練習場


 
2000年5月25日 東戸塚練習場


 10時半の開始に30分ほど遅れて到着したが、グラウンドにいたのはサテライトの選手、トップの選手が出てきたのは11時10分頃だった。一番乗りの波戸に続いて、ただ一人真っ赤な練習着で能活登場。いつもはどうなのか知らないが、髪は試合中と同じオールバック、茶髪の多い中で、黒々とした色がかえって目立っている。気合が入っていそうだ。軽いランニングでも原田と共に先頭を切っている。「いつもよ」と、隣で見学している若い女の子達。クラブハウスのほうには、スチールカメラが2台、ビデオカメラが2台来ていた。向こう側は木陰になっているが、見学席は影一つない。しっかり日傘を持ってきている人もいる。私も帽子と手袋は持参したとはいえ陽に焼けそうだ。そんな強い陽射しの中、ボールを使っての練習が始まった。

 まず移動しながら手で投げる。次はヘディング。いずれも大まかには2グループに別れているが、何だかごちゃごちゃ入れ替わっていて、法則が読みとれない。前を向いたり後ろを向いたり。そんな中、能活が腕立て伏せをしていた。多分ヘディングのみのところを、何回か足で蹴ったことへのバツだろう。最後は輪になって向こう側までドリブルとリフティング。いっせいにやるから、人にぶつからないようにするのが大変。ここでもボールを落とした能活は腕立て伏せ。キーパーだからと言って許してはもらえない。

 先発組に監督から話があって、そののち紅白戦が始まった。メンバーは次節出場停止の三浦アツを除いてここ何試合かと同じ選手。左サイドには永山を入れ、空いた右に永井が入っていた。開始から能活の声が飛ぶ。DFへの指示や良いプレーをしたときの誉め言葉の他に、シュートを失敗したりボールが出てしまったときは「次、つぎ!」中盤でボールを取られたときは「そこ、がまん」パスのもらい手が居ないときは「顔出せ!」この言葉が頻繁に聞かれたということは、やはりボールをもらう動きが少ないと言うことで、ちょっと問題かもしれないが。

 ただ、手を抜いたプレーをする選手は居なかった。それどころか、俊輔が木島を削ってしまってファウル、木島はこれでリタイア。大した怪我でなければいいが。その俊輔は、アツが居ないのでCKを左右とも担当。2人でパス交換するショートコーナーができないのは痛いが、キーパーから逃げていく左CKは面白いかもしれない。能活は1対1のシュートを2度阻止、CKのキャッチからエジミウソンに素晴らしいフィードをするが、その後が続かず。後半はサブ組にボールが渡ると止めて、松田からの組立を何度も繰り返していた。一度右サイドを猛然と駆け上がった小村にピタリと合わせたパスが渡るも、その後のシュートは決まらず。どうも決定期に打てなかったりワクに行かなかったり。うーん、心配。

 紅白戦は12時40分過ぎに終了、途中で何度か監督が笛で止めていたから、正味45分というところだろうか。終わってから監督は波戸を呼んで話、その後FWと競りながらのロングキックのクリアを松田に指導していた。能活達はGK練習、というかシュート練習にお付き合い。蹴っているのは必ずしもFWではないが、それにしても決定率が低い。10本ほど続けてダメだと腕立て伏せのバツが待っている。まあ、GKが優秀なのだと思っておこう。ゴールが決まって一番嬉しそうにしていたのは小村だった。最終節でもその笑顔を見せてもらいたいものだ。途中からシュートの合間に、斜め前にいる監督からもボールが出る。ふいに飛んでくるリバウンドやこぼれ球からのシュートに備えるためだろうか。

 最後にハーフウェイライン付近から自身で蹴った超ロングシュートがゴールに吸い込まれ、能活は両手を上げて笑顔を見せる。すべてが終わったのは1時半過ぎ、カメラの前でインタビューに答え記者達と話しながら引き上げていった。もう少し怪我人の回復具合などしっかりチェックしておけば良かったと後になって思ったが、時すでに遅し。結局、久しぶりの練習場見学は能活ウオッチングに終始したのである。

練習場見学:2000年   5月25日  6月22日  6月30日   01年2月28日

 


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