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能越自動車道 無料化社会実験 2004年
から考える
再び注目される 「公共事業見直し」国道8号線拡幅計画
民主党政権に変わって、公共事業の見直しが進められています。
そこで今週号では2004年9月から12月にかけて行われた能越自動車道路料金の割引・無料化実験の結果をお知らせし、国道8号芹川東交差点から高岡I.C交差点間の道路拡幅計画の是非について考えてみます。
実験の目的
能越道無料化で
国道8号線の渋滞緩和なるか
この社会実験は、国道8号線から能越自動車道へと交通を転換させることによって、福岡地域を通過する国道8号線の交通量を軽減させ、これによって一般道の@渋滞緩和、A沿道環境の改善、 B交通事故発生を未然に防ぐなどの可能性を検証する目的で行われました。
実施したのは国土交通省富山河川国道事務所調査第2課、富山県道路課、富山県道路公社です。
実験前の交通量(図1・2)は7月1日から18日の平均。料金は、9月、終日最大で半額、10月、通勤時間帯無料・それ以外は通常料金、11月・12月、終日無料としました。
その結果は次の通りです。
実験の結果1
交通量 能越道 = 2.9倍
国道8号= 0.8倍
能越道は実験前に比べ24時間交通量で約2.9倍に増え(図1)、並行する国道8号では交通量が0.8倍に減少(図2)しました。特に能越道の福岡I.Cと高岡IC間の交通量は10倍以上という高い伸び(図3)を示しました。
図1
図2
図3
実験の結果2
渋滞緩和
国道8号経由= 約 3分短縮
能越道経由 = 約 5分短縮
国道8号線の交通渋滞も改善されました。国道8号線芹川東交差点から高岡I.C交差点間については朝夕の通勤帰宅時間帯では旅行速度が約10kmから20km向上し、所要時間も実験前には14分かかっていたのに比べて国道8号線経由で約3分短縮し、能越道経由では約5分短縮されました(終日無料とした11月の場合)。
この結果からわかることは、能越自動車道を無料化すれば国道8号線の渋滞が緩和され、8号バイパスの機能を十分果たすことができるということです。
2007年6月議会で議論
能越道の国道8号バイパス化
8号線拡幅より投資効果大
2007年6月議会で砂田市議は「能越自動車道を8号バイパスにして、県が能越自動車道を造ったときの借金を国で肩代わりすれば、国も8号線を拡幅し続ける莫大な投資費用を節約できるではないか」と一般質問し、桜井市長は「無料化に向けて強く要望したい」「しかしながら旧福岡町の国道8号区間の拡幅問題は、防災・危機管理の必要性と沿線地域のまちづくりという観点から検討されるべきで、今後調査研究したい」と答えました。
これに対して砂田市議は再質問で、「防災やまちづくりと8号線拡幅は別の問題ではないか。8号線をひろげるのは、通過交通量が多くさばききれないとか、交通事故を防ぐためであり、拡幅より少ない経費でそれが実現できるのであれば、無理にひろげる必要がないではないか」と述べました。桜井市長は「ご指摘の部分は理解できるので、機会があれば議論を投げかけたい」と答えました。
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