彼らの穏やかな日常

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彼らの穏やかな日常

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カプセルコーポレーションでは夕食も終わり、眠る前の穏やかなひとときが流れていた。
リビングにあるソファでは、ブルマとその母が一心にテレビを見つめている。
ドラマの佳境らしく、画面では男女が深刻そうな表情で話し合っていた。

「ああー、やっぱりこの二人、くっつかないのかしら」
「そうねぇ~、主人公の女の子と進展するんじゃないかしら~?」

そんな二人の隣で雑誌をめくっていたベジータは、ふと画面の中で女が言ったセリフに耳をとめる。数秒何か考えたようだが、また雑誌に視線を戻したので、誰も気づくことはなかった。


その翌日。
悟空は自宅の裏山にある畑で、休憩と称した修行をしていた。チチに見つかると怒られるためだろう、派手な動きはなく、主に基礎に集中したそれを一通り終えて構えをとき、一息ついてから声をかけた。

「なあ、何やってんだ?」
「気づいていたのか」

目線の先にある木の陰から、小柄な男が姿を現した。その人影にうれしげに歩み寄り、悟空は首を傾げる。

「あれ?今日って修行の約束してたか?」
「何の約束もしていない。時間はあるか?」
「あるある」
「嘘つけ。畑仕事をさぼっていやがったくせに」

後でがんばるから平気だ、といいつつ距離をつめ、飛びつく。泥がつく!と喚かれるのもおかまいなしにぎゅうぎゅう抱きしめれば、お返しとばかりに腰に腕が回り・・・

「ぐえぇ!!べ、ベジータ!いでで、これってサバ折りだよな!?」
「おう」
「おう、じゃ・・・いてぇ!ちょ、待てって、どうしたんだよ!?」

ようやく腕の力が抜かれ、悟空は地面にへたりこんだ。見上げたるベジータは、なんだか怒っているような、にやけているような・・・妙な顔をしていた。

「オラ、なんかやったっけ?」
「いや。なんだかそんな気分だった」

悟空の目線に会わせるよう、ベジータもその場にしゃがみ込む。相変わらずにやけている様子が妙に怖い。

「ホントどうしたんだよ、ベジータ」
「いや、久しぶりだと思ってな」
「へ?・・・ああ、そういやそうだな。10日ぶりくらいだよな」

懲りずに再び手を伸ばし、今度はゆっくりベジータを抱きしめる。怒声もこぶしもなく、されるがままのベジータが、寂しかったか?と呟いた。

「へ?」
「寂しかったかと聞いている」

彼らしからぬ言動にきょとんとし、肩口に乗せられた顔をのぞき込もうとするも、背中に回された腕に力を入れられて叶わない。
これは、寂しかった、とか会いたかった、等の睦言を期待しての質問なのだろうか?
うーん、と頭をひねり、悟空は正直に答えることにした。

「いや、そんなに寂しくはなかったぞ」

途端に、背中に回されていた腕がはずれ、ベジータが顔を上げた。探るような彼の目をみながら続ける。

「だってオラ、お前がオラのこと好きだって、知ってるから。わかってるし、信じてるから」

でも、お前と一緒にいるの好きだから、寂しくなかったわけじゃねえけど、ていうかやっぱ寂しかったー!と改めて抱きしめれば、耳元で「合格」のつぶやきが。ひどく満足げなそれに悟空の顔にも笑みが浮かぶ。

「質問の仕方が悪かったな。不安か?と聞けばよかった」

そこまで聞いて、悟空はふと昨日のドラマを思い出す。
チチが夢中になっていたそれを、みるとはなしにみていたが、確かそんなセリフがなかっただろうか。

「ドラマ、みてたんか」
「ブルマがな。会えないと不安、とかなんとか吐かしていやがったから、貴様はどうかと思ってな」

合格だ。そういって軽く口付けるベジータに、悟空は満面の笑みを浮かべて答えがわかっていることを問いかけた。

「なあ、お前は寂しかったか?」

「多少はな。ただ、不安になんぞなる隙がないくらい愛されてるからな、俺は」

それに、少し間を空けてもらわんと、腰が痛ぇ。
そういって笑うベジータをゆっくり押し倒し、これもまた答えがわかったことを問う。



「じゃあ、そろそろ治った?」

「ああ。万全だ」





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