幼児・園児の予防プログラム
◆新しいむし歯学;カリオロジー
人は通常、成人で28本の歯(親知らずを除く)を持っています。ところが日本人は80歳で平均7本の歯しか残っていません。スウェーデン人は80歳で平均20本の歯が残っています。同じ先進国でありながら、どうしてこのような違いがあるのでしょうか。
スウェーデンでは1950年代から、むし歯の原因から治療に至る学問(カイリオロジー)が発展しました。その結果、いったん出来たらどんどん悪くなると信じられていたむし歯は、実際には口の中の条件次第で小さいむし歯の進行は止まること、その一方でむし歯になる条件をそのままにしていては、いくら丁寧に処置しても再発をくり返すことがわかりました。「むし歯になりやすい条件」を変え、むし歯を作らない、進行させないことが、むし歯治療の原則なのです。そしてこの研究結果を行政や歯科医が応用することでむし歯を激減させることができました。
これに対して日本では、むし歯になったらどんどん悪くなると信じられています。そのため、削って詰めることこそがむし歯の治療だと勘違いして、「むし歯になりやすい条件」を変えずに治療・再発をくり返すことで多くの人が歯を失い、いまだに入れ歯大国として、そして先進国の中では最も歯の悪い国として世界に名を馳せています。
◆予防プログラムでは…
唾液・むし歯菌検査を行って「8項目のかかりやすさ」を調べます。
1.ミュータンス菌の数:ネバネバの歯垢を作って歯を溶かします。
2.ラクトバチラス菌の数:砂糖から強い酸を作り歯を溶かします。
3.飲食の回数:回数が多いほどむし歯菌は酸を作り、歯を溶かします。
4.歯垢の量:歯の表面に溜まった歯垢(プラーク)の量。むし歯菌の塊です。
5.フッ素の使用状況:フッ素入り歯みがき剤の使い方
6.過去にむし歯で治療した歯の数
7.唾液の量:唾液の少ない人はむし歯になりやすい。
8.唾液の質(緩衝能):飲食をして酸性になった唾液を中性に戻す能力。
この8項目からお父様、お母様にお子様のむし歯のかかりやすさ(リスク因子)を理解していただき、リスク因子を改善することによって、健康な永久歯列を育て、生涯歯を失うことなく過ごすことが可能です。
なお、幼児・園児の場合、“2.ラクトバチラス菌” “4.歯垢の量”“7.唾液の量”を調べることが難しいため「5項目のかかりやすさ」を調べます。残りの3項目は小学2年生ごろには可能になりますので、メインテナンスの中で調べます。
◆プログラム内容(1回60分で2回受けていただきます)
・「5項目のかかりやすさ」を調べます
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ワックス棒に唾液を付け、試験管に入れて培養します |
・口腔内写真
・ビデオ「虫歯と歯周病を予防する」
・「5項目のかかりやすさ」の結果説明
唾液緩衝能の測定
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ミュータンス菌数の測定 |
・位相差顕微鏡
・ブラッシングについて
・ブラッシング状況の確認
・歯のクリーニング
・虫歯予防フッ素塗布
◆費用
1回につき 4.200円(消費税込み)
◆予防プログラムが終わったら
予防プログラムが終わりますとメインテナンス(定期健診)をおすすめしています。来院は4ヶ月毎で時間は30分程度です。虫歯のチェック、ブラッシングのチェックおよび指導、クリーニング、フッ素塗布を行います。費用は3.700円(税込み)です。
ご家庭ではホームケアとしてお口の中をコントロールし、歯科医院ではホームケアで難しい部位の歯垢の除去を、プロフェッショナルケアとして確実に行います。この2つのケアが車の両輪のようにバランス良く行われた時に、お口の健康は長期間にわたり維持できる事が多くの研究で証明されています。
むし歯を劇的に減らす方法
http://ntv.naver.co.jp/go.php?url=http%3A%2F%2Fwww.ntv.co.jp%2FFERC%2Fresearch%2F20030126%2Fr090.html
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