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He loves me, he don't,

He loves me,

He don't,

He'll have me,

He won't,

He would if he could,

But he can't

So he don't.

彼は私を 愛してる

愛してない

彼は私の 恋人になる

恋人にならない

彼はできれば そうしたい

でも そうできない

だから そうしない

【解説】

 恋占いの唄。女の子が好きな男の子のことを考えながら、ヒナギクの花びらなどを一枚ずつちぎりながら唄う。リンゴのしんに残ったタネを数えながら占うこともある。

この唄の2行目がHe doesn'tとなっていないのは、4行目のHe won'tと脚韻を踏ませるためであり、このような文法的破格をpoetic licence(詩的許容)と呼ぶ。

【日本では】

「すき、きらい、すき、きらい」と花びらをちぎりながら占ったりするが、おそらくこれは西洋から日本に入ってきた占いなのだろう。日本独自の恋占い唄は、わらべうたには見あたらなかった。

儒教が男女間の道徳観を強く支配した日本では、子供が恋占い唄を歌うことはあまりなかったのではないか。



Here we go round the mulberry bush 

Here we go round the mulberry bush,

The mulberry bush, the mulberry bush,

Here we go round the mulberry bush,

On a cold and frosty morning.

 

This is the way we wash our hands,

Wash our hands, wash our hands,

This is the way we wash our hands,

On a cold and frosty morning.

 

くわの木のまわりをまわろうよ

くわの木 くわの木

くわの木のまわりをまわろうよ

さむい霜の朝に

 

こんなふうに手をあらう

手をあらう 手をあらう

こんなふうに手をあらう

さむい霜の朝に 

【解説】

 輪遊び唄である。第1連を歌いながら手をつないで輪になって回り、第2連以下では歌詞にあわせて、手や服を洗ったり、歯をみがくジェスチャーをする。

ちなみに、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』にもこの唄が出てくる。アリスがトウィードルダムとトウィードルディーに出会い、3人で手をつないでぐるぐる回る場面だ。ただし、ディズニー映画『不思議の国のアリス』には出てこない。

【日本では】

よく似た遊び方をするのが次のわらべ唄。江戸時代から現代にいたるまで歌われている輪遊び唄で、唄の中に出てくるれんげとはハスの花のこと。ハスの花は極楽浄土を意味し、唄のように朝開き夕方にはつぼむ花である。 

ひらいた ひらいた

なんの花が ひらいた

れんげの花が ひらいた

ひらいたと おもったら

いつのまにか つぼんだ 


 

Hey diddle diddle 

Hey diddle diddle,

The cat and the fiddle,

The cow jumped over the moon;

The little dog laughed

To see such sport,

And the dish ran away with the spoon.

ヘイ ディドゥル ディドゥル

ねことヴァイオリン

雌牛が 月をとびこえた

これはおもしろいと

犬がわらった

おさらはおさじと かけおちだ

 

【語句】

Hey diddle diddle お囃子のようなもの。ヴァィオリンの音色とする説もある。

 北原白秋の訳「へっこら ひょっこら へっこらしょ」

 竹友藻風の訳「トチツルテン」

 谷川俊太郎の訳「えっさか ほいさ」

 和田誠の訳 「ぎこぎこ ごりん」

 石坂浩二の訳「ツーレロ ツーレロ」

fiddle 「ヴァイオリン」violinのくだけた言い方。

sport 「面白い光景」。 

【解説】

 とても有名なナンセンス唄。1569年の文献にこの唄への言及が見られるので、かなり古い唄ということがわかる。お皿やスプーンなどの食器の擬人化は、ディズニー映画の『美女と野獣』などでも見られたように、英語圏ではなじみ深いものである。 コルデコットのHey diddle diddle の絵本へ