+ NOTE +

＊ Essay ＊
金剛石の星

　こんなニュース記事（asahi.com 2/19分）を発見しました。
　宇宙で巨大なダイアモンドの結晶が発見された……というものです。
　にわかには信じがたいことですが、アメリカのハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターが調査した結果、そういう結論に達したそうです。
　どのくらい巨大な結晶なのかといいますと、なんとあの「お月さま」よりも大きいのだとか。
　このニュースを聞いた瞬間、頭の中で何人もの「私」が賑やかにおしゃべりを始めました。

あたし：えっ、月よりも？　ありえない！
ワタシ：でも本当なんです。
わたし：近くの惑星から見た景色ってどんなんだろう？　キラキラってダイアモンドが輝いて見えるのかな？
ワタシ：ううん、星の内部にあるから、外からダイアモンドは見えないよ。
あたし：原石の状態で眠っているということね！
わたし：じゃ、宝石に仕立てなくっちゃ！　月よりもずっとずっと大きな研磨機でもって磨き上げて……。
ワタシ：ソレ不可能だから。大体、誰がその宝石をほしがるの？
あたし：たくさんいるよ！
ワタシ：ワタシはね、ずっとその星は宇宙に浮かんでいてほしい。そのほうが浪漫あるじゃない！
あたし：まるごとが無理なら、思い切って砕いてみたら？
わたし：却下。なんてもったいないことを。環境破壊もいいところよ。とにかく少し落ち着いて。
あたし：でもでも、放っておいたら、やがてその星も死を迎えることになるんだよ？
ワタシ：そうだね。その星は、太陽の終末の姿……白色矮星だから。
わたし：私たち人間の寿命に比べたら、もっと先のことだけど。
ワタシ：けど、いつかはダイアモンドも消滅してしまうってことか。
あたし：……もったいない……。

　な〜んて具合に（笑）

　その星はビートルズの曲「Lucy in the Sky with Diamonds」にちなんで「Lucy」と名付けられたとか。
　いつか私たちはLucyの元へ辿り着くことができるのでしょうか？
　そんなことになったら、彼女を巡って争奪戦が起こるのかもしれません。
　私はできることなら、このままそっと彼女を見守りつづけていきたいな。
　巨大なダイアモンドの結晶の眠る星があるなんて、それだけでワクワクしてきます。
　他にももっと素敵な鉱物が眠る星が、この宇宙にはたくさんあるんですよね。
　当然のことといえばそうなのですが（火星探査の結果も気になりますね）。
　そんな夢のような現実に思いを馳せることができるだけで、充分楽しめますから。
　でも、ふと思うのです。
　私たちに恵みを与えてくれている太陽も、気の遠くなるような年月を経て、いつしか大きな宝物を秘めた星に変貌するのかしら？って。
　それは一体、どんな鉱物なのでしょうね？

2004-02-19