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■ いくの出産秘話 ■

それは3月18日の夜10:30頃の事でした。ごはんを食べて一息着いていた時・・・

 突然、何の前触れもなく『ジョボッ』とという長年忘れていたイヤな感触。



今、なんか、おもらしをしたような・・・。い、イヤな予感がする…。
ああ、パンツが濡れてる・・・。こんないい年をしておもらしをするとは…。
あまりに少量だったので、この時は単なるおもらし(その後アソコの締りが悪くなったセイ?とも考えた)だと思い、深刻には考えなかったけど、よくよく考えてみると、これはいわゆる破水だったみたい。ひろくんも私も『破水』というと、
・・・というイメージがあったから、まさか破水とは思わなかった。暫くしたらチョロチョロと出ていたものも止まっていたのでお風呂にも入っちゃったし。
知らぬが仏とは良く言ったもんだ。しかし、それを良く思わなかったお腹の中の子供は、丑三つ時に復讐を開始したのであった・・・。
な、なんなんだ!この腹の痛みは?!
そう。私は下腹部に激しい痛みを感じて目を覚ましたのだ。夜中の2時半。丑三つ時ではないか。・・・暫く布団の中で時計とにらめっこをしながら痛みに耐えていた。そして一つの法則を発見した。どうやら10分前後の間隔で痛みがやってくるようだ。と、いうことは、これは、もしかして・・・陣痛では・・・?

それならば、ちょっと本格的に痛みの間隔を計らねば、とモソモソと布団から這い出てよっちゃん愛用座椅子に腰を下ろし、紙とペンと時計をテーブルの上に置き、準備を整えて痛みの間隔を計り始めたのです。
以前、お腹が痛くなった時は、暫くしたら痛みが治まったので今回も暫く計ってみようと思っただけなのに、今回は治まるどころか次第に痛みは増すばかり…。

とうとう一時間経った3時半頃、よっちゃんはひろくんに助けを求めたのでした。

最初「お腹が痛い・・・」と言って起こした時は飛び起きましたが、すぐに、痛みと戦うよっちゃんを尻目にひろくんはウツラウツラ・…。八ッ!と気づいて横でウンウンと唸るよっちゃん見て「ヤバイ」と思ったのか、やっと起き上がってくれた。 しかし何をしていいのか分からずにウロウロ・・・。私自身も、もうこれは陣痛に間違いないと確信。4時過ぎに産婦人科に電話したら「とりあえず陣痛の間隔が10分になるのを待って…」と言われたが、その時点で10分間隔だったので「6時半に病院に来て、こちらで様子を見ましょう」ということに。そして、ひろくんとよっちゃんは入院の支度を始めた。

納豆とゴハンで軽く朝食(この状態でもちゃんとゴハンを食べれることに自分自身驚いた)、そしてハミガキ(ひろくんが歯ブラシと洗面器とコップに水を入れて持ってきてくれた。生まれて初めて洗面器片手にハミガキをした)

しかし、もうトイレに行くのも立ち上がるのもツライ!前前から、生理痛なんかも『病気じゃないんだから大丈夫!』なんて,結構痛みが強くても薬も飲まずに平気そうにガマンしてたりしてたので、陣痛の時も世間で良く聞くような大騒ぎはしませんでした。ただ、ただ、静かに、痛みと戦っていたのであります。

そして6時ちょっと前に着替えて病院へ。私はマンションの3階に住んでいるのですが、階段を降りて車に乗るだけでかなりの時間がかかりました。けど、立ったままひろくんに寄りかかってると不思議と落ち着いたりしたのを覚えてます。

車の中でも陣痛の間隔を計っていました。その間陣痛の感覚は10分で落ち着くどころか、3・4分周期でやってくる。そんな中、
なんて考えてたりもしてましたが…。 病院には6時半ちょっと前に到着しましたが、陣痛で思うように先に進めず、受付を通ったのは6時半を過ぎていました。

助産婦さんの佐藤さんが「内診するから下に履いているのを全部脱いで台に上がって」と言うので、ウンウン唸りながらパンツを脱いで、やっとの思いで台に上がって足を広げた。佐藤さんがズボッ!とあそこに指を入れて2・3回中でグリグリ動かし、指を抜いて言った言葉は…「ダメだわ、この子!すぐに分娩台!!」
ヤッター!すぐに産めるのねぇ〜!この痛みとはすぐにオサラバできるんだわ〜!!
というのが、正直な私の気持ちでした。
どうやら、すでに子宮口は全開大。頭が見え隠れしている状態。 佐藤さんの「ダメだわ、この子!」のセリフを病室の外で聞いてしまったひろくんは「な、何がダメなんだよーぅ」とかなりドキドキした模様。そりゃドキドキするよね。

そして場所を分娩室に移し、着ているものを全部脱いで分娩着に着替え、分娩台へ。

そこで佐藤さんに「今陣痛の間隔はどれぐらい?」と訊かれ、3・4分であることを告げると「うーん。便は出た?」と質問。自慢じゃないけど、前日も当日もウンチは出ていなかった。「…いえ、出てません」と言うと、「じゃあ…陣痛の間隔が3・4分だとちょっとキツいけど、浣腸しましょう」。

そうです。浣腸をしたのです。

陣痛が3・4分間隔だったのと、子宮口が全開大だったので通常よりも少ない量を浣腸されました。
佐藤さんに「早く帰ってきてよ」と言われトイレへ送り出された私。分娩室を出ると、廊下のイスでひろくんが頭を抱えて座っていました。後で訊いたら、この時私が目の前を通ってトイレに行ったのに全然気づかなかったんだって。

浣腸の後、ウンチくんがドビャーーーーーーーーッと出切るまで、何とも言えぬ痛みが…。陣痛と下痢の痛みが一度に来るなんて…出産で一番辛い時間かもしれない。
もう歯を食いしばるしかなかったし。

トイレの壁を両手で押さえてふんばる。
というより、痛みと闘うって感じ。必死だもん。
想像していたよりもウンチがビドャーッと出てきて、陣痛も数え切れないほど襲ってきた。
自分ではどれぐらいの時間トイレにこもっていたのか分からないけど、佐藤さんが「○○さーん、もう出てきてくださーい」と呼びに来たところを見ると、かなりの時間トイレにいたらしい。そんなこと言われてもまだ出てる最中だっつーのに…。

そして、キレのいいところでトイレを後にして再び分娩室へ。そして剃毛、消毒。

かなり陣痛も来てたし、子宮口も全開大って言ってたからすぐに先生が来て産めるもんかと思っていたら、ギリギリまで佐藤さんと二人きり…。しかも、私の他にもその日の朝に妊婦さんが破水だ陣痛だ、って三人ほどいたので佐藤さんは大忙し。
んなもんだから、分娩台に私一人残して分娩室から消えてしまうこともしばしば。初めての出産で不安だから、陣痛が来るたびに「んーっ、んーっ、んーっ」と助けを求めるように出したくもない声を出していました。

そうこうしているうちに陣痛の間隔のさらに短くなり、佐藤さんが私にしゃべりかける声も大きくなってきました。陣痛の波の間の呼吸法も、佐藤さんが大きな声で指示してくれたのでとっても助かりました。
吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー、吸ってー、いきむ!
吐いてー、吸ってー、吐いてー、吸ってー、いきむ!!
吐いてー、休む
これをイヤというほど繰り返したワケです。

途中、私は酸欠状態になり、酸素マスクをつけました。いきむ時は顔に力が入りやすいのですが、おしり、つまり肛門に力を入れるようにいきむのです。
理屈では解っているけど結構難しいのだ。陣痛と陣痛の間に二回いきむのだけど、佐藤さん曰く、私の場合1回目のいきみは上手だけど2回目のいきみはどうしても顔に力が入ってしまってダメらしい。
いきみすぎて呼吸がおろそかになっていたらしく、佐藤さんに「赤ちゃんの心拍が弱ってきてるわよ!ちゃんとお腹で息吸って!もっと、もっと!!」と言われるまで、意識がもうろうとしていました。その言葉でハッと我に返って慌てて深呼吸を続けました。

いきめどいきめど、2回目のいきみがどうしても巧くいかず、赤ちゃんも苦しくなってきて、とうとう先生が登場し『吸引分娩』ということに。

私の右側に看護婦サンが座り、上から私のお腹をグググーッと押して、赤ちゃんを出す手助けをしてくれました。こんなに強く押して赤ちゃんはつぶれちゃわないの?!ってぐらい強く押されて痛かったけど、中で苦しんでいる赤ちゃんを思うと自分のことどころではなかったです。狭い産道を一生懸命回転しながら出てこようとしている私の赤ちゃん。早く元気に出てきて欲しい!!それだけを考えていました。

先生が来てからは5・6回のいきみで赤ちゃんは産まれました。ちゅるんっって感じで。
子供を産んで最初の瞬間に思ったことはコレでした。
何とも言えぬ快感。気持ち良かったッス。ホントに。
そのまんまだけど、十ヶ月間詰まっていた便秘が一気に解消されたような感じ。
クセになりそうな快感です。

生まれてしばらくしてから赤ちゃんの泣き声がしました。バタバタとあばれている赤ちゃんの手足が、私の太ももをパタッパタッと叩いていました。あったかくて気持ち良かったな。

先生が「女のこですよー」と教えてくれて、佐藤さんが赤ちゃんを抱いて私に見せてくれました。けど私はメガネを外していたので良く見えなかった。でも異様に頭が長いのは判りました。まるで恵比寿かエイリアン。
看護婦サンも佐藤さんも「かわいい顔してるわー」なんて言ってたけど、おサルみたいな生まれたての顔でそんなこと分かるのかしらね。うれしかったけど。

横で鼻につまった羊水を抜いてもらったり、身長・体重を測ったり、身体をきれいに洗ってもらったりしている赤ちゃんを横目に、私は会陰切開の傷の縫合です。
切るのは陣痛の途中だったから、痛みは全然、全く、本当に感じなかったのだけど・・・(ジョキジョキっていう音は聞こえたけど)、縫合といったら・・・
どうしてっ?!どうしてっ?!
陣痛はガマンできるけど・・・
これはかなり痛いわよ!!!!!
陣痛や出産の間は声を出さなかったのに、縫合の時は針が体を抜けていく度に「痛いっ!」小声で言ってました。
佐藤さんには「初めてにしては声、出さないわよね。そんなに静かなのも珍しいわよ。感心しちゃう」なんて言われました。そんなもんなのでしょうか。
ほとんどの女の人は赤ちゃんを産むわけだし、ということは、出産する人はみんな同じ痛みをガマンするわけでしょ?雑誌を読んだり友達の話を聞くと、「痛いーっ!」とか「もうヤダー!」とか「なんで私がこんなことしなくちゃいけないのー!」とか「バカヤロー!」とか叫ぶ人がいるみたいだけど、私にはちょっと何故?と思う事。
私なんかは、ずっと赤ちゃんを産むのに精一杯で、自分のことなんか忘れてしまうぐらいだったんだけど。それは自分に余裕がないだけ?
第一叫んだりしてたら余計な体力を消耗しちゃうよ。ただでさえ酸欠になってるのに(笑)。

そんなこんなで結局病院に着いてから2時間後には産んでました。
初産で安産。
これなら何人産んでもいいな、と思った。

しかし、世の中には陣痛で丸一日以上苦しんでいる人もいるよね。
あれはとても可哀相です。陣痛の痛みを知っているだけに。あの痛みは男の人には分からないよね。あの痛みに耐えられるから女の人って強いんじゃないか、と思うことがあります。
自分の母親も、私を産む時に同じように苦しんで産んでくれたのかと思うと、とても頭が下がる思いで一杯になりました。いずれは私の子供も子供を産む時がくるでしょう。その時はやっぱり母親である私に感謝してもらいたいものだ、と思う今日この頃であります。
おしまい

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