! ・・ マリオ・デル・モナコを聴こう ・・ !






読者の方が 「パバロッティが好きならこの人もぜひ聴いてみてください」  と、マリオ・デル・モナコのCDを送って下さいました。

「わーい、初めてだー」 (>> サカタヤスコは有名な歌手を 全然知らないんであります)  と、大喜びで聴いてみたら、おおおーーっ! 響く響く!  これはオススメされるだけの事はあるぞっ!
このモナコさん、もちろん声の響きもいいんですけど、 パバロッティと比較した時の最大の違いは、 歌が 「カッコイイ」 事なんですね。  聴いてて、色気がある上にめちゃくちゃ凛々しいので、 ちょっとクラクラしてしまいました。

と言うわけで、思わずサカタBOXに来てくださる皆さまにもオススメ!
こんなコーナーにオマケにつけちゃって、デル・モナコさんには申し訳ないんですが、 とりあえずご紹介しちゃいます。

ちなみにパバロッティの方は、かっこ良さの数値は、 どちらかというとゼロを越えてマイナスにかかってて、 その昔、マルチェロ・マストロヤンニが時々演った、 事態が切羽詰まると泣き出しちゃうような、かなりみっともない男・・・ (< ちなみに、マストロヤンニのナサケナイ男は、 ほんっっとにナサケナイです!(おいおい))  なんかあんなくらい 「カッコよくない」 感じなんですけど。  
(という訳で、パバロッティの最大の当たり役は、  「愛の妙薬」 というラブコメの、「阿呆のネモリーノ」という、 ドジでノロマなカメのような男で、あまりにバカで考えなしなので、 ついに片思いされてた美人のおねーちゃんが  「ここまで純情バカも珍しいから、あんたの恋人になってあげちゃうわ」  とハッピーエンドになってくれるという、とんでもない話です。  地でやってるかと思うくらい似合うんだこれが・・・(涙))

とにかくそのようなナサケナイキャラクターイメージのパバロッティに対して、 このマリオ・デル・モナコさん、文句なしにカッコイイです。  それも、アクションヒーローの「オレは強くてでかくて優しいぞ」 なんていう単純型じゃなくて、ちょっと暗くて影もあり、 わずかに陰謀にも加担しそうな、ドラマティックな主役がやれそうな、 そんな感じ。

こういう例を使うと、クラシックファンの方に怒られると思うんですが、 一番わかりやすい例は、光栄のシミュレーションゲームの 「信長の野望」  とか 「三国志」 のキャラクターイラストみたいなタイプ! (ゲームをやったことのある方ならドンピシャで 「あ、あの雰囲気か!」 と わかると思いますが、ちなみに、ワタシはどーしてもあの絵が好きだったんで、 シミュレーションゲームが大の苦手なのにも関わらず、 「信長の野望」買ってしまいました。 もちろんボロ負けしました・・・  信長でやろうと武田でやろうと、もちろん浅井朝倉なんかメじゃありません・・・  ていうか、どうやったら日本統一できるんだろうな <<こらこら)

すみません、おもいきり話がズレてしまいました。
とにかく、このマリオ・デル・モナコさん、文句なしに声がキモチイイし、 ストイックで硬質な色気があって、音程もリズムも外れないし (パバロッティの場合、時々ハズレてる気がするんですが・・・  ホントに歌手やってて大丈夫なんだろうか??? <こらこら)  で、歌を聴くなら、どちらかというとパバロッティよりもこちらが オススメなのでは・・・? と思うくらいで。(お、おいおい)

パバロッティと比較すると、マリオ・デル・モナコは 硬質で切れ味のいい響く声に、心理的な深みが加算されてる感じ (黄金のトランペット という異名を持っていたそうです)  パバロッティの方は、デル・モナコと比較すると声が柔らかい系で、 少し甘味のある感じがします。

さて、ワタシはまんが描きですので、その人の創り出す物に触れて 自分の作品が出来てくるタイプ(シンクロ型)の人と、「いいなぁっ」と ひたすら鑑賞側にひたり込むタイプのがあります。 デル・モナコさんは後者で、  「おおおー」 といってひたすら聴き惚れるタイプ。
多分、こういう影のあるヒーロー型の主人公が、自分の中では動かせない せいだと思うんですけど、自分でちょっとモッタイナイ感じです。 (こらこらこら)

ともかくこのマリオ・デル・モナコ、ドーパミン出る出るタイプの声で、 しかも印象が知的なので、聴きながら  「こういう切れ味のいいキャラクターもいいかもしんないっ!」  と思ってしまうんですけど、ベタベタの恋歌だけはその部分が 足をひっぱるみたいで、 「ロリータ」 という恋歌なんか、 ほんとに単なる恋の歌・・・「このねーちゃんが好きだー!  仲良くしようー!」 っていう単純明快な求愛の歌なんですけど、 さすがにこれはモナコが歌うとちょっと 「ヘン!」 です。

ちなみに、こういう口説き歌がウマイのはドミンゴで、賢そうじゃないという 意味じゃなく、ただただスケベなんですけど ( <おいおいっ・・・  <注> ほめてます。 念のため・・・
パバロッティが歌うと 「このねーちゃんの事を考えたら、他のことを考える 脳内スペースが無くなったんだな」 とナットクできるんですが (・・・ここまで書いて、本当にワタシはパバロッティのファンか・・・?) デル・モナコの場合、「この人がこんな事だけに 熱中するだろうか・・・??? そんなに女に没頭するように見えないのだが」  というギモンが心の底に僅かに湧いてきてしまうので、 やはり向き不向きはあるもんですね。


さて、そんなデル・モナコのオススメCD、クラシック関係のものを置いている CDショップで「マリオ・デル・モナコありますか?」 と聴けば、ザラザラ 出してくれそうな感じで、少し前の時代の人なので、 ベストセレクションのような物がいい形で出ています。(しかも安いぞ!)

オペラのアリア集のベストセレクションがイチオシのオススメ!
この人の場合、「衣装をつけろ(道化師)」の第一声で、 とにかくガーンときます。(オペラ歌手は、 一声でアッパーカットを食らわせたらそれで勝ちだ!)  興味のある方はぜひお試しください。


2001.9.8.

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