シリーズA少年の孵化する音
この第2シリーズには、これでもかっていうほど(^^;)マザーグースが出てきます。
まず、コミック版3ページ、とびらのタイトルの下に、「ハンプティ・ダンプティ」の全詩が手書きで書かれています。イラストは、カインがまさに卵の中から孵化する場面。割れた卵とハンプティをかけているんですね。(Humpty Dumptyへ)
次に、85ページからはじまる「誰がこまどり殺したの?」は、マザーグース見立て殺人。
物語の最初で、子供たちがこのマザーグースを歌いながら「お葬式ごっこ」をします。そして、コマドリ役の少女が殺され、FLYが目隠しをして殺され、リネットがたいまつでなぐられ・・・と唄どおりに殺人事件が起こります。(Who killed Cock Robin?へ)
125ページから始まる「切り刻まれ食べられたミス・プディングの悲劇」でも、冒頭で、「アーサー王」の唄が歌われています。長い銀髪の殺人犯が殺人を犯した後、この唄を歌うのだから、かなりコワイです。(When good King Arthur ruled this landへ)
129ページでは、マリーが「リジーボーデン」と「だらしのない男」と「母さんが僕を殺した」の3つの唄を歌っています。この3つがマリーのお気に入りだというのだから・・・だいぶ恐ろしい系の唄ばかりですよね。
ちなみに、カインは小さい頃マザーグースを教えてもらっていないので、「2,3こしかわからん」とつぶやいています。
リジー・ボーデンの唄の項では、リジーの博物館とリンクしておきましたので、ぜひ、行ってみてくださいね。(Lizzie Bordenへ)
131ページのコラムによると、この物語のタイトル「切り刻まれ食べられたミス・プディングの悲劇」は、「切り刻まれ25人の紳士に食べられたA.アップルパイ氏の悲劇的な最後」のパロディということです。
171ページから始まる「捩れた童話」でも、「お母さんが僕を殺した」の唄が引用されています。この唄は、「グリム童話」の「ねずの木の話」が元になっています。