2004年式ZX−10R
 なんしぃ&あさなま仕様

 …って、ド・ノーマルっす(笑)。

 

ZX−10R コンテンツメニュー
 ZX−10Rの購入までのいきさつを紹介します。
 04年式ZX−10Rの基本スペック。
 ZX−10Rの各フューチャーを徹底解説します。
 「史上最強」と謳われた10R。その乗り味は!?

 

購入経緯


 それは、YZF−R1を購入してちょうど6年目のこと。
我が家はマンションであるが、治安上の問題からバイクは実家に置いていた。 しかし実家にはもう二台、弟の
ファイアーブレードと親父のTMAXがあり、所狭し状態であった。
 そんなある日、ウチの弟が「バイクを売りたい」と提案してきた。ファイアーブレードを気に入っていたワタシは
勿体無いなぁと思って行きつけのバイクショップに相談(?)に行くと、「ほんならR1と一緒に売って何か一台を
買えばえーんじゃないか」という事になり、車庫の整理も出来るので「バイク・ニコイチ計画」が発動した。

 2台の下取り総額は100万円と見て、次に購入するマシンの選定に入る。実際は車両価格に加えて数万円
の諸費用がかかるので、何とか足が出ないようにしないとならない。
 候補の基準は「楽チンで乗りやすい」だったので、まず最初に思い浮かんだのが登場したばかりの「ZZ−R」。
1400ccの排気量で余裕のクルージングが楽しめるが、コミコミ140万円…とても40万円も追い金が出ない。
Z1000」も候補として浮上したが、何だかパッとしない(注:Z1000は良いバイクです!)…。そう、どうやら
身体が「スーパースポーツ」に慣れてしまっているので、どうせ乗るなら過激なモデルに…という願望が離れら
れずにいたのだ。
 そこで、05モデルのスーパースポーツに着眼。まず何といっても最有力候補だったのが、インターカラーの
YZF−R1」。しかし、何と初回入荷分は完売!次の入荷は6月だそうで…そんなに待てるか〜!という訳で、
今度は「ファイアーブレード」にロックオン。こちらは大丈夫だろうと思ったが、どうせ買うなら新型を…ということで
見積もりしてもらうと、+40万のアシが出る。いくらなんでもこれでは本末転倒。しょうがなく、店内の展示バイク
を探索する。
 店内にあったスーパースポーツは「’03YZF−R6」と「’04CBR600RR」、そして「’04ZX−10R」と「’05
ZX−6R
」だった。このうち後者二台が新車。どうせ乗るなら新車ダナ…と、カワサキ車二台に的が絞られる。
「ZX−10R」は店長が発売と同時に仕入れ、ずっと展示されていたもの。「すぐに売れる」と店長もワタシも
思っていたのだが、雑誌などのインプレのせい(ハイパワーだが、操縦性に癖がありピーキー…)か展示車の
まま2年が経過。売れないものをそのまま置いておくわけにはいかず、値札は発売当初より30万円ほど安く
なっていた(103万円)。これを買えばワタシも店長もハッピー!!ということで、購入と相成りました。

とりあえず本命だったR1。
しかし…完売(涙)。
「1100伝説」の再来なるか!?
ZZ−R1400。
手ごろな価格で店頭にあった
R6も、購入候補に。

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基本スペック
(2004モデル)

全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
乾燥重量
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
燃料タンク容量
燃料供給方式
タイヤサイズ(前/後)
2,045mm×705mm×1,115mm
825mm
1,395mm
170kg
水冷・4サイクル・DOHC・4バルブ
並列4気筒
998cm3
76.0×55.0mm
12.7:1
175.0PS /11,700rpm <加給なし>
11.7kgf・m/9,500rpm <加給なし>
セル式
17L
電子制御フュエルインジェクション
120/70ZR-17/190/50ZR-17

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ディテールチェック


 これまでのZX−9Rとは一味違うスタイルは、
 「新世代カワサキ」を主張する。
 ウィンカーをボディ一体とし、空力特性も考慮し
 つつワイド感を強調。特にフレームはZX−12R
 譲りのモノコック構造として、4気筒モデルで
 ありながら2気筒車並のスリムさを実現している。
 しかし純正マフラーはかなり大きく、真っ先に
 カスタムしたくなるポイント。


 ポッカリと口をあけたラム圧吸気口は、レーサー
 ZX−RRからフィードバックされたもの。
 
 100km/h前後でラム圧がかかり始め、ピーク
 時には+10psのパワーアップが果たせると言う。
 ヘッドライトは向かって左側がロービーム、右側
 がハイビームとなり、中央にかなり大き目の
 ポジションランプがある。

 シートカウルもかなりスリム。カワサキお家芸の
 グラブバーやバンジーフックは未装着として、
 スポーツ度を前面に押し出している。
 テールランプはトレンドとなっているLEDを採用。
 フェンダーも小柄で、市販のフェンダーレスキット
 を装着しなくても満足できる形状。

 フロントフォークはGSX−Rシリーズでお馴染みの
 コーティングが施されている。DLC(ダイアモンド
 ライクカーボン)と呼ばれるもので、チタンコーティ
 ングの3分の1の摩擦抵抗で2倍の強度がある。
 ブレーキは流行のラジアルマウント式。ローターは
 市販車初となるペータル(花弁型)ディスク。

 リア足回りもフロント同様、ペータルディスク。
 スイングアームは湾曲タイプで、マフラーの逃げ
 を考慮してある。
 ホイールはアルミ鍛造で、リプレイス品と比べて
 も遜色ない軽さを実現している。

 メーターはZX−6RやZ1000と同様の一体式
 液晶メーターを採用。タコメーターが液晶バーで
 表示され、レブリミット警告灯やストップウォッチ
 機能も備える、オールインワンタイプ。…が、クラ
 ッチワイヤや見事に邪魔をして、4千回転以下の
 タコメーターが見えない。その回転域を使うなと
 いうこと…?おそらく左側グリップ取付角度の
 問題かと思われるが…確か04R1も見難かった
 ような気が(爆)。

 ZX−10Rはイモビライザーも装備。
 停車後24時間、写真の「FI警告灯」が点滅し、
 機能している事をアピール。24時間以上経過す
 るとランプは消灯するが、機能は継続される。
 しかし…見えないぞ、クラッチワイヤー!!


 スクリーンは空力を考慮した形状で、全体的な
 高さはやや不足気味。カッ飛んだときは身体を
 車体に被せる必要があるが、以前乗っていた
 R1よりは伏せやすい。
 スクリーン根元はシボ(?)加工されてお洒落。


 リアシートはシートカウル下にあるキー差込口
 にキーを差し込んで取り外す。
 デザインを考慮したものと思われるが、穴が判り
 にくくて少々使い勝手が悪い。

 リアシート下の収納スペースはごく僅か。
 しかしセンターアップマフラーを採用していない
 関係で、ライバル車よりは良心的。カッパを入れ
 るには厳しい(無理か?)が、ウエスぐらいは入り
 そう。
 手前にはヘルメットホルダがあるが、奥まってい
 てかなり使いにくい。まぁ車両の性格を考えると
 このあたりは割りきりが必要かも。

 最近のカワサキ車はグラフィックをあまり用いず、
 シンプルに収める傾向がある。ZX−10Rも例外
 ではなく、車名ロゴはシートカウルに控えめに
 印刷されている。
 ちなみに2005年モデルは「R」文字が赤いので
 この部分を見ると年式を判断する事が可能。

 テールランプはLEDの特長を活かし、カウルデザ
 インと一体化。とてもスマートに見える。
 ウィンカーは豆球だが、フェンダー一体式で取り外
 しが容易。レース使用を考慮した設計が伺える。

 プレス成型のフレームはエンジンを吊るすように
 マウントされ、車体が細くコンパクトになるように
 設計されている。
 ライダーの脚があたる部分は、よく見ると耐熱
 シートが貼られているが、他オーナーの話を聞く
 とかなり熱くなるようで、夏場はかなり厳しい…
 らしい。

 車両に付属する取扱説明書。輸入者「BRIGHT」
 による和訳版も付属するので、とっさのトラブル
 にも安心。なお英語版が2冊あるのは、途中で
 改版されたため…らしい。内容的にはあまり変わ
 ってないんですが…(謎)。

 展示してあった10Rに鎮座していた、非売品の
 「中野真矢・応援グッズ」。「これも貰えるんッスか」
 と冗談で言ったら、ホントにくれました…(謝)。
 ありがとうございます!店長!!
 後ろには「Kawasaki」ロゴが入ってます。
 ちなみにタンクパッドもサービスしてくれました。

 

インプレッション


<ファーストインプレッション>
 車体は本当に小さく、コンパクトに仕上がっている。ただ以前乗せて頂いた04R1とは一回り大きく、跨った
ときにも車格を感じさせる。9Rより遥かにコンパクトなので、乗り換えられた方はかなりの衝撃だったかも知れ
ない。99R1と比べるとあまり大差ないが、特に車幅は「本当に四気筒!?」と疑いたくなる。
 イグニッションをオンにすると液晶メーターが全表示し、バーグラフのタコメーターが数回下から上へ表示する。
と同時に排気デバイスの動作チェックが行われ、息を吹き返す準備が整う。
 セルを回すと、カワサキ車らしい機械音交じりのサウンドが耳に入る。どデカいサイレンサーのお陰で音量は
抑えられ、ノーマルのままだと住宅街でも問題ない。アクセルを捻ると、インジェクションを感じさせないリニアな
レスポンスを見せる。
 クラッチをミートさせて発進すると、低速トルクの無さを感じさせる。175psと言う数字から考えると、いかに
高速域に振っているかが伺える。正直、R1やCBRと比べても断然スカスカ。あと個体差だと思うが、クラッチ
がすぐに繋がるため、免許取り立ての初心者にはかなりお勧めできない難しさだ。実際ワタシは納車の際に
出だしでエンストし、さらに帰宅の道中でもエンストした。のんびり走るのはかなり神経を使いそうだ。2千回転
ぐらいで長めのハンクラを当ててやるとスムーズに発進できるが、このクラッチがまた重めなので渋滞路では
参ってしまう。
 慣らしリミッターが4千回転までとなっているためそこまでしか回せないのだが、流れに乗るとそれなりに楽し
く、高性能さが確認できた。まずはエンジンだが、前述の低速トルク不足は2千回転以上で回せば問題ない。
アクセルのツキも良く、インジェクション臭さは皆無。ただ04R1と比べると、あちらの方に分がある。R1はとに
かくスムーズで、キャブ車だと言ってしまうと信じてしまう…そんなフィーリング。10Rは「929RRのドンツキが
無くなったもの」と表現すればピッタリ。車体周りはとても軽く、それでいて操っているという感じを受けるので
乗っていて楽しい。ただし重心が低めなため、ロードインフォメーション(特にフロント)が希薄な気がした。
低重心は安定感を生み、コーナーアプローチが容易になると言うメリットがあるが、ロードインフォメーションを
感じにくくなり易い。これはCBR400RRなどの数年前のホンダ的味付けで、重心を高めに設定してライダー
への情報をフィードバックさせるヤマハとは全く正反対。ちなみに重心が高いと、コーナリングの切り返しで重く
感じる傾向にある。04R1はそうでもないが、99R1はタイトなコーナー(特に下り)はかなりきつかった。
 旋回性能は基本的にリアステア。ただ前述の重心の低さから、コーナーのインに入るのが異常に速い。
勝手に曲がって行く性格ではないので問題ないが、調子に乗ってフルバンクからアクセルを急激に開けると
デンジャラス。それなりのスピードでアクセルを開けて行くと、ショートホイールベースと相まってクルクル向きを
変えて面白い。一言で言えば、929RRのイージーさとR1の爽快さを足して2で割ったような味付けだ。R1で
不満と感じていた部分が全てクリアされているので、ワタシ的には大満足。これでもっと回せたら…(爆)。
 特徴的なペータルブレーキは、可も無く不可も無くといった感じ。最初からガツンと制動させる味付けでは
ないので、ブレーキのカスタマイズをしてた人やヤマハからの乗り換えライダー(ヤマハは総じて最初から制動
力が立ち上がる味付け )は不安を感じるかも知れない。しっかり握ってやれば握った分だけの制動力を得る
ことが出来るので、慣れの問題。ただ雑誌などでは「フェードしやすい」と酷評をいただいているようなので、
慣らしが終わったらこのへんも確認していきたい。
 以上、慣らし範囲内でのワタシのインプレ。慣らしが終わってもっとブン回せるようになれば、違った発見が
あるかも知れない。そのときはまたインプレをお届けしたいと思っている。

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