練習場レポート

 
2006年2月2日・3日 日本代表合宿 宮崎県総合運動公園

○2月2日午前
 
競技場外観の写真
練習が行われた陸上競技場
到着した10時半にはもうミニゲームは終わっていて、シュート練習をしていた。ドリブルから、2人でパス交換をして、3人で崩しながらと変化していくシュートを、能活はガシガシ止めている。あと2人のGKの様子が変だと思ったら、地元の高校生だとか。比べるのも何だけど、やはり高校生最初の1歩が出ずボールを見送ることが多い。
しかし、その彼らがいい反応をみせたのは、皮肉にも能活に対してだった。ボレーシュートを決めたら上がりという最後の練習で、2本はずし2(3?)本止められてしまった能活。ようやく決めると選手やスタンドからも拍手、それに両手を挙げて応えていた。

○2月2日午後
 
選手の写真
能活・中澤・福西・田中・宮本(とスタッフ)の豪華な鳥かご。
16時からの練習開始前、思い思いに鳥かごやリフティング、ストレッチをしている選手達。その時なにやらスタンドが沸いた。「原監督」という単語が聞こえたので元FC東京の原氏かと思ったら、野球の監督だった。ひとしきり盛り上がっている観客を背に、誰かの蹴ったボールを顔面に当ててひっくり返っている能活。わざと大げさに倒れたようだったが。

練習は、一貫してGK練習。その地味な動きをずっと撮っているカメラがあった。そのうち能活特集でもあるのだろうか?普通よりはるかに重そうな青いボールを座ったままキャッチしたり、投げられたボールをつかんだあと、置いてあるボールに飛びついたり。置いてあるボールの数は増えていくし、位置は前から横・後と飛びつきにくいように変わっていく。土肥は姿をみせず、曽ケ端は足を使うキャッチは避けていたので、そのきついトレーニングを能活は一人でこなしているのだ。「しごき」なんていう単語を久々に思い出した。

やっと普通のキャッチングになると、今度は1球も後に逃すまいとする気迫が、遠く離れたスタンドからも感じられる。抑えきれずにボールがゴールに転がった時「ちくしょー」という声が聞こえた。フィールドの選手達も、黙々とフィジカル・トレーニングをこなしている。久保がゴムを使ったトレーニングをやっているのに気づいた時は、「うわっ」と叫びそうになったが。
5時44分、ようやくクールダウンに入る頃には、西の空が夕焼けに染まっていた。

○2月3日午後
 
能活の写真
練習試合中の能活。ボールが来ることはまれなので、他の選手と絡んでいるのシーンは撮れず。
競技場に到着するなり「鵬翔高校サッカー部」と書かれたバスに遭遇、練習試合があることを確信する。そういえば人も車も前日よりははるかに多い。待つこと1時間、高校生はユニホームを着ているが、代表は練習着のままだ。開始前にジーコ監督からなにやら指示が。16時17分、キックオフ。

後に報道されたこの試合では、小野が大活躍だったそうだが、現場で見た私の感覚ではそれほどでもなかった。特に、前半の前半はあまり小野へボールは行かず、全体的に前へ進めない感じ。久保はまだ全力ではやれないのだろうけど、トラップなどもイマイチだし、他の選手にもミスが多い。それでも前半の後半になるとボールも回りだし、惜しいシュートやクロスもいくつか見られた。とくに小野と久保のワンツーから遠藤のシュートは、流れるような攻撃で印象に残った。

後半は総とっかえといっていい選手交代。だがこの後半の方が、私には面白かった。事実点も決まっている。今まであまり注意をしてみることの無かった長谷部や佐藤の動きが目に付く。前半に感じた「いつもの倦怠感」は無く、いきいきとした感じ。CKから能活がキャッチして速攻、という場面も見られた。
GKの守備機会は少なかったが(多かったら大変。というかシュートが何本かあったこと自体不満)能活は常に声を出していた。他にキーパーが居なかったからフル出場となったのだろうが、普段あわせることの少ない選手達とやれたことは良かったと思う。

休日も無くフィジカル中心の練習を続けてきた選手達、疲労もピークだったようだ。まずはお疲れ様と言いたい。そして休むまもなく、今頃はアメリカの空の下。サッカーの才能はもちろんのこと、並外れた体力と気力を持っていないと、日本代表などというものは勤まらないのだなとつくづく感じる。

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