!・・・パバロッテイヘブン(3)・・・!

三大テノール・イン・パリ 1998 を聴こう!





ルチアーノ・パバロッティの、コメントつきオススメ盤コーナーです。
オススメ「盤」といっても、ビデオやDVDの方がよろしいのですが、 興味のある方は探してみると楽しいかも・・・
サカタヤスコが家で聴いている曲を一緒に聴いてみようかな? という方もどうぞ。





三大テノール・イン・パリ(1998)
私がハマるきっかけになった三大テノールの1998年度のコンサート。
とても人気があって、クラシックの置いてある店なら 高い確率で見つかります。
CD,ビデオ,DVDなど、メディアの種類もほぼなんでもアリです!
私は、NHKBSで放送された映像(カメラが風で揺れたりして なかなかスゴイ(?))がベストなのですが、 DVD/ビデオもなかなかいいです。 CDは、曲がかなりカットされている上、 音もなぜか臨床感に欠ける録音なので、 予算のある方や借りられる方は映像つきの方がだんぜんオススメ!  指揮はパリ編から、明るくて楽しいレヴァインになっています。
収録曲
ピックアップ
趣味のコメント
穏やかな夜には
オペラ「ルイザ・ミラー」の中の曲。
物語自体はとんでもない話らしいのですが (オペラはだいたい全部とんでもない話なのですが・・・) 独立した曲として聞いても、ドラマティックでなかなかです。 聞いている内に、思わず新しく出来た話のBGMにしてしまったくらいです。 カルーソー聞いてBel.Diabolicaできちゃうし、 マリア・マリも別の話のBGMになっちゃうし、 けっこうオトクなコンサートでした。(って、そーゆー問題か?!)
この歌についての、詳しい妄想的コメントは パバロッティ・ヘブン(2) にあります。
マリア・マリ
「窓を開けてよ、君が面影・・・」の歌い出しで知られるディ・カプアの小曲、典型的な「恋歌」です。
曲は知っていたのですが、BS中継の訳を見たときにガクゼンとしました。
いくら好きだからって、昼も夜も相手の家のまわりをずーっとウロウロしてて、 「寝られないから君を抱いて眠らせてくれ」って・・・ おいおいおいっ!
普通これ「ストーカー」だろうっっ!  と思うのですが、この手の歌曲は、ワガママだろうがむちゃくちゃだろうが、 好きになったらとにかく好きなんだ・・・と切々と歌い上げられてしまうので あります。
で、このジコチューな訴えに、呆れるのを通り越して半ば感動しながら、  「愛情と恋とは違うもんな・・・ 恋って基本的に、 相手が自分のことを好きでも嫌いでも、とにかくこっち向いてくれればいい ・・・みたいなとこあるもんな・・・」と、ナットクしていました。
私はファンなので、パバロッティが歌うとウットリするのですが、 この歌を「口説き歌はおまかせ!」のドミンゴが歌うと、 甘くていやらしくてほとんど「テノール界のフリオ・イグレシアス」状態!で、 「この・・・プレイボーイがっっ!」という感じで、とにかくスバラシイです。  一方、「マジメでカタブツ派」的雰囲気のカレーラスが歌う方は、 なんか弱気な純情男の地道な恋歌のようで、これもなかなかヨロシイのであります。
という訳で、この曲はこの盤で3人まとめて聞くのがオススメです。
コンサートの出来に極端にムラのあるパバロッテイも、三大テノールの時は  「負けるもんかー!」とリキが入るのか、歌唱が特にいいのもありがたい。
そうとも、おれは
闘牛士になる
なんでこういう事になっちゃったのか事情がわからないんですけど、 どうもスペイン人らしい主人公氏(おれ)は、「恋人のためなら命も惜しくない!」 から「そうだ! 命がけならやっぱり闘牛士だ!」 と連想が横滑りしちゃって、 いきなり「君のために闘牛士になる!」と叫んでしまっている歌。
いやまぁ、闘牛士になってマタドールでお金を稼げば恋人も喜ぶかもしれない とは思うのですが、「命がけで君が好きだから闘牛士になる」という理論が、 日本人の私には理解不能だぞっっ! と思った「ムチャな恋の歌」第二弾。
リズムの勢いが良く、このコンサートの中で非常に楽しめる、 とってもノリのいい曲の1つ。
夜の声
「ムチャな恋の歌」第三弾はこれ!
「新婚の恋人(どうも主人公は彼女にふられたらしい)の夜の窓辺の下で、 延々と恋の歌を歌い、”隣でだんなさんが起きても気にしないで・・・”」 って、するだろふつーは!! ただのイヤガラセだこれはっっ!!
ていうのを、ものすごく切々と愛を訴えて真剣に歌ってしまうのであります。
歌っているのが、マジメ派のカレーラスなところもスゴイぞっ!
カルーソー
前半のラストの部分で歌われる、パバロッテイ大全開モードの熱唱。
シンガーソングライター(?)のダルラの歌ですが、パバロッティは、 大テノールであるカルーソーの晩年をテーマにしたこの歌がよほど気に入った らしく、この後、東京コンサートでのインタビューでも、 「これからも、カルーソーのような歌を歌っていきたい」 と答えています。
パバロッティのテーマは、オペラ「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」 が最もよく使われるのですが、この曲はクラシックや歌曲以外の曲としての、 彼の代表曲にしたいのではないかという気がします。ビデオで観ると、 もう意識がアッチに飛んじゃってるのが表情でわかります。 (歌の世界に入っちゃってるので、観客を見てない・・・)
これも、詳しい妄想的コメントが パバロッティヘブン(2) にあります。
恋する兵士
第一次世界大戦のあたりに作られた歌だそうで、マーチ風の軽快な恋の歌。
「僕は君から遠くにいるけど、君が最初で最高の恋人、ぼくに手紙を書いていて、 僕には君一人しかいない」−−−と、戦いに出ている兵士が歌う、 ものすごく素直な愛の歌です。
実はこの曲、もう1つのオススメの「パバロッティ&フレンズ」で、 パバロッティがスパイスガールズと一緒に歌っていて、それが実に楽しい出来で めちゃくちゃカワイクてよろしいのですが、こちら三大テノールの 「恋する兵士」は、「正当派はこんな感じ!」という見本で、 お手本のように、実に気持ちよく軽快に歌われています。
ただこの曲、調子がめちゃくちゃにいいので、聞いていてつい一緒に歌って しまう・・・という欠点があります。 それも大声で(・・・)
帰れソレントへ
大変に有名なカンツォーネです。
三大テノールでは、こういう耳に馴染んだ単発の小曲をメドレーでたくさん歌ってくれて、 大変楽しいコンサートになってるのですが、これはアンコールメドレーでの1曲。
パバロッティは、カンツォーネの中でも特に「オオ・ソレ・ミオ」と 「帰れソレントへ」をよく歌いますが、哀調を含んだ 「帰れソレントへ」  は、やはり独特の迫力があります。  このコンサートでも、歌の前半で流麗に歌い上げる部分のパート  (ソレントを離れるという恋人に 「こんなに美しい場所から、僕を置いて なぜ行ってしまうんだ」 と歌いかけてから 「僕を離さないで 僕を苦しめないで(BS放送の訳)」  と訴えるクライマックスのところです)  をぶんどって、一人で絶好調にノリまくっています。 (・・・少しは他に合わせろよ。)

なお、エキゾチックなメロディを持つ「マレキアーレ」や「アマポーラ」 (アマポーラは音の重なりで流麗さが出る曲なので、 ハーモニーになるとものすごく美しい!)、メロディラインの美しい「マリウ、 愛の言葉を」、それからこのパリ編には入っていませんが、 ロス編では静かなメロディラインが特徴的な「我が心のサンタ・ルチア」 (良く知られている「サンタ・ルチア」とは別の曲)などを3人で歌っていて、 単独で1曲を歌うのとはちょっと違う、 不思議なセッションとしての魅力を発揮しています。
また、ロス編では「フニクリ・フニクラ」を三人で大合唱していて、 ロス編の中継をバラバラに見たはずの友人たちが、 全員「フニクリ・フニクラ」の話を手紙に書いてきたのが大笑いでした。
確かに、一度見ると忘れられないくらい印象の強い、 大迫力の「フニクリ・フニクラ」だったんですが。 (登山電車のCMソングにこんなに迫力つけてドーする・・・)

三大テノールコンサートは、サッカーワールド杯記念イベント (第一回ローマ編は、カレーラスの白血病回復祝いを兼ねている)として開催され、 「素人相手の金儲け主義コンサート」と悪口を言われることもあるようなのですが、 互いに相手を意識するのか歌にとってもリキが入っていて、歌唱にハズレのない、 非常に楽しめるイベント公演になっています。  ハズすと悲しいパバロッティの場合、 安定して聴ける三大テノール公演は非常にありがたい存在です。
特に「パリ編」は3人ともノっていて、選曲や構成も非常によく、 どの曲もトップクラスのオススメできる1枚です。
余談
私がファンだからそう感じるだけかもしれないのですが、 三大テノール公演の3人合唱メドレーの場合、パバロッティが一人で 一番いいパート(クライマックスとか)を歌いまくってる気がするんですが・・・  気のせいでしょうか・・・???
想像すると、打ち合わせの時にゆさゆさと体を揺らしながら入ってきて、 「ボク、こことこことここのパート歌いたい」と、楽譜を指さして 自分の好きなとこだけ勝手に指定すると、 あとはにこにこして椅子に座っているだけなので、 調整役のカレーラス(インタビューで聞いたところでは、この人が曲の選曲の 調整など細かいことを担当しているらしい)が、隣のドミンゴに気を遣いながら、 残りのパートをドミンゴと2人で分けて、最後に  「(カ) パバロッティくん、ここんとこも歌ってほしいんだけど・・・」  「(パ) ウン! わかったよ」  ((ド) でも時々自分のパート忘れるぞ、こいつ・・・)  なんていう風景がアタマに浮かぶんですが (3人がほんとにこういう性格なのかどうかは知らないんですけど、 コンサート見た感じの印象ですね)
で、「我が道を行く(と、よく評されている)」パバロッティは、 3人で歌ってる最中にも、一人で声を延ばすやら勝手にアレンジするやら やりたい放題なのですが、ローマ編ではアンコールの「オオ・ソレ・ミオ」で、 やっぱり一人で勝手に1番のクライマックスを長々と歌い上げてしまっている パバロッテイ(また、まわりを見てない・・・か、ここはワザとイタズラしたのか、 ちょっと見分けにくいところ)を横目に、 ヒソヒソと耳打ちしあっていたカレーラスとドミンゴが、 いきなり2人で肩を組んで大迫力で同じパートをやり返し、 パバロッテイが横で笑いながらウケる・・・というお楽しみ場面があって、 会場内が熱狂の大喜びになっているところがあります。
ローマコンサートは、「それまでトップ同士で犬猿の仲と言われていた カレーラスとドミンゴ、我関せずのパバロッティが、 3人でコンサートするなんて、ほんとに舞台に出て来るまで誰も信じられなかった (解説より)」 という状況で行われた「伝説のコンサート」らしいので、 このサービスシーンは観客は涙が出るほど嬉しかっただろうと思います。
それにしても・・・  そもそも「カレーラスの快気祝い」だったはずのこのコンサート、 カレーラスが一人で気を遣っているように見えるんですけど・・・ こんな状況でいいんでしょうか??? (面白いからウレシイけど・・・)



LucianoPavarotti
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PAVAROTTI&FRIENDS の写真集あり。
CD紹介の中でパバロッティの歌も聴けます。


2001.3.29.


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