楠本勝也の「くの一忍法帳トレ」、御宿での「集中力激増トレ」など、苛酷な練習で知られる北星ジムだが、また、苛酷なトレーニングが誕生した。その名も「新宿2丁目トレ」。
その詳細に入る前に、衝撃の事実をご紹介しておきたい。その激烈なまでの悶々との闘いにもの凄い反響があった「くの一忍法帳トレ」(知らない人は、このバックナンバーのどっかにあるので観てね)。このトレーニングがある限り、日曜日であれば、楠本は必ず勝つ…はずだった。しかし、先日の中島倫稔戦。楠本は、引き分けとはいえ、最悪の内容で王座奪取に失敗した。なぜ? 日曜日なのに? この説を学会に発表し、承認されたわたしの面目が丸つぶれになってしまった。
しかし、最近、キャリー宇佐美の一言によって、驚愕の真実が明らかになった。「そういえば、あの日って、WOWOWの無料放送デーで、
エロ映画やってなかったんですよね」そ、そうなんですか楠本さん? 「そうなんですよ」。
……というわけで、図らずも「くの一忍法帳トレ」の効果が改めて実証されたというわけだ。おそるべし「くの一忍法帳トレ」。さて、そんな「くの一忍法帳トレ」を超えるトレーニングが行なわれると聞いたら、同行しないわけにはいかない。参加選手は、楠本、井上玄斗、野崎、そしてなぜかガジロウ・オーエンジャイが加わった。
一行は、井上玄斗邸で、彼の素晴らしいピアノ演奏(なかなか素敵だった)を聞いて精神を落ち着けてから、新宿2丁目へ車で向かった。運転手は、ペーパードライバー野崎。途中で2度ほどニアミスをおかすなど、いきなり気の抜けない展開。これもトレーニングの一貫か?そして、ついたのが新宿2丁目。「その手の」方たちが一杯いるので知られるところだ。聞いてはいたが、手を握ったり、チューをしたりを間近で見ると、さすがにビビル。そんな状態で着いたのが、修行の場の公園。時刻はすでに0時を回っているが、そこかしこに男がポツンと座っている。ナンパ待ちのようだ。その横を手を握り合ったカップル(もちろん男同士)が横をすり抜けていく。うわ、ホンマだ。。。。
そんな修羅場に、まず井上玄斗が放り出された。公園の暗がりにポツンと座ったのだ。だが、ちょっと離れたところに陣取った傍観部隊が気になるのか、玄斗の周りに人は寄ってこない。「こんなもんか」と安心したのか、楠本がさらに公園の奥で一人で座り始めた。そうしたら、ものの5分もしないうちに紺のスーツを着たサラリーマンが楠本の周りをうろつき始めた。凍り付く傍観部隊。これは明らかに明らかだ。
「楠本さん戻ってきてよ〜!」と目で合図を送ったが、楠本は「いやあどんなこと言われるかと思って」とその場を動かない。そんなとき、死角からいきなり人陰が楠本の前に……角刈りの親父が楠本の正面に立ち、ニヤリとして動かない。さすがに凍り付く楠本。「みんな助けてくれ〜」と思っていたらしいが、傍観部隊は「なんで戻ってこな〜い?」とドキドキ。
そしてついに衝撃の一言が楠本に投げ掛けられた。「ボクと付き合わない?」
完璧に凍りついた楠本は、「い、いや、友だちとま、待ち合わせていて……」としどろもどろに退散。命からがらに逃げ出してきたというわけだ。しかし、何でも前向きの楠本は「いやあ、精神力つきました」と一言。杉本金太郎戦に向けて、一番大事な精神力養成に隙はなし、だ。
安城大会で、久々の勝利を飾った石田智史だが、実は左拳が骨折していたことが判明。10月1日の弘中史樹戦はキャンセルされることとなった。実は、新美戦では、1R早々に拳を骨折。以降は、片手で闘っていたのだ。その闘志には脱帽するしかない。いずれにしても、千載一隅のチャンスを逃した事になる、石田自身にとって、一番痛いケガだろう。