれませんが、もし回答数をそれなりに期待するのであれば、期間中は川崎市のトップページにアンケートを実施している旨を常に掲載すべきだと思いますし、また、商品等、回答者に対するインセンティブがあっても良いのではないかと思います。
http://enquete.epro.ne.jp/smartweb/QU/data/DMG01443/kawasaki8.html

2000/10/30 『通信と放送の融合化』
 郵政省は通信事業者が通信衛星やCATVを用した放送事業へ参入することを認める方針を固めたそうで、必要な措置を盛り込んだ法案を次期通常国会に提出するそうです。法案の基本的考え方については、11月6日に開かれるIT戦略会議において説明し、来年度から規制緩和を実施する予定だそうです。
(私見)これまでも横浜のCATV等において、通信事業者の通信回線を利用した放送事業は見られましたが、事業主体は通信事業者と別に設定されていました。しかし、今回行われるであろう上記の規制緩和では、通信事業者そのものが放送事業を行うことを認めており、通信事業者と放送事業者間の競争や提携を促進するのではないかと予想されます。ただ、NTT等、既に通信インフラを有している事業者の競争優位を強める結果にもなる可能性があり、公平な競争促進という観点では望ましいかどうか疑問が残ります。

2000/10/23 『IT講習推進室』
 自治省では本年7月に設置した「地域IT推進本部」の中に「IT講習推進室」を設置したそうです。人的な体制面では、実質的に大臣官房企画室が兼任することになっており、IT講習推進室長=企画室長となります。
(私見)堺屋経済企画庁長官の「IT講習券(案)」に代表されるように我が国では情報リテラシー涵養の遅れが他の先進国と比較したネット普及の遅れにつながっていると考える向きもあります。今回の自治省の「IT講習推進室」の設置は、今年度の補正予算で自治省が要望を挙げている「IT講習推進特別交付金」に対応したものと予想されます。この講習の効果に関しては賛否両論ありますが、「ニーズの高まりからIT関連の生涯学習サービスが抽選になっている」、ということを行政の現場で何度も聞いているので、ある程度の効果があるのではないかと考えております。

2000/10/11 『高度情報化時代における地域づくり等に関するアンケート調査』
 国土庁においては、IT化(情報技術の高度化と社会への浸透)の進展を踏まえた首都機能移転の在り方に関する基礎資料とするために、高度情報化時代における地方公共団体の取組み等についてのアンケート調査を実施したそうです。調査期間は、2000年9月8日〜9月22日で、3,281通発送し、1,535通回収したそうです。
(私見)国土庁が行ったこともあり、回収率は46.8%と高く、有益な情報であると思われます。ただし、結果全体を見ると地方公共団体の情報化に対する取組は依然として遅れている印象を受けます。一番気になったのは、都道府県レベルにおいては3分の2が地域間格差を実感しているのに対して、町村レベルではそれ程実感していないという点です。実際に情報格差が存在しないとは思えませんが、職員が実感していないということでは、情報化の推進力は半減することになります。すべての地域に格差が存在し、すべての地域が情報化を最優先で取り組むべきであるとは言えませんが、情報技術等の社会的変化に地方公共団体の職員がもっと敏感になっても良いのではないかと思います。
http://www.nla.go.jp/daishu/info/joho_jichitai_enquete.html

2000/10/3 『山形県情報化推進計画』
 山形県では、平成8年12月に『山形県情報化基本計画』を策定し、携帯電話のサービス地域の拡大やケーブルテレビの施設整備、各種情報システムの整備等に取り組んできました。しかし、インターネットに代表される最近の「IT(情報通信技術)革命」を背景とし、21世紀に向けて急速な高度情報通信社会の進展に対応した県づくりを早急に進める必要があることから、このたび『山形県情報化推進計画』を策定したそうです。この計画では、県民の「参加」、「交流」、「創造」を促進し、山形県の自立的発展と多様で豊かな県民生活の実現を図っていくため、各種の施策を総合的に推進していくことになっているそうです。
(私見)情報化計画において実施スケジュール、つまりアクション・プラン的な部分を提示できないと、その実効性が著しく低下すると思います。財政等の面から反対があり、明確な実施スケジュールの提示できないのだと思いますが(私も経験があるので)、議会等とも十分に調整を図り、中期的にでもスケジュールを明確にするべきであると私は考えています。なお、自治省が今年度、地方公共団体の情報化に関してアクション・プラン示すことになっておりますが、もしこれに配慮しているのであれば、その必要はないと思います。地方分権の時代において、中央省庁の指針はあくまでも指針であり、地方公共団体は自主的な検討を優先して良いのではないでしょうか。
http://www.pref.yamagata.jp/jsmk/jsplan/suisin.htm

2000/9/21 『奈良県IT推進会議』
 岐阜県IT戦略会議に続いて、奈良県においてもITの名称を冠する会議を設置しました。IT(情報技術)の急速な進展に対応し、産業の振興や快適で利便性の高い県民生活を実現するとともに効率的で開かれた行政経営を目指し、積極的なIT戦略を展開するための全庁的組織として「奈良県IT推進会議」を9月20日に設置したそうです。
(私見)IT化への積極的な取り組みは良いと思うのですが、どうしても動きが硬直的な感じを受けます。各部署の代表者が参加し、横断的な組織になってはいますが、庁内関係者のみで構成されており、ITに関する柔軟で奥行きのある議論が可能であるかどうかは疑問です。政府のIT戦略会議においても各大臣だけでなく産業界の各ブレーンが入っていることを参考とし、庁外の意見を取り込めるような会議にするべきではないでしょうか。また、会議の長に県知事が着任していない部分にも、この会議の位置付けの弱さを感じてしまいます。
http://www.pref.nara.jp/info/other/joho1.html

2000/9/5 『IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針』
 8月28日に自治省から掲題にある指針が発表されました。自治省では、これまでにも地域情報化や行政情報化の推進に関する指針を発表してきましたが、政府におけるIT戦略会議の設置や、電子政府の取り組みに対応し、来るべき21世紀において地方公共団体がIT革命に対応し、情報化施策を総合的に推進していくための新たな指針を示すことにしたそうです。本指針では、2003年度までに電子政府の基盤を構築するという国の方針を踏まえ、地方公共団体として早急に取り組む必要のある事項等について具体的に示すとともに、その取組を支援するための国の施策等についても検討を行っている事項を示しています。
(私見)本指針は概ね電子政府の動きに沿って、電子自治体として求められるアプリケーションを示したものであり、指針の内容に関しては、IT化の側面からしか見ていないという点で不十分だと考えられます。一方、サービスを受ける側である住民や地域産業のIT化に関してはほとんど触れておらず、その点からも、住民や地域産業のIT化が遅れている地方や過疎地域においては現実味が欠ける指針になっているのではないでしょうか。加えて、総合行政ネットワーク、住民基本台帳ネットワーク、デジタル・ミュージアム構想等、自治省としての施策の普及啓蒙の意図が強いことも否定することはできません。
 行政組織内部だけを考えるとIT化は行政改革と密接に関わっており、行政改革と併行した推進を明確に示すことが必要であったと考えます。また、サービスを受ける側のIT化推進施策も併行して実施しないといけないことに関しても触れ、地域のIT化施策に関しても示す必要があったと思います。更に、来年には総務省として再編されることを考えると、縦割り的な指針ではなく、郵政省等の他の関連省庁の施策も反映した方が良かったのではないでしょうか。
http://www.mha.go.jp/news/000828.html

2000/8/24 『岐阜県IT戦略会議』
 8月23日に岐阜県IT戦略会議の準備会議が開催され、岐阜県IT戦略会議を設置することが決定されたそうです。複数の会議で構成され、県会議、市町村会議、産業経済会議、専門家会議において9〜10月にかけてアイデア出し、検討が行われます。そして、これらの複数の会議の代表者で構成する岐阜県IT戦略合同会議を11月頃開催し、各会議の検討をもとに、施策に関する提言や県のIT戦略を盛り込んだ中間報告をまとめる予定になっています。更に中間報告をもとに県各関係部局が施策化を検討し、12月から来年1月に開催される岐阜県IT戦略代表者会議(準備会議から移行)で内容を審議・決定する予定です。
(私見)情報化の先進県として岐阜県がIT戦略会議を設置した試みは評価できると思いますが、会議の数が多く、短期間でうまく意見を集約できるのか、施策に反映できるのか、いささか疑問な部分もあります。資料には「住民生活のためのIT戦略」という言葉が使われていますが、住民の意見が反映される仕組みが十分に考慮されているか、現状では不明確です。

2000/8/22 『米国のインターネット人口』
 米国のNielsen Medsia Research Inc.とNetRating Inc.による調査によると、米国のインターネット人口は約1億4,400万人であり、総人口の約52%に当たるそうです。1年前の調査では、インターネット人口が約1億460万人で、割合が約35%だったそうで、この1年間で飛躍的な人口増加が見られるそうです。また、米国で問題になっていたデジタル・ディバイドに関しても、昨今の無料サービス普及により、緩和されたとする意見もアナリストの中にはあるようです。
(私見)上記の数値においてある程度の正確性が確保されていると考えると、我が国と米国の情報格差は更に拡大したとも考えられるのではないでしょうか。我が国でもインターネット利用者は確実に拡大していますが、2人に1人というレベルにはまったく及ばないことは明らかです。パソコン等の価格が普及の阻害要因になっているのも事実なのですが、我が国ではそれだけではない理由があるような気がします。

2000/8/8 『ふくおかIT戦略構想』
 福岡県はIT革命の急速な進展に対応し、自県のIT化を進めるため、『ふくおかIT戦略構想』をホームページで発表しました。同構想では、ふくおかギガビットハイウェイ(仮称)の整備を示しており、「自治体初の2.4G大容量光ファイバーによる県内幹線」、「高いセキュリティと信頼性を備える最新の技術を用いたネットワーク」、「県内の主要な都市にアクセスポイントを設置」、「幹線の利用は無料」の特徴が整理されています。
 また、同構想を推進する組織として、IT戦略構想委員会、ギガビット委員会、IT県民会議の3つの設置も示されています。
(私見)全国的に見て九州地方の地方公共団体の情報化への対応は遅れているというイメージを持っていましたが、ようやく一番大きな県である福岡県が情報化に関する方向性を示しました。しかし、内容は十分に煮詰まったものではなく、これを具現化するには時間を要するのでは予想されます。また、イメージでは住民や企業も接続できる幹線整備となっていますが、運営形態や民間企業との役割分担に大きな疑問があります。詳細が示されていないので何とも言えませんが、これまでの構想同様光ファイバー整備ありき、の感は拭えません。
http://www.pref.fukuoka.jp/kikaku/00d080401.htm

2000/8/1 『広島市情報化基本計画』
 広島市では先頃、『広島市情報化基本計画』を策定したそうです。策定にあたっては、幅広い意見を採り入れるために、各界の有識者及び市民の代表からなる「広島市情報化懇話会」を設置し、幅広い提言を受けるとともに、市民の意見を尊重するため、インターネットの電子会議室における市民の意見を反映させたそうです。同計画では、東広島市の情報化のイメージとして、「 PEACE NET広島」という情報通信基盤の整備を示すとともに、以下に示す5つの視点から具体的な情報化施策を示しています。
(私見)この広島市の情報化計画に関しては、気になる点が2つかあります。まず、計画期間ですが、2000年から2010年の10年間になっており、情報通信技術の進展のスピードを考慮するとあまり適切ではないような気がします。もう一つは、具体性です。計画の中では5つの視点から多くの情報化施策が示されていますが、具体的な施策の展開スケジュールが、ホームページでは示されておらず、具体性か今ひとつ欠けている気がします。

・豊かな市民生活を創造できる社会の構築
・誰もが情報を主体的に利活用できる能力の向上
・活力を生み出す産業の育成と支援
・市民に開かれた電子市役所
・安心して情報化社会を過ごせる環境の整備

http://www.city.hiroshima.jp/japanese/kikaku/joho/joho/start.html

2000/7/24 『沖縄の遠隔医療の取り組み』
 沖縄県は、厚生省のモデル事業の指定を受けており、(財)医療情報システム開発センターが実施した 「へき地遠隔医療システム開発事業」の一環として、1999年に 沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システムが整備されました。このシステムは2000年4月1日より沖縄県が本格運用を開始しているそうで、その概要がホームページで公開されました。サービスとしては、テレラジオロジー(遠隔放射線画像診断)、テレパソロジー(遠隔病理画像診断)の2つがあり、データの交換はインターネット上を基本としていますが、VPNを構築し、セキュリティが確保されているそうです。
(私見)離島が多いという沖縄の特徴は経済活動を行う上で不利な点もありますが、インターネット等の情報通信サービスが普及に関しては大きなポテンシャルを秘めていると私は考えています。つまり、地理的な不利が逆にインターネットの利用促進に役立つわけです。現在、サミット、軍事問題等の関係から沖縄には多額の補助金が交付されていると思いますが、情報通信分野を対象としたものも少なくないでしょう。これらが投資が地域の人々を巻き込んだ有効なものであれば、今後、沖縄の地域情報化は飛躍的に進むのではないかと考えられます。
http://www.pref.okinawa.jp/iryou/index_j.htm

2000/7/10 『埼玉県IT活用総合対策会議』
 埼玉県では、県として情報技術による変革に的確に対応するとともに、積極的にITの活用を図り、もって21世紀の豊かな彩の国さいたまを実現することを目的として、「IT活用総合対策会議」を設置し、全庁を挙げてIT活用に取り組むこととしたそうです。なお、具体的な検討に当たっては推進委員会を開催することになっており、会議の構成は以下のようになっております。
<会議の構成> 
 議長    武田副知事
 委員    各部局長
 推進委員会 各主管課長
 事務局   計画調整課、情報政策課
(私見)県としてIT活用に重点を置くことを示した点としては評価できると考えられますが、内部人材だけで適切な対応が図れるかは甚だ疑問な点であります。結果として、外部のコンサルタント、有識者等を活用するのであれば、内部だけで会議を構成するような発表はしない方がよいのではないでしょうか。地方公共団体の中には調達の関係もあり、民間企業の協力、情報提供が無償で得られると考えているところが少なからずあるような気がしますが、そのような考え方で事業に取り組むのは望ましくないと私は考えます。異なるビジネスは分けて考えるべきですし、協力を依頼する場合は、単価を支払って正式に協力を依頼すべきではないでしょうか。まあ、少々の協力であれば、「お付き合い」の範囲で仕方がない部分もあると思われますが。

2000/7/3 『自治省の情報化関連資料公開』
 昨年度末から今年度初期にかけて、政府は行政の情報化施策に関連した資料をたくさん公開していますが、先頃、自治省のホームページにおいても、『地方公共団体における個人認証基盤の在り方について』と『地方公共団体のためのコンピュータセキュリティに関する調査研究報告書』が公開されました。
 前者では、民間の認証サービスを補完する公的で厳格性の高い認証基盤の1つとして、住民基本台帳をもとにした地方公共団体による個人認証基盤整備が示されています。また、後者では、昭和62年に制定された『地方公共団体コンピュータ・セキュリティ対策基準』が時代の変化に則していないという観点から、セキュリティ対策実施の手順や、具体的な対策項目リストを示しています。
(私見)個人認証基盤のサービスを提供するためには、セキュリティ対策等を含め、地方公共団体内部で相応の体制整備が必要となります。したがって、個人認証基盤整備に関しては、行政情報化の進んだ地方公共団体から取り組むことが想定されます。一方、セキュリティ対策に関しては、個人認証サービスの他、各種オンラインサービス等を提供する上で今後不可欠であり、従来の基準で対応している地方公共団体ではその早急な見直しが望まれます。また、セキュリティ・ポリシーの作成等も今後、不可欠になると考えられます。
http://www.mha.go.jp/kokusai/pdf/ninsyou.pdf
http://www.mha.go.jp/kokusai/pdf/security.pdf

2000/6/26 『高知県情報化計画の中間評価』
 高知県では、1995年に『高知県地域情報化構想』、1996年にはこれを基に具体的な事業施策を提示した『高知県情報化計画』を策定して、地域情報化の推進を行っています。同県ではこの度、この情報化計画の推進状況に関して、中間評価をとりまとめてホームページで公開を行っています。
(私見)郵政省のテレトピア計画に関しては進捗状況の報告が義務づけられているものの、地方公共団体が独自に策定した情報化計画に関しては、定期的な評価を行っている事例はほとんど見られず、また、これを一般に公開している事例は皆無に等しいと思われます。したがって、定期的に評価を行い、これを公開した点に関しては、高知県の取り組みは評価に値すると考えます。しかし、公開されている評価内容に関しては、施策の必要性や客観的な評価指標に関して、十分な説明が行われているとは言えず、進捗状況の説明に終始している感もあり、真の意味での評価にはなっていないような気がします。
http://www.pref.kochi.jp/~jyouhou/2001/index.html

2000/06/05 『CATVの加入世帯増加(2)』
 郵政省の発表から1週間ばかり過ぎましたが、CATVは一昨年度に引き続き順調な普及の伸びを見せているようです。1999年度末のケーブルテレビの普及状況(速報値)は、自主放送を行うCATVの加入世帯数が949万世帯で対前年度比19.6%増となっております。また、全国での普及率も20%を超え20.3%になったそうです。
(私見)実は我が家も昨年度CATVに加入しておりまして、増加した加入世帯数の1世帯を担っております。しかし、これは電波障害のために大家さんが無料で入ってくれたもので、私はほとんど利用しておりません。民放以外にいくつかのチャンネルが見えますが、実際のところあまり見る暇がないというのが現状であり、あまりメリットを感じておりません。そう考えると、949万世帯の内、本当の意味で多チャンネルサービスやインターネット接続サービスを嗜好して加入している世帯がどの程度の割合を占めるか、ということが、今後のCATV事業の発展を占う意味で重要な気がします。

2000/5/30 『IX構築に関する研究会(仮称)』
 津市では、21世紀の来るべき本格的なインターネット時代に向けて、安定した情報交換の確保と障害等、危険分散への的確な対応等の課題に対応する地域IXの整備とIX間の自律ネットワークを実現することを目指して、「IX構築に関する研究会」(仮称)を設立するそうで、本日都内で第1回目の研究会が行われた模様です。研究会には民間企業16社、4つの大学、3つの省庁、3つの地方公共団体が参加することになっています。
(私見)三重県では以前から地域IXの検討が進められており、1998年3月に策定された『MIEマルチネットワーク基本計画』にもその整備について触れられております。地域内の効率的な情報の流通や大災害の情報伝達等を考慮しても地域IXは必要であると考えられますが、その運営は民間主体で効率的で時代に則したものにする必要があります。某Y県で整備された地域IXは回線の容量が小さいため現状では東京を経由したトラフィックの方が速く伝達されると伺っています。IXの運営コストに関して詳しいことは知りませんが、非常時にはトラフィックが増加すること等を考慮して、費用対効果を最大化できるような地域IX整備について検討を進めていただきたいと思います。

2000/5/25 『インターネット利用人口の増加』
 郵政省は1999年度のインターネット利用人口が前年度より約1,000万人増加し、約2,706万人になったことを発表しました。99年2月からサービスを開始したiモード等の携帯電話によるインターネット接続サービスの貢献が大きいわけですが、郵政省の調査では携帯電話からの利用による増加を約367万人と見積もっているそうです。
(私見)公開されている統計データから、iモードを始め、他の移動体通信会社のインターネット接続サービス契約者は2000年3月末に約700万人弱程度ではないかと推測され、つまり半分ぐらいは新規のインターネット利用者と推測されていることになります。携帯電話によりインターネット利用人口が大幅に増加していることは否めませんが、携帯電話によるインターネットの利用をパソコンからのインターネット利用と同等に扱ってよいのかどうかについては疑問が残るところです。

2000/5/15 『例規集』
 まだまだ少ないですが、例規集をホームページで公開する地方公共団体が出てきています。高知市では以前から試験運用していた例規集のページを4月から正式に運用を開始しております。例規集に登載されているデータは2000年1月1日現在のもので、年3回の更新を予定しているそうです。例規集のページでは高知市の条例や規則等を,目次,五十音順,キーワードによって検索することが可能です。高知市以外にも、新潟市、金沢市、碧南市等でも例規集をホームページで公開しており、碧南市では市議会の会議録と一緒に公開されています。また、黒部市では本年度、市例規集検索システム導入費として1,500万円の予算が確保されているそうです。
(私見)このような例規集を住民個々が見ることは少ないと思いますが、行政の透明性確保という面で効果はあると考えられます。一方、庁内でイントラネットを構築している場合、行政内部における利用という面では非常に有効であると考えられ、各部署で分厚い例規集を置くスペースを削減でき、また、複数の人が同時に利用できる等のメリットもあります。
http://www.city.kochi.kochi.jp/reiki/top.htm
http://www.city.niigata.niigata.jp/city_guide/reiki/reisys/toppage.html
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/reiki/
http://www.city.hekinan.aichi.jp/reiki/newpage2.htm

2000/5/11 『情報化プラン構想(まつやまインターネット放送局)』
 松山市では、1997年3月に策定した「松山市地域情報化に関する実施計画」に基づき、地域の情報化を推進してきたが、近年の技術革新、行政改革、市民参加等の流れの中で、更なる「市民情報サービス」の向上を図るため、「情報化プラン構想」を策定したそうです。本構想では、21世紀型のホームページとして「まつやまインターネット放送局」を開設して、オンラインによる各種行政サービス提供や、市民参加の推進を図ることが示されています。
(私見)「日本一の情報流通都市」を目指すという、同構想のスタンスに意欲を感じました。地方公共団体の計画でもたまに「日本一の...」というフレーズを見かけますが、情報化に関連したものではほとんど見かけません。ただ、「情報流通」とせず「情報発信」とした方が良かったのではないか、と個人的には思っております。郵政省の情報流通センサス等を見ても、都心と地方の情報格差は情報流通量より、むしろ情報発信量にあり、そういう点から情報発信を強調した方が良かったような気がします。「情報発信」より「情報流通」の方が総合的であり、フレーズとして分かり易いという点も分からない訳ではありませんが。
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/news/johoka/index.html

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