私の熊野詣(3拍4日の紀伊半島ドライブ紀行) |
平成18年7月6日から 3泊4日で 紀伊半島へドライブ旅行をしました。 南紀に行くのは
実に40年振りであり
日本一長い吊橋として知られる 奈良県十津川村の「谷瀬の吊橋」 世界遺産に登録された「熊野古道 (正しくは熊野参詣道)」 熊野三山と総称して呼ばれる「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」 落差133mの日本一の直瀑「那智の滝」 温泉地として有名な「龍神温泉」「南紀勝浦温泉」「白浜温泉」など を訪ね 身も心も清めることが出来ました。 このページでは 「蟻の熊野詣」に習い「私の熊野詣」について 雑感を述べると共に 撮った写真の補足 説明をします。 1.3泊4日のドライブ旅行概要 1日目: 自宅(千葉県浦安市)→豊中(名神高速道路)→橋本→高野山大門→(高野龍神スカイライン) →龍神温泉 走行キロ数:696km 2日目: 龍神温泉→本宮→谷瀬の吊橋(奈良県十津川村)→熊野本宮大社→熊野速玉大社 →南紀勝浦温泉 走行キロ数 :216km 3日目: 南紀勝浦温泉→熊野那智大社→太地→潮岬→南紀白浜温泉 走行キロ数: 138km 4日目: 南紀白浜温泉→和歌山城→吹田→自宅 走行キロ数: 745km ハイブリッド車 トヨタ・プリウスによる4日間の走行をまとめると 以下でした。 走行距離: 1795km。 高速道路料金: \25,680 ガソリン使用量: 83.6リットル ガソリン代: \10,957 トヨタ・プリウスの燃費(1リットル当たりの走行キロ数): 21.5km/L エアコンを常時ONにした状態で 紀伊半島の山地をドライブしたにもかかわらず プリウスの燃費が 21.5km/Lの如く良かったのは ハイブリッド効果と思います。 プリウスのガソリンタンク容量は45Lと 通常より小さいですが ガソリンタンクを一度満タンにして 高速道路を時速100km前後に抑えて運転 すれば 1000km以上は走れる計算になります。 2.蟻の熊野詣と世界自然遺産・熊野古道(熊野参詣道) 私のWebサイトでは 過去に 世界自然遺産である屋久島と白神山地について 「屋久島の世界自然遺産と縄文杉登山」 と 「白神山地と三内丸山遺跡からの発信」 のWebページで 触れました。 この項では 世界文化遺産「熊野古道」について 極く簡単に 以下 オサライしておきます。 熊野古道の一部を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」は 平成16年7月7日に ユネスコの世界文化遺産 として登録されました。 紀伊山地は 紀伊半島の大部分を占める山岳地帯で 鬱蒼とした森林に 覆われた山々は 神仏の宿るところとして 古くから信仰を集めてきました。 今回 世界文化遺産に登録 された地域は 修験道の「吉野・大峯」 神仏習合の「熊野三山」 真言密教の「高野山」という異なる 山岳宗教の三大霊場と そこへ至る参詣道から構成され 三重県・奈良県・和歌山県の合計29市町村に わたって広がっています。 「熊野古道」とは 伊勢・大阪・京都と紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社 熊野速玉大社 熊野那智大社)を結ぶ「巡礼の道」で 古くは「熊野街道」とも呼ばれましたが そのうち保存状況の良い 部分が「熊野参詣道」です。 世界文化遺産への登録は 熊野古道全体を含むものではなく 三大霊場と 参詣道(熊野参詣道・大峯奥駈道・高野山町石道)です。 かつて熊野古道として知られていたルートで 例えば 十津川街道や紀伊路(大阪−田辺)は 全て国道に吸収されており また 伊勢路の大部分も 国道に吸収され 世界遺産の登録外となっています。 上に示した道路イラストは Copy Rightを持つ関西広連絡協議会の許可を得て載せました。 この道路イラストは 熊野古道の内 参詣道として世界遺産に登録されているルートを赤色 登録されて いないルートを黄色で示しており 熊野古道のうち世界遺産に登録されているのは 赤色の参詣道のみ であることが 明確です。 「紀伊山地の霊場と参詣道」は 「道」の世界遺産であることに特徴があり 「道」の世界遺産としては 他に スペイン・フランスの「サンチアゴへの道」があります。 また 文化遺産でありながら 滝・原始林・ 川・海岸・岩・温泉など 自然景観を資産として多く含んでいます。 熊野三山と総称される中で 「熊野本宮大社」は来世の救済 「熊野速玉大社」は過去世の罪悪の除去 「熊野那智大社」は現世の利益をうけもつという 三位一体の信仰システムが形作られた結果 平安中期 から江戸時代にかけて 熊野三山に通じる信仰の道「熊野古道」には 皇族や貴族だけでなく武士や庶民 (女性を含む)に至るまで 大勢の人が列をなし「蟻の熊野詣」と例えられるほど賑わいました。 3.南紀旅行の写真(ほぼ撮った順に)
4.まとめ(人々はなぜ熊野をめざしたのか?) このページの結論として 「蟻の熊野詣」と例えられるように 上皇・貴族から庶民にいたるまで 多くの 人々が 熊野を何故めざしたのか その理由を考えてみます。 熊野へ行けば人は救われると信じられ 熊野三山をめざす巡礼の道が「熊野古道」でした。 どこから めざすにしても 熊野への道は 遠く険しいものでしたが 人々は 難路悪路を苦労して参れば それだけ 熊野権現の功徳が大きくなると信じ 歩くこと自体を修行(難行苦行)と考えて 神仏の加護を願って 遠い道のりを徒歩で進みました。 平安時代末期(1179年) 後白河法皇が編纂した今様歌謡「梁塵秘抄」の中に 次の一節があります。 熊野へ 参らむと 思えども 徒歩(かち)より参れば 道遠し すぐれて山峻(きび)し 馬にて参れば 苦行ならず この歌は 熊野詣の目的が何であったかを 明解に示していると思います。 「馬にて参れば 苦行ならず」 ということは 浄土信仰に基づく浄土・熊野三山をお参りすること自体より 熊野三山に至る熊野古道を歩く という「苦行」そのものに 意味があったことになります。 まとめると 熊野詣は 熊野古道を「歩くという」苦行による滅罪 肉体の浄化による魂の救済が一番の 目的で 礼拝というよりも ひろく巡礼という行為そのものを通じた空間体験 それによる自我の変身を 試みたものと言えます。 巡礼は エルサレム巡礼 メッカ巡礼 スペインのサンチャゴ巡礼など 海外にもありますが 日本の巡礼 には 西国三十三ヶ所 四国八十八ヵ所など 巡るべき寺(札所)の数が付いています。 日本の巡礼は 数を目的にしていることが特徴で 巡礼地を訪問する本来の意味とは別に 「双六の上がりまで あと幾つ」 の如く 数にこだわるのは 面白いと思います。 熊野詣という巡礼も例外ではなく 京都からの途中 王子 と呼ばれる熊野権現の御子神が祀られる99の祠(九十九王子)を巡拝して行く 王子巡りが熊野詣の特色 でした。 私は 今回 魂の救済を求めて(??) 自宅(千葉県浦安市)から3泊4日で往復1800kmの旅をしましたが 「車にて参れば 苦行ならず 救われない」ことを 旅を終え このページをまとめる段階で 初めて知り ました。 最後に 少し脱線します。 歩くことは 修行(苦行)でなくても 健康維持に効果的です。 最近読んだ本 泉嗣彦著 「医師がすすめる ウォーキング」(集英社新書)には 歩くことが生活習慣病の予防と克服に効果的であると 力説されており 一読に値します。 歩くことを習慣付け 励みとする為に 歩いた歩数を知る万歩計が必要となります。 私は オムロン社の 歩数計(万歩計 HJ-710IT \5000)を利用していますが 日付か変わる毎に前日の歩数が消え 新しい日 の歩数を2週間分 万歩計メモリーに残せます。 この歩数計は パソコンに取り込み 歩数の分析が できるだけでなく インターネットに接続して 登録会員の記録と比較も可能であり 重宝しています。 このページについて ご意見ご感想を下記迄いただければ幸いです。
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