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店の入り口の扉が開き人が入ってきた気配がして、悟飯は準備の手を止め『準備中です』と言いかけてその場に動けなくなった。
白いテンガロンハットに丈の短くて臍丸出しの白いノースリーブのシャツ、白いホットパンツは短くて尻が見えそうだ。それに白いフリンジブーツ、おおよそこの人以外が着たら似合わないのではないかと思ういでたちだ。恐らくすれ違った全員が振り返ったことだろう。
悟飯も開店準備中を咎めるのを忘れて後姿を-引き締まった尻を、白い背中に見惚れるのだった。照明の落とした店内に金糸の髪が歩くたびに揺れて煌き華やかさにポーとしていた。
奥の予約席までくると深緑の瞳を、立ち尽くしている悟飯に向ける。
椅子を引けと言うのが判った。
「す、すみません…あの、まだ開店じゃなくて」
悟飯は言いながらも存在に圧倒されてしどろもどろだ。
「えーと…」
「いらっしゃいませ」
困っている悟飯に何時の間に現れたのか店長の悟空の声が聞こえ、テーブルの間を滑るようにやってきた。
助けが現れてホッとしたような、深緑の瞳が自分に向けられなくなったのが寂しいような複雑な気分で悟飯は一歩後ろに下がって店長が接客を始めるのを見ていた。
「悟飯、ちょっと」
厨房で仕込みをしていた先輩従業員のクリリンが、立ち尽くす悟飯を手招きをしている。
「あー、今日はもう上がりだ。帰ろうぜ」
クリリンが奥のロッカー室に悟飯を促す。
「え、でも…」
「いいの。いいの。あの人が来たら悟空は仕事どころじゃないから、今日はもう店は臨時休業だよ」
「………」
店に入ったばかりの悟飯は店内が気になったが、ベテランのクリリンに促され納得いかないまま早々に帰り支度をして裏口から外に出る。
クリリンが駅に向かう道すがら口を開いた。
「すごいだろ。あの人」
「………金髪に深緑の目。それにあの格好……プロポーション抜群のバービー人形を思い出しました」
「バービー人形か……そりゃいいな。ああ見えて、あの人はこの店のオーナーなんだぜ。どっか大農場主。たまに店に来ると、悟空の奴、舞い上がって仕事どころじゃなくなるから、その日は臨時休業になるんだ」
「………店長の恋人ですか…」
思い切って聞いた悟飯の質問にはクリリンは『さあな』と曖昧な答えだ。
「………ほら、ウチの店って満席でも絶対に座らせない予約席があるだろ」
「あ、はい。それってあの人が座った…」
「そう。あの席って、悟空が何時来るか判らないあの人の為に用意してあるんだぜ」
「そうなんですか………店長、格好良いですもんね。お似合いか……」
「なあ、悟飯、お前これから飲みに行かないか?俺が奢ってやるよ」
クリリンはなんとなく落胆している後輩の背を叩いて慰める。あれは青少年にはちょっと刺激が強すぎたようだと思うのだった。
皿を空にしてフォークを置くとベジータは、傍らに立つシェフ兼ソムリエに『まあまあだな』と感想を述べた。
「相変わらず素直じゃねえな。ベジータがワインを口にしないで食べ終えたんだ。旨かったんだろ」
自信たっぷりに厚い胸板を反らす悟空に、ベジータはフンと鼻を鳴らすと白ワインのグラスに手を伸ばした。
その手を悟空の大きな手が押さえ付ける。そのまま椅子の背もたれに片手を掛けて、上から覆い被さり唇を近づけてきた。
「なんのつもりだ?」
唇が触れ合う距離でベジータは深緑の瞳を細める。
「旨かったら、ご褒美くれるんだろ?」
「俺は旨いなんて言っていない」
爪の先まで行き届いた手で、キスしようと近づける悟空の唇を覆う。
「オラはお前ェのために毎日料理をしているんだから、旨くないはずはねえぞ」
逆にベジータの手を取って甲に唇を落としてキッパリと言う。
深緑の瞳からは視線を外さない。アイラインを引いたようなクッキリとした目元が自分の言葉で朱が走るのに、悟空は胸が高鳴るのだ。
自信に満ち溢れた高飛車な態度が自分にだけ軟化してくるのが、男の優越感を充分に満足させてくれる。
「ついこの間までひよっこだったくせに……生意気を言う」
まだ子供だった頃、大農場の下働きをしていた祖父の縁を頼って身を寄せた先で、悟空はベジータに出会った。
若き大農場主の煌く金色の髪に、深緑の瞳に一目で恋に落ちた。
年上の大農場主は下働きの孫の自分には高値の花と憧れで終わるはずの初恋を、実力と運で悟空は実らせたのだ。
「もう、オラはベジータを見ているだけの子供じゃねえよ」
椅子ごとベジータを抱き抱えて悟空は強引に口付けをした。テーブルに身体が当たり、ワイングラスが大きく揺れた。
柔らかい唇に吸い付き、舌で歯列を割ってベジータの口内を弄ると徐々に深緑の瞳が閉じられてくるのを悟空はじっと見詰めていた。
強い意思そのままの深緑の瞳が閉じられるのは了承の意味だ。合図のように背に回されるしなやかな腕の感触に、悟空はゆっくりと唇を離した。
二人分の体重を受けて背もたれがキシむ音に、悟空は椅子を壊さないようにベジータの足の間に身体入れて片膝を付く。
相手より頭一つ大きい悟空だが、こうして跪くとベジータの胸元から見上げる形になる。
俺様なベジータはその体勢が気に入ったのか、悟空の頬に指を滑らせてくる。機嫌は悪くない。
「確かに…人参は味が濃くて、ドレッシングに良くあっていた……」
二人の唾液で濡れた唇が緩やかに弧を描く。
「やっぱり旨かったんじゃねえか」
「フン…そういうことにしてやる」
『それじゃご褒美』と早速、悟空はシャツの胸元から指を滑らせて、まだ柔らかい飾りを摘む。指先に力を入れ捏ねるとあっという間に堅くなる。
「……にしてもヤラしい格好だよな。尻なんか見えそうだ……」
座っているからか、ホットパンツからは双丘の割れ目が見えた。悟空は背を抱き寄せる手をその狭間に滑らすと、心なしか汗ばんでいるようでしっとりと湿っている。
「ッ……メジ代は身体で払えってか…っ、随分と高い店だな。ぼったくりじゃないか…ぁ…」
更に奥を探ろうと指を伸ばすと、吐息の間に憎まれ口を叩きながら腰を浮かせて協力をしてくれる。
「貸切りだから、しゃあねえよ。ま、その分サービスしてやっから、な」
「何がサービスだっ!貴様が…ンっぁ…気持ち良いだけっ、だろうがっ!っあ…ぁ」
指先で弄っていた胸の飾りに吸い付いて、舌先で捏ねるとベジータの身体は椅子の上で大きく跳ね呼吸も乱れるが文句だけは止まらない。
強情なのは相変わらずだ。
悟空は小柄な躯を抱き上げて、椅子に座った自分の胴を挟ませるように座らせる。その体勢にベジータが文句を言う間を与えず胸の飾りに刺激を与えた。
今度はグッと声を噛みながら悔しそうに睨んでいる。悟空に良いようにされているのが面白くないのが判った。
気の強さは天下一品のジャジャ馬だ。大人しく腕の中に納まっているようなタマではない。油断をしたら手に負えなくなる。
「……本当にそうか?」
早々に白旗を揚げさせるのが一番と、悟空は既に堅くなっている雄身をベジータの腰を引き寄せ押し付けてやった。
「あっ……っ」
その硬さ驚いてベジータが小さな声を上げる。
自分の魅力を知っていてこんな挑発的な格好をする反面、ベジータは時折処女のような反応を見せるのだ。抱き合い始めた最初は演技をしているのかと思ったが、どうやら本当に怯えているのだと判った。そのギャップが堪らない。
双丘を弄っていた手を抜いて、両手でベジータの細腰を鷲掴みにする。
同じようにホットパンツの中で苦しそうに勃ち上がっているベジータ自身と、布越しに擦り合わせて刺激してやる。
「……な、違げーだろ。こんなに硬くして…お前ェも気持ち良くなっているじゃねえか」
はぁと熱い溜息を付く悟空の顔が酷く男っぽい。
じっと黒い瞳で自分の何もかも見逃さないとばかりに見詰められて、ベジータはとうとう根を上げる。
「ふんっ!判っているなら……とっとと続きをしやがれっ…」
悔しそうに降参をすると、ベジータは悟空の首に手を回してギュッとしがみ付いてくる。大人しくなったジャジャ馬の耳に悟空は『かしこまりました』と低く笑うと、早速注文に取り掛かるのだった。
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