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  「失敗に学ぶ」

株式会社 アイル アソシエイツ
代表取締役社長

平松 直起

               講演内容

私が今までお会いした経営者の中には、失敗するとあきらめてしまったり、やめてしまうという人が多くおられました。しかし、失敗をバネにしてもう一度挑戦した経営者の方々には、成功している人が非常に多いのです。
 こういう人は、失敗は次に進むためのものと考え、失敗を前向きにとらえ、失敗を生きる知恵と考えているのです。
 失敗を前向きにとらえてみれば、失敗とはどういうものであり、どういう種類があり、失敗を回避するにはどうすればよいのかを学ぶ姿勢が生まれます。
 失敗は、放置するのではなく、失敗を直視し、失敗からできるだけ多くのものを得ようと努力する習慣を身につけてほしいのです。
 今の時代、失敗について感心を持つ人が増えてきました。今一度失敗について、失敗の知識・回避・対処法を学び、1つでも多く失敗を回避しませんか。

■失敗とは「望ましい結果にならなかったこと」です。
失敗をマイナスのものと考えず、失敗を直視することは、人の成長・企業の成長につながると認識することが大切です。そして、失敗から学ぶことによって失敗を回避できる能力を育てられ、失敗の事前回避がうまくできるようになります。

■失敗学とは、「失敗を直視し、その特性を理解した上で、失敗の中から成長の糧を見つけて知識化し、学ぶもの」です。

■失敗の種類
失敗には大きく分類すると「5つの種類」があります。
1未知の失敗
 1995年、阪神・淡路大震災がありました。この地震は想像を絶する被害をだしました。この地震を予知できればよいのですが、予知することは難しく、突然惨事が訪れたと言えます。その約1年前、ロサンゼルスの大地震をテレビで見た時は、多くの人にとってこの大惨事は人ごとだったと思います。当時、私もその多くの人の1人でした。その時、単に人ごとと片付けず、もっと気づきと学びがあれば、私もこの阪神・淡路大地震にあった時、もっといい対処法が考えられたと思います。このように予測不可能で未経験なものに関しては未知の失敗といえます。

2環境変化による失敗
 最近は社会環境、経済環境が激変し、生活環境へも多大に影響が出てきました。
デフレや就職難など様々な問題がありますが、環境が変わることによる失敗も多発してきます。これを避けるためには、環境に適応する能力が求められます。

3
構造面の失敗

 リストラ、再構築のタイミング等、構造改革の出遅れは致命症であり、これらの機を逃してしまうと、構造変革の失敗となります。企業において構造面については、再構築を早急に行わないと、組織がうまく機能しません。特にトップの意志決定は迅速に行い、組織構造は時代に対応させた構造に変革する必要があります。
ある企業では、時代にあう組織構造改革ができず、その結果役員だらけになるという失敗例もあります。役員が多すぎる会社の失敗点は、意思決定に時間がかかりすぎる、何も発言しない役員が多すぎるというムダを生じます。

4
不注意による失敗

 不注意というのは、知っているけれど操作や動作を誤ったという失敗です。これは、生産現場では、ポカミスという言い方をよくします。よくある失敗であり、注意力・集中力が途切れた時に生じやすい失敗です。

5無知による失敗
 知識がない場合や知らない状態でミスをしてしまう失敗です。
これもよくある失敗であり、改善策としては、事前に知識を高める、情報を収集するといったことで解決できます。

 これらの内、不注意による失敗と無知による失敗は、失敗を直視し、改善意識が持てれば、改善がしやすい失敗です。

■失敗を減らす自己コントロール能力
3つの基準
1「思考基準」
 何が正しくて、何が間違っているか常に意識し、判断する能力が必要です。
企業として、何が正しくて、何が間違いなのか正しく判断して行動しないと、クレームがきたり、事が大きくなれば企業の生命も危うくなります。
 ただ単に儲かればいいという発想では、失敗を防ぐことはより困難となります。これからは、企業倫理や企業理念が重要視されますから、企業の姿勢を正すことが失敗を未然に防ぐ方策の1つとなります。

2
「判断基準」

 ものごとの本質を正しく見られる能力、または本物を見極められる能力。
また、背景をしっかり見極められる能力も必要となります。何が適正な基準なのか、何がまちがっているのか、あるいは本質はこれでいいのか、というようなものを持っていないと、人に言われるまま行動してしまいます。もっと言えば、自分の終着点のビジョン、どういう方向性に進んでいくかが明確であればあるほど失敗しにくくなります。終着点が明確でないと惑わされ、より失敗しやすくなります。こういう失敗を回避するためには、日頃から専門化の意見が聞ける体制を作っておくことです。何事も1人よがりに判断せず、専門家に意見やアドバイスをもらうことも必要です。

3「理解基準」
 理解におていは、全体理解基準と部分理解基準があります。
例えば、本を読む時、効率のよい読み方をしようと思えば、まず目次、そしてはしがきに目を通して、だいたい全体はこうか、と把握します。これが全体理解基準です。その後各項目を読んでいく、これが部分理解の基準です。失敗する人の場合は、部分ばかりを気にして、全体を理解していないことが多いようです。また他のケースとして、指示された部分だけはやるが、全体の位置付けがわかっていないというような場合も失敗しやすいのです。
 
以上3つ、思考規準、判断基準、理解基準を自分でうまくコントロールしていくことが大事になってきます。

■失敗が多い時期
 仕事面で、失敗が多い時期があります。

仕事は、3年ぐらい同じことをすれば、だいたいのことはできるようになります。このある程度できるようになった段階で、「もう私はできる」と思うわけです。すると人はマンネリ化への道を歩むことになります。マンネリの状態が長く続くと、自分で仕事を何か変えたいとか、違う仕事・違う課題に挑戦したいと思う人もでてきます。この挑戦段階において、人は失敗を多く経験します。つまり、失敗が多い時期となるのです。ただ、自分が成長するためには、失敗をプラスととらえ、大いに歓迎し、失敗が多いと思う時期は何かに挑戦している時期だと考えて、挑戦意欲を失なわないようにすべきです。
 失敗というのは挑戦する数で変わってくるものでもあります。一度失敗を経験するか、失敗情報を事前に収集することで、次に同じような課題に直面しても失敗しにくくなります。

■失敗の予兆
 失敗には予兆が感じられるものがあります。

予兆とよく似た言葉に、予報・予測という言葉があります。例えば天気については、天気予報があり、天気予報を見ることで、雨の予報が出ていたら、傘を持って出ようかと判断ができます。事前に予測ができたり、予兆がつかめたり、予報ができることに対しては、少しでも失敗を防ぐために対策が取られます。企業においても、事前に認識できるものは、予報や予測、変化への予兆情報をだす必要があります。今多くの企業は、利益アップの徹底を課題にしています。これは当然ですが、予報や予測、変化の予兆情報に関しては、まだまだ認識が不足しています。失敗の予兆が感じられるように行動すれば失敗を回避でき、さらなる利益アップが実現できます。

■失敗回避
 失敗の回避とは、「失敗を事前に防ぐ能力」である。
失敗を回避するためには、ものごとを進めるための、コントロール能力が必要です。
各自におきかれば、失敗を防ぐためには、「自己コントロール能力を高める」必要があるということです。
 何事も進める力や技術を高めるには、「仮説演習」を行うという方法があります。仮説演習とは、いざという時のために、事前に演習を行い、どう対処すべきか検討を重ね、対処法を導き出しておく方法です。人間というものは失敗を積み重ねることでうまく対処出来ていくことも多いのですが、最近は失敗できる場も減ってきていますから、失敗できる場を作ることが必要です。シミュレーションの機会も少なく、即実行というシクミは、危険です。

■失敗回避法
 失敗のツリー化を行います。
「情報共有化ツリー」
 同じ情報をみんなで共有します。成功事例のみでなく、失敗事例も入れ、新たに来た人がそれを見ることによって、失敗を防止、回避できます。
 今はIT化が進んでいるので、遠隔地の支店での情報も即見ることができます。ひとつでも失敗を減らして、成功率を高めることに有効です。

「失敗伝達ツリー」
 また、失敗の本質を見極め伝達していくことが必要です。
ものごとを伝える時は事実は事実、個人の考え方は考え方として、きっちり分けて情報を整理していくことが必要です。伝達については、伝達する能力、表現する能力が大切になります。

「失敗管理ツリー」
 そして、これらをうまく管理するシクミ、つまり、みんなに伝わったのか、みんなが見たのか、ということを管理するのも大切です。これらのシクミを作り、うまく運営していけば、失敗をひとつでも防ぐことが可能です。

失敗というものは誰にでもあります。
そこで何を学ぶのかが重要です。
失敗は学びの宝庫です。
常に失敗を直視する習慣をつけ、本質を考え、予兆に気づく体質を作り、失敗原因を究明し、改善プログラムを作り、仮説演習(シミュレーション)と失敗事例をより多く収集し吸収することで、失敗を回避することが可能になってきます。

 また、失敗を未然に防ぐ「失敗回避のシクミ作り」を構築することが大切です。
失敗は成長のステップであり、失敗は一緒に歩んでいく友ではないかと思います。
自分にとって有利な展開を可能にするため、失敗を前向きにとらえて、常に前進していこうではありませんか。


  
              
大阪府・大阪府総合労働事務所主催講演会


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