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ファネルトラップ (FUNNEL TRAP) |
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ファネルトラップはフェロモンを利用してハスモンヨトウという蛾を誘引捕殺する目的で開発されたトラップです.現在は Agrisense BCS LTD. (イギリス)から輸入したものが販売されています.これをスズメバチ類の捕獲調査に転用しています. 構造は下右のようになっています.@ 吊りひも(緑色),A 笠(緑色),B フェロモンホルダー(赤色),C ファネル(緑色・最近のものは黄色),D 底部(半透明)の5つの部品からなり, 簡単に組み立てできます.ファネル上部の穴から底部に落下した昆虫は外へ逃げ出せないようになっています. 同じ形状のものが,ルアートラップFの名称で Biobest n.v (ベルギー)から輸入したものが販売されています. |
トラップは半日陰になるような場所の,高さ1m〜3m位の樹木の枝に吊しています.誘引剤には発酵糖液(乳酸飲料(カルピス)6に水4を加えて希釈したもの)を使用しています. トラップには発酵糖液を500ml入れます.そして1週間ごとに新しいものと取り替えています.以前は減少分だけ補充して使用していましたが,高温が続くと酸敗が進み,異臭がして捕獲効率が低下するようです.樹液のような誘因効果を期待する訳ですから,酒,酢,砂糖,ジュースなどを適宜ブレンドして使用する方法もあります. トラップは5月から11月まで連続して設置しています.3地点×4個の計8個設置してあり,1週間毎に中身を回収し記録します.最も捕獲数が多い調査地点では1トラップに100頭ものスズメバチが捕獲されることがあります.種類別ではオオスズメバチ,ヒメスズメバチ,モンスズメバチ,コガタスズメバチが多数捕獲されます.キイロスズメバチはほとんど入りません. 駆除のデータと比較すると,駆除件数が少ないオオスズメバチ,モンスズメバチ,ヒメスズメバチが多数入るのが特徴です.やはり樹液によく集まる種類ほど入りやすいようです.5月から6月にかけては越冬を終えた女王バチが,秋口には働きバチが入りますが,新女王バチはほとんど入りません.その他には少数ですがクロスズメバチ,アシナガバチ類,ドロバチ類,ミツバチも入ります. ハチ以外では鱗翅類(特に蛾が多い)が多数入ります.チョウではサトキマダラヒカゲやコジャノメ,ルリタテハ,アカタテハ,ゴマダラチョウなど樹液に集まる種類が良く入ります.それにクロコノマチョウが多数捕獲されたのが印象的でした.また,ハエも多数入りますし,夏季にはカナブンなども多数入ります.その他カブトムシ,クワガタなど樹液に集まる虫は何でも捕獲されます. |