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1980年代後半のレプリカ市場を席巻したマシンが、ここに降臨。


なんしぃ仕様


 年式
  MC28型 1996年式

 ボディカラー
  ロスホワイト×ウラヌスバイオレット

 タイヤ
  ブリジストン BT−80R(OEM)
  
 主な後付けパーツ
  すっごい!ノーマル(爆)

基本スペック
(1994年式・SE)

全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
乾燥重量
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
燃料タンク容量
燃料供給方式
タイヤサイズ(前/後)
1,970mm×650mm×1,045mm
770mm
1,340mm
138kg
水冷・2サイクル・ケースリードバルブ
V型2気筒
249cm3
54.0×54.5mm
7.4:1
40.0PS /9,000rpm
3.3kgf・m/8,500rpm
キック式
16L
PGM-IVキャブレター
110/70R-17/150/60R-17

NSRって?
私のようなオッチャンはまさにライブなマシンでしたが、30歳に満たないヤングな方々にはピンとこない(かも)。
NSR伝説を熱く語ります!


 ホンダ・NSRとは「New Sprinter Racing」の略で、当時WGP(世界ロードレース選手権)で走っていたレース
車両「NSR250」の市販レプリカ…いわゆる「レーサーレプリカ」です。
(余談ですが、レーサー「NSR」は「New Sprint-racer of Reserch」の略で、市販車と若干異なります)
 元々ホンダは4ストを得意とするメーカーであり、環境問題面において問題がある2ストには消極的でした。
WGPは2ストと4ストが参戦可能でしたが、500ccという排気量のレギュレーションは同じ。当初4ストで頑張って
いたホンダでしたが、同排気量であればパワーを出しやすい2ストが有利。2ストを熟成させたヤマハやスズキの
台頭により劣勢となります。そこで開発されたのが「NS」。NSRの原点となるマシンで、V型3気筒エンジンを
搭載。非常に高性能でしたが、その後まもなくV型4気筒エンジンを搭載した「NSR」をデビューさせます。この250ccモデルである「NSR250」の市販レーサーレプリカが「NSR250R」となるわけです。

【NSRの特長】
 市販車「NSR250R」の主な特長は以下のとおりです。
・PGMキャブレターによる電子制御
 マイコンチップによるエンジン点火タイミングを制御することにより、4スト並みの扱いやすさを実現。元来2スト
 と言えば「低速トルクが薄くてドッカンパワー」「ラフなアクセル動作でチンタラ走るとかぶる」などといった風評
 が当たり前でしたが、エンジン回転数やギアポジション等で総合制御。最終型であるMC28では減速比に
 よる制御も入り、一段と知能化が進んでいます。
・カード型のメモリーキー
 最終型のMC28では、通常のイグニッションキーにカード型のメモリーカードを採用。現在のクルマ業界では
 当たり前となったメモリーキーのハシリとも言える装備ですが、NSRはこれに点火プログラムなどを予め
 インプット。また内部キー番号と照合しないとエンジン始動ができないイモビライザー機能も搭載しています。
 さらにトピックなのは「HRCカード」で、このカードキーを挿入するとレース用プログラムに置き換わり、フル
 パワー化とPGMマッピングが自動的にレース用に置き換わります。但しウィンカー・ヘッドライトは勿論のこと
 ですが、スピードメーターも常時水温計表示になってしまいますので、公道使用はできません。
・レーサー譲りの車体周り
 レーサーレプリカというには、その車体構成は正しくレーサー譲り。厳密には市販レーサー「RS250」からの
 ものですが、フレームやサスペンション、エンジンのクランクケースなどはRSと共有です。但し最終型のMC
 28は、ワークスレーサー「NSR250」が一人歩きしてしまい、レプリカ感がやや薄まったのも事実…(涙)。
 またホンダお家芸である片持ち式スイングリアアーム「プロアーム」の採用もトピックでしたが、ワークスNSR
 が右側懸架式に対して市販車NSRはRVF400と同様の左側。NSRの場合は右側にチャンバー膨張室の
 スペースを確保する必要があり、この点を考慮すると右側懸架が理想ですが…チェーンの取り回しなど大幅な
 設計変更が必要になり、市販車では実現できなかったようです。

【NSRの年式】
 NSR250Rは上記の特長もさることながら、何より「レーサー直系」という解りやすいコンセプトが受け、
レプリカブームの波に乗って大人気モデルに成長します。1987年登場の初代NSRから、現在では考えられ
ない「毎年フルモデルチェンジ」を経て進化を続けます。

 <1987年モデル(MC16)>
  

  記念すべき初代NSR。PGMイグニッションは採用されていませんでしたが、レーサーRS250と同時開発で
  あり最終型まで採用され続けた「RCバルブ」(可変排気システム)や「NSシリンダー」(ニッケルメッキシリン
  ダー)を採用し、TZRやガンマを圧巻し始めます。ややマニアックな味付けで乗り手を選ぶマシンでしたが、
  これもまたNSRの魅力と、今でもファンが多いモデルです。

 <1988年モデル(MC18)>
   

  わずか一年でフルモデルチェンジを果たしたNSRは、その後のNSR人気を決定付ける「PGM」を初搭載。
  エンジン回転数とアクセル開度で点火タイミングを連続制御することにより、峠からサーキットまでパフォー
  マンスを如何なく発揮します。最大出力のメーカー公表値は45psでしたが、ピーク時には60ps近く出て
  いるという噂(実話?)が立ち、他社からパッシングを受けました(爆)。「最強のNSR」として、歴代モデル
  の中でもスバ抜けて人気が高いモデルです。実際に私も過去に数回乗ったことがありますが、10,000rpm
  あたりでピンポイント的に(45psとは思えない)強烈なパワーが炸裂し、とても楽しかったです。
  (コーナリング中にこの回転域に入ると、ヒヤッとしますが…)
  またこのモデルでシリーズ初となる「SPモデル」もラインナップ。当時スペンサーが駆けていたNSRの
  ボディカラー「ロスマンズ」をまとい、世界初のマグネシウムホイールを搭載していました。

 <1989年モデル(MC18)>
   

  88モデルのマイナーチェンジ版という位置づけの89モデルですが、フルモデルチェンジに近い内容をひっさ
  げています。レギュレーションの変更で認可されたスラントノーズカウル(変更前は、フロントアクスルより
  前にカウルが張り出してはNG。当時のレーサーが妙にダサく見えるのはこのせい!?)や、アップサイレン
  サーなど外観の変更もありますが、それ以上に変わったのが中身。PGMイグニッションは「II」に進化し、
  ピークパワーを「点」から「線」として通称「台形パワーバンド」を実現。実に1,500回転もの間でピークパワー
  を絞りだし、より高度に知能化されたPGM制御と相まって更なる乗りやすさを追求。その反面、この年より
  施行された180km/h速度規制に対応され、過激路線が抑えられていきました。
  二代目となる「SPモデル」は、88モデルのマグホイールに加えて乾式クラッチとフルアジャスタブルサスを
  装備。シャープにつながるクラッチと「シャラシャラ」という独特の音が、オーナーの所有欲を満たしました。

 <1990年モデル(MC21)>
   

  通称「MC21」と言われる4代目NSR250Rは、それまでのNSRを根底から覆すほどの大変貌ぶりを見せ
  つけました。まず車体周りは、剛性一辺倒の発想を転換したフレーム(縦剛性を高める代わりに横剛性を
  落とし、コーナリング時に適度に撓るものとなっている)と、湾曲型スイングアーム「ガルアーム」を採用。
  前者はしなやかな車体剛性によりグイグイ曲がるハンドリングを実現。後者はチャンバーの取り回しと
  バンク角確保に貢献。チャンバーレイアウトの自由度が増し、理想的な管長とチャンバー室確保を実現して
  いる。そしてエンジンは、新たにギアポジションセンサーを設けた「PGM−III」を装備。エンジンの知能化が
  更に促進されました。
  私も92年式に乗っていましたが、その出来はもはや「4スト」。どんなところからでもアクセルを開けると加速
  し、車体の切り返しも「超」が付くほど軽快。コーナー出口を見るだけでマシンは向きを変えてくれます。
  まさに「名車」と名高い4代目NSRです。
  余談ですが、このMC21はジムカーナ界でも無敵の存在。軽量かつレスポンスの良い車体とエンジンで、
  「NSRでなければ勝てない!」という状態を作ったほどでした。
  恒例となった「SPモデル」も存在。基本装備は89モデルに準じますが、91年モデルではハイグリップタイヤ
  の「BT−70S」を搭載。コーナリングマシンの地位を堅固なものにします。

 <1991年〜1993年モデル(MC21)>

  
   
  91年よりメーカーが定める馬力規制が45psから40psに引き下げられ、新型車から随時適用されることに
  なりました。ホンダはレーサーレプリカに対してモデルチェンジを行わなず、優遇処置が認められる1993年
  までカラー変更のみに止める対策にでます。しかしこれでは販売競争には勝てないため、スタンダードモデル
  にSPモデルの足回りと乾式クラッチを装備した「SE」グレードを、1991年に追加します。
  また92年モデルではSEグレードをメインとし、スタンダードとSPを両脇に抱える万全の布陣を敷き、NSR
  人気を不動のものにします。
  92年式SPモデルは、88年モデル以来となるロスマンズカラーが復活。そして93年SPには、赤白のワー
  クスカラーをベースに高輝度レッド(NRと同じ色です)を使用した「フラッシュカラースペシャル」がそれぞれ
  限定販売。敢えてペイントしてマグネシウムであることを隠したホイールが賛否両論でしたが、レプリカ
  ブーム倦怠期においても人気を博し、特に後者は超レアなモデルで、中古車市場でも滅多に出回らない
  貴重なマシンになっています。(もし見たら即決ッス!!)
  4代目NSRは4年間カラー変更のみで継続されたモデルですが、内部的な仕様変更は毎年行われており、
  PGMセッティングやRCバルブの仕様が年式により異なっています。歴代NSRで「エンジンと車体がベスト
  バランス」と讃えられており、特に93年モデルは最良と言われています。中古車を狙うなら、価格とタマ数が
  こなれているこの年式がベストチョイス!と言えるでしょう。

 <1994年〜1999年モデル(MC28)>
   

  ホンダの苦渋の決断…。ついに40psとなったNSRが「MC28」こと5代目NSRです。しかし商品力が下がる
  のを避けるため、「プロアーム」「カードメモリーキー」「知能化の躍進」という飛び道具で勝負に出ます。
  詳細説明は後述の「ディテールチェック」で行いますが、時はすでにレプリカブーム後退期。ネイキッドバイクの
  台頭で、バイクは「性能」よりも「感性」で乗られるようになり、1996年にカラー変更を受けるも内容は大きく
  変わることがなく、5年間の販売の末、環境問題も相まって絶版となりました。

  21世紀を迎えた今、辛口のスポーツモデルと言えば600〜1000ccのスーパースポーツモデルですが、
  その独特の加速と軽量な車体、オイル混じりの排気煙を愛するファンも多く、NSRに限らず2ストレプリカは
  中古市場で密かなブームを迎えています。

 【NSRのグレード体系】
   1987年発売当初は1グレードのみの展開でしたが、1988年に上級グレードの「SP」(SportProduction)、
  1991年にその中間グレードである「SE」(SuperEdition)が追加になっています。しかし1996年の最終
  モデルでは、「SE」のみの単一グレード展開になっています。
   各グレードの装備差は下表のとおりです。(参考として、ライバル車種の装備体系も掲載しています)

 
フルアジャス
タブルサス
乾式クラッチ
マグホイール
クロス
ミッション
NSR250R (標準)
NSR250R SP ('88)
NSR250R SP ('89〜)
NSR250R SE
TZR250R (標準)
TZR250R SP
TZR250RS
TZR250SPR
RGV250Γ (標準)
RGV250ΓSP
RGV250ΓSP-II

   「SP」はレース使用を前提に設定されたグレードで、フルアジャスタブルサスペンションと乾式クラッチが
  装備されており、NSR独自の装備としてマグネシウム製ホイールも装着されています。マグネシウムは
  軽量なことで知られていますが、強度面などで問題が多く量産車で採用されることは皆無です。しかし
  ホンダは一般使用における強度を確保し、市販車に搭載して世間を驚かせました。レース用と比べると
  劣りますが、それでも一般的なアルミホイールとは明らかに違う軽さ。「ホイール軽量化はエンジン出力
  数十馬力アップにも匹敵する」という話がありますが、「運動靴と鉄下駄で走ったらどちらが楽か?」と
  いうことを考えると効果は絶大です。私も過去に一度だけ、外したマグホイールを手に取ったことがあり
  ますが、アルミホイールに比べて2〜3割ぐらいは軽く(マグ=アルミ×0.75くらい?)感じました。
   また面白いのが、クロスミッション。ライバル車は装備しているモデルがありますが、NSRは採用されて
  いません。「元来クロスミッションは高回転域を多用するレースなどのシチュエーションに考慮した装備だ
  が、NSRはフレキシブルな出力特性のため採用してない」というホンダの見解を聞いたことがあります。
  いかにも「優等生」を目指すホンダらしいスタンスではないかと思いますが…レースしてる人はやっぱり
  交換してるみたいですね(爆)。草レースぐらいではノーマルでも問題ないと思います。   

 


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購入動機
NSR購入までのいきさつ。どうして今更、250ccのNSRなのか…?


2008年秋…世界を襲った、大規模な景気後退。
なんしぃも例に洩れず、経済的な危機が家庭を圧迫し始めたのは、それから間もなくのことであった…。

 とまぁ、どこかの小説のような語りで始まりましたが、不景気の波が私の身の回りにも押し寄せ、食べ盛りの
お子ちゃまにかかる食費代もバカにならなくなって
きました。収入は変わらないわけですから、必然的に追及
される「無駄な出費」。その中でもとりわけクルマとバイクに矛先が向けられ、最も必要性が低い「ZX−10R
が標的となってしまいました。
 確かに、新車で購入して3年経過したにも拘わらず、オドメーターは僅か3,000km。その間に毎年の自動車税
が4,000円(×3)、車検が一回(約70,000円)。ここをどうにかしたいと、うちの大蔵省(←死語?)から申し出が
ありました。しかし、バイクは私の大事な趣味の一つ!決して手放す訳にはいきません。
「250ccのバイクなら、維持費も安くて車検もないゾ…」
 軽自動車税(2,400円)と自賠責保険は必要ですが、2年に一度の車検がない。そして高速道路にも乗れるの
で実用性もマズマズ!
 しかし、問題も少々。
 リッターバイクからの乗り換えを考慮すると、やはり乗るのは2ストがいい。何せ「YZF−R1」を購入した最大
の原因は、その前に所有していた「ジール」(250ccの4ストです)の非力感に耐えれなくなったからです。
ましてや身の回りのライダーは皆リッターバイク乗りですので、軽量・ハイパワーの2ストでなければ付いて行けぬ!
 そんなこんなで、毎度行きつけのバイクショップに赴きます。

 ワタシ「10Rを担保に2ストバイクを探して欲しいんですけど。NSRが良いですが、TZRでもOK!」
 店長 「お前のぅ〜、NSRは高いでぇ。かと言ってTZRはええタマ無いでぇ。」
 ワタシ「そこを何とか…。NSRならガルアーム(MC18)以上、TZRなら最終型(3XVのSPR)が理想です」
 店長 「ふざけんな、お前〜」

…と、広島弁バリバリの押し問答の末、予算60〜70万で中古2ストレプリカの探索が始まりました。10Rも
無事買い手が決まり(80万円でご購入!良いお買い物ですよ!)、店長の千里眼の見せ所と相成りました。
ただし、TZR250SPRは馬力規制の関係か、私が以前乗っていた91年式のものより相当パワーダウンが
施されているとのことなので、潔くNSR一本に的を絞りました。(ハンドリングはTZRが好みなんですが…)
そして店長の頑張りの甲斐があって、最終型のSEを遠路遥々名古屋から「おいでませ〜」と相成りました。
 走行2,500kmでオークション落札額が60万円+α(落札時の諸費用が結構かかるそうです)。送られてきた
車両は、見た目はピッカピカ!しかし、10年落ちでこの走行距離…一抹の不安は的中で、中身はかなりキテ
たようで、チェーンとスプロケ(錆び錆び…)を交換、キャブ(腐っていた…)をオーバーホールする事態に。
その甲斐あって、10年落ちとは思えないほど綺麗なバイクになりました!購入額は10Rの下取り額となった
のですが、お店的には相当赤字だったようです…(汗)。
店長、ありがとうございます〜!

 


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ディテール
レーサーレプリカの金字塔、NSRを写真で解説!

  サイドビュー。
 実車はリッターマシンに見慣れていると、
 かなり小柄に見えます。
  ライバル車と比較すると、TZRよりひと回り
 大きく、ガンマ(最終型)よりやや小さめです。
 サイドとアンダーカウルは先代(MC21)と
 同一形状ですが、その他は新設計。個人的
 には大きめのシートカウルがやや不満。
 シャープな形状の先代モデルが好きです。
  因みにこのシートカウル、ライダーの重みで
 裏側からよく割れるそうです。

  アッパーカウルはかなり小柄。風の整流効果
 を追求したという「切り込み」入りのナックル
 ガードですが、効果の程は…疑問(爆)。
  ヘッドライトは先代モデルの使いまわし…も
 とい、共用部品のため、カウリングとの一体感が
 やや甘い印象。せめてユニットの形だけでも
 変更して欲しかったですが、デビュー時の事情
 を踏まえると仕方ないかも。
  テール周りも先代モデルと大差ないイメージ
 ですが、丸みを帯びた形状で「ぽっちゃり尻」。
 テールランプも先代の使い回しか!?

  一眼に見えるヘッドライトは、実は二眼式。
 四角いハロゲンライトが並んでます。マルチ
 リフレクター式ではないのですが、94年に登場
 したRVF400が採用していたことを考慮すると、
 コストダウンのしわ寄せでしょうか?まぁ機能的
 には全く問題ありません。
  因みにこのMC28より、ヘッドライトは常時
 点灯式になっています。ウィンカーもポジション
 ランプとして機能し、エンジン始動とともに点灯。
 ヘッドライトはともかく、ポジションランプを兼ねた
 ウィンカーはどーにかナランもんか(涙)。この頃
 存在したS社のスクーターを連想してしまうゾ。

  サイドカウルは先代モデルと共通。これまた
 コストダウンの影響か、ウィンカーの裏側は
 ブラック一色。先代まではカウルと同一カラー
 だったのですが…まぁこれも機能的には問題
 ないですね、ハイ(笑)。
  「NSR」ロゴの下がステッカーが剥がれて
 いるのは、前オーナーが張り替えようとでも
 したのでしょうか…実はその上のステッカー
 にも気泡が入ってます。
 余談ですが、MC28型の外装パーツはまだ
 (2009年現在)メーカー供給がされております。

  MC28型最大の特長と言える「プロアーム」。
 元々はタイヤ交換のしやすさを狙った装備です
 が、横方向にもサスペンションがたわむので、
 しなやかな路面追従性を披露。その反面、
 チェーン調整がエキセントリック式になることに
 よる車高増減がネック。街乗りレベルなら問題
 ないでしょうが、レース使用を考えられている
 方は要注意!
  タイヤはブリジストン・バトラックスBT-80R。
 何と新車当時のものがそのまま付いてます(爆)
 結構硬化してカチンコチンですので、早急に交換
 したいなぁ〜。
  黒塗りのホイールがイカス!と思いきや、どう
 やらRVF400との共有パーツのようです(涙)。

  前オーナーが全く乗ってなかったのか、錆びて
 しまっていたチェーンとスプロケは新品交換。
 パーツ代だけで2〜3万円はかかりますので、
 中古車購入を考えられている方は要チェック
 ポイントですよ!
  ただし細部はホントに綺麗。とても10年落ち
 とは思えないです(しつこい?)
  余談ですが、片持ち式アームは「elf」のライ
 センス品で、原点は1980年前半のカワサキ
 フランスが手がけたレーサー「KR1000」。
 写真では判りにくいですが、スイングアーム
 に貼られた「PRO ARM」 ステッカーの下部に
 「elf」という文字が。

  フロントタイヤ回り。ホンダは剛性バランスの
 悪化を嫌い、倒立フォークには消極的でした。
 中型クラスで初採用したのは94年にデビュー
 したRVF400。因みに他社マシンは、80年
 後半から採用例がありますので、いかに
 車体バランスを考慮してきたかが伺えます。
  スピードメーターは電気式のため、通常は
 存在するメーターワイヤーが存在しません。

  SEおよびSPに標準装備となる、乾式クラッチ。
 クラッチを切ると「シャラシャラシャラ…」という
 クラッチ板が擦れる音がするのが特長です。
 今聞いても「いー音だなぁ」 と思うのですが、
 全く興味がない人にしてみたら「ウルサイ!」 と
 一蹴されます(爆)。メリットは繋がりの良さ、
 デメリットは音と半クラの難しさ、それと重量。
 (クラッチディスクが沢山入っているため、重い)
 レースなどでは当初は乾式が好んで使われま
 したが、フィーリングよりも軽量化を重点に置く
 チームが増え、90年代後半には湿式に換装
 するケースが多かったそうです。
  なお、乾式とは言えミッションオイルが必要
 で、中央下部に見えるキャップが給油口です。

  同じくSE・SPに標準の「フルアジャスタブル
 サスペンション」。自分の好みに合ったサス
 セッティングが可能です。
  この辺は現代とあまり大差ないですね(笑)。
 SPモデルはサスペンションの仕様が異なり、
 工具なしでプリロード調整できる、アジャスタ
 ーハンドルも装備されています。
 SEにも装備して欲しかった!

  リアは別体式リザーバータンク付きのフル
 アジャスタブルサスペンション。これもSEと
 SP専用装備です。減衰調整だけならドライバ
 一本で手軽にできます。
  写真には写っていませんが、この上には
 エンジンオイルのリザーバータンクがあります。
 2スト車はエンジンオイルが燃えてなくなります
 ので、定期的にチェックして補充するように
 しましょう!因みに私のお気に入りオイルは
 「WAKO’S 2CT」です。カストロールの
 香りに惹かれますが、高回転向けなので私
 の乗り方ではかぶり易い…(涙)。

  左カウル脇にはラジエターリザーバータンク、
 チョーク・ヘルメットホルダーなどが鎮座。ヘル
 メットホルダーは、場所が悪い上に挿し込む
 キーが小さい(後述)ため、使いにくいです。
  上部に見える黄色いレバーはハンドルロック
 用レバー。キーを抜いてハンドルを左に切り、
 このレバーを引き上げるとロックがかかります。
 キーを挿しこむと自動的にロックが解除されます
 が、電気式のためバッテリが上がってしまうと
 解除不能になります。(解除方法はこちら

  ホンダ車オーナーであればお馴染みの左側
 ハンドルのインタフェース。常時点灯式ヘッドライト
 を採用していますので、ライトスイッチ部分が
 ディマー(Hi-Lo切り替え)スイッチに置き換わり、
 従来のディマースイッチ部分がハザードスイッチ
 になってます。
  このハザードスイッチ、納車早々多用するハメ
 になりました(汗)。顛末はインプレッションで。

  液晶スピードメーターを採用し、とてもシンプル
 なコクピット周り。カードキーのため一般的なキー
 シリンダーが存在しないのも、そう言った印象を
 強める要因かも。スイッチを押すことによりオド・
 トリップ・水温を切り替え可能で、ニュートラル
 インジケーターも液晶内に収まってます。
  液晶ユニット下部にはサイドスタンド警告灯
 と異常を示す「ワーニングランプ」が装備されて
 おり、後者はPGMシステムのエラーやエンジン
 オイル残量が少なくなってきたときに点灯します。
  しかし…デビュー当時はこのチャンガラな液晶
 メーターを見て「ホンダは終わったな…」と思い
 ましたが、最近ではよもや当たり前(爆)。時代
 の流れは間違ってなかったようで…。

  これが噂のカードキー。非接触型のメモリカード
 で、大きさは10センチほど。
 機械式キーも内蔵されてますが、四輪で流行
 の電波式キーと違って燃料タンクやヘルメット
 ホルダーの施錠などで多用するため、ハッキリ
 言って不便。ガソリンスタンドに行ったらカード
 キーを抜き、更にこの機械キーを取り出してから
 燃料タンクを解錠するといった手間が必要で、
 この点が以降に普及しなかった要因でしょう。
  機械キー自体も非常に小さい!同社の原付
 バイク用よりも小さいため、手がでかい私には
 扱いに困ります。斬新なんですけどねぇ…。
 

  このようにカードを差し込むと、ハンドルロックが
 解除されると同時にイグニッションONの状態に
 なります。
 (マウスカーソルを乗せるとONの画像が表示)
  ここまでは先進的ですが、実際のエンジン始動
 はキック(笑)。セルスターターを装備しても良かっ
 た気がしますが…まぁレーサーレプリカですから
 ね〜(爆)。
  エンジンを切るときは、カードキーを下に押し下
 げながら抜くとOKですが、機械的なホールド
 ではないので、荒れた道などを走行するとカード
 が抜けることがあるそうです。ってホントか!?

  メーターの夜間イルミネーション。LEDバルブ
 を使用したレーシーな赤色照明です。
 (写真がヘッポコで綺麗に見えませんが…)
 これで指針が赤く光れば完璧!だったんです
 がねぇ…残念!
  因みに液晶内の「N」マークは、ニュートラル
 ランプの代りで、ギアがニュートラルに入ってい
 ることを示しています。ランプ式に慣れていると
 結構戸惑う部分ですね…(爆)。後述のHRC
 カードを使用すると、「スピードメーター」表示は
 「水温計」表示に固定され、「N」マークは表示
 されなくなります。

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インプレッション
15年前のレーサーレプリカの走りは、現在に通用するのか!?


【納車インプレッション】
  元々NSR乗りだったワタシ。そんな気の緩みで接した最終型NSRは、かなり衝撃的でした。
 車体はとてもコンパクトで、最近小型化が進んでいるリッターSSマシンと比べても「小さいなぁ」と感じます。
 とは言え、車幅などはYZF-R1やZX-10Rと比べても大差ないサイズ。小ささを感じるのはアッパーカウルとタイヤ
 サイズからで、跨ってみるとリッターSSと変わらない印象。ひっくり返せば、最新リッターSSマシンのコンパクト化
 は凄い!4ストDOHC1000ccエンジンが2スト250ccとほぼ同サイズな訳ですから…技術進歩を感じさせます。
  さて、軽く車両説明を受け、慣れないカードキーを使ってエンジンスタート。「リッターマシンと比べてトルクが
 薄いからなぁ」と回し気味でクラッチを戻そうとすると、クラッチミートが遠い場所にあったのでびっくり!発進
 と同時に軽くテールスライド(恥)。
  ショップを出発して間もなく、アクセル操作にエンジンが反応しなくなる。そして、停止(笑)。
 「ぬおぉぉ、やはり中古だからかぁ〜!!」と焦りましたが、前述の車両説明時に燃料コックをOFFにしたのを
 思い出し、慌てて確認。案の定そのままの状態だったので、ONに戻して再発進…良かったぁ(←アホ?)
  タイヤが10年前のままなので、軽く車体をバンクさせるだけで結構滑ります。ちょっとずつタイヤを温めな
 がら、高速道路に乗ります(バイクショップと自宅は離れており、高速を使わないと時間がかかる)。
  インターでチケットを受け取り、2ストパワー炸裂じゃぁあ!と白煙を上げながら加速。2ストらしい
 パキーーーーーーン!!
 という加速は、リッターバイクのようにゴリゴリッと押し出るパワー感ではないですが、とても気持ちいい!
 絶対的なパワーと速度は敵いませんが、今でも十分に通用するフィーリングに好感触。タイヤも温まってきた
 ので、意図的に車体を傾けならが切り返しを堪能。この軽さ、たまりまへんなぁ〜(←再度、アホ?)
  しかしそんな楽しい時間も束の間、高速に乗って数分ほどして先ほどと同じく「ごふぅごふう!」とエンジン
 不調!車速がみるみる低下していきます。
  「のぉ〜っ!
 高速道路の、しかもトンネルの中で叫ぶワタシ(爆)。MC28に新設されたハザードランプを点灯させながら、
 時速60km/hほどのスピードを維持しながら何とかトンネルを通過します。安堵のため息も束の間、アクセルを
 開けるとエンジンストール(ド爆)。NSRを路肩に寄せて、停車しました。
 「なぜ止まるぅ〜!」と冷静に車体を確認。特に問題がなさそうだが…。と、ここでショップの店員さんが発した
 言葉が脳裏に蘇る…。
  『もうちょっと、ガソリン入れとくか
 そ、そうか!私は燃料コックをRES(リザーブ)に入れ、高鳴る気持ちを抑えつつキックペダルを踏み下ろす。
 バフォォーン!
 「か、かかった!」(←三度、アホ?)
 最近はガソリン警告灯が付いているバイクしか乗ってなかったから…と言ったら言い訳ですが、そう言えば
 中免時代も走行中にこんなことがあって、走りながら燃料コックいじってたっけ…(しみじみ)。
 後続車に注意しながら走行車線に合流し、事なきを得ました。
  そんな事件があったので、その後のライディングは極めて安全走行(笑)。追い越しなどせす高速道路を
 走り切り、降りてすぐのガソリンスタンドで給油したのは言うまでもありません。
  そんなこんなのトラブルのお陰で、肝心のファーストコンタクトは「う〜むぅ…」てな感じでした(爆)。
 
【気持ちを切り替え、セカンドインプレ!】
  ガソリンを満タンにして、再び15年前のレプリカに挑みます(笑)。
 前回のトラブルでややかぶり気味になってしまったNSRですが、今度はガソリン満タン!とぶん回してみます。
 カタログ数値は「40ps」と、こないだまで乗っていたZX-10Rより135psマイナス(汗)ですが、軽量な車体が
 モノを言い、パワーバンドである7,000rpmではドッカンパワーがさく裂します。いやぁ〜とっても懐かしい
 パワー感です。ここらへんは私が以前乗っていた93年式NSRと大差ないですね。しかしこの後…エンジンは
 フラットにレッドゾーンまで回るのみ。93年式は10,000rpmあたりでもう一段階パワーが盛り上がりますが、
 新型はそれがありません
。この感じはやはり以前乗っていたTZRに似ていますね。
 …いや、日本の公道ではこのくらいが丁度良いのでは!?とさえ感じます。
  足回りも旧型NSRとほぼ同じ印象。最近のスーパースポーツのように明確にサスペンションが仕事をしている
 感じはありませんが、NSR特有の粘りつくコーナリングワークは健在。タイヤも10年前と終わっていますが、
 それでも気持ちよく曲がることができるのは、NSRのポテンシャルが高いことを物語っているのでしょう。
 (注:ライダーのウデはヘッポコです)
 旧型で感じられたセルフステアの強さは、新型ではかなり抑えられている感じがして曲がり易いです。
 どんな低回転でもアクセルを開けるとパワーが盛り上がるので、何気なく走っていると「2スト」であることを
 忘れてしまう…総じて「楽チン」なバイクです。やはり個人的には、ライダー任せでマシンを操作している感覚が
 強い「TZR」の味付けが好みかなぁ…(爆)。
  あと走りには全然関係ありませんが、チャンバーの音。「88NSR比1/6」というエキゾーストノートはやっぱり
 貧弱
なサウンドで、これまた2ストらしさが薄らぐ要因。リプレイス品を装着したいですが…無理だろうなぁ〜。
 それからメモリーカードキーもクセモノです。何かと不便!ガソリン給油もトランク開錠も、内蔵の機械式キー
 を使わなければなりません。
  さぁバイクに乗るぞ!ハンドルロック解除(カードキー挿入)ONになるのでキーを抜いてOFF
  →身支度…トランク使うかな(機械キー取り出し)エンジン始動(機械キーを戻し、カードキー挿入)
 …ね!?煩雑だと思いません!?(てゆーか、乗り方が変か?)
  …やっぱ宗一郎氏が居なくなってからホンダは変わっちまったなぁ…。


 

【満を持して、購入一年後のサードインプレ!】
  購入して一年…。距離は1,000kmも走っていません(爆)が、一年間付き合ったMC28について語って
 みたいと思います。
  まず、走行インプレッション。最初は戸惑い気味だったライディングでしたが、最近ではかなり慣れて積極的
 にブン回すようになりまして、NSRのポテンシャルを改めて感じ取りました。生命線と言える、軽量コンパクト
 な車体と秀逸なエンジンは、これだけで所有欲を満たしてくれます。とはいえ、最近のスーパースポーツと
 比べてしまうとやや古典的なフィーリング。特にアクセルレスポンスは、キャブ車+2ストを感じさせるルーズ
 なもので、最新FI車に乗っている方からすれば「なんじゃこりゃ」的な印象を受けることでしょう(笑)。
 しかし、バイクは「味」で乗る乗り物です。私はNSRらしくて良いと思います。
  コーナリングワークはセカンドインプレ同様、ナチュラルなハンドリング。明らかに先代と味付けが異なって
 いますので、順当に乗り換えられた方は戸惑われるかと(汗)。先代は「パタン」と寝てましたが、MC28は
 ライダーが倒した分だけ寝ます。鈍重になったわけではなく、ややライダーにも仕事をさせてくれるように
 なった
かな?という印象ですね。ヤマハハンドリングが好みなワタシは、素直に「イイ!」と感じました。
 同じホンダ車で言えば、VTR1000FやCBR929RRに近いでしょうか。タイトなコーナーでは先代が、
 飛ばしたときはMC28のほうガ曲がり易くて速い、カナ?
  肝心のパワーは、やはり40psという印象がぬぐえないもので、高速巡航では120km/hでパワーバンドに
 突入してしまい、その上の加速感がかなり鈍ります。「大事に乗らなきゃ!」という気持ちが先行してしまい
 140km/hちょっとしか出せませんでしたが、この時点で既に10,000rpmも回っているため、おそらく160km/h
 ぐらいで頭打ちがくるのではないでしょうか。いずれにせよ、先代に比べてのパワーダウン感は否定できま
 せん。因みに先代は、180km/hあたりまですんなり回った記憶があります。
  実走燃費は、街乗り中心で12km/l前後(満タン法で計測)。これは先代モデルとほぼ同じで、ツーリング
 ではおそらく15〜17km/lは走りそうです。また2ストはオイルも消費しますが、こちらの消費率は不明です
 (まだ無くなるほど走ってないので…)。まぁ相場的には1,000kmぐらいでワーニングランプが点灯すると
 見てはいるのですが…。
  また、この一年でのトラブル報告ですが、やはりあまり乗ってないこともあり、バッテリー上がりを経験しま
 した。MC28はカードキーによるID認証を行っているため、バッテリーが上がると認証が取れなくなり、
 押し掛けなどでもエンジンが始動しなくなります。多少のバッテリーがあれば何とかエンジンは始動するの
 ですが、メーターが誤表示してまったく使い物になりませぬ(爆)。ここらへんは「めんどくせーバイクだなぁ」
 と言わざると得ませんね〜(-o-;)> 最近はMFバッテリーも安くなりまして、結局バッテリーを交換する事に
 なりましたが、やはりマメに乗ってやらにゃアカンなぁと痛感しました。

  その他、今後の展望といたしましては−
  ・タイヤ交換
    流石10年前のタイヤ、クラックが発生してデンジャラスな状態ですので、暖かくなる前に実施したい。
    (※2010年初夏、フロント交換。詳細はコチラ!)
  ・サスペンションのオーバーホール
    ストローク不足を感じます。特にリアサスは結構キテる気が…。
  ・リミッター解除
    ジールほどではないですが、やはり痛切に感じるパワー不足。電気式リミッターは装着されていない
    ので(後述)敷居が低そうに感じますが、結構お金がかかりそうで二の足を踏んでます(爆)。
  ・外装一式換装
    このカラーリング、よく見たら94年式のカラー違いなんですよね。悪くはないのですが、やはりNSRと
    言えば赤!という個人的な偏見があるため、メーカーパーツが供給されているうちに95SP(ワークス
    HRCカラー)の外装一式をゲットしたいなぁ〜。古いNSRがもう一台買えそうなほどの出費になりそう
    ですが、今の外装をスペアとして保存し、末永く乗りたいトコロです。
    (前オーナーの、中途半端に剥がされたステッカー部分も気になるし)

 


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NSR Tips
10年前のバイクを末永く乗るために


【ハンドルロックの解除方法】
  NSRは電気式のハンドルロックを使用しているため、バッテリが上がってしまうとハンドルロックが解除
 できなくなってしまいます。そんなときは以下の手順で解除できます。
 (防犯上、一部を伏せ字にしています。)
  1.ヒューズボックスを開ける
  2.ヒューズのうち○○○ライトヒューズを抜き、空いているヒューズ差し込み口に差し替える
  3.キックペダルを踏み込む

【HRCカードの使用について】
  MC28NSR最大の特長である「PGMメモリーカードキー」は、レース用の点火マッピングになる「HRCキー」
 なるものが存在しています。
  ・010カード
   AVガス・ドライコンディション用。一番パワーが出る仕様ですが、無鉛ハイオクを使用するとデトネーション
   (いわゆる異常燃焼)を起こすので注意。
  ・020カード
   AVガス・ウェットコンディション用。010カードのウェット用ですが、パワー感はかなり落ちるらしい。
  ・030カード
   010カードを無鉛ガソリンで走行できるようにしたもの。パワー感は落ちるが、一般使用ではこれで十分?
 以上の3タイプが存在しましたが、NSRの絶版とともに消滅。ヤフオクなどで手に入れることができますが、
 スピードメーターやニュートラルランプが表示されなくなりますので、自己の判断で…。
 因みに、これらのカードはゲットできても単純に差し替えるだけではNG。認証作業を行わなければなりません
 ので、ホンダ車に強いショップと仲良くなりましょう(笑)。

【NSRのリミッターカット】
  MC28は電気式リミッターは搭載しておらず、「チャンバー」と「ミッション(ファイナル)」を交換するだけでOK。
 しかし、今となってはパーツの入手が困難なのが泣き所です(爆)。ノーマルでも十分速いっすよ!

【中古車の動向】
  レーサーレプリカの中では人気車種だったので、中古車市場でも結構なタマ数が出回っています。しかし
 荒く使われたものが多く、2ストという性(さが)もあって、良質なマシンを見つけることがとても重要です。
 とにかく品質第一と考えるのであれば、94年式以降の「MC28」をチョイスするのがベストですが、絶版車と
 いうこともあって価格は高め…少なくとも50万円ぐらいの予算は必要です。逆に性能重視の場合は、90年式
 以降の「MC21」をチョイスするのがベター
。価格はピンキリですが、40万ぐらいのモノであれば良質な車両
 になるのではないでしょうか?(噂では、90SPが一番ピーキーで面白い!らしい…)
  それ以前のモデルは販売後20年以上経過していることもあり、オブジェとして展示しないのであればオススメ
 できません。特に88モデルは伝説化している部分もあり、中古車市場でもかなりの高値が付いていますが、
 メーカーの外装部品はすでに欠品…ひとコケしたらさぁ大変(爆)。「旧車」ということを念頭にいれ、モデル
 チョイスを行うようにしてくださいね。
 (88ってピーキーすぎるので、特に最近のバイクに慣れてる人が乗ったら「なんじゃこりゃ!?」となると思います。
  タイヤも18インチだし…楽しむには、かなりの気合が必要かと…。)

  因みに2ストですので、一般的な4ストよりもエンジンオーバーホール周期が早め。20,000kmも走ればパワー
 ダウンが体感できるほどですので、コンディションを維持するには結構な出費が…(汗)。


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私にとってのNSR
私の主観が入ってますが…雑談程度に(汗)。


 2ストレプリカとして87年に登場し、瞬く間に人気モデルとなったNSR。私が最初に出会ったバイクが「NSR50
であったこともあり、中型免許取得時は「乗ってみたいなぁ」という気持ちはありました。しかし「走り屋の代名詞」と
言っても過言ではないほど、走り屋スポットには必ずNSRの姿がありました。乗ってみたいけど、速く走らな
いといけないバイクだ…!と、心の中に葛藤があったのも事実。1993年に念願のNSRを手に入れ、嬉しさと不安
でいっぱいでした。
 しかし、そんな私の心配は杞憂に終わりました。NSRはとっても乗り易く、フレンドリーなマシンだったのです。
4代目NSR…通称「MC21」は、エンジンのフレキシブルさと車体のしなやかさが見事に融合し、免許取りたての
ライダーでも問題なし!と太鼓判を押せるほど、素晴らしいバイクでした。
「なんだぁ、2ストって大したことないじゃん」…そう思ったのも束の間、私が最初に接した2ストレプリカ・NSRは、
バイクとしての完成度は満点でしたが、「2ストレプリカ」としては少々味気がない。そんな事実に気づいたのは、
色々な2ストバイクに試乗してからでした。’88NSRとR1−Z、’87TZR250に乗ってからは、真の2ストマシン
とはコイツラなんだ!と、自分のライダーとしての経験の浅さを恥じることになりました。

 そして15年の時が流れ、私は再びNSRと対峙。
 2ストに分別できなくなっている私のカテゴリー分類は、MC21型を手放してから変わっていません。しかしこの
15年間で世間は変わり、環境問題を理由にバイク市場から軽量・ハイパワーの2ストマシンが姿を消しました。
そして大型免許の取得方法が変わり、オーバー750ccのスーパースポーツ(SS)ブームを迎えます。私もその流れ
にのり、数台のSSバイクを乗り継ぎました。しかし、年を追うことにそのパフォーマンスぶりは過激になり、私の心に
一つの疑問が生じます。
「一般的な人間に、180ps超のパフォーマンス・マシンが必要なのか…?」
腕に覚えのある方は勿論問題ないと思いますし、最近のSSバイクはハイパフォーマンスの中にも扱いやすさも兼ね
備えています。しかし、日本の公道においてはやはり180psを超えるパワーは扱えないのではないだろうか…?
(因みに前に乗ってたZX-10Rは、レッドまでブン回せばオソロシイ加速をし、次のコーナーがすぐやって来ます)
そんな中、20年も前に静かにブームを終えた「2ストレプリカ」の記憶が蘇りました。メーカー自主規制の45psという
今となっては何てことないスペックですが、そんなマシンを振り回していた時の楽しさ…それをもう一度、体験したく
なったのです。

 最終型NSRの印象は、前述のインプレッションの通り。現代のSSマシンと比べると全く速く思いませんが、日本
の厳しい道路事情に非常にマッチしたパフォーマンスは、私にとっては「目から鱗」状態です。2ストの味という点に
おいては満足できませんが、軽い車体と相まって操作性に優れるハンドリング性能、パワーバンドから吹け上がる
エンジンの爽快感…これこそ、趣味の乗り物=「バイク」の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

 絶版車となってから10年を超え、メーカー欠品も今後発生すると思いますが、大事に乗っていきたいと思います。

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