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新聞記事で見る全国の刺傷被害発生情報 2015-2011

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■ 2015

【スズメバチに4人が刺される  和歌山県】
 7月26日午前8時頃,東牟婁郡那智勝浦町で,草刈り作業をしていた男性4人がスズメバチ刺され,病院に搬送された.うち一人(男性56歳)が一時意識不明となったが,回復に向かっており,他の3人はいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 石垣の隙間に巣を作っていたとのことから,オオスズメバチによる刺傷被害と思われる.草刈り中にしばしば刺傷被害が発生しており,作業前に付近を点検するなど十分な注意が必要である.


【ハチに小中学生ら11人が刺される  新潟県】
 8月1日午前10時40分頃,妙高市の藤巻山で,登山中の小中学生と引率者合計11人が,アシナガバチと思われるハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 アシナガバチらしいとのことであるが,アシナガバチにより11人もの人が刺されるとは考えにくい.スズメバチの可能性が高い.おそらくはキイロスズメバチであろうか?
 集団行動時にはしばしば刺傷被害が発生するが,事故を未然に防ぐことは難しい.むしろ被害発生時の対策(対処法)を日頃から考えていくことが大切である.


【スズメバチに10人が刺される  神奈川県】
 8月22日午後2時頃,横浜市緑区内の自然公園で,ウオーキングのイベントで園内を歩いていた参加者10人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたが,2名が重傷,他の8名は軽傷.

【オーナーのコメント】
 刺されたのは70歳代の男女で,重傷になった人もあった.オオスズメバチによる刺傷被害と思われる.集団行動時にはしばしば刺傷被害が発生するが,歩道を歩いていての事故を未然に防ぐことは難しい.攻撃前の威嚇行動に気付ば被害の防止も可能であるが,十分な知識や経験がないとなかなか難しい.


【スズメバチ11人が刺される  福岡県】
 8月23日午前7時25分頃,築上郡上毛町の雑木林で,散歩中の小中学生と引率者の合計11人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 TVニュースの画像からオオスズメバチと確認できた.オオスズメバチの被害は9月以降増加するので,野外活動に出かける際は十分な注意が必要であるが,事故を未然に防ぐことは難しい.むしろ被害発生時の対策(対処法)を日頃から考えていくことが大切である.


【スズメバチに刺され男性が死亡  京都府】
 9月1日午後2時頃,舞鶴市内の公園で,70代の男性がスズメバチに刺され、病院に搬送されたが、3日午前1時半頃死亡した.

【オーナーのコメント】
 建物の軒下で休憩中に刺されており,建物内でも数匹のスズメバチが見つかったとのことからキイロスズメバチに間違いないであろう.キイロスズメバチは7月中旬〜8月にかけて引っ越しをする習性があり,この時期には働きバチが建物内に侵入することが多い.この時期には刺傷被害もが発生しやすいので注意が必要である.


【スズメバチ6人が刺される  福島県】
 9月9日午後4時過ぎ,いわき市内の公園で,大人6人がスズメバチに刺され,内2人が病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 ”巣は植え込みの中にあった”とのことで,コガタスズメバチかキイロスズメバチのいずれかであるが,被害者が6人と多いことから,おそらくはキイロスズメバチだと思われる.
 この時期のキイロスズメバチは活発に活動していてハチの出入りも多く,被害が出る前に巣を見つけられると良かったのだが・・・.


【スズメバチ12人が刺される  京都府】
 9月13日午後0時40分頃,京都市右京区内の遊歩道で,散策中の家族連れなど12人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 スズメバチの被害に遭わないための鉄則は,道以外の場所を歩かないことであるが,大人数が通る場所では今回のような被害が時々発生する.現場はハイキングコースとしてよく知られた場所であるが,事前にこうした危険を察知することは難しい.


【スズメバチ8人が刺される  三重県】
 9月22日午前11時頃,名張市にある赤目四十八滝近くの遊歩道で,ハイキング大会の参加者8人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 オオスズメバチによる刺傷被害のようである.多人数が巣の近くを通行すると,今回のような被害が時々発生する.事前調査はなされていたようであるが,あらかじめにこうした危険を察知することは難しい.


【スズメバチ4人が刺される  愛知県】
 9月22日午後2時45分頃,犬山市にある犬山城近くの遊歩道を歩いていた男女4人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 巣は遊歩道脇のサクラの根元にあり,今まで被害がなかったのが不思議であった,夕方のTV報道を見ると,オオスズメバチの飛来が確認できた.オオスズメバチは9月末から10月にかけてキイロスズメバチの巣を襲うことがある.キイロスズメバチの巣では緊張が高まり攻撃性が強まるため,被害が発生しやすくなる.

 ハチが近寄ってきたような場合には,決して慌てず,手で払ったりしないことが大切である.万一被害に遭った場合には,速やかに現場を離れる必要がある.


【スズメバチに刺され男性が死亡  北海道】
 9月22日,河東郡音更町内の林道で,山菜採りに来ていた60歳代の男性が死亡しているのが見つかった.背中にスズメバチに刺されたとみられる痕があった.

【オーナーのコメント】
 秋のキノコ採りや山菜採りによる死亡事故は毎年のように発生している.普段入らないような山林に入る時は,周囲の状況に気を配って不用意に巣に近づかないようにしたい.単独行動を避け複数で出かけるようにすると,被害に遭った後の迅速な対処が可能になる.


【スズメバチに刺され男性が死亡  北海道】
 9月23日午後5時25分頃,河東郡士幌町内の畑で,草刈り中の男性(37歳)がスズメバチに刺され、病院に搬送されたが、まもなく亡した,男性は1ヶ月前にもスズメバチに刺されていた.

【オーナーのコメント】
 今回のケースは1ヶ月前にも刺されたとのことで,IgE抗体価が高くなった時点で2回目の刺傷被害を受けたためのアナフィラキシーショッが原因であろう.ここ10年以上30歳代の死亡事故は知られていないが,若い人でも高齢者と同じように危険があることを再認識させられた.
 極めて短時間で起こるアナフィラキシーショックでは,病院に搬送する間もなく死亡することが少なくないので,作業にあたっては,現場の下見に十分時間をかけ,被害防止に努めることが大切である.
 また,こうした作業に従事する人で,以前にハチに刺されたことがある人とは,抗体検査を実施して自分の抗体価を知っておくと共に,必要ならはアドレナリン自己注射キット(エピペン)を携行すると良い.


【スズメバチに刺され女性が死亡  岐阜県】
 10月3日午後午後1時15分頃,山県市内で,自宅近くの空き地の草刈りをしていた女性(90歳)が倒れているのが見つかり,病院に搬送され治療を受けたが,容体が急変し多臓器不全で5日死亡した。全身に数カ所の刺し痕があった.

【オーナーのコメント】
 倒れていた場所から数m離れた所にオオスズメバチの巣があったという.草刈り中オオスズメバチの刺されて死亡する事故は毎年発生しているので,作業にあたっては周囲の状況に十分注意をはらう必要がある.


■ 2014

【スズメバチに11人が刺される  山梨県】
 8月14日午前10時半頃,、甲府市和田町内の遊歩道をランニングしていた高校のサッカー部員69人中11人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害と思われる.しばしば刺傷被害が発生する条件である,”集団”,”走る”という二つのキーワードがこの記事から読み取れるが,事前に防止策を取ることは難しい.


【スズメバチに12人が刺される  福島県】
 8月19日午後5時半頃,二本松市岳温泉で公園から宿舎に帰る途中の小学生12人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 現場近くに巣があったとのことで,これもキイロスズメバチによる刺傷被害と思われる.このケースのキーワードは,”集団”,”子供”である.少人数が静かに通行した時には大丈夫でも,多人数で通行すると被害が発生することがある.特に子供たちの集団が危険であるが,被害を防止することは難しい.


【スズメバチに13人が刺される  神奈川県】
 8月24日午前10時20分頃,横浜市緑区の新治市民の森で、ウオーキング大会に参加していた男女14人がキイロスズメバチに刺され、病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 現場近くにキイロスズメバチの巣が2個あったとのことである.大会には約300人が参加したとあり,少人数が静かに通行したた時は大丈夫でも,多人数で通行すると被害が発生することがある.主催者は事前にコースの周辺を念入りに調査をすることが大切である.


【スズメバチに14人が刺される  千葉県】
 9月2日午前11時30分頃,佐倉市内で、小道を歩いていた保育園児13人と保育士1人がスズメバチに刺され病院に搬送されたがいすれも軽症.

【オーナーのコメント】
 巣は道路脇の草むらの木の根本にあったとのことから,オオスズメバチだと思われる.こども達が集団で歩いたため振動が巣に伝わり攻撃を受けたのであろう.少人数や静かに通行した場合被害が発生しない場合も多く,事前に巣を見つけることは難しいが,注意深く観察すれば巣の所在に気づくことも可能である.


【スズメバチに4人が刺される  愛知県】
 9月7日午後,豊田市にある昭和の森で,遊歩道を歩いていた少年4がスズメバチに刺され、病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 昭和の森へは,以前チャイロスズメバチの調査に出かけたことがあるが,キイロスズメバチよりもオオスズメバチの可能性が高い.こうした大きな公園では常にスズメバチ被害の危険があることに留意して行動する必要がある.


スズメバチに5人が刺され,男性1人が死亡  千葉県
 9月19日午前11時20分頃,千葉県成田市の山林で,草刈り作業中の男性5人がハチに刺され病院に搬送されたが,55歳の男性1人が死亡した.

【オーナーのコメント】
 草刈り中にオオスズメバチの被害に遭うケースは結構多い.死亡事故は単独での作業中が多いが,今回は複数の人が被害に遭う中で発生している.短時間で起こるアナフィラキシーショックでは,病院に搬送する間もなく亡くなることが少なくないので,作業にあたっては,現場の下見に十分時間をかけ,被害防止に努めることが大切である.
 また,こうした作業に従事する人は,以前にもハチにも刺されていることが多いので,抗体検査を実施して自分の抗体価を知っておくと共に,必要ならはアドレナリン自己注射キット(エピペン)を携行するようにすると良い.


【スズメバチに8人が刺される  長崎県】
 9月28日午後2時頃,雲仙市小浜町の雲仙岳山麓で,登山中の男女8人がスズメバチに刺され、病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチかオオスズメバチのいずれかによる被害と考えられる.少人数が静かに通行したた時は大丈夫でも,多人数で通行すると被害が発生することがあるが,今回のように登山道を歩いて被害に遭うケースでは,事故の防止は難しい.一度被害が発生するとパニックになり,多数の人が刺されることになるので,刺傷被害が発生後の対処法を良く知っておくことが大切である.


スズメバチに刺され男性1人が死亡  奈良県
  9月28日午後0時50分頃,葛城市内のあぜ道で,サカキを採りに出かけた男性(89歳)がハチに刺されて倒れているのが見つかり,病院に搬送されたが30日に死亡した.

【オーナーのコメント】
 オオスズメバチの可能性が高い.普段入らないような山林に入る時は,周囲の状況に気を配って不用意に巣に近づかないようにしたい.今回のケースは,単独行動のため被害者の発見が遅れ治療までに時間がかかっている。できれば単独行動を避け複数で出かけるようにすると,被害に遭った後の迅速な対処が可能になる.


スズメバチに刺され女性1人が死亡  秋田県
 10月4日午後4時15分頃,由利本荘市内の雑木林で,キノコ採りに出かけていた女性(84歳)が動けなくなっているのが見つかり,病院に搬送されたが約6時間後に死亡した.

【オーナーのコメント】
 これもオオスズメバチの可能性が高い.キノコ採り中の事故はしばしば発生している.な山林に入る時はくれぐれも注意が必要である.今のケースも,単独行動のため被害者の発見が遅れ治療までに時間がかかっている。単独行動を避け複数で出かけるようにすると万一被害に遭っても対応が取りやすい.


【スズメバチに10人が刺される  兵庫県】
 10月8日午後2時頃,芦屋市内の公園で,校外学習に来ていた小学生10人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 遊歩道脇に巣があったようである.新聞により報道内容が違っているが,鳥の巣箱に巣があったという報道もありキイロスズメバチの可能性が高い.少人数が静かに通行した時は大丈夫でも,多人数で通行した際に被害が発生することがあるが,事前の下見で巣を見つけることは難しい.一度被害が発生するとパニックになり,多数の人が刺されることになるので,刺傷被害が発生した際の対処法を良く知っておくことが大切である.


スズメバチに刺され男性1人が死亡  兵庫県
 10月9日午前11時20分頃,たつの市内の山道で,シキミを採りに出かけた男性(79歳)がうずくまっているのが見つかり,病院に搬送されたが,約88時間半後に死亡した。頭部にはハチに刺された痕が十数カ所あった.

【オーナーのコメント】
 これもオオスズメバチの可能性が高い.オオスズメバチの被害は10月が結構多い.山林に入る時は,くれぐれも注意周囲の状況に気を配って不用意に巣に近づかないようにしたい.今回のケースも,発見が遅れ治療までに時間がかかっている.たとへ近くの山林であっても,単独行動を避け複数で出かけるようにすると,被害後の迅速な対処が取りやすい.


【スズメバチに15人が刺される  群馬県】
 10月16日午後1時半頃,高崎市内の道路で,マラソン中の高校生15人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 巣は道路脇の石垣にあったとのことで,キイロスズメバチの可能性が高い.多人数で走るという被害発生の典型的なパターンである.石垣中の巣が原因で高校生が刺された事例は,以前京都市の通学路で発生している.ハチの出入りに誰も気づかなかったのであろうか?

事前に巣を発見することの難しさを感じる.


【スズメバチに26人が刺される  熊本県】
 10月16日午後0時頃,上益城郡山都町内の遊歩道で、社会見学に来ていた小学生26人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 遊歩道脇に岩の隙間に巣があったようである.少人数が静かに通行した時は大丈夫でも,多人数で通行した際に被害が発生することがある.一度被害が発生するとパニックになり,多数の人が刺されることになるので,刺傷被害が発生した際の対処法を良く知っておくことも大切である.


【スズメバチに5人が刺される  山形県】
 10月17日午前11時頃,山形市内の公園で,野外学習に来ていた小学生5人がクロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 公園内で遊んでいる時に巣を踏むなどして刺激し被害が発生したようである.クロスズメバチは比較的おとなしいハチであるが,巣に刺激を与えると被害が発生することがある.小型で目立たないので巣の所在を見落としがちであるが,しばしば被害が発生しており,注意が必要である.


■ 2013

【スズメバチに11人が刺される  熊本県】
 7月11日,阿蘇郡産山村のキャンプ場で,幼稚園児11人がスズメバチに刺され病院に搬送されたがいずれも軽症.草むらに入った園児が地面の下に巣を作っていたクロスズメバチに刺された.

【オーナーのコメント】
 クロスズメバチは比較的おとなしいハチであるが,地中に巣を作るため,知らずに巣を踏みつけて刺される事例が時々発生する.被害を防止するためには,むやみに山林等の道以外の場所に入らないよう注意する必要がある.


【ハチに6人が刺される  富山県】
 7月23日午前10時10分頃,小矢部市で,滝見学の参加者42人のうち6人がハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は滝近くの賽銭箱の中にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害である.気づかずに巣に近づきすぎたため被害が発生したと考えられる.スズメバチの生息が予想される場所へ出かける際は,周囲の状況に十分気を配る必要がある.


【ハチに刺され男性死亡  富山県】
 7月30日午後3時15分頃,南砺市の山中で,草刈り中の男性(60歳)が,ハチに刺され,ヘリコプターで病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 草刈り中の死亡事故は時々発生する.オオスズメバチの可能性が高いが,アシナガバチの可能性もある.作業に当たっては防護対策を十分考えて作業する必要がある.


【スズメバチに11人が刺される  横浜市】
 8月22日午後1時35分頃,横浜市金沢区の金沢市民の森で,ハイキング中の中学生10人と引率の教諭1人の合計11人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害である.少人数が普通に通行している時には被害は発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例がしばしばみられるので,野外活動時には十分注意する必要がある.事前の調査が大切であるが,巣の発見にはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要であり,被害の予防は難しい.


【スズメバチに7人が刺される  滋賀県】
 8月24日午前7時50分頃,長浜市内のキャンプ場で,親子9人が林道を散歩中に子供2人,大人5人の計7人がスズメバチに刺されたがいずれも軽傷.橋の欄干に直径30cmの巣があった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害である.山間部では橋に巣を作る事例が結構多いので,通行に際しては十分注意したい.


【スズメバチに12人が刺される  岡山県】
 8月25日午後4時30分頃,勝田郡奈義町で,登山客12人がスズメバチに刺されたがいずれも軽傷.木の根元のオオスズメバチの巣があった.

【オーナーのコメント】
 当初の新聞報道では,アシナガバチに刺された(被害者の申し立て)とのことであった.アシナガバチによる集団被害は極めてまれで,おそらくはスズメバチによる被害と考えていたが,翌日の新聞報道ではオオスズメバチの巣が確認されたとのことであった.巣は40m離れた木の根元にあったということであるが,これほど離れていて集団被害が発生するとは考えにくい.登山道が巣のもっと近くを通っていたのであろうか・・・?


【スズメバチに約50人が刺される  群馬県】
 8月25日午前10時頃,利根郡みなかみ町で,マラソン大会に参加した男女約50人がスズメバチに刺され,3人が病院に搬送された.橋の下側にキイロスズメバチの巣が2個あった.

【オーナーのコメント】
 集団で巣の近くを走ったため巣を刺激する結果となり,集団刺傷被害につながったと考えられる.被害防止には事前の調査が大切であるが,調査に当たってはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要となる.今回のように橋の下側にある巣は発見が難しいが,キイロスズメバチはこうした場所に巣を作ることが少なくないため,事前調査の際には十分注意する必要がある.


【ハチに刺され男性死亡  福島県】
 8月27日午前9時20分頃,、南会津郡南会津町内の町道で,高所作業車に乗って作業をしていた山男性(56歳)が頭をハチに刺されて意識を失い、病院に運ばれたが28日午前11時過ぎに死亡した.

【オーナーのコメント】
 作業中の不運な死亡事故で,キイロスズメバチの可能性が高い.キイロスズメバチは電柱や交通標識などの高い場所に巣を作ることも少なくないので.作業に当たっては注意が必要である.


【スズメバチに3人が刺される  北海道】
 9月10日午前11時5分頃,札幌市南区の真駒内公園で,校外学習中の小学生3人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は木の根本付近にあった.

【オーナーのコメント】
 木の根本付近に巣があったとのことからオオスズメバチと考えられる.野外活動で公園内を歩き回る時には注意が必要であるが,事前のチェックは難しい.


【スズメバチに4人が刺される  福島県】
 9月14日午前6時頃,大沼郡会津美里町の神社で清掃作業中の男性4人がキイロスズメバチに刺されたが,いずれも軽症.巣は建物の軒下にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチは高いところに巣がある場合でも,刺傷被害が発生することが多い.特に多人数が巣の近くで作業する場合は注意が必要である.


【スズメバチに刺され男性死亡  北海道】
 9月19日午前7時10分頃,虻田郡豊浦町の山林で,草刈り作業中の男性(61歳)がオオスズメバチに刺され,病院に搬送されたがまもなく死亡した.

【オーナーのコメント】
  草刈り中にオオスズメバチに刺されて死亡する事故は時々発生する.作業に当たっては防護対策を十分考えて作業する必要がある.


【スズメバチに刺され男性死亡  山形県】
 9月24日午前8時30分頃,西置賜郡小国町の山中で,前日にアケビ採りにでかけた男性(78歳)が死亡しているのが確認された.付近をオオスズメバチが飛び交っており,体には数十ヶ所刺された痕があった.

【オーナーのコメント】
 
秋のキノコ狩りや木の実採りでは,しばしば刺傷被害が発生する.被害を未然に防ぐためには,林内や草むらなど道以外の場所にむやみに立ち入らないことであるが,立ち入る際には周囲の状況に十分注意をはらう必要がある.またできるだけ単独行動は避けるべきである.


【スズメバチに6人が刺される  山形県】
 
9月26日午後2時15分頃,酒田市内の山中で小学生3人と付き添いの大人3人の計6人がオオスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 野外活動時には,子供達が道以外の場所(山林等)にむやみに立ち入らないよう,特に注意が必要である.巣の有無の事前チェックは難しい.


【スズメバチに7人が刺される  山形県】
 9月28日午後2時30分頃,酒田市内で農作業中の男性がオオスズメバチに刺され,車で避難する途中で意識を失い自損事故を起こした.通報でかけつけた警察官,消防署員ら6人も刺されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 刺傷後は現場から速やかに離れ安静にすることが望ましいが,ショック症状は短時間で出現することも多いため,車の運転は危険である.また,救助に向かった人が二次被害に遭う事例もしばしば見受けられるので,注意が必要である.


【スズメバチに46人が刺される  神奈川県】
 10月4日午前11時頃,三浦郡葉山町で,校外学習中を終えて学校へ帰る途中のの小学生46人が,田んぼの入り口付近の地面にあったクロスズメバチの巣を踏み刺されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 クロスズメバチは田んぼの土手に巣を作ることも多い.小型で比較的おとなしいハチであるが,状況によっては多人数に被害を与えることもあるという点で,興味深い事例である.


【ハチに19人が刺される  岡山県】
 10月6日午前10時20分頃.高梁市成羽町の県道で,自転車競技の参加者19人がハチに刺され,病院で手当てを受けたがいずれも軽傷.会場を移動中にハチの大群に遭遇し,突っ切った際に刺されたもようで,刺したハチはミツバチとみられている.

【オーナーのコメント】
 偶然ニホンミツバチの群れと遭遇したのであろうか.まさしく不幸な出会いとしか考えられないケースである.ニホンミツバチはオオスズメバチの襲撃に対して反撃能力があるが,巣を放棄して集団で逃去することも多い.


【スズメバチに3人が刺される  広島県】
 10月13日午後3時40分頃,広島市南区の似島で,登山中の男女3人がスズメバチとみられるハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 詳しい状況は不明であるが,オオスズメバチの可能性が高い.山道脇に巣があったのであろうか?


【スズメバチに10人が刺される  愛知県】
 10月17日午前11時20分頃,豊田市内にある小学校近くの山林で,山道を歩いていた校外学習中の児童9人と教諭1人の合計10人がスズメバチに刺され,病院に運ばれたがいいずれも軽症.当初はキイロスズメバチと報道されたが,その後オオスズメバチと判明.巣は山道のすぐ脇の地中にあった.

【オーナーのコメント】
 集団で巣の近くを通行したため振動が巣に伝わり,刺傷被害につながったと考えられる.被害防止には事前の調査が大切であるが,調査に当たってはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が無いと巣の発見は難しい.


■ 2012

【スズメバチに刺され男性死亡  滋賀県】
 8月12日午後10時半頃,米原市内で,橋に作られたスズメバチの巣を駆除しようとした男性(57歳)が,スズメバチに刺されて橋の下に倒れているのが見つかり,病院に搬送されたが死亡が確認された.

【オーナーのコメント】
 かなり高い橋の下側にできたキイロスズメバチの巣を駆除しようとして刺されたケースである.新聞には”体にロープを巻き付け命綱にして作業した”とあり,ニュース映像からも,駆除するにはかなり高くて危険な場所であった.
無理をして駆除する必要はなかったケースと思われ,また駆除するにしても,不測の事態に備えて複数で従事することが望ましい.


【ハチに7人が刺される  長崎県】
 8月18日午後0時55分頃,長崎県対馬市で,登山者28人のうち7人がハチに刺されたが,いずれも軽症.女性1人がスズメバチに刺され,さらに下山する途中で6人がアシナガバチに刺された.

【オーナーのコメント】
 登山中の集団刺傷被害はしばしば発生しているが,この記事で疑問なのは,スズメバチに刺されたのは女性1人で,他の6人はアシナガバチに刺されたとされている点である.
 季節的にもアシナガバチの営巣活動はほぼ終わっており,しかも道路を歩いていてアシナガバチに複数の人が刺されるとは考えにくい.
 最初に一人を刺したハチ(キイロスズメバチ?)の巣では,興奮状態が続いており,再度近くを通行した際に,この巣のハチに6人が刺されたものと思われる.


【スズメバチに刺され男性死亡  岐阜県】
 8月25日午前7時20分頃,下呂市の飛騨川河川敷で,鮎釣りに来ていた男性(62歳)が,キイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 駐車場から川へ降りる途中,運悪くキイロスズメバチに刺されたもので,道ではない場所を通行していて被害にあっている.被害を防止するためには,できるだけ道路以外の場所を通行しないことが望ましい.
 特に藪こぎの際は,本種意外にもオオスズメバチの巣にも注意が必要である.


【スズメバチに刺され男性死亡  秋田県】
 9月5日午前7時頃,横手市内の山道で,農作業に出かけていた男性(68歳)がスズメバチに刺され倒れているのが見つかり,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 新聞記事によると、近く畑を多数のハチが飛び交っていたとあり,農作業中に被害に遭い,逃げる途中でアナフィラキシーショックで倒れたと考えられる.
 オオスズメバチかキイロスズメバチによる被害であろうが,知らせを受けて現場に駆けつけた奥さんも二次被害に遭っており,不用意に現場に近づかないよう注意する必要がある.


【スズメバチに刺され女性死亡  宮崎県】
 9月6日午前10時20分頃,都城市内の自宅裏で草刈り中の女性(85歳)が,小屋の軒下に営巣していたキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたが7日死亡した.

【オーナーのコメント】
 高所に営巣したキイロスズメバチは,共存も可能であるが,巣の下を通行したり,近くで作業中に突然攻撃してくることもあるので注意が必要である.
 新聞記事には100カ所以上も刺し傷があったとあり,ハチ毒そのものが死亡の原因になった可能性もある.できるだけ速やかに現場から離れることが大切である.


【スズメバチに11人が刺される  大阪府】
 9月10日午後1時40分頃,和泉市内の川沿いで,野外学習中の小学生10人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.また,通報で現場に駆けつけた警察官1人も刺されたが軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害と考えられる.少人数が普通に通行している時には被害は発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,巣の発見にはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要であり,被害の予防は難しい.
 また,興奮したハチによりしばしば2次被害が発生するので,救助に際しては十分な注意と装備が必要である.


【スズメバチに7人が刺される  島根県】
 9月13日午前9時45分頃,松江市内の山道で,野外学習中の小学生6人とガイドの男性1人の計7人ががスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害である.巣は近くの木の上にあったとあったという.子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,巣の発見にはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要であり,被害の予防は難しい.


【スズメバチに5人が刺される  香川県】
 9月23日午前8時5分頃,三豊市内の神社で,草刈り中の大人5人がオオスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は神社入り口の石段を少し登った向かって右側の地中にあった.

【オーナーのコメント】
 典型的なオオスズメバチによる刺傷被害である.巣は地中にあることが多く,しばしば草刈り中に被害が発生する.
 大型のスズメバチであり,巣に近づくと威嚇行動が見られるので,作業前に注意深く下見を行えば,事前に巣を発見することはそれほど困難ではない.


【スズメバチに26人が刺される  山口県】
 10月4日午前8時半頃,岩国市内の錦川沿いの道路で,通学途中の高校生ら26人がキイロスズメバチに刺され,一部が病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は通学路脇のサクラの樹洞にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害は大きくなりやすい.営巣場所が通学路脇であり,今まで被害が発生しなかったのが不思議であるが,何かのはずみで被害が発生すると多人数が刺されることになる.
 同様の事例としては,2009年に京都市で50人が刺されたことがある.
 不特定多数の人が通る場所では,巣の所在が明らかな場合は早めに駆除しておく必要がある.


【スズメバチに刺され男性死亡  新潟県】
 10月5日午前10時頃,十日町市内の山林で,夫婦でキノコ狩りに来ていた男性(71歳)がスズメバチに刺され,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 オオスズメバチかキイロスズメバチと考えられる.キノコ狩り等で山林に入る時には十分な注意が必要である.単独行動をせず,複数で出かけるのが望ましい.


【スズメバチに11人が刺される  徳島県】
 10月7日午前10時半頃,徳島市内の眉山で,登山道を歩いていた観光客ら11人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は登山道脇の高さ1mほどの樹洞にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害は,一旦発生すると大きくなりやすい.今回は山頂でイベントが開かれおり,多数の人が現場を通行したため,結果としてハチの巣を刺激し被害が発生したと考えられる.
 営巣場所が道路脇であり,巣の所在が明らかな場合は早めに駆除しておく必要がある.


【スズメバチに刺され男性死亡  新潟県】
 10月8日午前1時半頃,長岡市小国町内の山中で,3人でキノコ狩りに来ていた男性(77歳)がスズメバチに刺され,病院に搬送されたが,翌9日に死亡した.

【オーナーのコメント】
 10月5日にも同様の事故が同じ新潟県で発生している.オオスズメバチかキイロスズメバチのいずれかと考えられるが,キノコ狩り等で山林に入る時には十分な注意が必要である.ハイキングや野外活動の際は,むやみに林内に入り込まないのが一番である..


【スズメバチに4人が刺される  新潟県】
 10月10日午前9時頃,魚沼市の下権現堂山で,登山道を歩いていた児童2人と引率の大人2人の合計4人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに15人が刺される  北海道】
 10月10日午前11時50分頃,河西郡芽室町の国見山自然観察教育林で,自然観察をしていた幼稚園児14人と引率の教諭1人の合計15人がクロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 クロスズメバチは攻撃性が弱く,集団被害はそれ程多くはない.地中に巣を作ることや,成虫も小さなため巣の所在に気付かず,直接刺激して被害が発生することが多い.


【スズメバチに11人が刺される  新潟県】
 10月12日午前11時頃,新発田市の大峰山で,登山中の小学生8人と教師2人,付き添いの父兄1人の合計11人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 少人数での調査時には何ともなかったが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに3人が刺される  広島県】
 10月20日午前10時15分頃,廿日市市宮島町の弥山登山道で,高校生3人がスズメバチに刺され、病院で手当てを受けたがいずれも軽傷.巣は登山道そばの土手にあった.

【オーナーのコメント】
 営巣場所からオオスズメバチと考えられる.集団行事の際は注意が必要であるが,被害の予防は難しい.


【スズメバチに5人が刺される  茨城県】
 10月27日午後3時40分頃,日立市にある助川山市民の森で,ハイキング中の小学生2人と引率の保護者3人の計5人がスズメバチに刺され,病院で手当てを受けたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチかオオスズメバチによる刺傷被害と考えられる.子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに13人が刺される  愛知県】
 11月1日午後0時10分頃,名古屋市緑区の大高緑地で,林の中で遊んでいた幼稚園児10人と引率の職員2人の合計12人がオオスズメバチに刺され、病院に搬送されたが,いずれも軽症.また駆除作業中に1人が刺され,病院に搬送された.

【オーナーのコメント】
 林の中で遊んでいて被害に遭う事例もしばしばみられる.オオスズメバチによる被害は,野外活動が盛んになる秋に多く発生している.むやみに林の中に入り込まないようにする必要がある.


■ 2011

【スズメバチに8人が刺される  滋賀県】
 8月6日午前9時50分頃,米原市の山中で,ランニングをしていた中学生8人がスズメバチに刺され,救急車で病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 ハイキングやマラソン中にしばしば被害が発生している.コースが長くなるため十分な下見は困難であろうが,ポイントを絞って巣の有無を注意深く確認する必要がある.


【ハチに5人が刺される  福井県】
 8月21日午前7時半頃,勝山市の登山道で,マラソン大会の参加者5人が頭などをハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 ”主催者は症状からスズメバチではない判断した”と新聞記事にある.判断の根拠が不明であるが,一般的にはスズメバチによる刺傷被害と考えるのが妥当である.
 おそらくはキイロスズメバチと思われる.本種による刺傷被害は,大人数が参加するハイキングやマラソン大会中にしばしば発生している.
 コースの下見は普通少人数で行われるため,多人数が参加する当日とは状況が異なる.コースが長くなるため十分な下見は難しいが,ポイントを絞って巣の有無を注意深く確認する必要がある.


【ハチに6人が刺される  静岡県】
 9月1日午後1時10分頃,浜松市西区にある小学校の裏山で,小学生5人と教諭1人の合計6人がハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 学校に隣接する山林での被害は時々発生している.巣が大きくなると危険が増すので,子どもたちが遊ぶ可能性のある場所では,定期的に営巣の有無を確認する必要がある.


【ハチに刺され男性死亡  鹿児島県】
 9月10日午後1時40分頃,南九州市知覧町の山林で、一人で草刈りをしていた男性(83歳)がスズメバチに刺されて死亡した.救助に向かった家族や警察署員など4人もハチに刺された.

【オーナーのコメント】
 おそらくはオオスズメバチであろう.山林での草刈り作業中には,しばしば刺傷被害が発生する.近くに病院のない場所での刺傷は,時として死亡につながることがある.単独行動を避け,複数で行動することが望ましい.
 また,興奮したハチにより2次被害がしばしば発生していいる.救助に際しては十分な装備と注意が必要である.


【スズメバチに24人が刺される  秋田県】
 9月15日午前9時45分頃,秋田市の千秋公園で,校外学習に来ていた小学生21人と教員3人の計24人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 子供たちが野外活動中に集団で刺されるという典型的な事例である.おそらく事前の下見は行われたであろうが,慣れないと巣の発見は意外と難しい.ただし,公園内であり,”巣が樹洞にあった”との事であるから,注意深く調査すれば事前に発見できた可能性もある.


【スズメバチに13人が刺される  岩手県】
 9月18日午前8時半頃,一関市大東町の寺で,草刈り作業中の地元住民13人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 ニュースの映像からオオスズメバチと確認できた.山林での草刈り作業中に発生する集団刺傷被害はオオスズメバチであることが多く,巣が地中にあることが多いため発見は難しい.作業前に慎重に周辺を見回り,安全性を確認する必要がある.


【スズメバチに3人が刺される  山形県】
 9月18日午後2時半頃、西村山郡西川町の朝日連峰で,下山中の高校生2人と教諭11人がハチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 登山中の刺傷被害もしばしば発生する.少人数で登山コースを歩いていての事故は防ぐのが難しい.


【スズメバチに25人が刺される  北海道】
 9月22日午前10時半頃,石狩市内の防風林で,ドングリ拾いをしていた保育園児24人と引率の職1人がスズメバチ刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 ニュースの映像からホオナガスズメバチの仲間と確認できた.これも子供たちが野外活動中に集団で刺されるという典型的な事例である.秋に道路からそれて林内に立ち入り時には細心の注意が必要である.


【スズメバチに3人が刺される  島根県】
 9月24日午後3時半頃、安来市内の神社参道で,大学生3人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチかオオスズメバチによる刺傷被害である.報道のとおり参道を歩いていての事故であれば,不運としか言いようがない.


【ハチに刺され女性死亡  鹿児島県】
 9月27日午前11時20分頃,西之表市内の農道脇で,24日から行方不明になっていた女性(80歳)が,ハチに刺されて死亡しているのが見つかった.数メートル離れた土手にスズメバチの巣があった。

【オーナーのコメント】
 おそらくはオオスズメバチであろう.9月10日にも,同じ鹿児島県内の山林で草刈り作業中にの男性が死亡している.山林での作業やキノコ狩り等に出かける際は,十分な注意が必要である.できれば単独行動をせず,複数で出かけるのが望ましい.


【スズメバチに19人が刺される  富山県】
 9月28日午後1時半頃,中新川郡立山町芦峅寺で,下山中の小学生18人と,引率の大人1人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 巣は道路脇の土中にあり,オオスズメバチと思われる.少人数が普通に通行している時には被害が発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行した結果,集団で刺されるという事例はしばしば発生する.
 登山路周辺をくまなく調査することは困難であり,被害の予防は難しい.


【スズメバチに4人が刺される  京都府】
 10月2日午前10時半子頃,亀岡市保津町の山道で,ハイキングに4人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 オオスズメバチと思われる.少人数で登山コースを歩いていての事故は防ぐのが難しいが,事前に威嚇行動を察知できれば被害が回避できた可能性もある.


【スズメバチに7人が刺される  広島県】
 10月2日午後1時40分頃,廿日市市原の登山道で、4人がスズメバチに刺され病院に搬送されたがいずれも軽傷.救助の際に救急隊員3人も刺された.

【オーナーのコメント】
 TVニュースの映像からキイロスズメバチと確認された.キイロスズメバチは個体数が多く,速やかに現場を離れないと多数のハチに襲われることになる.
 また,興奮したハチによりしばしば2次被害が発生するので,救助に際しては十分な装備と注意が必要である.


【スズメバチに8人が刺される  和歌山県】
  10月4日午前10時10分頃,紀三井寺市内の小学校近くの山道で,津波の避難訓練中の小学生8人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 巣は道路脇の樹洞にあり,TVニュースの映像からオオスズメバチと確認された.少人数が普通に通行している間は被害が発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.事前の調査が大切であるが,巣の発見は容易ではなく被害の予防は難しい.


【スズメバチに刺され男性死亡  兵庫県】
 10月4日午後4時10分頃,篠山市の栗園で,草刈りをしていた男性(83歳)が倒れているが見つかり,病院に搬送されたが約2時間後に死亡が確認された.

【オーナーのコメント】
 TVの映像では,道路に”スズメバチに注意”の看板が出ており,巣は以前から確認されていたようである.草刈りの際の振動が巣に伝わり攻撃を受けたと考えられる.巣の近くで作業する際には細心の注意が必要である.


【ハチに10人が刺される  高知県】
 10月16日午前11時頃、高岡郡四万十町の県道で,マラソン大会の参加者10人が,アシナガバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.コース近くでアシナガバチの巣が見つかった.

【オーナーのコメント】
 主催者が何を根拠にアシナガバチと判断したjかは不明である.おそらくはアシナガバチではなくスズメバチによる刺傷被害と考えられる.本当にアシナガバチであったとすれば,二つの点から大変興味深い事例である.
 ・アシナガバチによる10人もの集団刺傷被害は,営巣活動最盛期であっても通常考えられない.
 ・営巣活動は既に終了しており,仮に巣に多数のハチが群がっていても特に危険な時期ではない.


【スズメバチに11人が刺される  愛媛県】
 10月17日午後3時半頃、四国中央市新宮町の山道で,登山中の中学生10人と,付き添いの指導員1人の合計11人がスズメバチに刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害と考えられるが,オオスズメバチの可能性も否定できない.少人数が普通に通行している時には被害は発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.事前の調査が大切であるが,巣の発見は容易ではなく被害の予防は難しい.


【スズメバチに6人が刺される  福岡県】
 10月17日午後4時半頃,田川郡福智町内の通学路で,下校中の小学生6人が道路脇に落ちていたハチの巣の横を通り過ぎようとしてスズメバチに刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 コガタスズメバチであろうか? いたずら等で巣が地上に落下し,ハチが興奮状態であったため,付近を通行してだけで指されたケースである.
 コガタスズメバチは,攻撃性が比較的弱く,巣を刺激しなければ近くを通行しても刺傷被害が発生することはほとんど無いが,刺激を受けた巣では攻撃性が強まるので注意が必要である.


【スズメバチに59人が刺される  福岡県】
 10月18日午後2時15分頃,遠賀郡岡垣町の山林で,ボランティアで掃除を終えて学校に戻る途中の中学生55人と,現場に駆けつけた警察官ら2人の合計57人がキイロスズメバチに刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽傷。この30分前に林道を通った小学生2人も被害に遭っていた。巣は道路脇のマツの樹洞にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチの巣の近くを,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.当初は今回の事例もこれに該当し,被害の予防は難しいと考えた.
 しかし,その後の報道では”30分前にも2人が刺されていた”とのことであり,この時点で現場の通行禁止や,コースの迂回など,適切な対処が行われていれば被害の拡大は未然に防げたと考えられる.
 人を刺した巣ではスズメバチは興奮状態になっており,近くを通行するだけでさらに被害が発生することが多いので,特に注意が必要である.


【スズメバチに10人が刺される  鹿児島県】
 10月19日午前10時10分頃,鹿児島市宮之浦町の野外活動施設で,林内を散歩中の中学生10人がキイロスズメバチに刺され,病院で手当を受けたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 多人数で巣の近くを通行したため刺傷被害が発生した事例である.巣は高さ2mの木の上にあったとのことで,施設の敷地内でもあり事前に見つけることも可能だったと思われる.


【スズメバチに6人が刺される  福岡県】
 10月23日正午すぎ,福岡市南区の油山市民の森で行われたオリエンテーリング大会に参加した親子連れ6人がハチに刺され、病院で治療を受けたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 記事の内容からキイロスズメバチによる刺傷被害と考えられる.被害者は道を歩いている時に刺されており,コースの近くに巣があったと思われるが,詳細は不明である.


【スズメバチに15人が刺される  福岡県】
 11月4日午前10時20分頃,田川郡添田町の英彦山で,登山中の小学生15人がキイロスズメバチに刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチの巣の近くを,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.今回のように、樹枝に営巣した大きな巣であっても下見の際には気づけなかったことは,事前調査で巣を見つけることがいかに難しいかを示している.
 新聞記事に,「列の真ん中辺りでハチを追い払うような動きが見えた。」と書かれており,こうした行動がハチを刺激し集団被害につながった可能性がある.


【スズメバチに18人が刺される  静岡県】
 11月8日午後0時40分頃,三島市の市立公園「楽寿園」で,遠足に来ていた幼稚園児18人がクロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 管理された公園でのクロスズメバチによる刺傷事例である.クロスズメバチは攻撃性があまり強くないので,付近への立ち入り禁止措置が取られていれば被害は発生しなかったと思われる.クロスズメバチは小さく目立たないが,それでも少し注意すれば,巣の発見は十分可能である.