コラードとはスペイン語コラールを語源にもつ造語で、日本語で「疾走する」から来ています。ガルフストリーム=ゴルフ、シロッコなどと似たような流れを持つネーミングですが、日本人にはスペイン語は少しなじみが薄く、わかりづらい名前です。
外観は2+2のテールゲートを持つクーペで少し昔のHONDA CR-Xに似たような形ですが、わずかづつこちらのほうが大きく居住性もよいです。車重はCR-Xと比べられないぐらい重いです。
コラードはフォルクスワーゲンの車なのですが、外注で全てカルマン社で作られていました。一応フォルクスワーゲン初の本格的?スポーツカー?と銘打ってデビューしました。このあたりの感覚はドイツ的なので日本やイギリスのスポーツカーとはかなり違います。
ちなみに カルマンギア カブリオ シロッコ がカルマン社で作られており兄貴分となります。
発売時(1988年)のライバルとしてVolksWagen社が想定していたものはポルシェ944、ホンダプレリュード、トヨタセリカ、マツダRX-7などがあります。今となっては動力性能的にパッとしませんが、想定ライバルと比べても遜色はない仕上がりになってます。
新車時G60のスペック | US仕様 | 日本正規輸入仕様 |
エンジン | PG型 直列4気筒 SOHC スーパーチャージャー 横置きFWD |
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ボア、ストローク | 81.0*86.4mm | |
排気量 | 1781cc | |
最高出力 | 158ps/5600rpm | 160ps/5600rpm |
最大トルク | 22.9kg‐m/4000rpm | |
圧縮比 | 8:1 | |
全長*全幅*全高 | 4050*1685*1330mm | |
ホイールベース | 2470mm | |
トレッド 前/後 | 1440/1435mm 1435/1430mm |
1435/1430mm |
タイヤ | 195/50R15 185/55R15 |
185/55R15195/50R15 185/55R15 |
車輛重量/td> | 1200kg | 1160kg |
最高速度 | 225(km/h) | |
Cd値 | 0.32 | |
0〜60km/h | 4.1秒 | |
0〜100km/h | 8.3秒 | |
0〜400m | 16.9秒 | |
0〜1000m | 29.9秒 |
変速比 | ’90 | ’91〜 | |
1速 | 3.778 | 3.778 | |
2速 | 2.105 | 2.118 | |
3速 | 1.345 | 1.458 | |
4速 | 0.971 | 1.034 | |
5速 | 0.795 | 0.838 | |
後退 | 3.800 | 3.800 | |
最終減速比 | 3.684 | 3.647 |
スペックデータの出所は世界各地のCorradoのHPや各雑誌などからの寄せ集めです。ユーロ、アメリカと仕様が少し違うのでだいたいこの程度と思ってください。
CorradoのLINKへ
ギア比の都合で、出足が悪く街中では、たらたら走ってますが、ひとたび伸び出すと結構走ります。Gラダーと呼ばれているスーパーチャージャーは、がつん!とくるよりパワーバンドに入ってからだらだらって感じです。国産スーパーチャージャーで有名なトヨタMR2の下からガンガン上はつらいという感じとはずいぶん違った感じで、2000回転以下が使い物にならない全域トルクエンジンです。レスポンスの悪さはただ車が重すぎるだけということで間違いないとは思うんですが、スロットルにも問題がありそうな感じです。
このGラダーの構造は一般的なものとずいぶん違ってスクロール型と呼ばれるもので最も一般的なルーツ型より騒音と効率と機械の大きさ及び耐久性に優れてます。こういうと万能のような気がしますが機械精度も同様に高いので生産コストがかなりかかります。またトラブルにも弱く、ベルト切れで全て破損したというような話もあります。
先程出足が悪いと書きましたが、0〜400mの16.9秒というタイムは、このクラスレベルで比べると相当遅いタイムです。スカイラインGT−Rだと12秒台、最近のRVでも17秒台、早いものだと16秒台で走るので街中ではお話になりません。
タイム的にはまったくと言っていいほどたいした事はないですが、いろいろ調べてもコラードG60のタイムは非常にばらつきが多いので、データとしては全然当てになりません。参考程度に考えてください。私自身がコラードを借りて乗っても個体差がありすぎるので、さらに判断不能の状態です。もともとの品質がばらつきがあるのかもしれません。
タイムとは違い最高速度はきっちり出ます。道路条件さえ整えば225km/hで数時間巡航速度として連続で走っても問題ありません。(当然車もきちんと整備されてることが条件です)このあたりはかなりゆとりがあるようです。
速度とギアのグラフを下に出しました。
トルクバンド20kg以上いわゆるトルクバンドに色をつけてみました。おそろしくフラットトルクです。 データは’90年のG60のものです。 最高速なら’91以降のモデルよりも、こちらに分があるようです。 |
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こちらは’91以降のG60の物です。グラフが小さいのでわかりにくいですが、結構違いがあり’90よりもクロス気味です。加速性能ならこちらのほうが有利です。 |
これを見て、私が目安にしてるのは目一杯加速するときに、いつシフトアップするかだけなのです。トルクデータが乏しいので感覚的になりますが3000回転以上はそこそこトルクがあるので、1速2速はREDまで、3速は5000も回したら4速にアップ、5速アップはあまり変わらないので気分次第5600ぐらいで私はアップします。という感じになります。