練習場


 
2000年6月22日 東戸塚練習場


 寝坊をしてしまって、グラウンドに着いたのは11時半頃。すでにレギュラーの選手も加わってボール回しが始まっていた。能活はフィールドの選手とデザインは違う、けれど色は同じ青と白のシャツ。この前の赤より探しにくい。髪は優勝のかかった試合を控え気合いの入っていた前回と違い、軽く後ろに流している程度。アップの中で面白かったのは、椅子取りゲームならぬ背中取りゲーム(?)。輪になった選手のまわりを走り、合図と共に背中に飛び乗ったり隣に移ったり交代して乗られたり。2人が中に入ってボールを追うゲームでは、輪になった選手の数が多いのでボールはあまり回ってこないのだけど、能活は積極的に足を出し蹴っていた。

 レギュラー組に監督から話があった後、フルコートの紅白戦。この段階で柳選手はランニングに移っていた。本格復帰にはもう少しかかりそうだ。紅白戦のビブス組は、能活・ユーリッチ・小村・波戸・上野・遠藤・三浦・永山・俊輔・外池・エジミウソン。相変わらず最初から能活の声が飛ぶ。「逆サイド見とけ」「しぼってこい」「ナイスポジション」等々。それに混じって「ムイ・ビエン」「トランキーロ」(意味は…スペイン語の辞書を引いて下さい)勿論ユーリッチに対する言葉だろう。(クロアチア人の彼はスペイン語が得意?)確認した限りではレギュラー組が2点を取っていた。うち1点は俊輔。CKになったついでにFKも5回ほど練習。上野のクリアが多かった。攻撃よりは守備に重点が置かれていたような気がする。ユーリッチは無難にこなしていたようだ。もっとも時間が20分と短かったので、90分となるとどうだろう。かなり暑そうに見受けられたので、ばてるかもしれない。雨の予報が出ているのは幸いか。紅白戦の後能活は、通訳と共に彼と話していた。

 ここで“お疲れ組”は終了、残りの選手でハーフ(より少し狭い)コートでミニゲーム。ビブス組は能活・松田・小村・上野・安藤・外池・井手口・吉田・蔵川。紅白戦には出ていなかった安藤が、これには参加。コートが狭い分ボールが早く動き、外に出てもすぐ代わりのボールが放り込まれ、選手は休む暇もない。「ここ、きついけど頑張れ」と能活の声。その中で上野が身体を反転させてボールを捌きそのままゴールした。「いやー上手い、ヨシ!」と能活は感嘆。

 最後はシュート練習。まずはDFとの1対1からドリブルシュート。岡山がほとんど毎回相手ボールをカットしていたのが目に付いた。能活からは「足が長い!」との掛け声。他にも、上手に相手をかわし簡単にゴールにパスをした松田にも「上手い!」の声。勿論DF側に回れば、相手に抜かれはしない。10分ほどこれをやったあと、動かずに立ったままのDFをかわして遠目からシュート。これが、枠に飛ばない!たまに飛んでもキーパーにはじかれる。まあ、本職のFWは少なかったのだが。キーパーは3人が交互に。待ってる間能活は「俺まだ1回も蹴ってない」とスタッフに言っている。これはシュートではなく、ゴールキックのこと。居残ってハイボールを上げてもらい、キャッチしてキックを何回か練習していた。

 すべてが終わったのは1時半くらい。能活のこの日一番の笑顔は、このあと見られた。双眼鏡を覗いているとふいに私の左の方に歩いてくる。そちらを見ると、キーパーユニを着た少年とお母さん。ニコニコと近づくと頭を撫で、抱きかかえるようにして写真撮影。グローブを取ってノートとユニホームにサイン。そして握手。きっとあの子は今日のことを一生忘れないだろう。池田フィジカルコーチと話し、安藤に声を掛け、クラブハウスへと能活は戻っていった。この日の練習は比較的短かったようだ。多分休み明けの日は長く内容は軽め、試合の日が近づくにつれて時間は短く、そのかわり対戦相手を考えた実践的な内容になるのでは。明日金曜日は、2ndステージ開幕を前に総仕上げだろう。1stの開幕戦で苦い思いをさせられたFC東京、それ以前にカップ戦でも何回か負けている。ここは完膚無きまでに叩きのめして、ステージ優勝したチームの力を見せてもらいたいものだ。

練習場見学:2000年   5月25日  6月22日  6月30日   01年2月28日

 


ホーム