Q1.インプラント治療はどのくらいの時間がかかりますか?
埋入する時間は1本10分ぐらいですが、治療前のお口の中のクリーニングに20分ほどかけます。その後お顔や身体に滅菌した布をかぶせて感染予防を徹底させます。この治療前のクリーニングと感染予防が、インプラント治療の成否を大きく左右します。この点は、患者さんにとってわかりにくい部分ですが、こうした点を大切に考えることが医療者の良心であると思います。それから「麻酔〜インプラントを埋入〜縫合」ということになります。埋入そのものは、それほど大きな手術ではありませんが、手術後の様子も十分に確認してから、お帰りいただくことが患者さんにとってもご安心ではないかと思っています。本数によって異なりますが患者さんが来院されてお帰りになるまで約2時間です。
Q2.インプラントの治療期間はどのくらいいかかるのですか?
インプラントシステム、骨の状態にもよりますが、全く問題ない場合は治療後インプラントが骨と結合するのに3〜4ヵ月かかります。その後歯型を採って冠を作り装着しますのでインプラント治療後約5〜6ヶ月で冠を装着することができます。
ただし、抜歯をした場合はインプラント治療ができるまで、2〜3ヶ月待ちます。インプラントを埋入してから6ヶ月待つ場合もありますので1年を要することもあります。
いずれにしても、いたずらに早く治療を終えることがよいことではありません。インプラント治療をする第一の目的は、インプラントが将来にわたって患者さんのお口の中で機能していくことです。そのために、十分な期間を取ることもあります。しかし、その間、他の人からは、歯が治療中であることがわからないように、仮の歯や、仮の入れ歯を用意することは当然ですので、ご安心ください。
いたずらに早く治療を終わらせるというような、目先のことにとらわれて、将来の健康を損なうことになるのは、大変残念なことです。
Q3.インプラント治療は痛いですか?
十分に麻酔をしてからおこないますのでインプラント治療は痛くありません。また麻酔注射が痛いと思われている患者さんが多いのですが、最も痛みを感じるのは、どの時点であるかを解剖学的に検討し、当医院では、痛みを感じにくい極細針を使用し、患者さんにできるだけ負担をおかけしないように細心の注意を払っております。そのためか、「いつ麻酔をしたのかわからなかった」「最近の麻酔は全く痛くないのですね」といった声をよくいただいています。
Q4.インプラントの術後、痛みや腫れはありますか?
インプラント治療の場合、術後疼痛はあまりないと考えていただいて結構です。通常痛み止めは3回分しか処方しませんが、ほとんどの患者さんは1回服用される程度です。
ただし、インプラントの本数が多く、切開部が広いときには、かなり腫れることがあります。しかし、腫れは、治癒に向かっている正常な反応なのです。腫れというのは、外科的な侵襲を加えられた部分の感染予防、修復の為に、白血球その他の種々の細胞が集まり、また組織液がその部に貯留することにより、体積が増えるという生体の正常な防御反応ですので全く心配には及びません。インプラント埋入後、通常2〜3日で消退します。
Q5.年齢制限はあるのですか? インプラント治療に年齢制限はありますか?
年齢によってインプラントができないことはありますか?
最低16歳以上(骨の成長がほぼ終了)で、医学的、解剖学的に条件が満たされている限りどなたでもインプラント治療を受けることができます。年齢の上限はありません。
Q6.インプラントを骨に埋入することで、身体に影響はありますか?インプラントの安全性が心配です。
現在認可されているインプラント材料の純チタンは、生体との親和性(ある物質が他の元素と化合しやすい性質)がよく腐食もありません。また金属アレルギーもほとんどないと言われています。医科においては人工心臓などの人工臓器や人工関節、骨折時の固定用プレートとして体に埋め込まれていますが、副作用は報告されておらず現在最も安全な人工物だといわれています。
もちろん、インプラントを製造している会社によって形状、方法、本体周囲の材料など、いくつかの相違点がありまあす。しかし、その中から選択する上で、最も大切なことは、科学的根拠に基づいた安全性であると考えています。
Q7.インプラントは何年ぐらいもつのですか?
インプラントはチタン製でとても丈夫ですので何か問題が起こらなければ半永久的にお口の中で機能します。しかし、ブラッシングが十分にできないでインプラントの周りに歯垢がついた状態にしていると天然歯と同様、歯周病のような状態になり、インプラントの周りの骨が炎症を起こしてなくなってしまいます。そのまま放置すれば、周囲の骨にまで悪影響を及ぼします。
インプラントを長持ちさせるためには、毎日の適切なブラッシングと定期的なメインテナンスが不可欠です。
Q8.インプラント治療は恐いですか?手術が不安です。
インプラント治療は、一般的な歯科治療と違って、歯肉を切開したり骨に穴をあけたりするので、患者さん自身の恐怖心はよく理解できます。きちんと局部麻酔をしますので痛みは感じませんが、他の治療と違う点は、骨を削るときに少々響くように感じることでしょう。インプラント治療後は一度痛み止めを飲んでいただければ、大部分の患者さんがあまり痛みを感じないようです。
Q9.インプラントの利点はよく聞くのですが、欠点はないのですか?
インプラントに欠点はないのですか?
欠点は以下のことが考えられます。
1.インプラントは治療期間がかかること
おおよその目安として、上顎で7〜8ヶ月、下顎で4〜5ヶ月とかなり長い治療期間が必要となってきます。
2.外科的な処置が必要なことにより、恐いというイメージがあること
お口の中にメスを入れるわけですから、外科的な危険性は多少なりともあります。通常、一般的に行われている抜歯と同じと考えていただければよいと思います。
また、術前の検査により適切な診断ができていないと、血管や神経を傷つける可能性も弱干ありますが、詳しく精査していくことでそのようなことが起こらないようにするのが我々の努めです。
3.治療費が健康保険の適用でないこと
4.患者さんにとってまだまだインプラント治療について充分な情報がないこと
Q10.インプラントが上手くいかないこと、失敗することはありますか?
インプラントの失敗の原因はほとんどの場合、歯垢の中の細菌による感染です。歯周病と同じように徐々にインプラント周囲に炎症が起こり、歯茎と骨がうしなわれ、そのうちグラグラしてきます。あるいは骨の状態が悪い場合も失敗することがあります。いずれの場合も、早期にその炎症に対して治療を行い、」骨の回復後に再度インプラント療法を行えば、最終的には100%の成功を治めることが可能です。
Q11.インプラント治療の成功率はどのくらいですか?
インプラント治療の成功率を分析するために複数の病院で1003人の患者さんに計2359本のインプラントを入れ、8年間に渡って追跡調査した文献報告では、90%以上がまったく何の問題もなく機能しています。
日本の文献では、441人の患者に計1268本のインプラントを植立した臨床データで8年経過での成功率は96.2%と報告されています。
Q12.インプラント治療後に他の歯が悪くなった場合は、やり直さなければならないのですか?
たとえ周りの歯が悪くなって抜けてしまっても、その部分に新しくインプラントを植立することで、再び本来の機能や美しさを回復できます。
Q13.インプラントができない人はいますか?
インプラント治療は、基本的には、年齢等に関係なく、施術が可能です。
ただし、極端に口腔内の衛生状態の悪い方や、顎の骨が痩せてしまっている方の場合は、インプラント治療の術前に適切な処置を行う必要があります。また、妊娠中の方や重度の糖尿病患者さん等、一部インプラントが受けられない方もいらっしゃいます。
Q14.インプラントの治療は、以前の自分の歯と同じようにかむことが出来ますか? また、インプラントの違和感はありませんか?
インプラントは顎の骨としっかりとくっついて丈夫な土台となります。慣れるまでは多少違和感を感じることもありますが、その期間を過ぎれば、自然の歯に匹敵する機能が得られます。インプラント治療後は、肉、たくあん、せんべい、あわびの造り、するめなどほとんどのものがしっかりと噛めます。ある意味で、インプラントは、それ以前の自分の歯以上かもしれません。
Q15.前歯にインプラントを考えています。外から見てインプラントをしていることがわかりますか?
現在のインプラント治療のレベルは過去と比較しますと数段アップしています。審美的にも患者さんのご希望に即して歯の色や形も精密に作成しますので、天然の歯とほとんど見分けがつきません。
Q16.インプラントはどんな人に適していますか?
・取り外しの入れ歯が嫌いな人、または仕事その他の事情で不都合な人
・歯が抜けた所を治療するために残っている歯を削られたくない人。
・入れ歯に不快感を抱いている人、入れ歯の違和感に耐えられない人。
・入れ歯で、発音や発声に不便を感じている人。
・入れ歯が合わず、食事がうまく出来ない人。
・虫歯、歯周病で歯を失っているが、入れ歯を装着すると残っている歯に
悪影響をおよぼすと考えられる人。
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