本の世界へ!
本の紹介にはいろいろな方法があります。
劇化する,紙芝居にする,読み聞かせ,
パネルシアターを使う,帯紙(腰巻き)作り,ストーリーテリング…。
さらに,テーマを決めて本の内容を紹介するブックトークという方法もあります。
ここでは,ブックトークで紹介したものを集めてみました。といっても,わたしが考えたのは1つだけ。
あとは,クラスの子どもたちが考えたものです。
本当は,どんな語りで紹介したのかも載せたいのですが,
それは様々な事情により無理なので,少しだけ紹介しておきます(2000年度)。
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みなさんは『アラビアン・ナイト』というお話を知っているでしょうか。ディズニー・アニメの「アラジン」や「シンドバッドの冒険」「アリババと40人の盗賊」と言えばわかるでしょうか。これらのお話はすべて『アラビアン・ナイト』の中に入っているのです。『アラビアン・ナイト』は『千一夜物語』とも呼ばれます。それには,こんなわけがあります。ある国の王様は,朝になったら王妃のシェーラザードを死刑にすることにしていました。でも,それを知ったシェーラザードは,死なずにすむように毎晩王様に物語を聞かせることにしました。夜明けごろになるとちょうどお話が一番面白くなるようにしたので,王様は続きを聞きたくなり,死刑を一日ずつ遅らせていくのです。そうして,千と一回の夜が過ぎ,王様はシェーラザードを心から愛するようになり,死刑をとりやめたのです。シェーラザードが語ったお話が「アラジン」や「シンドバッドの冒険」なのです。
『アラビアン・ナイト』は音楽の世界にも登場します。ロシアの作曲家,リムスキー=コルサコフは『シェエラザード』という交響組曲をこのお話から作りました。この曲は四つの楽章に分かれ,それぞれ「海とシンドバッドの船」「カレンダー王子の物語」「若い王子と王女」「バグダッドの祭り」という題がつけられています。
交響組曲『シェエラザード』から生まれた物語に『これは王国のかぎ』があります。各章のタイトルは,音楽とまったく一緒になっています。でも,中身はまったく違います。アラビアンナイトの世界に入り込んでしまったひろみは,超能力を持った魔人族になります。ご主人となるハールーン王子を助けて活躍したり,ラシード王子や奴隷娘のミリアムと出会ったり,冒険していきます。
アラビアンナイトの世界を舞台にしている物語には『シェーラひめのぼうけんシリーズ』があります。お姫様なのに力持ちでとても素直なシェーラと,幼なじみで気が弱いけど実はすごい力を持つ魔法使いの少年ファリード,元少年どろぼう団のリーダーで出生に秘密のあるハイルが魔法のじゅうたんに乗って旅に出ます。その冒険は,ハラハラ,ドキドキの連続です。
登場人物が『アラビアン・ナイト』を読んでいるというお話もあります。『夢のつづきのそのまたつづき』です。本好きなリッペルは夜遅くまで『アラビアン・ナイト』を読んでいたので,本を取りあげられてしまいます。お話の続きを夢で見てみたいと考えていたら,本当に夢で見られるようになるのです。
それぞれ,どんなお話なのか,ぜひ読んでみてください。
上に載せたのは原稿の文章です。でも,実際のブックトークではこの通りになんて読めません。子どもの生の反応が返ってくるし,話し言葉になってくるからです。そこで,途中にあった子どもたちとのやりとりや,その後のお話をここで紹介しておきます。
まず,『アラビアン・ナイト』『千一夜物語』ですが,この言葉を知っている子どもがあまりにも少ないのです。「知ってる?」と言ったとたんに「知らなーい。」というお返事。『アラビアン・ナイト』は少しだけ知っている子がいましたが,『千一夜物語』は「?」状態。ところが,「アラジン」になると大半の子が知っています。もちろん,ディズニーアニメ「アラジン」のおかげです。「ディズニーアニメという理由で知っているのなら,今度は『ムーラン』をテーマにブックトークしてみようか。」などと思ってしまいました。ただ,小学生にはちょっと向かないけれど。
リムスキー=コルサコフ『シェエラザード』は実際に曲を流しました。時間の都合で最初の部分だけでしたが,ちょっと暗い雰囲気でスタートするので「なんか暗いねえ。」「アラビアンナイトって暗い話?」という反応もちらほら。途中でシェエラザードのテーマとなり,ちょっと神秘的な雰囲気を醸し出したところで「王様にお話をする場面かもねえ。」と言ったら「うん,そうかぁ。そんな感じがする。」と納得していました。
ここで紹介した本は『夢のつづきのそのまたつづき』以外すべて実物を見せてから紹介しました。すると…『これは王国のかぎ』のときは「うわぁー,字が細かい。」とちょっと引きぎみ。うーん,確かにあれはかなり読める子じゃないとつらいなあ。でも,中身の紹介をしたら,けっこう興味を持っていました。
『シェーラひめのぼうけん』は開口一番「あっ,魔法のじゅうたんに乗ってる!それ,アラジン?」…だから,違うって。でも,あの挿し絵にすっかり魅せられた様子です。「魔法のじゅうたん」という言葉が出たおかげで,「そう,これはねえ,3人の子どもが魔法のじゅうたんに乗って冒険するお話なんだよ。」とすんなり話をもっていけました。登場人物の紹介には,みんな大うけ!「えー?怪力のお姫様ぁ?お姫様なのに怪力なの?」「どろぼう団!?そんなのがあるのかぁ。」「出生の秘密って?」もう,登場人物の設定だけで,みんなワクワクしています。「これ,全部で10巻くらいになる予定みたいだよ。今日は1巻と8巻しか持ってきていないけど。」と話したらブーイング。「間も持ってきてよー。」と言われてしまいました。
翌日。冬休みの本の貸し出しをすることになりました。一人3冊まで借りられます。原則は図書室の本ですが,学級文庫にしかない本もたくさんあるので,許可をとれば借りてよいことにしてあります。家に置いてあったシェーラシリーズも全部持ってきて学級文庫に並んでいます。すると,あっという間に『シェーラひめのぼうけんシリーズ』は貸出中状態になってしまいました。1巻から読んだ方がいいんじゃないかなぁとも思ったのですが,子どもにはあまり関係ないようです。それにしても,まさか1冊も残らないなんて…。冬休み中にもう一度読んで,HPで紹介しようと思っていたのに。
今回はマンガも含んでよいという条件で紹介しています。
作者名及び題名が間違っている可能性がかなり高いので,ご注意ください(^^;)
尚,作者名が書かれていない場合がありますが,子どもたちが書いてくれなかったので
そのままにしてあります。わかり次第,載せていきます。
お気づきの点があれば,メールにて連絡してください。
『ふたりのロッテ』は父と母が離婚してしまい,ロッテとルイーゼは小さい頃に離ればなれになってしまいました。ぐうぜん出会ったロッテとルイーゼは自分たちがふたごであることに気づき,ロッテは父に,ルイーゼは母に会いたいと思うばかり。そこで,ロッテとルイーゼは名前やかみがたをこうかんし,それぞれ父と母に会いに行きました。さてこの作戦,ばれたらたいへん!うまくいくといいですが…。
『フランダースの犬』はネロとおじいさんが老犬パトラッシュに出会うお話。大画家になることを夢見るネロが忠実な老犬パトラッシュとたがいに愛し合い,助け合って生きてゆきます。その愛情と信頼の深さは読む人の胸を強く打ちます。出会いもあれば別れもあるし,楽しいこともあれば悲しいこともあるお話です。
『愛犬ルーファスとだんまりレナーテ』はいつでもどこでも一緒なルーファスとレナーテが父の仕事の都合ではなれてしまいます。そんなこととはしらないレナーテは,父と母に裏切られたと思うばかり。レナーテはルーファスに会えるまでだれともしゃべらないという決心をしました。ある日,父の言ったことでレナーテは家出をしてまでルーファスに会いに行きます。いろいろなハプニングが起きる中,レナーテはルーファスに会えるでしょうか。
「こそあどの森」のシリーズに出てくる主な登場人物は,スッキパー・ふたごの女の子・ギーコさん・ドーモさん・スミレさん・トマトさん・ポットさん・トワイエさんです。ふたごの女の子は本によって名前がかわります。スキッパーははじめはずかしがりやなのに,いろんなことに挑戦していきます。どの話も本当にはないけど,読んでいると楽しい話ばっかりです。
『ふしぎな木の実の料理法』は,スキッパーにおくられてきたふしぎな木の実の料理の仕方をいろんな人に聞いていって,教えてくれた人には一つずつあげます。ゆでたり,やいたりしても少しも動かないほどこの木の実はかたいのです。だけど,最後にはみんな料理法がわかります。その料理法は…お楽しみです。
『まよなかの魔女の秘密』は,ポットさんが急にいなくなってしまって,みんなで話し合って探す話です。スキッパーはふしぎなふくろうをつかまえます。そのフクロウは文字もうてるフクロウ。その正体は…!
『ユメミザクラの木の下で』では,スキッパーが歩いていたら,大きな木の下に女の子がいました。その女の子にあってからふしぎなできごとがおきます。現実なのか,夢なのか,早くその先の話が読みたくなります。
ぼくは,他の世界に行ってしまう話を集めてみました。
まず,1冊目は『二分間の冒険』です。悟が学校でしゃべる黒ねこ「ダレカ」に出会い「ダレカ」に他の世界に連れていかれてしまいます。「何かに化けている自分を見つければ元の世界にもどす。」と「ダレカ」に言われ,「ダレカ」を探しながらその世界に住む竜と戦っていくという話です。
次に『風力鉄道に乗って』という本を紹介します。「ぼく」がいつも通り電車に乗ったと思ったら,その電車は風力鉄道だったのです。鉄道に乗っていたマイケル・フォックス・ブラザーさんとその弟の遠山新三郎さんたちといっしょに不思議な駅や街を旅するというお話です。
最後に『ハリー・ポッターと賢者の石』を紹介します。ハリー・ポッターという少年が主人公です。ハリーは幼いときに親が死んでしまい,マグル(人間)の世界で育てられていて,11才になった時魔法の世界から来た魔法学校の校長アルバス・ダンブルドアがハリーを魔法の世界に連れていき,魔法学校に通わせました。そして,同じ学校の生徒のロンやハーマイオニー・グレンジャーたちとそこで暮らし,闇の魔法使いヴォルデモートと戦う話です。
1冊目は『私の妹』です。これは本当にあった話で,この本を書いた松谷みよ子さんの所に来た一通の手紙を絵本にしたそうです。この話に出てくる女の子は,4年生の時からひどいいじめにあい,やがて学校に行かなくなってしまい,女の子をいじめた人たちは中学生になり高校生になって…。そのつづきが知りたい人はぜひ読んでみてください。
2冊目の本は『からす太郎』です。みんなに仲間はずれにされている男の子が,いつもたいくつなときに見ているもの。「うすのろ」「ちび」「とんま」と言われても6年間ずっと学校に通い続けたその男の子のお話です。
3冊目は『ワンピース』の16巻です。そこに出てくるトナカイのチョッパーという男の子は鼻が青いだけで生まれたしゅんかん親に捨てられて,あげくのはてにへんな実を食べてしまって群れの中でバケモノあつかいされてしまいます。人にも「バケモノだ。」と言われ,銃でうたれて大けがをおっていたところにドクターヒルルクがあらわれ,傷だらけのチョッパーの世話をしてくれるお話です。最後は悲しい結末になってしまうのですが,いいお話なので読んでみてください。
今まで読んだ本で一番心に残った本「盲導犬」の話を紹介します。
『えらいぞサーブ』が一番心に残った本です。サーブは主人の亀山さんを連れていつもがんばっています。ある日,亀山さんがおにいさんの家に行くとき,国道なのにガードレールがなかったので,前をあまり見ていない乗用車がつっこんできました。サーブは亀山さんを守ろうとしたけど,「ドーン」とサーブが車の正面に当たってしまいました。亀山さんは起きあがり,額から血を流しながら見えない目でサーブを探したなんてすごいと思います。お兄さんが来て,サーブを病院に連れていきましたが,前の片足の神経がずたずたに切れていて,足を1本切らなくてはいけないなんてかわいそうでした。
『夢をくれた盲導犬』はミントの主人が中学生の時に目が悪くなる病気にかかり,目が見えなくなってしまいました。でも,盲導犬ミントをもらってからどこにでも行けるようになります。旅行に行ったり,水族館に行ったり,楽しいことばかり。ミントと一緒にいられてどこにでも行けるのでうれしいそうです。『盲導犬グレフ誕生物語』はグレフが生まれてから訓練をして主人の元へとどき,また訓練をし,正式な盲導犬になるまでの写真集です。厳しい訓練をりっぱにやりとげるグレフがすごいと思いました。
ほかにも『盲導犬フロックスの手紙』『がんばれ盲導犬サーブ』『聴導犬シンディ誕生物語』『がんばれ!!盲目のイヌ太郎』などがあります。ぜひ読んでください。
『とりかえっこ』に出てくるのはなかよりの子リスの女の子,すうとりんです。二人はとっても仲良しですごくそっくりさんです。背の高さも同じ。しっぽの長さも同じ。お誕生日まで同じ。でも,双子でも兄弟でもない,お友達!すうは元気な女の子。りんはおとなしい女の子。ある日二人はあひるのおばさんに「すうとりんはとってもにている。」と言われたので,そばの池で顔をうつしてみました。りんがリボンをとればそっくり!そこで二人はとりかえっこをすることに決めました。すうはりんに,りんはすうになりました。みんなの前に出てもばれません。夕方になりました。でも,とりかえっこをやめたくありません。だから,りんはすうの家へ,すうはりんの家へ帰っていくのですが…。
『しろいうさぎとくろいうさぎ』では,しろとくろのうさぎが仲良く遊んでいます。でも,くろいうさぎは少しおかしい?少し遊ぶと何かを考え,また少し遊ぶと何かを考えます。「どうしたの?」としろいうさぎが聞くと「なんでもない。」と答えます。何度もしろいうさぎが聞くとやっと「ぼくたち,いつまでいっしょにいられるかな?」と言うのです。
『じゃんけんねこ』の紹介です。たっちゃんという男の子がすすきがしげったところに入ると,そこにはねこがいました。そのねことじゃんけんをして負けたらそこから出ていくことになり,勝ったらねこになれます。たっちゃんは勝って,ねこに少しの間だけなれました。でも,2,3日たってまたそこにいくと,もうねこはいないのでした。
(00/12/28)