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巣を刺激した場合の働きバチの反応

|種による攻撃性の違い巣を刺激した場合の反応刺傷被害の発生時期とその原因スズメバチによる集団刺傷被害ハチ刺されと死亡事故

スズメバチの巣では,警戒行動として常に門番(見張り役)のハチが巣穴から周囲を警戒しています.比較的攻撃性が弱いコガタスズメバチでは,静かに巣に接近すれば,1〜2mまで近づいても攻撃してくることはありません.

一方,攻撃性が強いオオスズメバチやキイロスズメバチでは,静かに巣に接近した場合でも,数m〜10m以内に近づくと働きバチによる威嚇や警戒の行動が見られます.

巣に近づきすぎたり軽い刺激を与えると,巣内から多数の働きバチが外に出てきて外皮上に止まり,触角をやや開き,翅を開き気味にした威嚇のポーズをとって歩き回ります.もう少し接近したり強い刺激を与えると,ハチは外皮上や付近を走り回ったり,周辺を飛び回りますが,静かに巣から離れれば興奮もしだいに収まり,2〜5分後には順次巣内に戻ります.

更に巣に近づくと巣から飛び立った働きバチが相手に接近し,体にまとわりつくように周囲を飛び回ったり,相手に狙いをつけて空中で停止(ホバリング)します.その際には”ブンブン”という大きな羽音の他に,大顎を噛み合わせて出す”カチカチ”という大きな威嚇音を出します.

この段階でも静かに巣から離れれば,攻撃を受けずにすみますが,さらに巣に近づいたり,手で払うなど急に体を動かしたりすると一斉に攻撃してきます.ただし,巣へ急に近づいたり,直接強い刺激を加えたような場合には,警戒や威嚇の段階を通り越して,いきなり攻撃してくることがあるので注意が必要です.


● 巣を刺激した場合のコガタスズメバチの反応 ●

2009年10月19日(名古屋市千種区)

巣から1m位の距離から防護服なしで撮影.巣を刺激しないように静かに接近すれば, 攻撃を受ける心配はない. 巣の近くの細枝を1本折ると,振動が巣に 伝わり10頭ほどの働き蜂が警戒のため 巣穴から出てきて外壁に止まっている. さらにはさみを使って枝を取り除くと,多数の 働きバチが 巣穴から 出てきて外壁上を 歩き回ったり,巣の周辺を 飛び回った.

2014年8月6日(愛知県稲沢市)

巣を刺激する前(9時17分)

巣を刺激した状態:多数の働きバチが巣の表面を歩き回る(9時18分) ほとんどの蜂が巣の内部に戻った(9時21分)