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天敵としての関わり(スズメバチを巡る食物連鎖)

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スズメバチは各種の昆虫やクモなどを捕らえて幼虫の餌にしており,生態系の上位を占めています.餌の対象となる虫は種類により異なっており,コガタスズメバチやキイロスズメバチはハエ,アブ,小型の甲虫類やハチなどあらゆる昆虫を狩ります.モンスズメバチは主に各種のセミを狩る他、バッタやトンボも狩ります.ヒメスズメバチはアシナガバチの幼虫と蛹を噛み砕いて体液のみを幼虫の餌にします.

オオスズメバチは普段はコガネムシやカミキリムシ,大型のガの幼虫などを狩りますが,秋になり餌が不足するようになるとキイロスズメバチやモンスズメバチ,コガタスズメバチの巣を集団で襲い,巣の中の幼虫や蛹を肉団子にして巣に持ち帰ります.

このスズメバチも,時には他の生き物に食べられたり,寄生されたするなど複雑な関係を持っています.こうした”食べる,食べられる”の関係を食物連鎖と言います.

下の図はスズメバチを巡る食物連鎖の大まかなイメージで,必ずしも矢印のような関係がいつも成り立っている訳ではありません.この図とは逆に,オオスズメバチがオオカマキリに捕食された例や,オニヤンマにキイロスズメバチやクロスズメバチが捕食された例,チャイロスズメバチがクモに捕食された例などの報告があります.

スズメバチのこうした捕食者としての性質を生物農薬として利用し,お茶の大産地である静岡県の一部では、クロスズメバチの捕獲を禁止している地域もあります.



ハラビロカマキリを狩るオオスズメバチ コガタスズメバチを狩るオオスズメバチ アブラゼミを狩るモンスズメバチ