(苗床の作成) 普通の畑で苗を育てるためにはどのようにしたらいいかを見てみます。 |
■苗床の準備 「今からお米の種まきをしますが、玉葱、葱、キャベツなんかも同じですよ」「お米の生育期間は6ケ月ですが、2ケ月間をこの苗床で過ごします。苗床で半分は決まるくらい大事です。」 と川口さん。 ↓苗床の準備をすべく、畑の一部の草を刈ります。 出来れば、昨年の冬のうちに苗床の準備をしておくのがいいそうです。 表面の草を刈り取った後は、表面の草を薄く鍬で削り取り土を完全に出します→ 「笹とかアワダチソウがある場合は、根っこも取り除いてください。」 ←表面に土が現れたら、表土を耕します。ハイ、耕しています。 またまた"これが自然農なの?"という声が聞こえそうですね。でも、すべてを自然のまま放置することだけが自然農ではありません。 自然の理を知り、夏草冬草に聞きながら自然の恵をいただくのが自然農だと思います。 ”耕すからこれは自然農ではない”などと形から判断されるほど自然農は浅くないと思います。 表面を柔らかくしたら、後は軽く押さえるように均します→ 「平らにしとかんとね、成長にばらつきが出るのですわ」 このとき、川口さんのように鍬の背で押さえると良いですね。 「だいたい1反で5合の籾を準備します。それを1.4m×15mくらいの苗床に播きます。」 ということで今回は1合分、1.4m×3mの苗床を準備しました。 ■米の種まき 種まきする前に、籾の選別を行います。 ←籾の選別ですが、川口さんは塩水でなく普通の水で選別されます。 「芽だしさせておくと田植えの時期が限定されるのですわ、これだとその心配がないのです」 そのようにして選別した籾を直播きします。 籾を乾かした後、パラパラと降るように満遍なく振りまきます→ 「キャベツ、ブロッコリはこの5倍、玉葱、葱は3倍くらいの密度で播くと良いです。」 ←籾が密集する様なところがあれば、手で振り分けます。 均等にばらまかれていないと、田植えをする際に1本ずつ取り分けにくくなります。 「ちょっと面倒でも丁寧にしておくとね全体の作業がスムーズにゆきます」 「絡まってるとね、田植えの時に手間取るのですわ」 ←籾を播き終わったら、上に土を播いて覆います。 このとき、本来はそこの土を乾燥させた物を使うと一番良いのでしょうが、ここでは冬の間の準備をしていませんので、かぼちゃでも使った山砂を使い覆います。 「冬の間に苗床の準備をする際に出た土を置いとくんです。そうするとね、土がホロホロになります。その土を使うのですわ」 土で覆った後も、軽く均します→ 最後に、刈り取った草で覆います。 「草でも稲藁でも良いんですよ」 「お米は水分が必要ですから、厚めに敷いておけばいいです。野菜の場合は薄めがいいです」 また、播くときは同じ方向にならないようにする事が大切です。同じ方向だと、すぐに薄くなってしまうそうです。 「スズメ防止のためになら長い草を、犬や猫なら竹の先っぽをおいておくといいです」 ■モグラよけの溝掘り ←苗床の周りに、モグラよけの溝を掘ります。 「モグラや野ネズミはね、溝があるとそこが明るくなるのでね、来なくなります」 またまた掘り返していますが、よ〜く見てください。でたらめに掘っているわけではありません。 畝作りで溝を掘ったときと同様に掘り進んでゆきますが、掘った土がひとつの固まりになるように掘り、かつ、そのまま溝の横に横たえて置いています。 これは、苗床の役割が終われば、土のかたまりをそのままブロックをはめるように溝に戻して、元の畑にすることが出来るようにするためです。 ひとつひとつの動作には、わけがあるのでした。 また、溝は綺麗にさらえて置くことが大切です。余計な土があると、それを隠れ蓑としてモグラが徘徊するようです。 |
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