第弐代 AE86ECMQF 1983/6〜1989/9 ▲MENU
トヨタ カローラ レビン 3ドア 1600GTV (5MT) 昭和58年型
TOYOTA COLLORA LEVIN 3door 1600 GTVGross130ps 15.0kg-m 935kg ダークグレー(ソリッドカラー)
昔の写真が出てきたので,描き直しました(2001/08/03)4A-G デビュー
初めての新車。前項のように事故でKE20を突然潰されたため,発表されて1週間でスピード成約しました。未明の事故の,ちょうどその日が80系カローラの発表の日だったのです。80系のカローラは,ご存知のようにセダンやハッチバックはFF化しましたが,クーペはFRのまま残ったことと,新型の軽量4バルブDOHCエンジン,4A-GEU(Uは公害対策の意,当時の正式名称。重量123kgといわれました)の搭載が選択の決め手になりました。「アイドリングからレッドゾーンまで0.98秒」というカタログの謳い文句がなるほどと思える,ピックアップの鋭いエンジンでした。本当はリトラクタブルヘッドのトレノの方に食指が動いたのですが,トレノが6万円引き,レビンが15万円引きという事でレビンに決定。基本的に同じ車に,顔の違いだけで10万近くもよけいに払う気になれなかったからです。もっとも,レビンの固定ヘッドもすっきりしていて特に不満というわけでもなく,乗っているうちに結構愛着がわきました。納車まで1ヶ月以上待たされましたが,走り始めてからの街中での注目度はかなりのものでした。特にガソリンスタンドでは,よってたかってという感じで質問攻めにあいました。
メーカーオプションとしてリミテッドスリップデフ(もちろん機械式)を装着。セールス氏に「雨の日は滑って,けっこう怖いですよ」と脅かされながらも注文しました。ディーラーオプションがエアコンとカセットステレオ,それにマッドフラップ。ほんとに何も付いていない車でしたね。今ならホンダのタイプR系のようなのりでしょうか。後になってリアクォータウインドとリアウインド上部のサンシールドも付けましたっけ。
コントロールが楽しい!
この車では,コーナー出口での(パワースライドではない)オーバーステア気味のコーナリングが経験できました。へたくそなりに運転の楽しさを味わわせてくれた車です。発売後15年を経た今もなお,人気を保っている現状にも納得できてしまいます。KE20に倍するパワーに初めのうちは圧倒されたものの,何時の間にかスロットルを床まで気持ちよく踏むようになっていました。そうこうするうちに,公道上でのハーフスピンも2度ほど経験。1回は明らかにオーバースピードで進入,コントロールを失って道路の真中で真横を向きました。もう一度は濡れた路面でのアクセルの踏み過ぎ。立ちあがりでパワースライドどころか一気にテールが滑り,分離帯すれすれで真後ろを向いて止まりました。それにも懲りず「走りは奥が深い」などと悦に入っていたものです。もちろん「頭文字D」の世界には程遠いけれど…。例えば某高速道路の直線区間では,スピードリミッターが効くまでの加速を経験!また別の高速道路では,道路幅が狭く見え,カーブ区間で高速コーナリングの怖さを味わえるような速度域を試してみたり…若かったんです。
この頃でしたか,トヨタのスープラが「低次元ドリフト」と酷評されたのは。そうした意味ではAE86も限界は決して高くない車でした。別項にもあるように,ユーノス・ロードスターの方がコーナーでの踏ん張りはききます。それでもAE86の評価が高いのは,やはりドリフトコントロールのしやすさなのでしょう。私程度の腕で,アクセルワークによって向きを変えられる車って,そうはありませんから。
ダンパーを交換
6万km走行時にクラッチとダンパーを交換。ダンパー交換の効果は著しく,それまでふらついていたコーナーをビシっと立ち上がるようになりました。純正部品に交換しただけですが,発表時に「そのままサーキットが走れる」と評されたGTVの足はノーマルのままでも結構硬く締め上げられており,街乗りしかしない私には特にチューンする必要を感じさせませんでした。ダンパーといえば,納車後間もなく高速道路を走った際,どうもリアのダンピングが悪いと感じてディーラーに持ちこんだら「こりゃ,抜けてますね。交換します」となりました。ガス封入ダンパーが珍しかった頃のこと,「生産が立ちあがったばかりで,品質が揃わないようだ」とのことでした。品質管理にかけては,天下のトヨタなのに…。
もらい事故
その後,T字路で一時停止無視のビスタに右脇腹を刺されて中破。ぶつけられたのがドアの後ろだったのが不幸中の幸い。もう少し前,ドアそのものに突っ込まれていたら,それこそ大怪我をするところでした。この事故の相手が二十歳過ぎの女の子。最初,警察官が相手に妙に優しく,「被害者はこっちなのに,この扱いは何だ?」と憤っていたのもつかの間,ビスタに車検証が積まれていないことが判明し,とたんに警察官の態度が,手のひらを返すように変わりました。現金なものというか,警察官も人の子というか…。一度は修理し,見た目には事故の痕跡すら残らないようになりました。しかし半年も経たないうちに,コーナリング時にリアアクスル付近からジャダーが発生するようになってしまいました。また高速道路のランプウエィなどでは,とんでもなく不安定な挙動を示すようになるに至って,泣く泣く手放しました。結局,6年あまりで9万6000km走りました。