北星事件簿特別編 2001.11.25

日本一いい加減な結婚式ルポ
〜〜良い子は決して見習わないように〜〜

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「オーエンジャイで結婚式」。

人生をまともに考えるなら、あり得ない選択肢のような気がするが、世の中には変わり者もいる。これまでも何組かいた。延藤さんやアラビアンなんかもたしかそうだが、それはあくまで身内だからであろう。あとお客さんでも、常連客が何組か式や披露宴を行っている。しかし、まったくの一般客がこの選択肢をしたのは、記憶がない。

この日オーエンジャイで結婚式をあげたのは‥‥‥‥あ、名前知らない。とりあえずリングネーム?は「ポストマン山口さん」と「ヨメ原人さん」。この名前見るだけで嫌な予感がするが、これがまた大変な結婚式となった。

幹事の方から私宛にメールが来たのは1か月ほど前か。なんでもプロレスファン同士のカップルで、できれば藤原組長に神父役もお願いしたいのだという。その旨玉城会長に橋渡しをすると、「わかった。組長には伝えておくよ」と快諾。その後、幹事の方が直接オーエンジャイにも見られ、詳細の確認をした。新郎対組長の「マスクはぎマッチ」もしたいとのことだったが、「組長はその場で何でもやってくれるよ」と会長。事は順調に運ばれてるものと思われた。

当日。

5時から8時までの開催が予定されていたが、キックの試合(2試合)は7時から。わしはそれに合わせて行けば良いはずだが、念のため4時半に行くことにした。式開始30分前だ。

なのに、なぜかオーエンジャイは真っ暗だ。開店準備をしている様子はまったくない。当然、料理の準備もされていない。というか、そもそも会長がいない。いたのは幹事が数名と、手伝いに来てくれた千島だけだ。

物事の準備というものを前日にならないと絶対にしない会長。ここでピンときた。会長は前日、同窓会に出席していた。しこたま飲んでいたはずだ。同窓会の2次会をオーエンジャイでやったらしいが、そんときは既にべろべろだろう。結論はわかっていたが、会長の携帯に電話してみた。

玉「おぉのんちゃん! どうした?」
野「どうしたじゃないっすよ、
  今日結婚パーティーっすよ」

玉「え、なんの?」
野「組長も出てもらう予定の!」
玉「あぁ、今日だっけ?」
野「今日です! 30分後です!!」

そんな信じられない会話をしている店も店だが、客も客。式が開始の5時になっても参加者はまばら。幹事も客も、会を始める雰囲気すらない。

5時。会長がようやく到着。

5時10分。組長が到着。「幹事は?」と聞かれたので引き合わせる。そもそもなんで俺がそんな仲介役をしなくちゃならんのか理解ができんが仕方がない。そこで幹事の方が「神父役をしてほしい」旨を伝え始めると、いきなり組長が「聞いてないよ!」と怒り出す。別にダチョウ倶楽部の真似でなく、マジで怒りはじめたのだ。

組長曰く、「なんかパーティーをやるのは聞いていたが、自分が何をやればいいのかは聞いていなかった。いきなり神父をやれって言われたって、服装の準備もあるし、いろいろリハーサル等も必要だろう。会長からは直接幹事が伺うかもしれない、って聞いていたからず〜っと待っていたんだ。今日も事務所に1時からいて連絡を待っていたんだ」とどっかの店長さんに土下座して聞いてもらいたいような正論。玉城会長にも間に入ってもらって説得したが、「できない」と組長。なんとそのまま帰ってしまった。

茫然自失の幹事たち。何より横でやりとりを聞いていた新郎新婦。何の罪もないのに可哀想だ。結局、玉城会長を神父役に、会を進行することが決定した。この時点で5時50分頃。下では、飲み物も食べ物も出ない状況で待たされている参加者。こんなんでいいんだろうか? いいわきゃない。

とりあえず状況を参加者に説明すべきだろう。幹事に

野「司会者とか誰がやるの?」
幹「‥‥‥‥。」
野「‥‥‥‥俺やろうか?(呆)」
幹「お願いしまっす!(嬉)」

ということで、なぜか俺が司会する羽目に。試合しに来たのにおかしいなぁ。すべてがきっちりと計画された「キャリー宇佐美プロデュース 井上玄斗&麻里結婚パーティー」がなつかしい。

というわけで、勝手に「日本一いい加減な」と名付けた結婚式を開始することにした。文章書くのももう疲れたので(笑)、ここからはダイジェストだ。

まずは新郎・新婦の入場。入場曲はなんと「スピニングトーホールド」。往年の名兄弟レスラー「ザ・ファンクス」のテーマ曲だ。ビビットに反応する参加者。こいつらみんなプロレスファンなのか?

そして、急造神父・玉城良光氏のスピーチが始まるが、ここでも言わなきゃいいのに下ネタが始まる。だが、そこは「客も客」。結構ウケている。


普段着で神父役の玉城会長

お色直しの後は、なんと新郎対神父の「マスカラ・コントラ・マスカラ」(マスクはぎデスマッチ)。ケンドーカシンのマスクを被って入場してきた新郎に対し、新婦はたぶんどっかのプロレスラーのマスクを被り「獣神サンダーライガー」のテーマ曲に乗って入場。ポーズまで決めている。あらあら。当然、場内はノリノリだ。

試合と言ったって「ただマスクをはぎ合うだけだろう」と思ったが、全然違った。ゴングが鳴るなり、新婦はローキック3連発。「千島のローキックより重いんじゃないか?」と思わせる本格的なローが何発も入る。3分1Rのはずが、両者完全にレスラー気分なので延長。最後は新婦の勝利で幕を閉じた。

続いて、参加者から新郎新婦へのプレゼント。なぜか気持ち悪い赤ちゃんの人形が贈られる。感想はノーコメントで(笑)

そして、イベントは第2部(?)へ。「キックの試合を見るぜ! オーエイ!!」ってコーナーだ。第1試合はアラビアン対レンサックの、超技巧派同士のマニアック対決。普通の客ならあまり湧かない試合だが、今日の客はちょいと違う。既に酔っぱらってるってのもあるが、ミドルの蹴り合いに、1Rから「オーイ!」の大声援。選手としては気分いいねえ。第2試合は野崎対ララウィーの「一体何回目だ、昨日も試合したぞ、俺は飽きたぞ」対決。だが、参加者さらにノリノリ。偉い盛り上がって終了。

その後、新郎新婦への質問コーナー。お定まりの「チュー」をしてもらって、散会。8時までのはずなのに、時計は9時を回っていた。

試合があるため、ず〜っと飲めなかったわし。2次会に参加させてもらって、楽しませてもらった。久しぶりにエラリークイーンだの、ポアロだのの話をした。懐かしい。


おまけ

そんなこんなで無事?終わった、結婚式。これ読んで、「私もオーエンジャイで結婚式したい」と思った奇特なアナタ、止めはしませんが薦めません(笑) それでも良ければ、ご連絡ください。一応、会長に伝えます。

ともあれ、ポストマン山口さんとヨメ原人さん。

おめっとうさん!

世の中「適当でもなんとかなるさ」ということを学んだ一夜でございました。

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