北星事件簿2002.9

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9月21日 北星魂、大和ジムを蹂躙す!?

東京北星アルコール級王者、ノーコンテスト野崎が、名古屋・大和ジムへ道場破りを敢行したという。前代未聞のこの蛮行、果たしてどんな結末となったのか? 本人によるレポートが届いた。


考えてみれば、名古屋を離れてもう12年だ。わしの「実家」がまだ名古屋にあると思っている人が多いのだが、それは間違い。うちの親はなぜか松戸に住んでるし、親戚衆は山口県だ。現在、名古屋はほとんど縁もゆかりもない地なのである。

そんな名古屋に出張に行くことになった。名古屋の会社に「取材」なるものをしなくちゃならんのである。せっかく名古屋に行くからにはなんか遊んで帰ってきたい。そこで取材日をわざわざ金曜日にして、一泊できるように(もちろん「自腹」だったのだが……)仕向けたのだ。仕込みは完璧である。

だが、一泊すると言っても、遊ぶあてはない。唯一、名古屋時代の知り合いで交流が続いている、タロだかゲロだかソラだかなんとかって奴は、こんなときに名古屋に居ないそうである。そりゃ困った。わしが名古屋にいたのは大学浪人まで。もちろん、「行きつけ」などあるはずがない。

そこで思いついたのが「やまとや」だ。
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=yamatoya0

キックのお座敷で紹介されていた「やきとり屋」なのだが、ここがどうやら名古屋キック界の総本山らしいのだ。ここを訪問して名古屋勢の弱点を握り、捏造報道してやろうと、以前から思っていたのだ。

だが、いきなり訪問するのは危険というものだろう。場所もよくわからないし、「北星もんが何しにきたがや?」と言われて頭突きされるかもしれない。いや、拉致される可能性さえあるだろう。ここはワンクッションおく必要がある。

そこでその旨大和ジムのHPの掲示板に書き込むと、何故かジムに行って汗を流してから「やまとや」に行くことになってしまった。「YASU」氏の「そのほうがビールが旨いでしょ?」との一言が決定打となってしまった。

ただ、わしが一日入門を希望したのは、あくまで「エロ・タイボクシング」コース(一字抜けてるのは気にしないこと)。大和ジムが行なっている、フィットネスコースだ。サンドバック殴るより、こちらのほうがビールはうまくなりそうだし、試合が終わって何の練習もしていない。そんな状態で練習見せるのは恥ずかしい。やはり「エロ・タイボクシング」に留めておくほうが良いだろう。ちなみに笛吹丈さまは、ちょうど東京出張で不在だそうだ。

午後7時。

地図を辿って大和ジムに着いた。バイク工場みたいな外観に「IBF 大和ジム」と書いてある。「IBF? ボクシングのIBFのことか?」といきなりの謎にぶつかる。拉致への不安が増す中ジムのトビラを空けると、小磯トレーナーが「よく来たな」と迎えてくれた。

【参考】大和ジム・スタッフ
http://www.h2.dion.ne.jp/~muaythai/staff.html

ジムの内部はかなり広い。「ジムたるもの、このくらいの広さは欲しい」というくらいの広さはある。試合用よりちょっと小さいリング(オーエンジャイのリングよりは大きい)一つ。床は板張りで空手道場のような雰囲気だ。サンドバック6つ、シングルのパンチングボール1つ。壁には大きい鏡もある。場所も名古屋ではターミナル駅の一つと数えられる金山駅から徒歩10分ほど。キックボクシングのジムとしては、かなり恵まれた環境と言って良いだろう。

午後7時の段階では、まだプロ選手の姿は見られなかったが、練習生が数人、子どもが数人いた。後で聞くところによると、50人ほどの練習生がいるようだ。最近かなり増えたらしいが、これも「エロ」の効果だろうか?

さて、時間が経過していくごとに、徐々に人が増え始めた。知ってる顔も増えてくる。歓迎されているかどうか自信のないわしは、なるべく低姿勢に挨拶するよう心がける。しかし、視力が悪いわしは、メガネを外すと遠くの人の顔が見えない。変ににらめつけたときもあったでしょうが、悪気はないのでご理解のほどを。

さて、体操をしシャドーをしていると、小磯トレーナーがにこやかに微笑みかけてきた。こういう微笑みは危険だ。

「野崎くん、ミットしようよ」

ゲ! やばい。わしはエロ・タイボクシングコース入門なのに、、、。だが、現在の立場は練習「させていただいてる」身。わがまま言える身分でもなく、「お願いします」と答えてしまった。スタミナ、もつだろうか???

ミットはミット持ちによって千差万別。慣れないリズムのミットは、相当疲れるもの。当然、小磯トレーナーのミットはチャモアペットのミットとも玉城会長のミットとも違う。その分だけ戸惑うし疲れるのだが、リング下ではプロ選手がわしのミットを眺めている。やばい! 一応それなりの面子はある。息上がるのを押し隠し、2Rを終了した。

心の中で「これで終わりにしてくれ!」と念じていると、念力が通じたのか終わりにしていただいた。わしは、さも「2Rくらい余裕だぜ」という顔を作ってリングを降りたのだが、騙しとおせただろうか???

久しぶりのミットでふくらはぎがピクピクいっている。シャドーしているフリをしながら休んでいると、またもにこやかな微笑みを浮かべ小磯トレーナーが声をかけてきた。

「野崎くん、マス・スパーできる?」

マス・スパーとは、「軽いスパーリング」のこと。本来は「ほとんど当てない」スパーリングのはずだが、この基準は個人によって千差万別だ。現在、北星で一番危険なのは、●毛チャンピオンだ。かなり強い蹴りが飛んでくるのだが、本人は「軽くやってる」と言い張るのだからどうしようもない。これは基準がどうこうでなく、「軽くできない」という能力だ。敢えて言えば生まれつきのもので、口で言ってどうこうなるものじゃない。だからわしは、●毛チャンピオンが「軽くやりましょう」というのは「スパーリングしましょう」、「スパーリングしましょう」と言ったら「喧嘩しましょう」と解釈するようにしている。

そんなわけで、小磯トレーナーのマス・スパーのお誘い、相手は宮本選手だという。10月に瀬尾選手との対戦が決まっているらしいが、ヒジを中心としたテクニシャンタイプの選手である。喧嘩ふっかけてきそうな感じはしない。なので、「まあ、マスなら」と引き受けることにした。「何Rできる?」と言われたので、「う〜ん3Rくらいなら」と答えた。

【参考】大和ジム選手名鑑
http://www.h2.dion.ne.jp/~muaythai/sensyu.html

リング下で準備をしていると、山本恭太選手がグローブをはめてくれた。そして衝撃の告白。

「ガンガン来るから、気をつけたほうがいいですよ!」

なに? 宮本くんはガチ野郎なのか? そんな顔していないのに……。後で中島稔倫チャンピオンからも聞いたのだが、宮本選手は大和ジムきってのガチ野郎だそうである。やはり、「マスができないタイプ」だという。ヘッドギアをずらして、目隠しして攻撃してきたこともあるという。うわぁ恐ろしや……。

マス・スパーをやる前にはそこまで聞いていなかったわしだが、「挑発には乗らない」よう、褌を締めることにした。

1R。軽い出だしだ。「なんだ、大丈夫そうじゃん」。きちんとディフェンスすることを心がけて、こっちも攻撃をする。相手が強く来ても、こちらがきちんと守ってればガチにはならない。普段北星ジムの若手衆を相手するときも、こっちが守ってればほぼ完封できるので問題ない。石黒あたりも、こっちが攻めなきゃ、まずもらわない。他は言わずもがな。

だが、やはり石黒あたりと宮本選手では格が違う。時間が進むごとに、ちょこちょこ攻撃をもらいだす。結構強めな左ストレートまでもらってしまった。「や、や、やばい」。体調が完璧ならやり返すのであるが、ここでやり返してガチンコになっても、勝てる自信はないし体力もない。努めて冷静に「マス」を守る。

2Rに入っても状況は変わらない。やはり攻めないと、このレベルの選手の攻撃は防げない。ちょっと攻めると、やべえ、疲れる。。。というわけで、2R終わるとヘロヘロに。このまま続けると、追いつめられて「ヒジ」とか出しちゃいそうだ。

「これで終わりにしてください」

と小磯トレーナーに申し出て、終わらせてもらった。3Rまっとうできず、宮本選手、申し訳ありませんでした。

その後は、練習見学状態。試合を控えてる人と手伝う人の分担や、練習生の練習メニュー等、実に約束事がしっかりできているような気がした。首相撲も、練習生全員がやっている。個人が勝手なことやってる北星とはえらい違いだ。それはそれで強くなるやつは強くなるやり方なのだが、やはりきちんとしたシステムの基にやるほうがアベレージは高くなる。大和ジムが有望選手を数多く出している理由が垣間見えた。

首相撲を終えると、まためいめいの練習に戻るプロ選手。ここで「やまとや組」は失礼することに。守永会長、小磯トレーナー、もう一人のトレーナーの方(すいません名前知りません…)、中島稔倫選手、新美友恒選手、埜谷悟さん(元選手、現接骨院経営)が一緒に呑んでくださった。

北星側でなぜかネタになるのは、玉城会長と●毛さんだ。大和ジム勢にとって、玉城会長ネタは予想の範囲内らしいのだが、●毛ネタは意外なようだ。マジメで純朴な青年に見えるらしい。まあ、マジメはマジメなんだけど……。●毛を「従業員にでも」と言い出した埜谷院長だが、やめたほうがいいと思います。「院長、闘ってください!」と言われますよ(笑) ……ちなみに大和ジムのみなさん、●毛ネタはオフレコで(願)!

そういえば「のや接骨院」では、「のやTシャツ」を販売中だそうだ。これが、またカッコイイ!(らしい)。たしか宣伝するって約束したはずなので、だれか買ってください!! 埜谷さんにどなられた桜井洋平ファンの方でもいいです(爆)

後は何話したっけかなぁ。

稔倫さんとは、真面目なキックの話を多くしたような気がする。主催・運営したBRIDGEっていうアマチュア大会の話とか、今後の話とか。「一緒にタイに試合しに行こう」とも言われたなぁ。それイイ話ですけど、飛行機じゃなく船で行きませんか?(笑) 

あと、わしの周りで「丈さま」が女性に大人気だと話すと、「それはおかしい」と猛反撃に遭った。名古屋では、

笛吹丈太郎より中島稔倫のほうがモテる!!

と熱弁された。事実、いまだ未婚なのも、「結婚できないんじゃない、あえてしてないだけだがや!」。これには守永会長も同調していた。やはり名古屋基準では、中島稔倫こそがイケメンなのか?

新美くんのキャラは、意外だった。あんなに話す人とは思わなかった! 後楽園ではいつも不機嫌そうな顔しているが、会ってしゃべると好青年。というか、いじりたくなるタイプだ。もし北星ジムの後輩だったら、かなりネタにしたであろうに残念だ。次戦は某強豪選手との対戦だとか。頑張ってほしい。

さて、ビールが進み、飲むものを切り替えだした一座。みな「なんとかサワー」を呑みだした。だが、今宵はキックの夜だ。そのはずだ。「サワー」じゃSカップだろ! シュートボクシングだろ!(つまんないギャグですいません) 

飲み尽くす夜にはやはり日本酒である!

一人、日本酒を飲んでいると、店主の水谷さんが横にボンと一升瓶を置いた。そして一言。

「おごり」

うぅ。前にも同じことを言われた。あの幻の花よしに初めて一人で言ったときにも同じことがあった。この手の演出にわしは弱い。猛烈に弱い。

そっからはなんかやたら呑んだ。おちょこではあるが、ほとんど一気に呑んでいたような気がする。

わしの脳内ハードディスクにはそこまでしか記録されていない。気が付いたら、朝、カプセルの中で寝ていた。おぼろげながら、ホテルのロビーですっころんで、誰かに介抱されていたような気がする。ホテル代、わし、払ったのだろうか?

いろいろ気になることがあるのだが、世の中、忘れた方が良いこともある(笑) とりあえずご迷惑はかけていないことにしておこう。翌朝は当然二日酔いで、ゲロ吐きそうになりながら新幹線で帰ってきた。そして、夜はオーエンジャイで試合するという、誠に北星的な、誠に玉城イズムな暴挙をしでかしてしまった。

結局、わしはKOされたのか、KOしたのか? どちらだろう?

数々の歓待の数々、大和ジムの皆さま、やまとやの方、埜谷さん、どうもありがとうございました。今度は是非、北星に参戦ください。金曜日が良いですねえ。泡盛かメコンウイスキーで歓待しましょう。とことん呑んで、翌日はオーエンジャイで試合です。

「呑んだら翌日3倍練習すればいいんだ! バカヤロー!!」

こんな玉城イズムを経験できますよ。

(了)

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