Grinnell Glacier、 上から見るか? 横から見るか?(2)
【9/17/1999】 Grinnell Glacier Trail, Hidden Lake Overlook
【9/17/1999】 Grinnell Glacier Trail, Hidden Lake Overlook
こちらも秋色!
今日はGarden Wallを狭んで昨日の真裏にあたるGrinnell Glacier Trailを登る。 昨夕、 Logan Pass で見た夕刻の空は、 North ForkのForest Fireの煙の影響で不気味な紫色をしていた。 そして夜は曇ってしまい、 Many Glacierの上に広がるはずの星空を見ることはできずじまい。 が、 朝を迎えてみれば今日も快晴。 この上ない秋晴れの空の下、 Mt. Gould が黄色く染まった森の上にぽっかりと浮かんだ様(Index Page参照)が本当に美しい。
U字谷を見下ろしながらGrinnell Mtn.沿いをゆっくりと Upper Grinnell Lakeまで登るこのトレイル、 僕は既に3度目だが、 何度歩いても飽きない。
下から一人、 このトレイルをジョギングしてくる若者。 ようやるわ、 と思ったら、 目的地のGrinnell Glacier手前30分くらいで今度は折り返してきた彼とすれ違った。 思わず声援を送る。
野望達成!
昼頃、 予定通り Grinnell Glacier の作り上げたテラスまで到達。 昨日、 遙か壁の上から見下ろした地に今登ってきたわけ。 一ヶ月前には凍って真っ白だった Upper Grinnell Lakeも、 さすがに今は乳緑色の湖面を静かに湛えている。 湖面に張り出す残雪の上で何やら談笑している者、 Grinnell Glacier の目の前で何やら腕を組んでいる青年、 岩の上で昼寝をしているカップル、 のどかだなぁ。
我々は Grinnell Falls への流れ出しを渡り、 まさに氷河の目の前に侘む平たい岩の上に陣取り、 ごそごそとランチの準備をする。 今回、 僕には一つの野望があった。 それは、
こと。 普通、 園内の滝や流れ、 湖の水はいくらきれいに見えても飲まない方が良いとされている。 Giardiaというバクテリアというか寄生虫が下痢や腹痛を引き起こすためだ (僕はそれを承知で今まで何度も飲んでるんだけど、 今のところ何ともなったことないですが)。 でも、 沸騰させてしまえばダイジョーブ。 そのためにコールマンのストーブをわざわざここまで持参してきたのだ。 コッフェルにLakeの水を汲み、 それをおもむろに沸かす。 湯の中には途中歩きながら摘んできた Huckleberry の実を入れ、 そしてHuckleberry Teaのティーバッグを浸す。
素〜晴らしい。 贅沢なひととき。 このシチュエーションに勝手に酔うべし。 実際のティーの味はまぁともかく。 その後、 歩けないかと思われた Grinnell Glacier の上も(少しだが)歩けたし、 もう大満足。
こここれは近いぞう。
帰り道、 すれ違いざまのハイカーから Grizzly Bear を見た、 との話を聞く。 あー何て運のいい人達なのだ。 うらやましい。 そういや今回はまだ大型動物を見ていない。 と思ったらそこから20分ほど下ったトレイル上で数人何かを見物中のご様子。 ををっ、もしや...。 あー双眼鏡を持ってくるんだったなどと軽く後悔しつつ、 とりあえず彼らに何を見てるか尋ねようとしたその時、 ハイカーの一人が指差した方向には何と....!! しかも、僕らから10メートルも離れてないじゃん。 こっこっこれは近い。 双眼鏡云々の距離ではアリマセン。 車から見てるのとはワケがちゃうぞう。
毛並みの美しいその大きな Grizzly Bear は、 しかし僕らに構うことなくひたすらハッピーそうに Huckleberry をつまみ続けているのであった。 だがこちらが写真を撮ろうとしてガサガサと動くとくまさんは一瞬食べるのを止め、 ヌッと上半身を立ててこっちを見る、 実にいいシャッターチャ〜ンス! ...なのだがそうなったら写真なんか撮ってる場合じゃございません。 こっちは慌てて目を逸らす、 すると彼(女)は安心してまた嬉しそうに Huckleberry を食べ始める。 あーどきどきどき。 かくしてこの時、 僕の頭の中に勝手に流れ出した歌は、 2人で練習していたはずの森のくまさんではなく、 なぜか 「静かな湖畔の森の陰から、 もう起きちゃいかがとカッコが鳴く〜♪」 であった(頭の中ではちゃんと輪唱中)。 ところでこの曲、 何て曲名でしたっけ? カッコウは別の曲だよね?
いやーしかし、思わぬボーナスって感じ。 すごいっ。
そうです、これがHidden Lake。
さて、 疲れた体にムチ打ちつつも Many Glacier からLogan Passに移動し、 Hidden Lake Overlookまで体ほぐしも兼ねて軽装でゆっくり歩く。 友人にとっても実は2度目のルートだが、 前回は雪中行軍により 「足が冷たい」 「『歩き方』の写真の風景と全然違う」 「ヤギさんがいない」 とご機嫌ナナメであったため、 Hidden Lake Trail に2度目のチャンスを与えてやったわけ(って何様だ)。
距離も短く本来は楽ちんなこのコース、
二日間山を歩き通した我々には緩い登りもけっこうツラい。
僕はカメラと水だけ持って歩いたが、
彼女はお気に入りのNorth Faceの黄色いデイパックを手放さず、
心なしか周囲の視線を感じるような気が。
『あーコイツ女の子に荷物持たせて〜。』
いえあの違うんです、
このパックの中には電池が入っているんです。
これを背中から外すと彼女は止まってしまうんです...
そんなこんなで全行程を終了。 念願の Highline Trail も踏破できたし、 Glacier の水で Tea も飲めたし、 Grizzly Bear もあんな間近で見られたし、 最後のHidden Lake Trailでは子連れのMountain Goatを間近で見られたし。 そしてやはり何よりもこの時期のGlacierがこんなにカラフルだったこと。 帰り道、 夜中のハイウェイから見上げる満天の星空もキレイな秋晴れの二日間であった。
Grinnell Glacier、 上から見ても、 横から見ても、 絶景でした。
帰路の車の中ではU2が「ドンブリおっ焦っげ〜」とシャウト中....