龍山を後にし再び電鉄線に乗車(電車が接近するとロッキーのテーマのようなファンファーレが鳴るようになっている。地下鉄もフニャンフニャン……なんていうメロディーが流れる。)、ソウル駅で4号線に乗り換え(今度も逆方向に乗り間違えることはなかった)會賢で下車。7番出口方面へと進み改札口を出、地上に出ることなく新世界百貨店地下食料品フロア(デパ地下)に回っている回転ドアを経て入る。前回デパ地下を出る時、その出入り口はどこにあるのか迷ったので、そうならないよう脇にどんな店があるか知っておくのが良いと見てみた。ラーメンなどがある中華系の飲食店だ。中華饅頭なども販売している。出る時はそこが目印だ。奥に入る。調味料やスナック菓子の棚を見ると日本の物も売っている。キッコーマン醤油などだ。どんな人が買うのだろう。在韓日本人か?他に缶詰やレトルトカレーなど。今度は上へとエスカレーターで上る。婦人、紳士、子供衣料品フロアーを経て9階の生活用品のフロアーで降りる。釜山・南圃のロッテ百貨店と同じように食器は洋食系がメインだった。高級品を売るデパートとあって器、匙、箸の韓食セットは円に直せば6桁になるほど高い。「タカー」と言うしかない。次は薄型テレビ。SAMSUNG(三星・삼성)やLGはもちろんだが日本ブランド・SONYもあるではないか!そういえばSONYは液晶パネルでSAMSUNGとの業務提携をしている。しかし提携を解消する交渉をしているらしい。そうなればSONYはテレビ売り場から姿を消してしまうかも。帰国後、世界の薄型テレビのシェアは、1位がSAMSUNG、2位がLGで、1位2位は韓国が占めている。そして3位に日本のSONY、以下SHARP、Panasonicと続くことを知った。かつては日本がTOPだったというが、韓国に抜かれてしまっている。悔しい。その反面「韓国経済にかげり」なんていう朝日新聞の記事もあった。欧州・米国経済の冷え込み、そしてウォン安によることらしい。薄型テレビに及ぶだろうか?そして次のフロアー10階、食堂街だ。韓食、洋食、中華、そして和食、日本のとんかつチェーン店「さぼてん」もあるではないか!結構客が来ていた。あく席を待っている人もいたようだ。日本人がいるかどうかはわからない。ソウルの街をあちこち歩くととんかつ屋や和食店のとんかつのサンプルをみかけるな。とんかつは人気食なのか?もう一軒の和食店は寿司などがある高級店のよう。韓食は空席があったがデパートとあってそこも高そう。更にその上の階11階はセルフサービス・ファーストフード型の飲食店など。ここの値段は手ごろ、また土曜なので家族連れでいっぱい。回転寿司もある。同じ飲食店でも10階は富裕層向け、11階は若年層・庶民層向けといえるみたいだ。その上の階~最上階の14階は展示場などのギャラリーとなっていて、そうひどい混雑ではない。ふと窓から外を見ると雨ではないか!しかも本降り。龍山での薄日がうそのよう。天気予報はまさに的中だ。今日いっぱい、いや明日まで降るという。今週初めに調べた週間予報によれば、今日は快晴、明日も快晴。そんなもんだから週間予報なんてあてにならない。もし晴れなら曇りまたは雨、雨であれば晴れと逆の予測をした方が良いみたいだ。でも、北村、淸凉里、龍山と回るべきところは回り終えたからまだよい。地階へとエレベーターで戻り、例の中華飲食店前の出入り口を出て階段を上がって外に出る。傘売りがいる。階段は雨でぬれている。次は雨の中の南大門市場(남대문시장・ナムデムンシジャン)。
南大門市場の衣料品などを売る露天商は、商品が雨で濡れるといけないからビニールシートをかぶせてある。“休業”と言っていいだろう。それにしても人の数は多い。もちろん日本語も聞こえてくる。狭くてシートがかかった暗い路地の飲食店街は客でいっぱい。わずかに残っている席を指し座らせようとする아줌마(アジュンマ=おばさん)もいる。たくさん歩いたので一杯もしたかったが、席は窮屈で落ち着いて昼飯を食べることができないのでパス。しかも朝食で食べたさんま焼定食に似ている物を出しているところもあるからそこには入る気はしない。튀김(ティギム=天婦羅)を出す屋台も1軒。見ると食いたくなるが揚げものもメタボリック防止のため控えたい。再び広く明るいところに出るとテークアウトで豚足を売る店が並んでいる所に来た。またここも韓国らしく既に味付けされていて醤油色をしている。しかしどれもみな大型。日本の焼肉屋に置いてあるそれの1.5~2倍位もするだろう。韓国の豚はデカイのか?東大門と同様食したらそれだけで満腹になってしまうので横目で見て通り過ぎるだけにした。またこれも韓国らしい光景であるが頭上に昼食を置いた丸いステンレス盆を乗せて歩くアジュンマの姿。そう言えばさっき通った飲食店がひしめきあっている通りで出前の準備をしている所があり、そこから運んでくるのだろうか。頭上に乗せて運搬というのは日本では見かけない。市場内を回り続けると食器店のそばに来た。店内は陶器が多いようだが外にステンレス製の椀などが積まれている。デパートで売っているものよりはずっと安いと思う。値段が表示されてあるかどうかは忘れた。「日本語が話せます」という札があるので日本人だって買うのだろう。南大門回りを終え雨が降り続ける中、明洞へ向かう。そちらへ向かうのには韓國銀行や中央郵便局がある大きな交差点の向こう岸へ行かねばららないが横断歩道はなく地下道を通らねばらなない。ところがかつてなかったエスカレーターができていた。たくさん歩いたため急な階段は堪える。ありがたいことだ。
時刻は1時代。昼食は昨年も寄った榮養粥・榮養餃子(영양죽영양교자・ヨンギャンジュクヨンギャンギョジャ)だ。その時はガラすきだったからだ。その店に辿り着く。前回よりは客の数は多いがやはり空席だらけだ。傘は店外にある袋に入れて持ち込むようになっている。ところが袋を引きぬくことができない。するとそれを見ていた店の人が、まず傘を取り付けられている袋に入れ、そうしてから引き抜く、とういうことをしてくれた。日本で見たことがない。注文は栄養餅餃子スープ(榮養饅頭국・영양만두국・ヨンギャンマンドゥグク=餃子とモチがはいった白濁したスープ)。饅頭(만두・マンドゥ)とは餃子のこと。「チャングムの誓い」を思い出した。ご飯やキムチつき。結構薄味。自分にとってはOKだ。他にも2~3組の日本人客がいた。ピビムバブ(アワビ入り石焼だろう)を注文し、店の人に混ぜてもらっている人もいた。あとから8人ばかりの韓国人客がどっと来た。それぞれ注文する品がちがうのでメモ紙に書いての注文だった。勘定は前回のアワビ粥よりずっと安く、瓶ビールを合わせて13,000ウォン(=878円)。釜山でウナギを食ったという贅沢をしたから控えめにしなければ!
そのあとはロッテ百貨店のデパ地下。乙支路入口驛の階段を下り地下経由でそこに入る。韓国の階段はホント急、ここにはエスカレーターはない。傘はやはり榮養粥・榮養餃子にあったのと同じ方式の袋に入れる。前にいた韓国人が手こずることなくやっていたのをまねして、傘を袋に入れ手前へ引っ張り出す。OKだ。店内は混雑。いかにも雨の土曜の午後らしい。後ろに日本人の家族客がいた。食品フロアーは奥へ行った所にある。チャングムの誓いの李英愛(이영애・イーヨンゲ)の顔写真があるクッキーは明日帰国時に空港で買うこととし、ここでは、コチュジャンやレトルトカレーなど軽めの物を買うこととする。ところがそれを売っている所がなかなか見つからない。昨年秋はすぐ見つかったというのに。あー配置換えをしたんだな。と考えながら探し続ける。その間「いらっしゃいませーチョコレートいかがですか」なんて日本語での呼びかけ声が飛んできたり、小豆あんとモチの菓子(시루떡・シルトク)を買っている日本人客を見かけたり。あった!独立した部屋になった所が。客が出てくる。中はセルフサービス方式になっている。きっとそこにあるはずだ。そして中に入る。やはりここだ。調味料、スナック菓子類、レトルトカレーなど。コ
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ロッテ百貨店・コンビニで購入した、(左より)レトルト食品、コチュジャン、パッカス |
チュジャンやレトルト数種、매운새우깡(メウンセウッカン=かっぱえびせん辛口、袋の絵がそっくりだし中身もそう、カルビーかっぱえびせんのパクリじゃないのか)、健康ドリンクの박카스(パッカス、これもリポビタンに似ている)などお土産品を購入。レトルトカレーはコンビニに매운맛(メウンマッ=辛口)しかなかったが、ここには약간 매운맛(약간=若干・ヤッカンメウンマッ・つまり中辛)、순한맛(순=順・きつくない味・つまり甘口)もあるし黄色い箱の3分カレー以外のカレーもあるので買った。その中に別の中辛の表現「매콤한맛・メコマンマッ=やや辛口」、すっきり味「깔끔한맛・ッカルックマンマッ(すっきり味は食べてみなければわからない)」。また、コンビニにあったものに쇠고기짜장(スェゴギッチャジャン=牛肉入りのチャジャン麺のソース)のレトルトも。支払う時に、店の人は何か言っている。「袋は要りますか?」じゃないのかな?「본지는 필요 없습니다.(ポンジヌンピリョオプスムニダ)」と先に言おうかと思ったが先手を取られてしまった。しかも袋は본지・封紙(ポンジ)とは聞こえない。別に言い方があるらしい。直後、日本語で「袋いりますか?」と尋ねられた。私は「はい」と。しかし有料だという。こうなったら布製のマイバッグを取り出し「これに入れてください」と言い入れてもらい袋代は免れた。帰国後、再度レジ袋のことを何というか、飲食店の韓国人ママさん(韓国語の先生)に尋ねてみることとする。前回の部屋の鍵を「방의 열쇠・パゲヨルスェ」というんだ、に引き続き、また宿題ができてしまった。
ホテルに戻ると、これから部屋の掃除で約20分かかるというので、再び外に出てファミマで缶ビールとチャミスルを購入。そして1Fのスターバックスのようなカウンターで注文するカフェでアイスティーを飲み時間をつぶす。そろそろだというので部屋に戻ると丁度タイミングよく掃除は終わったところ。ビールとチャミスル半分でお疲れの一杯。5時頃、最上階のレストランで ピビムバを食おうとしたが店の人はいない。また16,000ウォン(=1,081円)と高いことだし、外に出て近くの店で何か食おうかと、本粥(본죽・ポンジュク)という店を見つけた。雨はやんでいた。食べ物のサンプルはある。そういえば、かつては飲食店にはサンプルはなく、扉に비빔밥、삼계탕、육계장(ピビムバプ、サムゲタン、ユッケジャン)等と書かれてある所がほとんどだった。が、ソウルの明洞や釜山の南圃等、外国人が多く来る繁華街の飲食店の多くはサンプルや写真付きのメニューが取り付けられている。しかも英語や日本語の添え書きもある。ありがたい。本粥のサンプルを見、ナトリウムを減らし血圧を下げるカリウム、血中コレステロールを減らし動脈硬化を予防する作用がある食物繊維が多いカボチャの粥を見つける。入店後、渡されたメニューにその단호박죽(タノパッチュク=かぼちゃ粥)があったので、「단호박죽 주세요.(タノバッチュッチュセヨ)」と言ってそれを注文。7,500ウォン(=506円)でホテルのピビムバブよりずっと安い。そう長く待つことなく運ばれてきた。ラーメンのどんぶり位の大きさの器の中は真っ黄色だ。ほお、これがかぼちゃ粥なのかあ、と感動。玉状のモチも入っている。空になっている小さな茶碗によそって食べるらしいので匙でよそった。もちろんキムチなどもついている。食べ終えると、充分食ったなという感想。帰国後再度その店を調べたところ、メニューには日本語表示があるが日本語不可とのこと。言葉でのトラブル等がなくてよかった。また充分栄養補給ができた。
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夕方の明洞を進む99%貧困層を訴えるデモ |
勘定を終えホテルに戻る。外を見ると再び雨が降ってき、デモ行進も行っている。近々行われるソウル市長選挙とはかかわりはないようだ。手に持っている札は、「99%의 혐빈곤 철폐」という表示。99%の嫌(かな?)貧困撤廢らしい。あとで見たニュースによれば、他の国々でも行われていたという。日本の東京でもだ。発端は米国、99%が貧困層だという訴えらしい。こうなれば増税なんてもってのほか。アホ、ドジョウ!何が25年だ。と、なる。集まった義援金がいくらなのか、阪神淡路の義援金だって余っているらしいし、国会議員の人数を半分減らすべきじゃないのか!なーんて全然言ってない。ねじれ解消のための連立はどうなっているんだ。バーカ、ドジョウ、去れ。となる。
日は暮れてきた。広告やニュースの大型スクリーンがまぶしいが、別の所でも何かが光った。音も鳴った。雷だ。雷のことを천둥(チョンドゥン)という。その雷鳴を聞きながら残りのチャミスルで疲れをいやし、明日の帰国に備える。荷物もほとんど片付けた。
あとはゆっくりテレビの視聴だ。KBSでは、♪시청자와 함께 KBS(シチョンジャワハムケ、KBS=視聴者と共に、KBS)という字幕が出てメロディーが流れる。7時のニュース。さっきのデモ行進、そして雷雨、ソウル北部にある北漢山(북한산・プカンサン)登山中に雷に遭った登山者がいたらしい。そういえば今朝往十里から電鉄線に乗車した時に登山者がいたな。雨が降る予報だから中止にすべきなのに山登りを実施、韓国も日本と同様に山登りを好む人が多いようだ。10ウォン玉についても言っていたな。10ウォン玉のことを십원차리(シブォンチャリ)と言うようだ。○ウォン玉の玉は차리(チャリ)。小銭のことをチャリ銭というがそれに関わりがあるのか?そのあとは、日本で막걸리(マッコルリ=韓国の濁酒)が受けているという番組だった。「にっこりマッコリ」という商品名。スーパーで大量に売られているし、居酒屋でも呑む客が多いそうだ。私はついジュース感覚で飲んでしまうのでそうしょっちゅうは飲む気はしない。昨年ソウルで750ml入りペットボトル、アルコール分6度の「長壽(장수・チャンス)」を一晩で飲んでしまったことだし。韓国で飲む酒はやはり참이슬(チャミスル)だ。マッコルリは明日空港の免税店で買い、帰国後少しずつ飲むこととしよう。そのあとの番組は、海印寺(해인사・ヘインサ)での修行僧に関しての다르마(タルマ)。メロディーつきの読経の練習、修行2年目の僧の新人指導、大藏經(대장경・テジャンギョン)の木版と印刷など。
本日の歩行距離:約8KM。シャワーを浴び、床に就く前に血圧測定:H112,L77。アルコールが入ったこともあるが、正常!
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