とある家の前に、あの『国内戦争』の優勝者が居た。
「私は旅に出ます。今までどうもありがとうございました。」
優勝者と話しているのは、32歳ぐらいの中年女性であった。
「あんたが出てくのはとてもさびしいよ。あと1日だけでも、この家にいてくれないかしら?」
その、中年女性の言葉に優勝者は首を横に振った。
「そう残念だわ・・・。せめて、たまには顔を見してね・・・。」
そう言うと、中年女性は泣き顔を見てほしくないのか、すぐにドアを閉めてしまった。
「またいつか帰ってきます。またいつか・・・。」
閉まったドアに語りかけるように言い、優勝者はその場を去った。
「フィランセ!!」
優勝者は自分の名前を呼ばれ、振り向いた。
「スラーか・・・。何のよう?」
フィランセは、自分と同い年ぐらい(15歳)の男性スラーに問いかけた。
「旅に出るって聞いてさ・・・。どうして旅に出るんだ?ここはとてもいいとこなのに・・・。」
スラーもフィランセに問いかけた。
「前にも言っただろう。『国内戦争』を優勝し、旅支度が出来るお金が手に入って、旅支度が出来たら旅立つって・・・。」
「それは分かってる!俺が聞いているのは、なぜ、旅に出なくちゃいけないかだ!!」
スラーは半分怒っていた。旅立つ理由もないのに旅立ち、帰ってきたときは骨であった父がいたからだ。もう誰もそんな目にあってほしくないからであろう。
「分かった言うよ。ほかの人に言ってはいけないことだからね。」
そう言ってフィランセは、人がいない場所に、スラーと行った。
「じつは、私は、『100年に一度の災害の子』なんだ。」
「さっ『災害の子』!?」
スラーが驚くのも無理はなかった。『災害の子』とは、覚醒するとそのいる場所に、さまざまな災害が来るといわれた。
その覚醒するのが、ちょうど15歳なのである。
「そういえばこの間地震が来ていたが・・・。というより、なんで自分が『災害の子』だって分かったんだ!?」
「『災害の子』には、15になった時右腕に、悪魔の羽の紋章が現れるだろう。私が2週間前の誕生日のときに現れた。」
それを聞き、スラーは愕然としている。
「私は、だからここをでなければいけない。そして、『災害の子』でなくなるための情報を集めて『災害の子』でなくなるんだ。もし『災害の子』でなくなれたら・・・」
「戻ってくるんだよな?」
スラーに先を言われて、少しびっくりしたがフィランセは
「あぁ」
と言いうなずいた。
それから、スラーはフィランセと門まで行った。
「すぐに戻ってくるのを期待してるぜ!」
スラーがそう言い、フィランセは、馬にまたがりながら手を振った。
そして、フィランセは旅立った・・・。
Copyright(C) ANA 2003 All Rights Reserved.