!・・・パバロッテイヘブン(1)・・・!






ルチアーノ・パバロッティはクラシックのテノールの歌手で、 小錦のような超巨大な体をゆさゆさゆすって出てきて、 ”High C”と呼ばれる、 すばらしい高音部の声を出して、お客さんをびっくりさせるオペラ歌手です。
あんまりすごい声が出るので、オペラファンには、絶大な人気があったようです。

そういう天国的な声のパバロッティですが、 解説によると「すでに黄昏の巨人である」と書かれていて 「ピークはすぎた」というんですが、ところが、私がハマったのは、 実は、体力的に落ちてきたと評されている90年以後の歌なのであります。

80年代より以前は、声色はすばらしいんだけれどなんだか歌が棒のようで、 抑揚がないというか味がないというか、 ドミンゴのほうがだんぜん歌がうまいし、 カレーラスのほうがすばらしく美声なのであります。
その時点でのパバロッティは、いくら高い声が出るからと言っても 機械的な音楽マシーンのようで、とにかく色気も何もないのであります。

ところがいったい何があったのか、90年代以後にいきなり歌に艶が出てきて、 すでにご老体に一歩踏み込んでいるはずの、98年度のコンサートなんぞは涙モノ!
今までオペラなんか聴いたこともないワタシだったのですが、 そこでいきなりめちゃくちゃにこの人の歌にハマってしまったのでした。

いやとにかく、年をとってから色っぽいんです。 この人の歌が・・・!





LDやCDの発売状況を見ていたところ、1つの事実に気がつきました。なんと90年をすぎてから「パバロッティ&フレンズ」というチャリティコンサートを2年ごとにやっていて、ここにポップス・ジャズ・ロックといった全く別ジャンルのアーティストと交流が始まっているのであります。

なんとなくピンときたのは「マンガだけ読んでいたらマンガは描けない、ほかのジャンルと接触する中から新しいものが生まれてくる」という、マンガの描き方で言われる普遍的な事実でした。
それまで格調高い歌曲の人々中で暮らしてきたパバロッティさんは、他のジャンルの若いアーティストたちと一緒に歌ってみて、よっぽど楽しかったんじゃないかと思うんですね。

それがなにより証拠には、98年の「パバロッティ&フレンズ(リベリアの子供たちのために)」で、孫のようなスパイスガールズとものすごくうれしそうに合唱しています。
ワタシは「よかったねー、このトシになってこんな楽しい事があって・・・!」とうるうる見てしまいました。(これがファン心理ですね) そんなわけで、昔聞いたときは「頼むから英語の歌はやめてくれー!」と叫んでしまったウエストサイドの「トゥナイト」も、昨年のコンサートではすばらしい曲に仕上がっているのであります。うっとり・・・




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 パバロッティのおすすめCD&LD
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さて、そんな天国的な声のパバロッテイですが
「いつもいつも絶好調という歌手ではない」
と解説にはっきり書かれているとおり
絶好調は天国ですが、絶不調は地獄です。
以下はワタシのオススメ ベスト3!
黒髭のコワイ顔と、ダルマか樽のようなデカイ体が見モノなので、
ぜひ映像つきのLDやビデオで聴かれる事をオススメします。
(CD・LD・テープ・ビデオ・DVD等で発売中)

「3大テノール・イン・パリ1998」
 「カルーソー」と「穏やかな夜に」がとにかく絶品!
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「パヴァロッティ・イン・セントラルパーク」
 調子全開モードで目線が泳いでいます
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「パヴァロッティ&フレンズ98」
 ボンジョヴィやスティービーワンダーとのコーラスがサイコーですが、
ノリノリPOPSの横で直立不動でよそ見をせずに歌ってしまう
パバロッティがミョーにカワイイです。



UPDATE  2001.2.22.


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