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長編記録映画  「自然農」
〜 川口由一の世界・1995年の記録 〜

福岡での「自然農」の上映会も、今回で4回目となりました。
耕さず、草や虫を敵とせず、肥料農薬を必要としない生命の営みに沿った農・・・ 自然農の心と実践のあり方を1年間の作業を通して見ることが出来るこの記録映画の上映に、今年もたくさんの方々にご覧いただくことが出来ました。
今回は映画を見る立場からでなく、皆さんをお迎えする側から報告させていただきます。

上映会の準備は万端
多くの方々に上映会に足を運んでもらい喜んでいただくために、”お世話係”の皆さんは自分の出来る範囲で関わり準備を進めてきました。
習字の師範でもあられる木下さんによる揮毫 4月15日。福岡市内の朝方は小雨模様のお天気で、見学に来られる方の出足が気になりましたが、上映が始まる頃にはお日様が顔を出すまで回復しました。
中央右、黒い服を着た方が川口さん ”お世話係”の皆さんは、朝9時集合です。
それから荷物の運び込み、受付の設営、本の配置、花の飾り付け、ステージの設営等、やることがいっぱいです。そうこうしているうちに、川口さんが到着、今回は洋子夫人もご一緒です。そして皆さんと短いお話。
映画を見に来ていただく皆さんに喜んでいただくため...
その甲斐あってか、当日は250名ものたくさんの方に来て頂きました。

川口さんのお話
上映に先立ち、川口さんのお話です。川口さんのお話を短くまとめてみますと...
『福岡での上映会は5回目となりました。自然農を紹介できるのを嬉しく思います。
この日本において栽培生活は数千年前より行われてきましたが、今の栽培方法は自らの命・他の命に困ったことになる栽培の仕方になっています。
実るエネルギーよりも、実らせるために用いるエネルギーの方が大きく、栽培を重ねるほどにマイナスになっており、 そのマイナスは、自然界・生命界に取り返しのつかないほどになっています。
それは育てる過程において、栽培すればするほど大地を汚し、空気を汚し、水を汚していく栽培であり、いつまでも続けることの出来ない栽培方法だといえます。
そんな中「自らの”いのち”は、自らの手で」という人が増えてきており、確かな流れになりつつあります。福岡での学びの場もその一つです。
自然農の”要”となるのが「耕さないこと」です。耕さなければエネルギーを使わなくなる、自然の山野と同じように足下が豊かになる、健康に育つので農薬がいらなくなります。 環境に問題を与えない、自らの”いのち”を損ねない、最も少ない労働時間で自分の糧を手にすることができ、いつまでも農耕生活を続けることが出来る栽培の仕方と言えます。
それは難しい技術ではありません。お米はそれ自体完全な”いのち”であり、その”いのち”を全うさせることが出来る栽培の仕方であるからです。
今、この地球で起こっていることを考えると途方に暮れそうですが、自然界・生命界は少々の事があっても”いのち”の営みは絶えることはありません。
自然農は日本から宝物として世に出されました。いのちのもとを壊して行く栽培の仕方は、いかに便利であっても、いかに歴史があっても問い直さざるをえません。
転換の際には秩序が乱れるとか体制が壊れるとか心配しがちですが、緩やかな転換の仕方のよって”いのち”の営みに沿った栽培の仕方に変えることが出来ると思います。 少しでも”いのち”に沿った栽培の仕方を求めるなら、自分が救われる、全体が救われる。そのように思います。
「自然農」の映画は見るごとに素晴らしい世界だなと思います。「なぜ自然農か」と考えますと素晴らしい答えを返してくれるとつくづく思います。
皆さんと一緒にこの映画を見れらることを嬉しく思います。』

上映会のスケジュール

場所 福岡中央市民センター
日時 2010年4月15日(土)
12:15 開場
13:00 川口さんのお話
13:30 「自然農」上映
16:03 休憩
16:15 パネルディスカッション
17:30 閉場


 
上映会
川口さんのお話の後は、上映会の始まりです。
2時間33分と長い記録映画ですが、皆さんじっくりと見られておられました。
映画の内容ですが、概略をかいつまみますと...
『鳥山敏子さんが川口さんの自然農の田畑で1年間にわたり一緒に作業をしたり対話をしたりする中で、川口さんの「自然農」の姿を浮き彫りにしてゆきます。
1995年5月、苗代の準備から始まります。6月末には田植えです。苗よりも丈の高い草の中に1本1本手で植えられてゆきます。
夏の盛り、しっかりと良く分けつしています。11月中、稲刈りをした後は、ひと月近く天日干しをします。12月も半ば、足踏み式の脱穀機で脱穀です。
厳冬の中、田圃に播かれた稲藁の間から麦の新芽が顔を出します...』
映画の中では虫達が多くでてきます。いかに多くの”いのち”と共に私たちは生きているか。当たり前のことを見せてくれます。

パネルディスカッションとQ&A
休憩の後は、自然農実践者によるパネルディスカッションとQ&Aです。
左より、村山さん、松尾さん、川口さん、鏡山悦子さん、鏡山英二さん、川鍋さん 今回は、新しい試みとして、実践者の経験/年齢の幅を持たせるよう比較的若いメンバもパネラとして参加することにしました。
自己紹介の中での川鍋さんの「自然農は簡単ですよ」の発言に会場は盛り上がりました。
また、実践的な質問以外にも「オーガニックをどのようにとらえているか」などの質問も出てきました。
Q&Aでは会場からはたくさんの方の挙手がありましたが、時間の都合もありすべての方のご質問に答える事が出来ない状況でした。

みなさんご苦労様でした
会場のあとかた付けが終わった後は、懇親会の始まりです。
見学会・学習会に来られる方の中には、これが楽しみで来られる方もおられるかもしれませんね。
1時間近く遅れての開始の事もあり、皆さん一言ずつ挨拶して懇親です。 遠くは静岡県や岐阜県から来られた方もあり、九州以外からも多数参加していただき、びっくりです。
自然農の広がりを感じ嬉しく思います。

瑞梅寺・山の家にて前夜祭
上映会と見学会が2日連続であるため、遠方からの方は泊まりかけで来られる方もおられます。そのため宿泊先としていつも利用しているのが瑞梅寺山の家です。お酒も出ました。
ここでは、各自の自然農の体験談や情報交換等を行い、皆さん有意義な時間を過ごされたようです。
積もる話しはいろいろありますが、明日の学習会の為に早めに切り上げです。
明日はどんな学習会になるのか、多くの方に来ていただけるのか、楽しみです。

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「自然農」
川口由一の世界・1995年の記録

・16ミリカラー 2時間33分
・制作:小泉修吉+鳥山敏子
・監督:小泉修吉
・撮影:堀田泰寛
1997年鳥山敏子・グループ現代作品


パネラのご紹介

・松尾さん(15年)
・鏡山さんご夫妻(8年)
・川鍋さん(5年)
パネラ兼司会者
・村山さん(10年)
そして、
・川口さん(22年)


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