北星ジムにデリカシーは存在しない。というか、そんなことを気にしていたらこのジムで生き残っていけない。会長はセクハラ大魔王だし、選手はパンツ一丁いやときにフルチンでぶらぶらしている。……したがって、ごく常識的に考えると、このジムに女性の練習生はあまり入り込む余地はない。
しかししかし、そんな北星ジムに異変が起きている。なんと現在2名の女性練習生が在籍しているのだ。私が知る限り、今まで北星ジムに在籍していた女性は計3名。初代のTさんは、笹原爆散とオーエンジャイで公式戦を行なうなど、歴史に名を残したが、いつの間にか消えてしまった。その後は後楽園ホールで違うジムの選手達を紹介しまくるという愚行を繰り返している。
2代目のUさんが入門したのは昨年末。以後、土曜日の延藤教室を中心にコンスタントに練習に参加。いまでは会長をうならせるまでのコンビネーションも繰り出している。
そして、先週土曜日3代目の女性戦士が入門した。
これは、女子トイレとか更衣室とか必要なんじゃない、会長! まあ、でもうちに入るのはどうせ豪傑ばっかだろうからいらぬ心配か? 今にオーエンジャイに毎週出場する、豪傑が出たりしないかなあ。打倒熊谷直子だ!
石毛が野崎に「走り込みしましょうよ!」と言った事から、走り込み合宿が挙行された。これは御宿で海で遊んだという、インチキ臭いものではなく、真面目に走りこんだのである。参加メンバーはキャリー宇佐美を加え3名。これにフィニートも取材同行した。
坂道でダッシュをするのがこの短期合宿のテーマ。野崎がいつも使用している「野菊の墓」近辺の坂道(150メートルくらい)を使用した。野崎宅に集合し、その坂までに約25分ほど走らなくてはいけないのだが、その時点で言い出しっぺ石毛はバテバテ。
そこからダッシュに入ったのだが、石毛は「足が張ってるんですよ!」と言い訳ばかりでいつも最後尾を走っている。「石毛は体力ないなあ」と思ったが、ラスト1本。石毛は驚異的なスピードでトップを快走した。「最初からそんくらい走っとけよ!」という周りの突っ込みに石毛は
「ボクは最終ラウンドに強いンです。
精神が肉体を凌駕するんです」
とのたまいやがった。次の安城市での内掘戦。石毛の精神が肉体を凌駕する現場を目撃せよ。