TOP[INDEX] [EunosRSindex][ちょっとだけ試乗記][石頭の車歴][トラブル&メンテ][部品&用品]ロードスターで峠 [編集後記]


平成3年型のユーノス・ロードスター。少々くたびれてきた相棒と,そしてこちらもくたびれてきた自分自身に鞭打って,ときおりワインディングへとさ迷っています。といっても,峠を本格的に攻めるほどの腕も若さも,それに度胸も根性もありません。ただ日々の生活に倦んだ時,ささやかな非日常の世界に逃避したくて,車首をワインディングへとめぐらす次第。それに“峠”という言葉が持つ,未見への憧憬のような感覚を満足させたくて…。ちょっぴりタイヤを鳴かせながら,ネ。

MENU

見晴峠 戸越峠 小原峠 東光峠 野麦峠 本坂峠etc.

 ※ 文中の車名(型式)については,[石頭の車歴]を参照してください。

見晴峠(みはらしとうげ) 国道363号線

最近までよく走りにいっていたのが,愛知県瀬戸市から岐阜県土岐市へ抜ける見晴峠。国道363号線という立派な名前がついているものの,たとえば尾張旭市南部を通る部分に見られる,幹線道路然としたイメージとは大違い。いかにも地方の3桁国道にふさわしい風情の道になっています。

道幅が狭く,もちろん見通しも悪くて速度が上げられない道で,峠の瀬戸側がいわゆるワインディングになっています。これに対して,岐阜県側はかなりきつめのアップダウンはあるものの,道幅が広くて路面の状況も良く,また見通しのよい道になっています。どこまでもアクセルを踏めそうではありますが,高速コーナーを全速で飛ばす勇気もテクニックもない私にとっては,単なる移動区間にしかなりません。

さて,瀬戸の品野から登ってゆくと,緩やかな中速カーブに続いて,けっこう急なコーナーが次々に現れます。しかしここからは低速コーナーが多いことから,スキール音が出るような状態までもっていっても,さほど不安を感じずにリズムを取って走れます。ブラインドコーナーが多いものの,センターさえ割らないように気をつければ,木立の間を縫い,田んぼの横を駆け抜けるのはなかなかの気分です。バイクによる,いわゆる「ローリング」防止のためか,ところどころ路面に縦方向の溝が切ってあるのが珠に傷ですね。

アクセルワークが楽しめる適度なアップダウン,それに下手の横好きのおじさんにも丁度いい長さがお気に入りでした。かなりタイトな(曲率も道幅も)部分と,そこそこアクセルを踏める区間とが交互に現れ,適度な緊張と開放感の反復がなかなか楽しませてくれるコースです。そんなこんなで,まさかこんな道でカニ走りする輩もいないだろうと,たかをくくっていたのですが…。

しかしある日,偶然ガソリンスタンドでいっしょになった若い知り合いに,「見晴峠はいいですよねえ! 僕たちも夜,よく走りに行きますよ」といわれて以来,足が遠のいている今日この頃です。なにしろ彼はランエボWを駆っての,瑞浪モーターランドのスポーツ走行の常連らしく,おまけに近々,サーキット専用のスターレットを手に入れようという本格派。慣性ドリフトなんかを使いこなす,元気な子達の邪魔をしたくないですから…。

MENU

戸越峠(とごえとうげ…と読むんですよね?)県道33号瀬戸設楽線 

瀬戸市から藤岡町へ抜ける県道33号線。AE86に乗っていたころから,ちょくちょく遊んでいました。見晴峠に較べ,見通しのよい走りやすい道です。ただ「峠を走る」というには,少々気後れするくらい短い区間ですが…。まぁ,ちょっと気分転換という時,1〜2往復すれば少しは気が晴れるというものです。

瀬戸方面からは,東大演習林作業所の横を通って,峠のピークまではほぼストレート。ストレスが溜まっているときには,つい右足に力が入ります。道幅も広く,鬱蒼とした木々の間を分水嶺に向けて一気に駆け上がります。かえってまだ峠には遠い,雲興寺付近の赤津川沿いのあたりの方が,気の抜けないワインディングといえます。道幅が狭いうえ,見通しが悪く,対向車がくると…。

ピークを過ぎての軽い右コーナーの後は,急降下をしながら深くまわりこむ左コーナー。ここからはヘアピンの連続で,一気に駆け下ります。コーナーとコーナーを繋ぐストレートがごく短いだけに,しっかり荷重を切り替えないとドアンダーが出そう。テールがちょろちょろしたがるのを意識しながら,タイトなコーナリングの醍醐味を味わえます。おおむね下りきった辺りからはスピードの乗る区間。下りとはいっても斜度がぐっと減り,見通しも良くなります。ヘアピンの区間はハンドリング中心で,速度は押さえ気味だっただけに,ここからの中速コーナー区間では,ついつい速度が上がりぎみ。いささか豪快な走りが楽しめます。

逆に藤岡町側からアプローチすると,川沿いの木立の中の道を調子よく飛ばした後,急な左ターンをきっかけに登りへと転じます。しかし,このあたりから路肩のかなり広い部分に,ダンプが落としていった砂が浮き,道幅が広い割にとれるラインは限られてしまいます。もちろん流すようなペースであれば,少しくらい砂を踏んでもどうという事はないのでしょうが,調子に乗ってつっこむと,いっぺんにアウトへもって行かれそうです。ましてや,たまにCBX125Fで走るときはおっかなびっくり。我ながら,なさけないなぁ…。

なんだか走り屋御用達の雑誌の峠紹介記事みたいになってしまいましたが,車の挙動を感じ取りながら走るのにはいい道ですね。適度なストレス解消になりそうです。ただし,例の砂を落としながら走るダンプも少なくありませんから,タイミングを見極めるないと,ディーゼルの黒煙を浴びながらの難行苦行になってしまうのはいうまでもありません。

MENU

小原峠?(おばらとうげ…ほんとかな?)国道419号線 

愛知県豊田市から,西加茂郡の藤岡町・小原村を通り,岐阜県瑞浪市で国道363号線に合流する国道419号線。そのうちの県境の部分が気持ちの良い峠になっています。いくつかの地図を調べてみましたが,いずれにも峠の名前は出ていませんでした。最上部にあるトンネルの名が「小原トンネル」なので,仮に「小原峠」としておきます。こうした峠道の場合,頂上近くのトンネルに峠の名が付けられることが多い様ですから…。もっとも,単に小原村にあるから「小原トンネル」なのかもしれませんね。どなたか,教えていただけると幸いです。

まずは瑞浪市側からアプローチしてみましょう。国道363号と419号の交差点,八王寺神社の巨大な一対の狛犬の前からスタートです。初めは,わずかな登り勾配の緩いカーブと直線が続きます。ついついスピードが上がりがちで,気持ち良くアクセルを踏んでいると,テンロククラスでもすぐに3桁の速度域に突入です。大きく左に回りこむところから,本格的なワインディングが始まります。

この左カーブは,けっこう長い中速コーナーで,横Gを楽しむことができます。緩い右カーブの後,再び長い左コーナー。きつめの登り勾配ですが,スピードも乗っていますから,しっかりとしたブレーキングが必要です。その後も,右へ左へとコーナーが続きますが,道幅が広く,路面の状況もよいため,快調に飛ばせます。調子に乗ってオーバースピードにならないように…。最後の緩いカーブと直線の向こうに「小原トンネル」が口を開けています。

小原側は直線と中速コーナーの連続で下ってゆきます。瑞浪市側に比べると,一部路面の良くないところがありますから,コーナリング中は息が抜けません。直線でスピードが乗ると,制動時には断続的にABSが作動します(私のユーノスは,ABSが装着可能になった最初のタイプです)。たいした勾配ではありませんから,そこそこにアクセルが踏めてしまいます。加速と減速のバランスがそれなりに楽しめる道です。

くだり勾配が急になり,短いコーナーが左右に連続すると,ワインディングはおしまいです。道路の右側にある「柴田豆腐店」で,評判の豆腐でも買っていってください。田舎風のしっかりした硬めの豆腐で,冷奴でも湯豆腐でも,おいしく食べられます。うっかりしていると,見落としそうな地味な店構えです。売り切れ次第,店じまいするそうですから,夕方だと手に入らない場合もあるようですが…。

逆に小原側からのアプローチだと,登りは路面の荒れがあまり気にならず,一気にトンネルまで上がります。夜間はそれなりに緊張しますが,見通しが良いため,明るいうちは気楽なものです。それに対して,下りはなかなかスリリング。どこまで速度を上げられるか,挑戦したくなってしまいます。私の身長とユーノスの組み合わせの場合,右コーナーでちょうどピラーが視野をさえぎってしまい,首を捻じ曲げてのコーナリングになるため,横Gとあいまって,いかにもいかにもの気分です。

ユーノスを手に入れたばかりの頃は,週に1〜2回は夜走りにいっていました。交通量がわりあい少なく,練習には最適でした。速度が上がりすぎるきらいがあるのが,困ったものですが…。

MENU

東光峠? 県道207号定光寺山脇線

この峠も,名前が定かではありません。瀬戸市曽野町から定光寺町へと抜ける峠道です。道が分水嶺を越える地点の,その真上に架かる東海自然歩道の橋の名が「東光橋」なので,あるいはそうなのかと…。いいかげんで,すみませんねぇ。閑話休題。AE86に乗っていた一時期,仕事の帰りによく走りに行っていました。最近は「走りに行く」というより,移動のルートに使うことが多くなっています。瀬戸から愛岐道路を使って,多治見へ抜ける際の近道なのです。

曽野からアプローチする場合は穴水橋の信号交差点がスタートになります。短い昇りの直線の後,急角度で右にターンし,続いて長い左コーナーです。昇り坂の上,曲率がだんだん緩くなりますから,かなりアクセルを踏み込んでも大丈夫かな?ま,無茶はしないように…。ややフラットになった道は,大きく左右に蛇行しますが,見通しがいいのでついついスピードが乗ってしまいます。直線の先は左コーナー。ここから峠まで,ワインディングが続きます。次ぎの右コーナーだけはやや低速ぎみのコーナーですが,あとは中速コーナーの連続です。テンロク級だと,私のような下手でもフルスロットルが踏める瞬間があります。

この辺りは道幅がさほどありませんから,ガードレールや石垣とお友達にならないように!特に頂上から手前二つ目の右コーナーでは,かなりスピードが出ているだけに,視界の左に迫る石垣の迫力といったら…。昇りとはいえ,かなり踏んでいるせいで,AE86ではオーバーステアぎみになりました。ちょんとブレーキングして左コーナーへ。「荷重移動」なんて言葉が頭をかすめます。道の上に架かる橋が見えたら,昇りはおしまいです。

加速したまま峠を越えると一瞬マイナスGが…てなことは,やらない方が無難。なぜか左の路肩に車が止まっていることがあるのです。あんな所で車止めて,いったい何やってんだろ?さて,下りは緩いコーナーの連続で,道幅もやや広く,路面の状態も良いのですが,斜度がかなりきついのでスピードにはくれぐれも注意して下さい。

実はこの峠で,溝に落っこちたことがあります。忘れもしない1月15日,祝日にもかかわらず仕事に出た私は,せめて気晴らしにと,帰りにこの峠へと車首を向けました。路肩には前夜の雪がヘッドライトに白く浮き上がっているものの,路面は完全なドライ。灰色のアスファルトをいつものように走って,峠を越えたとたん…路面は黒光り。「やばっ!」と思ったときはすでに遅く,車はあらぬ方向へツツーっと。

ハンドル,アクセル,ブレーキを駆使して,なんとか二つのコーナーをクリアしたのが限界でした。ほとんど減速できないまま対向車線へ飛び出し,山側の側溝に右前輪を落としてようやく止まりました。もしも対向車が来ていたらと思うとぞっとします。南斜面では雪解け水が完全に乾いていたのに,北斜面では乾ききらなかったんですね。路面に残った水が,日が落ちてから凍結してしまったのでしょう。あぁ恥ずかし…。AE86での失敗でした。スタッドレスを履いていたのに(T_T)

逆コースもなかなか楽しめます。ただ下りは路面があまり良くないので,状況判断が重要になります。やれが目立つ私のユーノスでは,ボディ剛性の低下が実感できてしまいます。もっともタイヤの劣化のせいで,テールがちょろつくのは自業自得。あ,最後の長い右コーナーは要注意です。昇りの逆ですから,曲率がだんだん強くなる上,路肩に砂が浮いているのです。そのせいか,左側の側溝に落ちた車を見たのは,一度や二度ではありません。前後輪とも落してしまうと,上げるの大変でしょうね,きっと。自分が壁に張り付かなくても,溝に落ちた車に接触したのではたまりませんから,くれぐれもご注意を!

MENU

野麦峠(のむぎとうげ)県道39号奈川野麦高根線 

表題に偽りありですが,これはロードスターどころか,その昔KE20のカローラ・セダンに乗っていたころの話です。昭和50年代の前半だったと思います。ちょっと運転に自信が出てきた,今から思うといちばん危ない時期でしたね(笑)。「ああ野麦峠」で名高い,お助け小屋のある峻険な峠道。当時まだ未舗装だった野麦の道へと,岐阜県側からアプローチしました。国道41号を久々野でそれ,朝日村で国道361号に入り,高根ダムを横目に県道「奈川野麦高根線」へ。

5月の連休のころ,路肩の残雪の間から蕗の薹が顔をのぞかせる,なかなかいい雰囲気。荒れた路面のワインディングでしたが,結構いいペースで駆け上がりました。でも,長野県側へ下る道のハードさといったら…,キックバックの嵐に耐えながら路面をにらんで,肩をがちがちに硬くして…。もちろん景色を眺める余裕などなく,運転を楽しむどころではない状態です。もしかしたら,顔がひきつっていたかもしれません。

それでも無事に帰ってこられたのは,峠道への入り口に立っていた看板のおかげかもしれません。つまり「これから先は,運転の上手な人がハンドルを握ってください」と書かれたその看板に,自分のテクニックの未熟さを謙虚に振り返らせる力があったに違いないと思うからです。

MENU

順次制作します。しばらくお待ちください。


INDEX EunosRSindex 前ページ