■質疑応答 9:00 今日も質疑応答から始まります。 傷寒論に出会う人と出会わない人がいますが不公平ではないでしょうか? 「何をきっかっけに知るかと言うことは、相手にもよりますが、自分が何を求めているかだと思います」 「求めていない人は、出会っても氣付きませんし、どうしようもないことやと思います。まかせるしかないと思います。」 「定めとしてあきらめるしかないのやと思います」 本物を見極めるにはどうしたらいいでしょうか? 「自分の登っている山が、本物かどうかは途上の人にはわかりませんね。でもどの山でも良いので、全力で突き詰めて行けば良いのやと思います。」 「登り切ったとき、自分の求める本当の山でなかったとわかっても、本物を見極める眼が養われているのやと思います」 「そのときそのとき精一杯選択し生き切れば良いのだと思います」 質問の時間には、漢方に限らず宇宙論・生命論まで深い話ができ、いろいろな氣付きを得ることが出来ます。 それが、また漢方に必要な智慧となって行くのでした... ■お勉強 初日からぶら下がっているこの大きな紙はなんだかわかりますか? 縦軸が「陰・陽(虚・実)」、横軸を「表・裏」としたマトリックスです。この表上に漢方を位置づけることで、右脳的な理解を促進しよう?と言うものです。 「表・裏」と言うのは、川口さん独自の概念だそうで「太陽・少陽・陽明」に対応します。これは体のどこに有効かというものです。 簡単に言いますと「表・裏」の「表」は「浅いところ、体の表面」、「裏」は「深いいころ、臍から下の内蔵部分(腸、生殖器)」、また「表・裏」の中間として「半表・半裏」もあり、「臍から上の内蔵(肺、心臓、肝、腎)」を指します。 この縦横6つのエリアに漢方を張り付けながら、傷寒論を進めて行きます。 例えば「葛根湯」は右上のところ。「陽(実)」で「表(太陽)」に位置します。 傷寒論を読み解釈し漢方の生薬を確認し、こんな風に紙に貼りながら学習会が進んで行きました。 そして、あっと言う間に3日間が終わったのでした... 最終的には、この3日間で第五十章まで進みました。 ■最後に 漢方初心者の私でしたが、3日間を終えて漢方が少し見えてきたようです。 数多く見立てを行い処方し「脈診」「腹診」等の実践を積むことで漢方の理解が深るのでしょう。 しかし、今私達が生きている、この宇宙の理、いのちの理が十分に観じられないと、本当の意味で「わかった」とは言えないのではないかと思います。 そのためには処方の仕方だけを学ぶのではなく、自分自身を良く理解し、自分と他の全ての「いのち」とのつながりを回復して行くことが必要なのだと思います。 知識と経験と、そして「いのちのつながり」が回復したときに、真の医学を会得できるのだと思います。 来年は第五十一章より始まります。 それまでに、どれだけ心開いているだろうか... |