Tinker, Tailor, Soldier, Sailor
Tinker, Tailor,
Soldier, Sailor,
Rich man, Poor man,
Beggarman, Thief.
いかけや したてや
へいたいさん ふなのり
おかねもち びんぼう
こじき どろぼう
【解説】
子供たちが花びらやサクランボのたねを使って自分の将来の職業を一人占いするときに歌われる唄。チョッキやカーディガンのボタンを使って占うこともあるという。
アメリカでは'Rich man, poor man, beggarman, thief. Doctor, lawyer, merchant, chief.'のほうが一般的である。鋳掛け屋や船乗りより、医者や弁護士のほうが現実的な職業なのだろう。
【日本では】
江戸末期の文献『尾張童遊集』(1831年)に、似たような発想の唄が収録されている。
徳、福、びんぼ、幸、びんぼ。 (竹のふしをかぞへる時)
幕末期の唄を集めた『時代子供うた』(1894年)にも、同じような唄がある。
徳、福、貧乏、金持、幸。 (着ている衣服の数を算へて)
また、名前の字数にあわせて「びんぼう、だいじん、おおだいじん」と言って占う唄もあるらしい。
To market, to market
To market, to market, to buy a fat pig,
Home again, home again, jiggety-jig;
To market, to market, to buy a fat hog,
Home again, home again, jiggety-jog.
いちばへ いちばへ ふとったぶた かいに
いえへ かえろう ジギティジッグ
いちばへ いちばへ ふとったぶた かいに
いえへ かえろう ジギティジョッグ
【語句】
pig 「くるっとしたしっぽのかわいい豚」。
hog 「成長した大きな豚」。
jig 早い動き。
jog ゆっくりした動き。(参)jogging
jiggety-jigとjiggety-jogは足どりを表わす擬態語
【解説】
子供をひざに乗せて遊ばせる遊ばせ唄。最初の2行には子豚のすばやいイメージ、あとの2行には大豚のゆっくりしたイメージがおりこまれている。
Tweedledum and Tweedledee
Tweedledum and Tweedledee
Agreed to have a battle,
For Tweedledum said Tweedledee
Had spoiled his nice new rattle.
Just then flew by a monstrous crow,
As big as a tar-barrel,
Which frightened both the heroes so,
They quite forgot their quarrel.
トゥイードゥルダムと トゥイードゥルディー
喧嘩することにした
トゥイードゥルダムが 言うには
「トゥイードゥルディーが まっさらのガラガラ こわしちゃった」
ちょうど 飛んできたのは
タールの樽くらい おっきなからす
いさましい二人も びっくりぎょうてん
喧嘩なんか すっかり忘れちゃった
【解説】
18世紀前期の作曲家のヘンデルとボノンチーニの対立をイギリスの詩人バイアラムが唄にしたのが、この唄のはじまりと言われている。
その唄は、'Strange all this difference should be/ Twixt tweedle-dum and tweedle-dee'(あら不思議 トゥイードゥルダムとトゥイードゥルディーが そんなにちがうとは)である。
音楽家同士の対立をTweedle というバイオリンの音色を使って表わしたのだろう。
TweedledumとTweedledeeは、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』第4章に登場してから有名になり、@よく似た者どうし A喧嘩早い人、というようなイメージで使われるようになった。
【覚えておこう】
「よく似ている」「うりふたつ」という表現は、英語では as like as two peas in a podと表現される。
Tweeduldum and Tweedledeeも「似た者どうし」という意味だが、「意見や考え方が似た二人」という意味のときもある。
Twinkle, twinkle, little star
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky.
きらきらひかる ちいさなほしよ
あなたは いったいなあに
おそらたかくで かがやく
ダイヤモンドみたい
【解説】
作者のはっきりしている唄。イギリスの女流詩人ジェイン・テイラーが、'The Star'(星)と題して1806年に『子供部屋のための詩集』に発表した唄である。
日本でも『きらきらぼし』という題でよく知られており、小学校の音楽の教科書にも載っている。モーツァルトもこの曲をもとにした変奏曲をかいている。
このマザーグースは、ビートルズの歌でも引用されている。
『不思議の国のアリス』の替え唄を始め、この唄には多くの替え唄が作られている。 原作の『不思議の国のアリス』ではいかれ帽子屋(The Mad Hatter)が歌っていた。この「こうもり」(The Bat)というのは、ルイス・キャロルの友人で同じオックスフォード大学の数学者であったBartholomew Priceのあだ名であったということだ。
不思議の国のアリス Alice in Wonderland(1951.US)
DORMOUSE:Twinkle, twinkle little bat,
How I wonder what you're at!
Up above the world you fly,
Like a tea-tray in the sky.
小ねずみ:きらきらひかるこうもりさん、
おまえはいったい何をしているの。
この世をはなれて高く舞い、
空を飛ぶお盆のように。