ロファル大陸物語
〜始まりの扉〜

序章
ここは、ロファル大陸の三大国の一つ、フィズエル王国の大都市サティス。
このサティスでは、年に一回、国一の戦士を決めるための戦いをする。
その大会は激しさのあまり、『国内戦争』と呼ばれていた。
今は、その年に一回の『国内戦争』が終わり、王が優勝者に優勝の証を授与している所の筈である。
授与場は、例年に見ないほど観客がざわめいている。
王は片眉を曲げ、口を僅かに反らして明らかに困っている。
その理由は、今、王の目の前に居る優勝者が『女性』だからであった。
王も民も心配事は同じで、国一が女性だということが他の国にばれたのならば笑いものにされるのではないか……と。
悩み込んでなかなか優勝の証を渡そうとしない王に、女性が言った。
「何をそう困っている。どんなに足掻いても、私が優勝した事は変わらないし、私に負けていった者達に失礼ではないか。それに、もし事実を隠蔽しても、本物の優勝者が私だということは、やはり変わらないではないか。むしろ隠蔽する方がばれた時に大変だろう」
その女性の言葉に王は決心し、優勝の証である黄金の剣と多大な賞金を女性に手渡した。
女性は受け取ると、すぐさまその場を立ち去っていった。

登場人物紹介


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