海外釣行記 メキシコ、レイク・エルサルト |
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★★ 釣行記や写真を頂き感謝!先輩達の体験談こそが次の釣行者の大きな助けになるのですから
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「レイクエルサルト バス・フィッシング・ツアー」 [千葉県・ケンイチ様、埼玉県・ミッキー様]
2008年2月 メキシコ、レイク・エルサルト
■ 日程 |
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2008/02/09 |
成田/ロサンゼルス 大韓航空
ロサンゼルス/マサトラン デルタ航空
エルサルトロッジ チェックイン (泊) |
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2008/02/10 |
終日釣 エルサルトロッジ (泊) |
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2008/02/11 |
終日釣 エルサルトロッジ (泊) |
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2008/02/12 |
終日釣 エルサルトロッジ (泊) |
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2008/02/13 |
終日釣 エルサルトロッジ (泊) |
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2008/02/14 |
AM釣 エルサルトロッジ チェックアウト
マサトラン/ロサンゼルス アラスカ航空
エアポート・マリオット チェックイン |
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2008/02/15 |
ロサンゼルス/成田 大韓航空 |
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2008/02/16 |
成田着 |
■ メンバー
私(ケンイチ) 37歳 ITメーカ勤務 妻子持ち 英語力なし
18歳から愛知県でバス釣りをはじめ、大学時代は琵琶湖、上京後は霞ヶ浦や福島水系をフィールドとする。ワーム系の使い手で、スロー&ディープなねちっこい釣りを持ち味とする。
ミッキー 45歳 ITソフトウェア会社勤務 妻子持ち 英語力なし
関東出身ということもあり、相模湖や河口湖などクリアレイクのフィールドでバス遍歴を重ねる。
釣り方に信念がなく、リグチェンジを絶え間なく繰り返すドライな釣りスタイルが持ち味である。
■ 動機
週末、神田の某居酒屋にていつもの定例会。そこでお互い残り人生の長さを考えると、いったいいつまでバス釣りができるのか?という課題についてミッキーと語り合う。迫り来る体力の減衰と動体視力低下、及び老眼を迎える前に、本場でいっちょロクマルを釣りに行くのも悪くないのでは?と意気投合。ついつい焼酎のペースもアップし、おぼろげだった野望がいよいよ具体化の雛壇に登る。そこからは本サイト殿のフィッシングレポートを熟読し、大物狙いならエルサルトという湖がキテるらしいとの情報をキャッチ、昨年の秋頃から各種準備(道具の新調、職場への水面下での伏線張りなど)に取りかかり、いよいよ2月9日を迎えることとなった。
● 実レポート
■ 2008年2月9日
そもそも長期休暇なんて、この歳になると取得することが難しい。言い訳は吐いて捨てるほどあるが、何といって一番の要因は、中堅ならではの仕事上の責任につきる。30台前半までの身軽な鎧とは重さが違うのだ。こいつの取り扱い次第で、その後のキャリアが大きく左右するため、中堅といわれるこの年代の立ち位置の危うさを実感として改めて思い知らされることとなる。しかしながら逆説的な見方に立ってみれば、全ての依頼をなだめスカして、鉄の意思で日程を確保し、迷惑上等!というある意味達観した思いで犠牲を強いたからこそ、この当日の朝、胸に去来する意地悪い達成感と、後ろ髪を引いてくる自縛霊との決別は、今回の旅への決意をより一層堅牢なものにする。成田へ向かう高速道路にて、そんな想いを抱きながらアクセルを踏む。横のミッキーの横顔には、チャレンジの際には誰もが感じる不安と、まだ見ぬ異世界への実体のない期待とが入り混じった高揚感が、ほのかな赤みとなって頬にさしていた。
国際線の空港に着いてチェックインする際、もっとも恥ずかしい行為と常に感じるのは、スーツケースを床に開けて背中のパンツを見せながら物を探す後ろ姿ではないだろうか?そんなことは他人事と思っていた私に、ついに鉄槌は下された。大韓航空のカウンターでスーツケースの重さを測るため、重量計に乗せた瞬間、カウンター越しの女性の顔が歪んだ。23kgの制限に対して、25kgとのことで、要は重量オーバーである。お姉さんの言葉の節々から、重量課金を支払うよりも荷物を減らして欲しい意図がありありと透けて見える。トラブルに弱いミッキーは、既に緊急事態を告げるパトランプが頭上に点灯している。しぶしぶカウンター横で例の格好でワーム全部を取り出し、手荷物化して再検査すると、ジャスト23kg。その後、過剰なまでに慎重なワームたちの手運搬を余儀なくされた。しかし一難去って今度は、バズーカの荷物タグがLAX(ロサンゼルス)までになっているのをミッキーのねちっこい視線が鋭く捕らえる。お姉さんは引きつった笑みを浮かべつつ、焦燥で指先が震えている。もはや笑うしかない。(マサトランはMZT)
飛行機には約12時間程度乗ることになるので、私は開高健の「オーパ」シリーズを全巻持ち込んで早速読み始める。ご存知の通り、あの当時にあんな僻地に、釣だけのために世界中を旅し続ける男たちの釣り紀行&写真集だが、こういう旅なので共感できる部分が多く、思わずのめり込む。しかし集中しすぎた機内での読書時間が、後々の凄惨たる苦痛の序章となろうとは、この時点ではまだ想像だにできなかった。
ようやくロサンゼルスに到着。手荷物だけ乗り継ぎに預け、体の方はデルタのカウンターで再チェックイン。こっちは夜なのにロスは朝なので、ウララかな朝の日差しが目に眩しい。うつらうつら出国検査を受けると、何故か我々だけ行き止まりの特別な列に並ばされ、何がどうなっているんだ?と、またもや緊急事態。もちろんミッキーのパトランプはけたたましく点灯していることは言うまでもない。なんでも行きと帰りの航空会社が違う&外人&フィックスド・チケットなどの要因が重なり合い、SSSS(Secondary Security Screening Selections)という要注意人物としてマークされるらしく、見事に別室送りに。ここで麻薬所持やら金属探知やら、パンツ(ユニクロのトランクス)まで見られ、なんとか釈放。ミッキーと二人でおもわずビールを煽る(日本時間で夜中の3時頃)。
厳重なボディチェックを受けて
とてつもなく扱いの悪いデルタで2時間、ようやくマサトラン空港へ到着。ほぼ完徹なので、ふらふらになりながら到着ゲートに降り立つと、疲労で灰と化したバズーカ持ちの日本人は目立つらしく、すぐさまご案内。どうやら空港関係者らしく、ロッジの関係者が待つショッピングセンターの駐車場までこの人が連れて行ってくれる手筈になっているようである。しかしこの人がひどい。バズーカを車内に持ち込み、運転中我々に手で固定させるわ、道にナイスなセニュリータを見つけると思わず急停車、投げチューをさんざん撒き散らして再発進するわ。こちらの疲労はピークに到達しており、怒りよりもただ安住のベッドを渇望するのみである(日本時間で朝7時頃)。待ち合わせ後は親切なロッジの関係者夫婦に代わり、この旅「初めて」の親切というものに触れ、胸にこみ上げる万感の想いに、思わず涙腺が緩む。
メキシコというと私の勝手な想像では、タコスとテキーラと武装集団位な陽気なものだったが、この車中から目に飛び込んでくる現実には驚かされた。一様に汚い車、車線のないデコボコ道、砂塵、交差点に停まると群がってくる少年少女、道端に座る所在なき男たち。陸続きではあるが、つい先ほどまでいたアメリカとは違う国なのだ。倦怠に支配された脳に目から飛び込んでくるリアルな刺激のお陰で、眠りもせず道中ひたすら外を眺めていた。
ロッジへ向かう道沿い |
マサトランの街並み |
ハイウェイから一般道に入り、低木の生えた荒涼とした景色が続く中をしばらく走っていると、親切な旦那さんがハンドルを急に右に切った。どうやら唐突ではあるが到着したらしい。エントランスやスロープ、車寄せなんてものはないのか?入り口には酔っ払って異様にハイテンションのアメリカ人(バック・トゥー・ザ・フューチャーのドクに酷似した、明るいハンニバル・レクター)と、オーナーのスイギスが、これまたハイテンションで出迎えてくれた(日本時間で完徹朝の9時)。調子を合わせるにはすでに絶望的な時間だ。ウェルカムマルガリータで異様な乾杯を交わす。ミッキーの話せないはずの英語が異常なキレを見せており、彼もまた臨界点を迎えていることは傍目にも覗えた。部屋に通されたのを最後に、記憶は事切れている。
現地時間で19時頃、食堂(野外である)からの騒々しさで食事の時間であることがわかる。おずおずと訪れてみると、メシキコ人の父子、ドク、アメリカ人の団体8人、2人組が後2組おり、それぞれが楽しそうにトルティーヤを食していた。トルティーヤは全食事に付いてくる板状のパンみたいなもので、ブルーコーン、フラワー、普通のコーンがある。サルサソースやバターを付けて好き勝手に食べるのがこちらスタイル。メインはエビのフリットのバターライス添えだった。どれもおいしい。ドクは一人なので、我々の傍らにやってきて、その後5日間ずっと一緒に食事を共にすることとなる。しかしこのドクとのコミュニケーションこそが今回の旅行に有益な情報と彩りを添えてくれたのは間違いない。
ドクと乾杯
ドクはマイク・ウィリアムズという名前で、ダラスから来ている病院関係者で12月にはコメデーロにいたらしく、日本人の二人組みもいたとのこと(きっとこのサイトのレポートの誰かではないだろうか?)。スパイスと魚嫌いで朝の機嫌は少々悪いが、周りのアメリカ人に我々を紹介してくれたり、聞きとれない英語を解説してくれたり、とにかく親切だった。彼が薦めるズームのフルークは、終盤とにかく強力なツールとなった。また日本と違って、こちらではセンコーはワッキーではなく、ストレートに掛けるとのことで、こちらも結果に大きく影響した。感謝の言葉には枚挙に暇がない。ドクの紹介のお陰で、皆さんからは遠路遥々大歓迎を受ける。お陰で話しかけてきた隣のアメリカ人の老人はこの3日間、一日100本/人とのこと、自ずと期待が膨らむ。
ロッジについての解説も少し。建物が道路に面しているため、アメリカの映画に出てくるモーテルに食堂と中庭を付けて、雰囲気をもっとフレンドリーにした感じか?部屋は青基調の清潔な感じで、トイレとシャワーは分かれており、シャワーからお湯も出るし、強力すぎるエアコンもある。湖畔に面したログハウス風ロッジと少々趣は違うが、釣り目的の宿としては十分すぎる設備だと思う。とにかく食事がおいしい。これはドクも感心していた。ランドリーも料金に含まれており、備え付けビニールに入れておけば、2日に一回取りに来てもらえる。もちろん飲み物は全部飲み放題なので、飲みたいときには食堂に取りに行く。またトイレの水がなかなか溜まらないので、貧便のミッキーは苦労していた。
ロッジの部屋
また気温と服装についての解説も少し。我々のお邪魔した2月は、早朝は10度程度、日中は30度位か?私は朝、ロングTシャツ+フリース+アウトドアジャケット、下は普通の長パンツ。昼はロングTシャツ一枚という感じだった。朝一のボートの大移動時は寒いが、日が出るとすぐ暖かくなる。日差しが強烈なので日焼け止めはマストアイテム。虫はちょっといるが、そんなにいない。しかし虫除けはやっておいた方がいい。
■ 釣り1日目 2月10日
朝5時にロッジの方がコーヒーとオレンジジュースを持って起こしに来る。心配性のミッキーは1時間前から起きて準備万端なため、朝メシはいつか?とイライラしている。彼にはもう少し他の事をしながら待つなど、余裕を持って欲しいものである。真っ暗な中、野外の食堂で朝の食事を頂く。内容は普通で、卵とハム、トルティーヤといった感じ。早々に切り上げ部屋に戻ると、すぐ出発。道具は先んじて持っていってもらえるため、身一つで真っ暗な中、乗り合いバスで移動。ボソボソと皆が話していると看板もないところでいきなり右折、未舗装路をドコドコ揺られると、真っ暗な中にボート数漕と明かりと人が蠢いていた。どうやら到着らしい。道具は全てボートに用意されており、後はボートに乗り込むだけである。これからお世話になるガイド:アルベルトと挨拶を交わし、いよいよ乗船。ちゃんとしたバスボートだったのが嬉しい(メーター類は全部故障していたが)。
ガイドのアルベルトの解説を少し。英語がほとんど通じない(我々も話せない)ので、物静かではあるが、リグ作りから餌の交換、ネット、ハリ外しまで、黙っているとなんでもかんでもやってもらえる。テカテ(ビールの名前)・プリーズといえば冷えたビールもクーラーから取り出してもらえる。まさに至れり尽くせりのサービスである。4歳と2ヶ月のお子さんが二人いる。スペイン語をちょっとづつ教えてもらい、後半は「根がかりかも?」=「アトラード?」、「根かかり外れた!」=「デス・アトラード」、「暑いなー」=「カリエンテ」、位は言える様になった。ギャグも交えて明るいコミュニケーションのお陰で、言葉がストレスになることはない。
アルベルトとの初対面
真っ暗な暁の大移動の後、アルベルトの操船するボートが急にスローダウン。まさかここか?と思っていたら彼はおもむろにエレキを下げた。放たれた言葉は「ポッパ」。私は真っ暗な手元にメガバスポップマックスを取り出した。いよいよこの時が来たかという緊張感と不安の入り混じった中ファーストキャスト。カルカッタのスプールの唸りが紺色の静謐を破り、ルアーが見えない軌跡を描き着水音を立てる。瞬時の静寂の後、いきなりお迎えが水面に出た。トップにも関わらず明らかに日本とは違う音、「バシャ」ではなく「ボバ」に近い。迎える者の質量が日本とは違うのだ。いままでの高揚した旅行モードから、一気に凛とした釣りモードへと意識のパラダイムが変わった。
この後4日間、釣りが続くためこの辺りで道具について述べておきたいと思う。我々はそれほど道具を豊富に持っている訳ではないので、イマカツの5万円ロッドや高級リールを持っている訳ではない。ちなみに私が持ち込んだ道具は、
1. キャロライナ用:7フィートのヘビーロッド、40ポンドのPEライン&リール
2. ミノー・トップ用:6.6フィートのミディアムヘビーロッド、25ポンドのナイロン&リール
3. ワーム用:6.6フィートのミディアムヘビーロッド、20ポンドのフロロ&リール
計3セットである。またフックは5/0のワイドゲイプ・オフセットフックのみ使用。
我々の行った時期は、全体的に魚がシャローにさしており、概ね朝一は広い・なだらかなシャローでの岸打ち、その後は立木の絡むシャローでのワーム釣り、昼前は立木の絡む沖のシャローでのワーム釣り、シエスタ後の午後からは、風の当たるボディーウォーターに面した急なシャロー(ドロップオフ)での岸打ち、夕方は風の当たる岬の先端のロックエリアというロケーションをアルベルトは選んでいた。
この日のビックママ(アルベルトは60cm以上のグランデをこう呼ぶ)は昼前にきた。何故かこの日は9時頃から空が曇り、雷鳴がとどろき始め、パラパラと大粒の雨が降り始めた。そのお陰か午前中の魚の活性が高く、センコーでよく釣れたが、サイズは40cm以下ばかり。満を持してアルベルトがバモノス(移動)した先は、立木だらけの岸から浮いた沖のシャローポイント。こちらは大きいのが出るらしく、その他のボートも多数確認できた。到着後、アルベルトの指示は「カロリーナ」。マグナムリザードを餌につけ、3/8オンスのキャロライナを豪快にロングキャストする。しかしその後我々は、このポイントの、いやエルサルトの隔世の釣りを燦然と見せ付けられることとなる。このポイントでかかる魚は、引きと重量感が今までに体験したことのないレベルであり、ヘビーの竿先が水面に突っ込む、腕の力では支えることができないため脇腹で固定しながら手繰り寄せる、握力が限界に達しグリップを握り続けられない等、いままでレポートでしか読んだことのない他人様の言葉が、ここでようやく実感となって降ってきた。確かに太すぎると思われたラインは急に心許なくなり、リールのドラグはゆる過ぎて後悔し、5/0の超太いフックを伸ばされる恐怖が自然に私を襲う。
立木ポイント
その中にあって、11時後半のあの個体は、他を凌駕する質量と衝撃をもたらした。エルサルトの60オーバーのアタリの特徴は、「コツコツ」とか「グンッ」とかの前触れは全くなく、いきなり「ゴゴーッ」と重くなる。お陰で一瞬パーミングしている手から竿を持っていかれそうになり、反射的に逆の手で竿を迎えることとなる。その後は腕の支持だけでは真直ぐリールを巻くことができないため、腕と脇でグリップエンドを挟んで、体の捻りの力で寄せては巻き、の繰り返しで徐々に手繰り寄せるしかない。その時である、一瞬魚が水面に白い太った腹を見せた。それを見たアルベルトは、今までののんびりムードから一変、機敏な動きでネットを取り上げ前屈みになって「ビックママ!」と叫ぶ。その時初めて私は客観的にこの魚はとんでもなく大きいことに気づかされた。後は無心に手繰り寄せ、アルベルトのネットに乗せるところまでよく覚えていないが、ボートにドカンと置かれた魚体を見た時は、大きすぎることの気持ち悪さと興奮とで、心境を表現する言葉は「!」しか思い浮かばない。実際に持ってみると、お馴染みの片手で口をつかんで持ち上げるポーズが、重すぎて持てない。あれやこれやでリリースすると、思わず座り込んでしまった。この恍惚と虚無感こそが、今回の最大の収穫物であり目的なのだ。結局AMだけで二人で41匹(内、上記60cmと54cm、48cm、45cmなど)。
60cmのビッグママ
昼、ロッジへ戻るとドクは自慢のフルークのノーシンカーでいい釣りができたらしく上機嫌。私にどうだったか?聞いてきたので、60cmが出たと報告すると、この事実がものすごいスピードでロッジ中を駆け巡ることとなった。30分程度シエスタの後、再出発。
しかしメキシコの昼の日差しは筆舌に尽くしがたい。荒野の砂塵と、うろうろいる牛、乾燥が、ここが日本でないことを文字通り肌で実感させる。初日ということもあり、まだペースができておらず、日中の炎天下での集中力はもはや維持すら困難な状態だ。ミッキーは覚えたてのリザード・カロリーナでポツポツ40cmアップが釣れている。私はひたすらテカテ(ビール)をチビリながら惰性で竿を振る。結局日没までやったが、午後はパッとせず二人で17匹にて帰還。
のんびりした昼下がり
アルベルトにチップを払いボートから降りると、何故か日本語で話しかけてくるメキシコ人ジョゼが登場。どうやら日本にホームステイしたことのある方らしく、日本語がしゃべれることにお互い大感激。あなたの日本語は上手だ、君たちを家に招待したい等、たわいのない話をつなぐ。異国の地に来て初めてストレートに感情の疎通ができたため、ミッキーも私もいままで発散できずにいた感情のバルブが一気に緩み、思わず涙ぐむ。
戻り食堂に行くとドクから噂が広まっており、アメリカの8人組みが根掘り葉掘り質問してきてくれた。興味半分と歓迎の意を現したかったのだろう、思いやりと皆さんの笑顔に胸が熱くなる。夜ご飯はステーキで、塩だけの味付けでとてもウマイ。ドクも上機嫌で、私にどうやって60cmを釣ったのか?フルークは素晴らしいぞと、口数が多い。食べたらさっさと皆部屋に戻る。やや刺激の多すぎる初日ではあるが、よい出だしである。その後、ミッキーがシャワー浴びている間に撃沈した(21時)。
■ 釣り2日目 2月11日
飛行機の中、ずっと読書に集中していたため、この段にて持病の痔が悪化していることが判明した。なんということだ。触診にて確認すると、表現するのはとてもハバかられる程ものすごいことになっており、ベッドの上でノタうち回っていたら、見るに見かねた万事準備の男ミッキーが鎮痛剤をくれた。この鎮痛剤がなければ恐らく後半ロッジからの外出もままならなかったであろう。いつも呆れているミッキーの準備力に、このときばかりは感謝せずにはいられなかった。
さてこの日の攻略方針としては、日本から大量に持ちこんでいる様々なルアーに挑戦してみることとする。
朝一、どうもポッパがパッとしないので、ミッキーがM1ミノーを装着しキャストする。これがいきなり立て続けにヒットするので私もミノーにチェンジし、これまた立て続けにヒット。二人でヒットの嵐に逢う。皆さんサイズが小さいといわれるが、1時間で12本釣った内訳としては、55cm、50cm、と40cm以上6本という内容なので我々的には充分すぎる成果である。アルベルトも興味深げにしげしげと我々のミノーを手に取って観察していた。
ミノーで爆釣 |
ミノーで釣った50cmup |
その後は私がリザード・カロリーナで1m〜2mを攻め続け13匹(内5匹40cm超)だったが、ミッキーはセンコーのワッキーを使用していたためパッとせず、ラバージグで入魂の2本を釣り上げて午前中は終了。どうやらやっぱりワッキーよりもストレート掛けの方がいいようだ。ちなみに我々のルールでは40cm以下は無測定、45cm以上が釣れるとテカテ・プリーズという法を施行しており、上物が釣れ続けると大変なことになる。アルベルトも計るに値する上物が釣れると「テカテ(サイズか)?」と確認してくるようになり、日本人の肝臓の強さをメキシコに知らしめる礎を築いたといえる。そんなことでクーラーの中はテカテだらけだった。
さて昨日はシエスタが短すぎて灼熱攻撃に太刀打ちできなくなったため、今日はシエスタ90分コースに変更。これがよかった。鋭気は蓄えられ程よく涼しくなった状態で午後の部スタート。午後の灼熱荒野の中を、我々とドクを乗せたバスが走る。ロッジのすぐ傍にも、ウインドー拭きの子供が立っておりその横で母親が様子を伺っている。我々のロッジとエルサルト湖を結ぶ動線を外れると、そこには素のメキシコが基盤として存在しており、金の力で我々は異国の地で浮き世な時間とサービスを教授することができるのである。罪悪感とは違う、地に足が着いてない違和感を、道中我々はいつも意識させられることとなる。
テカテ・タイム
午後はセンコーのノーシンカーがとてもよく、例のストレートがけで大爆発。また昨日とは違いアルベルトのバモノス先が、ボディーウォーターに面した風の当たるドロップオフだったのが功を奏したようだ。午後だけで二人で34本(50cmオーバー3本)という釣果だった。夕方になると、太陽の赤が世界を朱色に染めはじめ、秋のような色彩の木々や青みが濃い空が出現する。17時半頃になるとボート上に、今日も一日が終わるという哀愁が漂い始めるのだが、同時に実は大物の捕食が始まる時間でもあることを忘れてはならない。17時50分、そろそろお終いかなぁ?なんて思いながら大きな岩の際を斜め気味にセンコーをキャストし、フォールを待つその一瞬、例のアタリが襲った。一日中酷使してきた手首の握力は完全に失われているため、あっと言う間に手からロッドが落ちた。すかさず逆手で握り直し、脇に竿を挟んで体をノけ反らす。重い。エルサルト・バスは大きさに関係なくとても引きが強く、大物でも重量級の巨体が水面を割ってくる。クーラーボックスに座っていたアルベルトの動きが機敏になると、私は大物の確信を得る。ネットをキャビンに置いて現れた上物はサイズこそ56cmそこそこだか、太い。降りてくる蒼い帳(とばり)が一日の最後を締めくくるクライマックスの幕切れを演出してくれたかのようだった。
夕食はドクと我々だけだった。週末に絡めてやってくるお客さんがこちらメキシコでも多いらしく、平日は落ち着いたものである。この日はタコスで、さすが本場のタコスはとてつもなくウマかった。昼も夜も料理は奥のキッチンにいらっしゃる女性一人で作られているとのことだったが、素晴らしい腕前の持ち主だ。思わずお代わりしてしまった。お客さんも少ないこともあり、今日はスィギスが食堂に来ていた。釣の話が進み、日本で有名なバスの著名人は誰か?という話題になったとき、今江プロがバカラックで釣をするDVDを見た話をすると、スィギスの眼光がギラギラ妖しさを放ち始め、微笑を蓄えていた目がビジネスの目つきに変わった。気持ち悪くなったので部屋に戻り、爆沈。
56cmのビッグバス |
夕焼けのエルサルト |
■ 釣り3日目 2月12日
実はこの日は、記憶も釣データも非常に曖昧で、どこでどうやって釣ったか?などの詳細な記録がない。ミッキーがありとあらゆるプラグを試して、午前中だけで13匹釣ったこと、午後はドクオススメのフルークを使っていたこと、結果二人で48匹釣ったことしか記録が残っていない。
2日目からは連日快晴
ただ一つ忘れてはならないのが、今回の旅最大の大物63cmとの出会いである。
時間は夕方の気配が少しずつ感じられる夕方17時前、場所は湖本体に面した風の当たる岬。ちょうど日陰側にて覚えたばかりのフルークを私の伝家の宝刀スプリットショットで、急なドロップオフになっている岸からほんの少し離れたところにキャスト。しばらくしてから、例のアタリがきた。今回の物もとてつもなく重く、巻き上げている最中に手首があっさり限界を迎え、脇にロッドを固定したまま、巻いている方の手にロッドを持ち替えて、2回ほど固定側の手首をブラブラ休ませる必要があった。毎度毎度、未体験の重さとの格闘となるため、正直なところどの程度の魚なのか?60センチ以上になると推し量りようがないのが正直なところだ。しかし今回はアルベルトのテンションの上がり方が尋常ではない。私が黙々と「!」や「ヤバッ」を出している横で、ネットはまだいいのか?大きいんじゃないか?など珍しく口を挟んでくる。ようやく手元近くまで寄せてきて、ネットイン間際で魚が向きを変えてしまうと、本気で焦っていた。それもそのはずである、ネットの直径とほぼ変わらない魚体が眼前に見えていたからである。なんとか頭からネットを被せてアルベルトが水中からネットを引きずり出すと、現れた魚は、今までこのかた見たこともないデブな巨バスだった。あまりの取り込みの格闘の激しさで、飲みかけのテカテが倒れて、打ち上げられたバスの口付近から炭酸がシュワシュワ泡を立てている。まるで口から流れ出た体液のようなそれを、皆、何も言わず呆然と眺めていた。こういった時、心を占めるのは感動ではなく、恍惚と得体の知れない興奮である。感情はとっさの現実には追随できないのだ。この旅でこの一回だけ、アルベルトから握手を求めてきた。
63cm、9lbのビッグママ
その後船着場に戻ると、無線で先ほど大物の件を交信していたからか、彼がガイド仲間から嵐のような歓迎で迎えられているのを見た。それを見て私は、彼の仕事として魚を釣らせる立場と、ただ釣るだけの私の立場との間に横たわる大きな隔たりを感じた。そこには、大物を釣り上げたのはこの私だと訴えかけるような主導的な優越感はなく、彼の努力に報いることができたことへの、例えるならば献身的ともいえる静かな満足があった。
午前中調子がよかったドクは、午後になって全く調子が上がらなかったらしく、自分のことのように喜んでくれた。それも彼推薦のフルークで釣ったとくれば、嬉しかったに違いない。釣った私よりも異様なハイテンションだった。ちなみに夕食はエビが多めのトムヤムクン(←?)スープ・バターライス添えだった。
■ 釣り4日目 2月13日
今日は最終日、日の出前の寒い湖面とも今日でお別れを惜しんでか、なんだか朝の空を映した写真が多い。
9時前までにフルークとリザードで45cmオーバーの魚を二人で4本キャッチする(釣った数は16本)。
アルベルトも我々が大物にフォーカスしていることを察してくれており、初日にビックママが出た沖の立木エリアから動こうとしない(まぁ、カモン・グランデという歌を勝手に作曲・歌っていたので、ある意味強制的ともいえなくもない)。ミッキーが48,49cmのテカテサイズをぽんぽんと出し、調子は上々だ。岸にいる牛たちも気のせいか悠久のスマイルを湛え我々を眺めている。
早朝のエルサルト |
ハイテンションの変顔 |
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ドクの船と思いきや、大間の助け舟よろしく、突然我々の前に現れたセニョリータ!
明日、メキシコシティーからバンクーバー経由で東京に行くとのこと。
記念写真を撮って去っていった??? |
この日は昼飯とシエスタを早々に切り上げ、午後も早めに釣り開始。ドクも嫌な顔をせずこのスケジュールに付き合ってくれた。午後はミッキーのセンコーが火を噴き2時間半で19本キャッチ。一本49cmというテカテサイズも釣り上げる。17時の夕方タイムに差し掛かる頃から、夕日のバックとともにクライマックスムードが漂い始め、我々の焦燥感もいよいよ研ぎ澄まされてきた。まだか、まだかと一投一投が残り時間を刻む秒針に思えてくる。18:15分、いつもなら「行きまチョー」と言ってくる時間だが、アルベルトもまだ言い出してこない。思いやりは万国共通であることを感じる。そんな時ミッキーの竿に手ごたえがあった、その瞬間私の竿にも手ごたえが!サイズはそこそこだったが、ダブルヒットで終了というのも悪くないね、ということで笑顔で終了。皆で記念撮影。二人で66本。ありがとうアルベルト。さようならエルサルト。万感の想いを胸に湖を立ち去るところだが、そこにビジネスマン・スィギスがギラギラとした眼光を蓄えながら登場。明日の午前中だけやっていかないか?と悪魔の提案。ムードぶち壊しで、ちょっと膝から崩れ落ちかけたが、すかさずOKを出した。
有終の美を飾るはずであったが
この日ロッジに帰ってくると、お帰りなさいカルーアミルク(←毎日違う)を出してくれるいつものロッジのお兄さんから、日本人が来ているよとの情報が。食堂へ行くと、本当に日本の方がドクと座っており、あまりの嬉しさに挨拶もそこそこ、久々の日本語にテンションが上がる。色々な情報交換をさせて頂き、ドクからも必殺のフルークのプレゼントも頂き、楽しい夕飯を頂く。この日はチキンのフリットだった。
■ 釣り5日目 2月14日
いよいよ本当に最終日。そうなるとこの旅の助演男優賞、ドクともお別れということを意味する。朝が弱いドクもそれを察してか、いつもより機嫌がいい。旅は感受性の感度を高める効果があるため、こんな短い付き合いではあるが、いよいよとなると胸にこみ上げる思いには高純度な感情エキスが詰まっている。別れの言葉は「グッドフィッシング」。少々味気ない気もするが、こんな旅にはこれくらいアッサリしている方がいいのかもしれない。その代わり、言葉では表現できない余韻をタップリ残している。
またお世話になりますアルベルトという気持ちを目から伝達し、笑顔を交わして半日コースの再スタートを切った。朝からフルークのノーシンカーで、いきなり私が54cm、ミッキーも45cmとテカテサイズをキャッチ。その後すぐ、私の竿に、いよいよ例のアタリが!異変を察したアルベルトの動きにも機敏さが戻る。ネットか?プリーズ!などと手繰り寄せてきたところで、痛恨のライン切れ!20ポンドフロロラインとフックとの結び目で切れていた。釣った後の虚無感とは全く似ても似つかない、恍惚の伴わないただの脱力感でしばらく動けなくなる。
大物を狙い求めて
気を取り直して、例の立木ポイントで最後のビックママを狙う。ここはリザード・カロリーナをセットし、しばらく粘る。と、ミッキーの竿に異変が。ロクマルをキャッチしてないミッキーのために、アルベルトは朝から投げやすい方角を常にミッキーに提供してきただけに、この大物は物にしたいという想いが体中から飛散している。当のミッキーは、「ギャ」「っと」「なんじゃ」など45歳の管理職にあるまじき抽象的な表現で、この非常事態をなんとか現そうとしているが、徒労に終わっている。アルベルトと私は彼ではなく、グイグイと面白いように水中に引き込まれてゆく竿先にしか感心がない。と、そこでミッキーの断末魔の叫びがドラマの終焉を告げた。私同様、20ポンドのフックの結び目で切れている。私にはミッキーの悲しみよりも、アルベルトの言葉にならない無言の慟哭が湖底の奥底から聞こえてくる気がした。
仲良く記念写真
この日は最後までこのポイントで粘り、11時についにグランドフィナーレ。二人で36本(内5本テカテサイズ)。午前中ということもあり、からっとしたお別れになった。二人でアルベルトにチップを渡し、何度も何度もお礼を言って、エルサルト湖を後にした。後で文章にしなければならないため、この時の自分の感情を客観的に表現する言葉を考えていたのだが、出てきた言葉は「終了」。これまで長いこと暖めてきた期待や準備、調整や当惑、衝撃や恍惚、全てがこの瞬間に終了し、自分からこつこつと望んで築き上げてきたはずの、あの日常へ戻るのである。このような目的特化型の旅の場合、後の工程は移動にすぎず、長い準備期間も含めた旅一式はこの瞬間に終了するのである。突きつけられる現実に心がついて来られないのは、感動するときも絶望するときも同じである。
この旅最後の魚
ロッジへ戻り、急ぎ帰り支度を済ませ車は一路空港へ向かう。万感の思いからか、ラジオら流れるメキシカン・ミュージックが「ウルルン滞在記」のエンディングに聞こえてくる。ハンドルを握るスィギスは、しきりに再来訪を期待する。「1年後?」「う...」、「2年後?」「う...」、「それとも3年後?」「...たぶん」。「またお金を貯めて、そして奥さんにお願いしないと」と続ける彼に、我々は「もちろん」と笑顔で答えた。空港の駐車場で最後の別れを告げ、旅の最後の宿泊地ロサンゼルスに向かう。
再訪を促すスィギス
この旅の副産物として、英語のヒアリング能力向上があげられる。二度目の入国となるブラッドレー国際線ターミナルの入国審査においても、自らが驚くほど明瞭に語彙が飛び込んでくる。初日の緊張感が嘘のようだ。
オーバーサイズ・バッゲージ用エレベータ前でロッドの受取をしていると、すぐ傍にいたアメリカ人の学生らしい一人が声をかけてきた。「バス釣?」「費用は?」。4日半の費用を伝えると「安い!安い!」と繰り返し去って行った。あらためてこの旅のコストパフォーマンスの高さを実感した。
ロサンゼルス・マリオット・エアポートへは、常時循環するシャトルバスを利用する。空港周辺の大型ホテルの多くは、インフォメーションボードを利用することなく、この方法で移動するらしい。室内はマリオットの名に値する豪華さである。ただし誤解していただきたくないのはその安さ。一人あたりで考えればビジネスホテル並である。ホテル周辺を大きく一回りしてみたが、かなりディープなリカーショップが一軒あるのみで、他に飲食をするところは皆無である。ホテルには複数のレストランがあるが、メニューも高価。そのなかで唯一我々を受け入れてくれたのが「チャンピオンズ・バー」であった。ここのメニューは全てベースボールやスポーツにちなんだ名前がつけられている。「ダブルヘッダー・バーカー」と「メジャー・ビール(大ジョッキ)」を注文した。運ばれてきた巨大な塊に驚愕したのは、我々ばかりでなくアメリカ人も同様であった。大量のフライドポテトの上に、高さ20cmの食材タワーにピクルス1/2ピース。過去の経験から、アメリカの食いもんは美味くないという先入観で一口いただくと、これが逆で日本でもなかなかお目にかかれない絶品料理。税チップ込みで一人$20は安価である。
マリオットの部屋 |
ビッグバーガー |
天使の街(ロスアンゼルス)の夜は、メキシコの荒野には存在しない富と秩序に溢れていた。道行く車はネオンを艶やかに照り返し、街灯が照らさない道はない。道に牛もいない、交差点に子供もいない。人類が目指した便利さと豊かさがここにはあり、我々が慣れ親しんでいる日本に似ているのは間違いなくこちらだ。しかしなぜか文明的な懐かしさや帰巣感が沸いてこない。なぜか?その後、我々は金銭的な贅沢や一般相対的な優越といったものに興味を持てなくなっていることに気づくこととなる。自分のための目標設定、自分だけの価値、自分にしかわからない達成感、そういったプライスレスな刺激にしか興味が向かわなくなってしまったのである。今回の旅のきっかけとなった残りの人生を考える時、今までは持ち合わせてなかった自分らしく生きるヒントを、今回の旅が教えてくれたようである。
天使の街の夜
■ 釣り全般について、このタイミングで総括します。
私も気にしたライン強度について。ラインは毎晩巻き替えを行い、強度について問題はなかった。問題は結び方で、フックとリーダーの結びには最大限の注意を払う必要がある。強いといわれるパロマーノットだが、私は結び方が下手クソなのか、2本ある結束ラインの片側にしかテンションがかからず、結びそのもののクッション性がないお陰で、大物を2本バラしている。ちなみにガイドはユニノットだった。その代わりよく濡らして、滑らせてきっちり結んでいたのが印象的だ。また1番のキャロライナ用にPEラインを使用することで、シンカー及びスイベルの紛失は一つもなかった。
ワームのストックについて。海釣りの経験があり、岩場での餌のはずし方をそれなりに習得しているせいか、4.5日で餌もちのいいマグナムリザードは2袋、センコーも3袋程度で済んだ。確かに根がかりは多く、そのまま引っ張ってしまえば、ロスト数は4倍にはなると思われる。またキャロをPEラインにすれば、スイベルとシンカーの紛失はほとんどなくなる。
旅程について。4日間あって本当によかった。また本サイトの詳細に及ぶHow Toの圧倒的な情報量のお陰で、下手なパック旅行よりも安心できるため、空港にさえ着いてしまえばなんとかなるはずである。まさに手取り足取りなので旅行というより、大きいバスがつれる釣り場所がたまたま海外にあるだけという雰囲気で、ちょっと遠い釣り場に行く感覚である。本サイトと諸兄達の情報フィードバックには、ひたすら感謝である。
コミュニケーションについて。英語が話せなくても釣りには全く支障はないが、ほとんど無言ですごすことになる。ロッジのスタッフや他の釣り師はみないい人たちだ。我々も全く話せないが、ノリと片言で応対していると、なんとなく伝えたいことが分かり合えるものである。第一、そのシーズンのベストメソッドは現地の人から聞くしかないので、そもそもの目的である釣果に甚大な影響が出ることになる。
■ 謝意
2005年に放送された「釣ロマンを求めて 村田基 メキシコ、伝説は再び・・・」がきっかけで、この旅の計画が始まりました。番組で紹介された「アングラーズイン」を調べたところ、このサイトでも触れられている通り非常に高価で、我々家族持ちのサラリーマンの小遣いでは、実現の目処さえたちません。そんな時に出会ったのが「Access!海外バスフィッシング」でした。豊富な情報と過剰とも思えるサポートに疑心暗鬼になりましたが、直接お話しすることで安心を得て、ロッジの手配をお願いするに至りました。本当にありがとうございました。
互いの家族の理解、支援そして健康。会社の仲間、取引先の理解と協力がなければ実現は不可能でした。
この旅を支援してくださった全ての人に、この場をかりて感謝を申し上げます。
[以下アンケートより抜粋]
●釣果はどうでしたか?(わかる範囲、概算でも構いません)
あなたの本数:139本
大物ベスト5の体重、体長(体重順でも体長順でもお好きに)、ルアー
1位:体重 9lb oz、 体長 63cm、 ルアー:フルーク
リグ:スプリット バイトした深さ: 3m
2位:体重 8lb oz、 体長 60cm、 ルアー:リザード
リグ:キャロライナ バイトした深さ: 2m
3位:体重 6lb oz、 体長 56cm、 ルアー:センコー
リグ:ノーシンカー バイトした深さ: 1m
4位:体重 6lb oz、 体長 54cm、 ルアー:フルーク
リグ:ノーシンカー バイトした深さ: 1m
5位:体重 6lb oz、 体長 54cm、 ルアー:センコー
リグ:ノーシンカー バイトした深さ: 1m
50cm超の本数: 12本(うちロクマル 2本)
7lb超の本数: 2本(8lb台 1本、9lb台 1本、10lb台 本)
同行者の本数:134本
大物ベスト5の体重、体長(体重順でも体長順でもお好きに)、ルアー
1位:体重 6lb oz、 体長 50cm、 ルアー:リザード
リグ:キャロライナ バイトした深さ: 2m
2位:体重 5lb oz、 体長 49cm、 ルアー:リザード
リグ:キャロライナ バイトした深さ: 2m
3位:体重 5lb oz、 体長 49cm、 ルアー:センコー
リグ:ノーシンカー バイトした深さ: 1m
4位:体重 5lb oz、 体長 48cm、 ルアー:リザード
リグ:キャロライナ バイトした深さ: 2m
5位:体重 lb oz、 体長 44cm、 ルアー:フルーク
リグ:ノーシンカー バイトした深さ: 1m
50cm超の本数: 1本(うちロクマル 本)
7lb超の本数: 0本(8lb台 本、9lb台 本、10lb台 本)
●全体的に最も効果的だったと思う場所や深さ、ルアー、釣り方は何ですか?
1.センコー、フルークのノーシンカー(アクション有) 5/0ワイドゲイプオフセットフックにストレート掛け
2.キャロライナでリザード(ただ巻き) PE40lbラインに3/8シンカー、リーダー50cm、5/0ワイドゲイプオフ
セットフック
●大きい魚に限って言えば、どんな場所、深さ、ルアー、釣り方が効果的だったと感じましたか?
・立ち木周りのキャロライナでリザードが大物には最強
・数狙いならセンコーと、日本ではあまりお馴染みではないフルークが強い
●あまり反応がなかったと思われる場所や深さ、ルアー、釣り方は何ですか?
・チビ、細、ミミズ系リアルワーム(ミミズがいない?)
・stormスイムベイト(時期が悪い?)
・ワッキーや常吉よりストレート掛けの方がよくつれる(同僚アメリカン達も同意見)
・スピナーベイト(探す必要がない?)
・ラバージグのボトム釣り(そんなピンポイントの釣りをする必要がない)
●あなたが選んだ今回のベストルアーは?(名前/大きさ/重さ/色 複数回答可)
・マグナムリザード8インチ/ウォーターメロン(フレークは黒か赤)
根がかりの外し方を知っていれば餌持ちがいいので、4日間で1〜2袋でイケます。
尻尾のピロピロをチャートに着色するとさらに効果大。
・日本製ジャークベイトミノー(フローティング) M1ミノーを使用してましたが、日の出〜8時まではバカみ
たいに釣れます。
ガイドも感銘を受け、次の日からは朝一に「ミノー」という指示が出る程。
・バイブレーション(なんでもいい) 笑っちゃうくらいの超早巻き(回収より速い巻)でガイド爆釣。感動。楽しい。
・ズーム/フルーク/リアルカラーもしくはド・チャート(真っ黄色)
ミノー感覚でちょんちょんやっていると馬鹿みたいに釣れる。大物狙いならスプリットショット。
チャートだとバイトの瞬間が見えて集中力が途切れません。楽しい。
[サイト管理者より補足]
通常より厳しいセキュリティーチェック「SSSS(Secondary Security Screening Selections)」ですが、往路と復路の航空会社が違っても引っかからないことがあるし、往復同一航空会社でも引っかかることがあります(1度経験あり(笑))。ある一定の確率で引っかかるという話もあり(渡航先等何らかの条件に該当した人の中から一定確率で無作為にというのが一番ありそうな感じだが)、はっきりした該当基準はわかりません。でもそうなったらそうなったで淡々とチェックを受ければ済むので心配することはありません。
マサトランがひどく沈んだ町だったかのような感じの記述がありますが、お聞きしたところこの方は結局マサトランのビーチエリアや市街には一度も行けなかったんだそうで、文中の記述は空港からショッピングセンターに向かう時に見た町の様子なんだそうです。おそらくドライバーが空港からショッピングセンターへ近道しようとして通ったんだろうと思います。空港はマサトラン市街からは相当距離があります。市街から離れた地域は所得の少ない人達が多くなるでしょう。海辺の観光地のイメージで行ったにもかかわらず、長旅で疲れた状態で見た最初の町の風景がそんな感じで、なおかつ観光地としてのマサトランにも接する機会がなかったとなれば印象が暗いまま終わってしまったのも無理ないかもしれません。
メキシコは経済発展著しい国ですが隣のアメリカとは比較になりませんし国内格差も大きいです。市街から離れるにつれ、都市から離れるにつれ、メキシコのそうした状況が垣間見えてきます。空港-エルサルト間の移動は往復共に疲れて寝てしまいがちですけど、高速を走っている以外の時間は車窓の風景を「眺める」じゃなくて「観察」してみるのもいいと思いますよ。せっかく日ごろ行かない国に行くんですから。
ズームのフルークはコストパフォーマンスもいいので私達も気に入ってます。メキシコで使うなら5インチのソルティースーパーフルークだと思いますが、日本ではあんまり見かけませんね。見つけたら買っとくといいですよ。「トゥイッチ、トゥイッチ、ユラユラユラ」でパクッという感じです。
この時期は魚が比較的浅いレンジにいるためハードルアーの使用頻度が高かったようで、ソフトルアーの消費は少なかったようですが、これから暑くなるにつれて日中はより深いレンジのテキサスやキャロの頻度が上がっていきます。よく使うリザードの消費は格段に増えるのでその分の用意をしておくようにして下さい。
読者から質問があった場合、私達は可能な限りわかりやすく、そして可能な限り早く回答するよう努めてますけど、時としてそのことが質問者に「何でここまでよくしてくれるんだろう。何か企んでるのでは・・・」と感じさせてしまうことがあるみたいです(笑)。確かに実際に会ったこともない私達に不安を持つのは感覚としては当然です。でも1つだけわかって欲しいのは、ここはビジネスサイトではなく「釣りサイト」なのだということ。つまり私達が欲しいのはお金じゃなくて「皆さんからの生きた情報」なのだということです。現に私達は航空券代やロッジ代などの請求は旅行代理店やロッジ自体から直接釣行者宛に出してもらうようにしてるし、海外送金についても用紙各項目の記載内容まで具体的に教えて誰でも自分で送金出来るようにしており「どうしても自分じゃ不安だから送金して」という人は別として極力他人様のお金には触らないようにしてます。私達が変なことを企む余地はないんです。
私達が望むのは、皆さんが実際に釣行して日本では体験出来ない「バス釣りの本当の醍醐味」を実際に味わってきてくれること、そして「そっちもよくやってくれたからこっちも協力したるわ」とあとに続く釣り人のために快く情報をもらえること。だから、どうすればその釣り人の要望にかなった格安で快適な釣行プランになり、どうすれば楽しい釣行に出来るのかをまじめに考えながら対応しているつもりです。
当初私達について疑いを抱いていた方が、今はこんなにも詳しい釣行記まで書いて下さる。これほど嬉しいことはありません。
現実にこんなのを狙えるレイク!
日本では出来ない釣りにチャレンジ! ※メキシコがイチ押しの理由→こちら
このロッジも手配サポート可能です。もっと情報が欲しい方や予約したい方はこちらへご連絡下さい。
今回の釣行記もぜひ参考に。
「役立つサイト」目指してます! →今日のバスサイトランキング
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