氏名(イニシャル) |
U |
性別 |
男 |
年令 |
58才 |
職業 |
弁護士 |
身長・体重 |
170cm 67s |
嗜好 |
ビール1本/日
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趣味 |
ゴルフ |
主 訴 (医師による診断名) |
腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛・腰痛
医師による診断・治療を受けている |
その他の愁訴 |
高血圧 |
病 歴 |
特に思い当たる原因もなく1~2年に一度は腰痛を経験していたが通常は1ヶ月で自然治癒していた。ところが今回はそれが長引き、さらに悪化してきたので整形外科を受診すると「正中ヘルニア」と診断された。手術の必要は現段階ではないとのことで、消炎鎮痛剤と筋弛緩剤などの処方を受けている。就寝中も寝返りなどの際疼痛で目が覚める。食後特に腹いっぱい食べた時に疼痛増強。整形外科の初診より2ヶ月以上経過したが改善の見込みが感じられなかったので本院に来院された。喫煙は2年前よりやめている。
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診 察 |
初診時の姿勢は20度ほど前傾姿勢でマイナーサインを示していた。疼痛部は主に第5腰椎~仙骨部。姿勢により左側又は右側のハムストリング筋~下腿三頭筋(大腿後面~ふくろはぎ)に疼痛とスパズム(ツッパリ感)が起こる。特に寝返りの時下肢の疼痛が悪化する。触覚・痛覚などの神経学検査は異常なし。左右の腱反射は+。バビンスキー反射は陰性の所見だったが右側では微妙な反応であった。デジェリン3兆候は陽性。間欠は行は陽性で20分歩くと前かがみの姿勢をとる。SLRテストは60度で陽性。べヒテルーテストは陽性。第5腰椎の押圧で軽度の不安定と圧通がある。プールで泳ぐと楽であるがプールから出るときが痛くなることが多い。フラット面での歩行はつまずかずに歩ける。ボタンの着脱や尿の所見にも問題はなかった。後脛骨・足背動脈の脈拍はしっかりしている。
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治療・経過 |
腰椎牽引 = 15分程度の牽引を当初は2~3日おきに施術。症状改善につれて1週間~10日間へと延ばしていった。
2ヶ月半でほぼ症状は消失したので治療を終了した。
治癒経過は2回目就寝中の いびき低下。
3回目就寝中の寝返りによる疼痛減少。車の運転時の疼痛減少。
5 回目間欠は行の消失。
11回目仙骨部の違和感消失。15回目プールから出ても疼 痛はほとんど感じない。
17回目疼痛はなく歩行も前傾姿勢なくスムーズに歩け る。
この間に整形外科で二度レ線・MRIなどの検査を実施した。1回目はほとん ど変化がなかったが、2回目の検査ではヘルニアはかなり小さくなっていると説
明された。整形外科医の判断もあってゴルフをしたが、問題なくプレーできた。
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治効理論・根拠 |
椎間板ヘルニアは治療(手術など)をしなくても通常2~3ヶ月で自然に治癒する。免疫系の細胞がヘルニア部を貪食処理してくれるからである。しかし本患者は2ヶ月たっても逆に悪化しているので何等かの処置が必要かもしれない。ただ所見よりミエロパシーの危険もあるので専門医との連携をとりつつ施術する必要がある。この際の治療理論であるが、牽引で椎間板内圧を低下させることで体液を椎間板に吸収させる物理的力を利用している。当然この治療法は整形外科病院などにある牽引機械でもOKである。しかし人の手によって力や方向性(ベクトル)を修正しながら施術するほうが効果が期待できると考える。
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