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砂田喜昭 2018年3月6日更新  
能越自動車道
6月末で福岡料金所の廃止
 高岡方面は無料に、北陸自動車道へは値上げ

 富山県は能越自動車道の福岡料金所を廃止します。小矢部東インターから高岡方面は普通車料金200円が無料となります。6月末を目途に実施します。一方、北陸自動車道へ入る際に小矢部東料金所では普通車料金210円が350円に値上げされます。事前登録した福岡インター、小矢部東インター周辺の住民には割引制度を設けます(現金支払いは290円、ETCは280円、いずれも普通車の場合)。

 
小矢部市議会が無料化めざし署名運動 2009年


 小矢部市議会は2009年5月に能越自動車道の無料化をめざして、市内各種団体に署名運動を呼びかけるとともに、6月12日には議員自らがスーパー・ピアゴ前に立ち署名運動をしました。

 議長は、「小矢部市へ入ってくるのに、200円取られるのはおかしいではないですか。ぜひ無料化を実現したい。段階的に値下げを」と、ハンドマイクで訴えました。「値下げなら賛成」、「自治会の回覧で、署名しましたよ」など、買い物客やピアゴの従業員の方々も含め、この日だけで約300筆の署名が集まりました。

福岡料金所の廃止にいたるまでの市議会の活動について、砂田市議に聞きました。

 
編集部 小矢部市議会が能越自動車道の無料化をめざして署名運動をしたことを知って、驚きました。

 
砂田市議 議会がこのような署名運動に取り組んだことはかつてなかったことです。この行動が富山県の政策を変えさせるきっかけとなったことは間違いありません。

 議員は市民の声、要望を聞き、その実現に努めることがその役割です。その一部でも実現できれば、議員にとってもうれしいものです。

市民からの声で、県と交渉

 
編集部 砂田さんがこの問題に取り組んだきっかけは何だったのですか。

 
砂田市議 2005年頃、小矢部東インター周辺に住んでいる方から要望を受けたからです。その年の5月に共産党議員団の富山県との交渉で取り上げました。「能越自動車道を8号線の代替路線として、通行料金を無料に」と求めたわけです。県は2004年に行った社会実験の結果を紹介して、「8号線を拡幅するより経済的なので国に要望したい」と回答していました。

能越自動車道の無料化社会実験

 
編集部 その社会実験とはどんなものだったのですか。

 
砂田市議 国土交通省が能越自動車道の無料化をしたら国道8号線の交通量がどうなるかを調査する社会実験を2004年秋に実施しました。その結果、国道8号線の一日交通量は2万1800台から1万6800台へ2割以上減り、能越自動車道の交通量は4800台から13800台へと2.9倍に増えました(図参照 図の説明 実験前の交通量は7月1日から18日の平均で、9月は終日料金を半額に、10月は通勤時間帯無料・それ以外は通常料金、11月、12月は終日無料)

 2006年には国交省とも交渉しました。当時は国交省も「それは一つの選択肢」と答えていました。

市町村合併が無料化の足を引っ張る

 
編集部 うまくまとまりそうな感じでしたね。

 
砂田市議 そこで、2007年6月議会の一般質問で、小矢部市としても国に働きかけるよう求めました。桜井市長も「社会実験の効果は実証された、無料化に向けて強く要望していく」と答弁していました。ただ、この頃から高岡市などが福岡駅前の区画整理のために、8号線の拡幅を要望しているとして、能越自動車道を8号線の代替路線とする案は後退していくようになりました。

 福岡町と高岡市の合併条件の一つにされ、私はこれが無料化の足を引っ張ったのではないかとみています。

「無料化をめざしつつ、料金値下げを」市議会の取組み

 
編集部 市議会がこうした流れの中、いよいよ動くことになったのですね。

 
砂田市議 8号線のバイパスにという案は、国、県の間でかなり真剣に検討されていたようですが、その後この話は立ち消えとなりました。そこで市議会では、最初に紹介したように、「能越道の無料化をめざしつつ、料金の値下げを」と段階的な取組みとなりました。

 いずれにしても、今回その一部が実現したわけで、今後につなげていきたいと思います。

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