氏名(イニシャル) |
H |
性別 |
男 |
年令 |
20才 |
職業 |
学生 |
身長・体重 |
172c 62s |
嗜好 |
焼酎 |
趣味 |
特になし |
主 訴 (医師による診断名) |
右肩の疼痛とスパズム
今回の件で医師による診断・治療は受けていない |
その他の愁訴 |
痔核(イキムと肛門より飛び出る)猫背(中学校時代に病的でないと診断されていたが、あまりにひどいので猫背の矯正装具の処方を受けていた) |
病 歴 |
1〜2週間前から右肩のツッパリ感が気になりだしていた。この2〜3日でそれが悪化し右肩の僧帽筋部にシコリのようなものまで出だしたので来院された。 |
診 察 |
外胚葉タイプ。右僧帽筋のスパズムと圧痛。右き肋部の軽度の緊張と圧痛。発熱はない。血圧は正常。胸部・腹部の皮膚所見で異常は認められない。右胸郭は左胸郭より前後系が減少していた。又呼吸による胸郭の運動は右側が左側に比べ制限されていた。骨叩打痛、胸郭圧迫痛は陰性。カイロ的には第9,10,11,12胸椎の左回旋・左側屈制限(サブラクセーション)。東洋医学的には僧帽筋部には”肩井”と呼ばれる胆系の経穴があるが、今回の僧帽筋部のスパズム・圧痛は”肩井”が顕著であった。 |
治療・経過 |
アジャスト(矯正) =第9,10,11,12胸椎
姿勢指導
アジャスト直後は左右の胸郭の前後系、運動制限は解消されていた。しかし主訴については何の変化もなかった。翌日来院したときにはほとんど緩和されていた。痔核も副次的にではあるが、イキミなどによっても起こらなくなっていた。 |
治効理論・根拠 |
肝臓へ流入する門脈の圧が上昇すると痔静脈がうっ血し痔核の原因となることがある。ここからは推定であるが、姿勢不良からくる胸椎のサブラクセーション=右胸郭の制限・前後系減少によって右き肋部付近で門脈に物理的ストレスが加わり門脈圧が上昇して痔核の一つの原因となっていたのかもしれない。東洋医学的に門脈と胆系の因果関係は記述されていないが、ただ解剖学的にはきわめて接近しているので、門脈のストレスが胆系のストレスとなって胆系の経穴である”肩井”=右僧帽筋のスパズムとなって右肩痛の原因となっていたのかもしれない。アジャストによって胸椎の変位が解消され、結果的に門脈圧の低下が起こり、上記ストレスが緩和され症状改善につながったと思われる。 |