朝8時半起床。血圧:H127,L77、よかった。正常値で。その30分後貴重品をフロントに預け、釜山驛ビル内のレストランへ行く。昨年夏に行った所と同じ、3階の종합식당가(チョンハプシクタンガ=総合食堂街)だ。注文したのは해물짬뽕{ヘムル(海物)チャンポン・海鮮チャンポン}。先払いで6,000ウォン(≒444円、ヤッスー)。番号(19番)の書いた紙を渡された。店の人が「Change」と言ったし(私が日本人であることがわかっているようだ)、テレビ画面を指差していたので、テレビ画面にその番号が表示されたら、番号紙を渡しカウンターでチャンポンを受け取るんだな、と知った。前回は平日の朝だったので客が少なく番号紙なしだった。한식(ハンシク・韓食)、중식(チュンシク・中食)、스넥(スナック)があり、チャンポンは中華に属するので「중식」という表示と番号が出るのを待つ。約10分位だっただろうか、自分の番号・19番が表示されたので、중식のカウンターに行き、番号紙を渡し、チャンポンを受け取る。以前長崎で食したものとは大きく異なる。長崎は白く濁った豚骨スープだったが、今回は粉唐辛子が入っていて赤い。韓国らしい。太めの中華麺、具は、芝蝦、
牡蠣、玉葱、青菜、筍、胡瓜、イイダコなど。タクアンと生玉葱酢和え(?)を添えてある。食材は日本と似ているし、辛いのが好きだから結構いける。だが血圧のことを考慮し汁は残した。タクアンも5切れ位あったが、食したのは2切れとした。2切れの玉葱キムチは薄味だったので全部食した。
「안녕히계세요.(アンニョンギゲセヨ)」と店の人に言い、そこを後にし階下に降りる。土曜なので駅は人が多い。韓国人も旅行好きな人が多いのだ。そして私は、梵魚寺(범어사・ポモサ)へ行くため地下鉄線乗り場へ。先日乗車した南浦方面とは逆方向。方向分離式2面ホームで改札口は別々。乗り間違えないよう、右側通行なので東側の改札口よりホームに降りる。売店で売られている新聞は先日の日本の地震のことがトップになっているものばかりだ。津波に襲われている所だっただろうか、その写真も大きく掲載されている。やがて老圃(노포・ノポ)行きの電車がやって来て乗車。結構人が乗っている。座席は空いていない。次の駅、そのまた次の駅、人がちょぼちょぼずつ乗車して来る。梵魚寺驛は20駅目、ま、西面(서면・ソミョン)を過ぎれば席がだいぶ空くだろうと思っていたが逆。学生らや山登りをする人たちが多数乗って来た。30分以上も立ちっぱなしか、とため息。しかし乗車し続けているといろんな人を見かける。”韓国地下鉄名物”の物売り。今日は靴下だ。女性2人ばかりが買っていた。また”違反者”だっている。学生風の若い男性が座っている前に年配者が乗って来たのだが、彼は知らん顔。ソウルの地下鉄では必ず見かけた年配者に席を譲る光景(席を空けるのは中年ばかりだった)。今回は日本のようにわざと狸寝入りをしたり読み物に読みふけったふりしたりする人等を思い出す。ひんしゅくものだ。それから東京メトロの銀座線で見たような壁に画像が映し出される所もある。それらいろんな光景を見ているうちに地上に出て高架を走るようになる。名古屋市営地下鉄東山線上社駅以東を思い出す。ドアの所に立っていたので充分外を眺めることができる。日本式の住居がわずかだが残っている。また近代の韓国住居である四角い家屋も、そして高層住宅、急な坂道も多い。しかし屋上にキムチの甕が積まれている光景は見られない。昨年白菜が猛暑のため不作だったせいだろうか。ただ、ハングルの看板だらけである所が韓国にいるという実感を沸かせる。再び車内に目を移し新聞を読んでいる人を見るとやはり昨日起きた日本の大地震が気になる。余震は続いているだろう。セントレアは大丈夫か、帰国できるだろうか?そう考えていると再び地下にもぐり梵魚寺驛に到着。随分長旅だった。だがまだ疲れは来ていない。降りる客はザックを背負った山登りの格好をしている人がほとんどだ。梵魚寺そしてさらに上の金井山(금정산・クムジョンサン)にでも登るのだろうか?外に出てバス乗り場へ行く曲がり角をさがす。逆方向に歩いてしまっていることに気づき、引き返し斜めの道に曲がる。そこにも山登りの格好をしたたくさんの人がいる。待ち合わせだろう。ふと遠くに視線を移すとバスターミナルが見える。間違いない。そちらへ歩く。梵魚寺行きの「90」番という表示があるバスが最も手前に停まっていた。方向幕ではなく、オレンジ色の電光式になっている方向表示は勿論ハングルだが、ローマ字、そして漢字の順にも切り替わる。「범어사」「Beomeosa」「梵魚寺」という表示だ。違う所に行くバスによってはカタカナで表示されているのもあった。日本からは目と鼻の先、釜山は親切、思わず頷きそうになる。そのバスはすでに多くの人が乗っていた。やはり殆どが山登り姿だ。運転席前にあるセンサーに、スキーのリフト券ケースに入れたハナロカードをタッチ、エラー表示は出ない、OKだ。もちろん立ったままだ。1~2分後だろうか、バスは出発。街中からおさらば、山道に入る。坂また坂だ。歩くことも考えたが、舗装道路でつまらないし、車の通行も多い。梵魚寺まで2.6kmという立て札もある。また韓国の運転は荒いから事故に遭ってしまうということも考えられる。その点、バスを利用して正解だ。出発から約15分後、車内自動アナウンスから「범어사(ポモサ)」という声が聞こえてきて誰かが降車ボタンを押す。あの多くの山登り客が降りていく。全ての客が降りるわけでなないし、バス停標識には「범어사」と書いてあったが終点ではないようなので私は降りない。「범어사」の表示は「범어사」行きのことだろうと思った。次のバス停「범어사주차장(ポモサジュチャジャン=梵魚寺駐車場)」も終点ではないようなので降りない。ところがその先は下り坂ばかり、その時乗り越してしまったことにやっと気がついた。車内路線図を見たら、Uの字で、始発も終着も범어사입구(ポモサイック=梵魚寺入口)。別ルートを下ってさっきのバスターミナルへ戻るのだ。こうなったら次のバス停で降り、引き返すしかない。次のバス停到着(何というバス停かは忘れた)の自動アナウンスが鳴ったので降車ボタンを押して下車。上り坂を登
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梵魚寺の一柱門、大雄殿、梵魚寺に別れを告げる時に撮った |
る。きつい。もし梵魚寺驛から歩いて来たのだったらもうへとへとだろう。やはりバスで来てよかった。読経の声がしている。その方向へ進めば良い。距離もそう長くはない。コーヒー売りなどのトラックが停まっている前を通り過ぎ、橋を渡る。例の山登りの人も大勢いる。ガイドブックの写真で見た通りの一柱門(일주문・イルジュムン)が見えてきた。よかった!合掌して門をくぐると、何とまっすぐには進めないのだ。右へ曲がらねばならない。あとでわかったが、四神が祀られている天王門(천왕문・チョヌワンモン)が火災に遭い修復工事中とのこと。曲がったあと、まず一つの建物敷地内に入る。説法殿(설법전・ソルボッチョン)というらしい。二人の年配男性とすれちがう。話声で日本人だとわかる。建物の扉は閉まっているが、読経が聞こえてくる。ガラス越しに信者たちがお祈りしているのが見える。私も外で合掌。そこを後にして、上へ登る。庭らしき所に出て、急な石段があるのに気付く。45°位だろう。韓国の石段は急だ。8年前に行った慶州の佛國寺を思い出す。石段を上った所に「大雄殿」と書かれた建物がある。本堂だ。段を登って再び合掌。堂内では信者たちが五体投地をしてお祈りしている。木魚のカポカポという音も響いている。尚、木魚は置いているのではなく、柄付きで、それを左手で持ち、右手で撥を持ってたたく。日本とは異なる。また、塀の修復工事をしており、瓦を葺いている。土を敷きその上に葺く方式。日本で古く行われていた土葺き工法だ。地震には弱いが、韓国は地震が殆どないからそのやり方で構わないと思う。その後も何軒かのお堂でお参り。中には向かって右に仏様が鎮座している所もある。当然斜めに立ってお祈りをすることとなる。仏前に置かれていた木魚はやはり柄付きだった。そのあと、石段や坂道を降り、梵魚寺を後にしバス停へと向かう。途中歩行者用と車用とに分かれている道がある。さっき通ったのは車用、はねられないでよかった。橋の所だ。今回はちゃんと歩行者用を通った。前方を見ると何とバス停には「90」と表示してあるバスが停まっているではないか!さっき多数の登山の格好をした乗客が降りた所だ。乗り遅れるといけないから走ってそちらに向かい、乗車、ハナロカードをタッチ、
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新しく購入したハナロカード |
OK、着席。でもバスはすぐには発車はしない。まだ発車の時刻ではないのだろう。1分位経って扉が閉まり発車。さっき乗り越したあと通った道を下る。それにしても今日は良い天気、ポカポカ陽気だし、木々に覆われた山の景色も良い。山登りの人たちにとっても絶好の登山日和だっただろう。バスは山道を下り続け再び街中に入る。そしてターミナルに到着。ハナロカードを降り口にあるセンサーにタッチ。そのあと乗る地下鉄料金が割引になるからだ。下車後通った地下鉄の駅へ向かう道は野菜等の露天商がちらほら。じっと眺めているとしつこく買わせる仕草をするから通り過ぎるだけとした。
梵魚寺驛到着後、改札機にハナロカードをタッチ。ハプニングだ。OKなら緑のランプがつくのだが赤いランプがつく。何度やっても駄目だ。先日1万ウォンをチャージしたばかり。地下鉄・南浦→釜山驛(990ウォン)、同・釜山驛→梵魚寺(1,170ウォン)、バス・梵魚寺入口→梵魚寺の次の次(1,080ウォン)、梵魚寺→梵魚寺入口(1,080ウォン)、合計金額5千ウォンは行ってないはずだ。残りだって5千ウォン以上はあるはずだ。カード破損だ。ソウルのチャージしたばかりの교통카드(キョトンカード)も使えなくしてしまった経験がある。JR東海のトイカ、名鉄・名古屋市交通局等のマナカはそんなことはまだない。韓国のカードは壊れやすいのか?または暫く使わないうちに駄目にしてしまうのか?SAMSUNGやLG製薄型テレビ、3Dテレビは日本より優れていると聞くが、カードはだめなのか?ま、こうなれば一般乗車券購入となるが、次に行く西面まで券売機にいくらなのかの表示がない。カード乗車が普及しているせいであると思うが、それにしても不親切だなと思う。一般乗車券購入はあきらめ、ハナロカードを買い直すこことする。「구매」(=購買)と表示された青い釦を押し、保証金3千ウォンを入れ、一般用(19歳以上)のカードを購入。そして改札機にタッチ。するとまた赤いランプ。あ、忘れてた。交通料金を入れねばならないのだ。販売機に戻り今度は「보충」(=補充)と書かれた赤い釦を押す。やり方は先日南浦でやったのと同じ。1万ウォンを入れた。完了。今度は改札機(緑のランプ)OKだ。「감사합니다(カムサハムニダ=ありがとうございます)」という自動アナウンスも聞こえる。アームを腹で押すこともできる。一件落着。ホームに降り、西面・釜山驛方面の電車に乗車、さっきと同じく席は埋まっているのでドア付近に立つ。岸式ホームが殆どだから開かない左側のドア付近に立つ。暫くしたら外に出てさっきとは反対側の景色を見る。景色はさほど変わりはなく、屋上付き四角い家屋、坂だらけの道、ハングルの看板だらけ……。が、駅の標識の漢字表記はいわゆる旧字の韓国式(台湾でも使う繁体字)ではなく、日本式と中国式(簡体字)両方を併記してあることに気づく。釜山大學(부산대학・プサンデーハク)ではなく釜山大学(日中共通)。またカタカナを併記してある所もあった。車内では、携帯メールを操作している客がいっぱい。その点は日本に似ている。 |