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Hickory, dickory, dock 

Hickory, dickory, dock,

The mouse ran up the clock.

The clock struck one,

The mouse ran down,

Hickory, dickory, dock.

 

ヒコリ・ディコリ・ドック

ねずみ とけいをかけのぼった

とけいが1時をうった

ねずみ かけおりた

ヒコリ・ディコリ・ドック

 

【語句】

Hickory, dickory, dock 時計の振り子の擬声語だと言われている。

 北原白秋の訳「いっちく たっちく おうやおや」

 谷川俊太郎の訳「ちくたく ちくたく」

 和田誠の訳 「ちく たく ちく」

 石坂浩二の訳「コッチンコッチン 時をはかる」 

【解説】

 昔は鬼決め唄だったそうだが、今では遊ばせ唄として知られている。子供をひざに抱き、人さし指と中指を子供の足のほうから顔のほうへとはわせていく。The clock struck oneのところで子供の鼻をつまみ、また指をはわせて足のほうへ戻る、という遊び方だ。

 また、昔イギリス北西部で羊飼いが羊を数えるときに、8、9、10を"Hevera, Devera, Dick"と言っていたそうなので、もともとは数え唄だったのかもしれない。

【ちなみに】

時計を歌ったこの唄は、時計の振り子のリズムになっている。馬を歌った唄は馬が走るリズムといったように、内容にあったリズムとなるのもマザーグースの特徴である。 


 

How many miles to Babylon? 

How many miles to Babylon?

Three score miles and ten.

Can I get there by candle-light?

Yes, and back again.

If your heels are nimble and light,

You may get there by candle-light.

 

バビロンまで何マイル?

70マイルです

ロウソクともして行けますか?

はい 行って帰って来れます

足が速くて軽かったら

ロウソクともして行けますよ

 

【語句】

Babylon古代バビロニア帝国の首都で、華美の都と言われた。一方、Babylandが転化したものという解釈もある。いずれにせよ、「遠く神秘的な場所」といったイメージ。

Three score miles and ten 20×3+10=70 つまり70マイル。

この数は、人間の寿命をあらわすものとされている。

by candle-light 「ろうそくの明かりで」と「日暮れまでに」の両方の意味にとれる。また、ろうそく1本の長さが人間の寿命とすれば、「死ぬまでに」とも解釈できる。 

【解説】

 2つの質問とそれに対する答からなっている唄で、なにか禅問答を思い起こさせる唄だ。出てくる言葉も人間の生死を連想させるものが多い。

昭和40年代にNHKでやっていた「ひょっこりひょうたん島」で、How many miles to Bobylonが使われていた。これは、明らかに、この唄のパロディ。

「ナゾナゾ・ソング」

エイホホ エイホホ キ印キッドが言いました バビロンまでは何センチ?
ウ〜ウ〜ウ〜ウ
20センチに10センチ ロウソクともして行けますか 立派に行って戻れます
ウ〜ウ〜ウ〜ウ

ひょうたん山の 麓から 南風さえ吹いてれば 立派に行って戻れます
ウ〜ウ〜ウ〜ウ

エイホ エイホホ エイホ エイホホ ホ ホ ホ ホ ホ〜



How much wood would a woodchuck chuck? 

How much wood would a woodchuck chuck,

If a woodchuck could chuck wood?

He would chuck what wood a woodchuck could chuck,

If a woodchuck could chuck wood.

 

ウッドチャックが木を放り投げられるとしたら

何本の木を投げることができるだろう?

ウッドチャックが木を放り投げられるとしたら

あの子はウッドチャックと同じくらい木を投げるだろう

 

【語句】

woodchuck 「ウッドチャック」。アメリカ産マーモットのこと。

chuck 「ぽいと放り投げる」。 

【解説】

 早口言葉である。ウッドチャックが出てくるので、アメリカ生まれのマザーグースであろう。 

【日本では】

幕末期の唄を収録した『時代子供うた』(1894年)に、現在まで伝わる早口言葉がいくつか載っている。

 隣の客はよく柿を食ふ客だ。

 向ふの竹垣へなぜ竹立てかけた竹たてかけたさに竹立てかけた。

 赤巻紙に白巻紙白巻紙に赤巻紙。 

日本の早口言葉は、英語の早口言葉にくらべると短くてカ行のものが多いことがわかる。